ショートストーリー投稿板 コメント一覧 (90ページ目)
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冒険者さん
4312014年11月29日 21:11 ID:qoh3dfk1「私の国は、ここから東の方角にあります。それより、皆さん宜しいのですか?」
「何がですか?」
「いえ、皆さんは大いなるルーンを探しているのでは?」
「今はまだ、導きがないので自由行動です」
「たまには好きに飛行島を動かしたくなるじゃない!!」
心配そうなマイに、アイリスとキャトラは笑いながら答える。
「それでしたら安心です」
しばらくすると、眼前に小さな村が現れる。
「あれが、私の国。故郷になります」
「意外に近かったわね」
「それじゃ、さっそく降りるわよー」
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シャロ×クラ
4302014年11月29日 21:02 ID:qoh3dfk1シャロン×クライヴの第七話です。
最近、六島よりも奈落やコンツェが楽しいです。
明日の昼の発表でチュンメイ当たるといいな♪
それでは第七話、宜しくお願いします!!
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冒険者さん
4292014年11月29日 16:07 ID:k5xqqmzk最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。
ちなみに話中でアンナとチェルシーが言っていたことは、彼女達が思って言ってたことであり、私の本音ではございません。…断じて。
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冒険者さん
4282014年11月29日 16:04 ID:k5xqqmzkア「ちょ…!あなた!何私を売っているんですの…て、ホントにこっち来たああああああっ!?ぎゃー!ぎゃー!!ぶ、ブリリアント・アンナビィィィム!!!!」
ロベルトによってMaxスピードになった状態でアンナに潰されたゴキブリは、その体液を飛ばす速度もMaxスピードであったとか。
この悲劇は、後に「Gの襲来」と名付けられ、セイクリッド家の黒歴史として刻み込まれることとなった。
以来、セイクリッド家の屋敷の至る所には、「ゴキブリ○イ○イ」が置かれるようになりましたとさ。
――おしまい――
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冒険者さん
4272014年11月29日 16:03 ID:k5xqqmzkア「な、なるほど…!確かにそれならいけそうですわ…!お願いします、あなただけが頼りですわ!キリマンジャロ!!」
キ「ロベルトだよ!まあ任せておきなって!…行くよ!」
―カッ!
ロ「Maxスピード!レディィィィィ!ゴォォォォォォ!!」
ア「………………」
チ「………………」
ロ「………あ、間違えてゴキブリにかけちゃった。てへっ」
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!
ア「ひいいいいいいいっ!!は、速い!速いですわああああっ!?」
チ「きゃああああああっ!!こ、こっち来ないでええええええっ!!行くならアンナ様の所に行ってえええええっ!!」
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冒険者さん
4262014年11月29日 16:02 ID:k5xqqmzkロ「ロベルトだよ!ゴキブリが駆除出来ないんだってね!僕が来たからにはもう安心さ!」
ア「何かいい手がございますの?ロウナジーニョ?」
ロ「ロベルトだよ!こんなこともあろうかと超強力殺虫剤、『ゴキブリコロリン』を開発しておいたのさ!これを奴に吹きかければイチコロさ!」
ア「…でも、当たらなければ意味がありませんわよね?奴の動きは素早いですわよ、ロッポンギヒルズ」
ロ「ロベルトだよ!忘れたのかい?僕には『クロノブースター』がある!奴に追いつくことなんて簡単なのさ!」
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冒険者さん
4252014年11月29日 16:01 ID:k5xqqmzkチ「凄いですねアンナ様。技名を言ってないのにジュリア様が何をなさろうとしたのかお分かりになるなんて」
ア「あの子が飛び上がったら何をするのかくらい分かりますわ。フォースターの時の対戦で、あのモーションでこっちのスキルが華麗に避けられた時には少しイラっとしましたわ」
イ「まあ、それは置いておくとして…どうしましょうかね?ゴキブリ」
ア「ええ…。どうしましょう…」
…ザッ
ロベルト「困っているようだね!二人とも!!」
ア「あ、あなたは―ロバート!?」
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冒険者さん
4242014年11月29日 15:59 ID:k5xqqmzkア「ええ、分かったからあまり近寄らないでくださいます?気持ち悪いですわ」
ジ「くくくっ…!この衣装の魅力によって、ゴキブリをシビれさせてあげる!!」
―カッ!
ジ「くらえっ!『メガボルトランス』!!」
ササッ
ゴキブリは華麗に避けた!
ばちぃぃぃぃん!
アンナのぬいぐるみ(ビーチタートル)は黒焦げになった!!
ア「………………」
チ「………………」
ジ「………は…ハチミツ!フル―」
ア「ブリリアント・アンナビィーム!!」
ジ「ぱうだああああああああああああぁ!?」
ひゅううぅー…
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冒険者さん
4232014年11月29日 15:58 ID:k5xqqmzkチ「ひいいいいっ!落ち着いてアンナ様!!キャラが崩壊していますううっ!!アンナ様は今でも十分お強いのでございますうううっ!!」
…ザッ
ジュリア「情けないねアンナ!!これがセイクリッドのお嬢様の実力なの!?」
ア「そ…その声はまさかジュリア!!…て、なんですの?その格好…?」
ジ「ふふふっ…!私の衣装の一つ、超G(グレート)装甲だ!」
ア「いや、ただのゴキブリコスですわよね?」
ジ「分かってないねアンナ!こうしてゴキブリと同じ姿になり、ゴキブリと同じ思考になることにより、ゴキブリの動きをより読みやすくなることが出来るんだよ!」
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冒険者さん
4222014年11月29日 15:57 ID:k5xqqmzkイ「………ほ、葬ってくれるッ!!!!『グラン・クライ―』」
ア「ブリリアント・アンナビィーム!!」
イ「があああっ!」
ひゅううぅー…
ア「あ、危なかったですわ…」
チ「そうですね。あのままだったらきっとアンナ様のぬいぐるみというぬいぐるみが串刺しになっていたでしょうね」
ア「というか家具とかならまだしも、何でわたくしのぬいぐるみコレクションばかり狙われるんですのよおおおっ!!わたくしの可愛さ補給源がああっ!!嫌がらせか!?嫌がらせなのか!?属性攻撃が無いせいで地味に置いていかれがちになってるわたくしをいじめて、そんなに楽しいかあああああっ!?」
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冒険者さん
4212014年11月29日 15:55 ID:k5xqqmzk…ザッ
イリア「失望したぞ、セイクリッド家。まさか虫けら一匹ごときでそこまで手こずるとはな」
ア「イ、イリアッ!!」
イ「ここは私が仕留める。貴様らは引っ込んでいろ」
ア「…言っておきますけど、葬っちゃだめですのよ?なるべく穏便に、ですのよ?」
イ「分かっている。私を誰だと思っているのだ。この『ストライクジャベリン』で、潰すことなく奴を串刺しにしてみせる」
―カッ!
イ「くらええええッ!!」
ササッ
ゴキブリは華麗に避けた!
ドスッ!
アンナのぬいぐるみ(コモドドラゴン)は串刺しになった!!
ア「………………」
チ「………………」
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冒険者さん
4202014年11月29日 15:54 ID:k5xqqmzkア「お止めなさいチェルシー。あなたこの前その技でわたくしの、金でできた巨大ぬいぐるみ(星たぬきゴールド)を粉々に粉砕してましたわよね?」
チ「アンナ様。それは最早ぬいぐるみとは呼びません。銅像…いえ、金像とでもお呼びした方がよろしいかと」
ア「だあああああッ!!そんなことはどうでもいいんですのよおおおおおッ!!どうするんですのよあれええええッ!!キショいですわ!可愛くないと嫌ですわあああああッ!!」
チ「ア、アンナ様ー!!お気を確かにー!!」
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冒険者さん
4192014年11月29日 15:54 ID:k5xqqmzkア「……ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇるぅぅぅぅぅぅぅぅしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?」
チ「ひ、ひいいいいいいいいいいぃ!!ご、ごめんなさいいいぃ!!アンナ様あああああぁ!!『メガランス』系は当たりにくいのですうううぅ!!もっと範囲広げろ運営!なのですうううぅ!!」
ア「何を訳の分からないことを言っておりますのよー!!…はあ、でも確かにあのゴキブリの俊敏な動き、凄まじいですわね…。あれは『ハチ種』以上のものを感じますわ…」
チ「…か、かくなる上は、我が最終奥義『地獄走り・荒早瀬』の高速追尾で…!」
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冒険者さん
4182014年11月29日 15:52 ID:k5xqqmzkチ「ここは私の奥義の一つ、『メガアイスランス』の出番ですっ!奴を氷漬けにして、閉じ込めてしまいましょう!!」
ア「おお!確かにそれは素晴らしい作戦ですわ!早速お願いしますわ、チェルシー!!」
チ「はい!分かりました!いきますよ…。『メガアイスランス』!!」
ササッ
ゴキブリは華麗に避けた!
ばきぃぃぃぃん!!
アンナのぬいぐるみ(木星たぬき)は氷漬けになった!!
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冒険者さん
4172014年11月29日 15:51 ID:k5xqqmzkチ「い、いけませんアンナ様!!ゴキブリの真の恐怖は、『潰すとそのおぞましい体液がまき散らされる』ということでございますうううぅ!!そのようなことをすれば、アンナ様の部屋が一瞬で地獄絵図へと早変わりしてしまいますうううぅ!!」
ア「な…!?そ、それは嫌ですわ…!何かいい手はございませんの…!?」
チ「一番よろしいのは、『潰さずに捕える』ということかと!」
ア「うーん、でもそんなのどうすれば…」
チ「…分かりました。これもアンナ様のため!ここは私にお任せくださいっ!」
ア「何か妙案がございますの?」
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冒険者さん
4162014年11月29日 15:51 ID:k5xqqmzkア「ゴキブリ…?なんですの?それは?」
チ「あの…アンナ様のベッドの下で這い回っている黒い悪魔のことでございますうううううぅ!!」
カサカサ…
ア「え…?まさか、あの…ダグラスがいつも持っているやつみたいな形の「ニャアアアアアアアアアアアアアッ!!」うるさいですわね!!この繁殖力もG並み野郎!……う、確かに気持ち悪いですわ。可愛くないですわ…」
チ「うう…。私、ゴキブリだけはダメなんですぅ…」
ア「し…仕方がありませんわね…。ここはわたくしの『戦神逆鱗』で、一撃で仕留めてみせますわ…!」
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冒険者さん
4152014年11月29日 15:50 ID:k5xqqmzk『激突!ブリリアント家VS黒き偉大なるG』
チェルシー「ふう…。今日はアンナ様の部屋のお掃除…。この前はアンナ様の大事なぬいぐるみ(星たぬき)をうっかり破裂させて怒られちゃったから、今度こそ失敗しませんように…!」
ガチャッ
チ「よおし…!お掃除頑張りますっ!」
カサカサ…
チ「へ…?…い、いやああああああああああああああああああああッ!!!?」
アンナ「ど、どうしましたの!?チェルシー!?」
チ「ひいいいいいッ!ご…ごき…ゴキゴキゴキゴキ…ゴキブリイイイイイイイイイイッ!!」
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れ、連投…。ごめんなさい
4142014年11月29日 15:49 ID:k5xqqmzk重い話ばっかというのもあれなんで、ギャグストーリー風のものでも。
今回は、セイクリッド家のほのぼのとした日常(?)です。
とりあえず、アンナをぶっ壊してしまいました。アンナファンの方は大変申し訳ございません。
ちなみに私はチェルシー派です。
では、始めます。
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冒険者さん
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冒険者さん
4122014年11月29日 11:09 ID:k5xqqmzk前回に引き続き、またコメントありがとうございます。また涙腺を崩していただいたことにも感謝です。ネタが思いつき次第、また書こうかと思います
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冒険者さん
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冒険者さん
4102014年11月29日 00:35 ID:k5xqqmzk返信ありがとうございます。そう言っていただけるとこちらとしても大変嬉しく思います。また機会があれば書いてみたいと思います。
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冒険者さん
4092014年11月29日 00:31 ID:qoh3dfk1凄い良かったです!!
てか、このままイリア思い出話エピローグでもいいんじゃないかと思いましたw
SS板過疎ってるんで、また書いてください!!
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冒険者さん
4082014年11月29日 00:26 ID:k5xqqmzkあれ…段落開け出来てない…!?改行も少し変なところが…。
読みづらくなって申し訳ありません。
最後まで読んで頂いた方、本当にありがとうございました。
(ちなみにイリアの武器の名前は、私の個人の解釈であり、公式のものではございません。ご了承ください)
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冒険者さん
4072014年11月29日 00:22 ID:k5xqqmzkあとはお互い曇り空を眺め、他愛のない話をする。
そうしてしばらくすると…。
「わあ…見て下さい、イリアさん。雲が…」
いつの間にか空を覆っていた厚い雲が薄れ、夜空が顔を出した。
闇よりも深く、それでいてどこまでも美しい黒。
そこにいくつも散りばめられている、宝石のように輝く星々。
「綺麗な夜空…」
隣で、アイリスが感嘆の声を漏らす。
「まるで、イリアさんみたい」
――おしまい――
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冒険者さん
4062014年11月29日 00:20 ID:k5xqqmzk「問題ない。例えこの先どれだけ敵の攻撃が苛烈になろうとも、私はこの槍を振るい、敵を葬る。ただそれだけだ」
私は守ってもみせる。飛行島の皆を。
私の仲間を。
「私の命を救った代償は大きいぞ。私に最後まで見届けさせてもらう」
あの夜に誓って。
「この世界の果てまで、な」
「…イリアさん」
アイリスは再び笑顔に戻った。
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冒険者さん
4052014年11月29日 00:20 ID:k5xqqmzk前まではあれほど聞こえていた虫の鳴き声も今はあまり聞こえなくなり、時折冷たい風が木々を揺らす。もう冬も近いのだろうか。
「もし…」
アイリスがポツリと漏らす。その横顔は不安そうだった。
「もし、また『闇』からの攻撃があっても、その時もまた私達は無事でいられるでしょうか。私達はこれからも、冒険を続けていけるのでしょうか…」
「…………」
その通りだ。
奴らの攻撃がこれで終わるとも思えない。
いつ、どんな手でこの飛行島を、アイリスを狙ってくるかも分からない。
だが、それでも…。
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冒険者さん
4042014年11月29日 00:17 ID:k5xqqmzk日が暮れた頃、私はまたいつものようにあの木の下にいる。
だが、今日は顔をしかめるしかなかった。
雲が夜空を覆い隠していたのだ。
木の後ろから、ひょっこりと白髪の少女が顔を出す。
「イリアさん」
「…また来たのか」
アイリスがこの時間帯にここに来るのももう日課になっていた。
「だが残念だったな。今日は、星は見えないぞ」
「それでもいいです。イリアさんとお話出来れば。…ケガ、もう大丈夫なんですか?」
「…あれほど手厚く看護されれば、治らない傷も治る」
「ふふっ。良かった」
「……………」
沈黙。
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冒険者さん
4032014年11月29日 00:14 ID:k5xqqmzk…私は、もうとっくに手にしていたんだ。私が一番欲しかったもの。憎悪に焼かれそうになりながらも、ずっと願って止まなかったもの。
「イリア…!良かった…!良かった…!!」
「早く回復魔法を…!魔道士はみんな、ありったけの魔力を出して!」
…全く。
私は、なんと幸せ者なのだろう。
私の心の闇は、皆一人一人の強く温かい光によって、いつの間にか消えていた。
(ありがとう。飛行島の皆。本当に…)
「闇」の襲撃からしばらくたった。あれからはもう敵からの攻撃はない。
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冒険者さん
4022014年11月29日 00:13 ID:k5xqqmzkこんな私のために、悲しんでくれるというのか?
なぜ…そんな…。
「だからお願い、死なないで…!イリアさん…!!」
……………。
ある時は使命のために命を賭し、ある時は憎み憎まれながら生きてきた。
ほんの気まぐれで立ち寄ったこの飛行島。
そこでは、皆私を笑顔で迎えてくれた。
「おい!いたぞ!!あそこだ!」
「アイリスも、イリアも無事だ!待ってろよ!今そっちにいくからな!!」
皆が私達を見つけ、必死で駆け寄ってくる。
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冒険者さん
4012014年11月29日 00:11 ID:k5xqqmzk「もしお前に何かあればあいつらはどうなる…!お前はあいつらを悲しませたいのか…!あいつらは…お前の仲間じゃないのか…!?」
「何を言っているんですか!!イリアさんだって、私達の大切な仲間じゃないですか!!」
アイリスの言葉に、私は言葉を失った。
「イリアさんのおかげで、私達は楽しく過ごせた。イリアさんのおかげで、私達は冒険を続けることが出来た。イリアさんは私達のかけがえのない仲間です!そのイリアさんがいなくなったら、みんなきっと悲しみます。私も…悲しい…!」
彼女は何を言っているのだろう。
こんな不愛想で、協調性も無くて、冷酷な私を、仲間だと認めてくれるのか?
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冒険者さん
4002014年11月29日 00:10 ID:k5xqqmzk「私は…どうして…生きて…」
「私が回復魔法を唱えました!でもさっきの『詠唱』でほとんど魔力を使って、満足に回復は出来ていません!待っていてください!今からみんなの元へ…きゃ!」
アイリスは私を担ぎ上げようとしたが、すぐにその場に崩れ落ちてしまう。
「よせ…!お前も魔力を使い果たしてフラフラじゃないか…!まだこの飛行島には魔物が残っているかもしれない。今魔物に襲われれば、お前も助からないんだぞ…!私のことなど捨て置いて、お前だけでも早くあいつらと合流しろ…!」
だがアイリスは聞かない。再び私に肩を貸し、懸命に前へ進みだそうとする。
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冒険者さん
3992014年11月29日 00:08 ID:k5xqqmzk(これで…私は…やっと……)
…………………………?
意識が、ある。
微かにだが、確かに。
助かる傷ではない。このままいけば私は死んだはずだ。
ではなぜ…?
徐々に意識が覚醒していく。まずぼんやりと人の影が見え始めた。
そして聞こえてくる。誰かの…私を呼ぶ声?
そこにいるのは、一体…。
「…リア…ん…。…イリアさん…。…イリアさんッ!!しっかりしてッ!!」
「…アイ…リス…」
そこには、泣きながら懸命に私に呼びかける少女がいた。
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冒険者さん
3982014年11月29日 00:06 ID:k5xqqmzk長い夜が、明けた。
美しい、私の心まで照らし出してくれそうなほどの温かい光。
それはかつて絶望の淵にいた私に、アイリス達が見せてくれた光によく似ていた。
そうだ、私はこの光に救われたのだ。
腕を震わせながら持ち上げ、その光に手を掲げる。
いつ報いを受けて死んでもおかしくはなかった。
見知らぬ誰かに殺されてもおかしくはなかった。
それでも私は思う。死ぬ前に…彼女達に出会えて本当に良かったと。
(ありがとう、アイリス、キャトラ、―――、島の皆…)
意識が遠のいていく。
持ち上げた腕も力なく落ちる。
最後に一筋の涙を零し、その目を 安らかに閉じていった。
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冒険者さん
3972014年11月29日 00:05 ID:k5xqqmzkズズン…と振動が起こる。
そして、飛行島が浮遊を始めた。
「詠唱」を無事に終えたのだ。
(やったのか…アイリス…)
これで飛行島は救われた。
皆を守ることが出来た。今の私でも。
これで、もう何も思い残すことはない。
今まで色々なことがあった。裏切られ、私は憎悪に押しつぶされていたこともあった。いい生涯だったとは決して言えなかった。
それでも、最後に私は騎士として誰かのために戦うことが出来た。
これ程嬉しいことはない。
ほとんど見えなくなってきた目に、不意に光が差し込んだ。
ゆっくりと顔を上げて見ると、大海原の彼方の地平線――そこから朝日が立ち昇っている。
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冒険者さん
3962014年11月29日 00:03 ID:k5xqqmzk立っているのは私だけ。魔物は全て消滅していた。
「うっ…」
視界がぶれ、近くにあった岩に崩れ落ちるようにもたれかかる。
私自身もひどい有様だった。
黒い鎧はボロボロで、体はもう満足に動かない。
これはもう…長くはもたない。
だが、私は満足していた。
裏切りによって殺されたのではない。
守りたいもののために戦い抜き、死ねるのだから。
それは、騎士として何と誇り高き最期であろうか。
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冒険者さん
3952014年11月29日 00:01 ID:k5xqqmzk私は今一度、「騎士」に戻ろう。
全てを憎み、全てを滅ぼす孤高の騎士にではない。
大切なもののために戦い抜き、守り抜く、誇り高き騎士にだ。
「来たな、魔物共」
敵の軍勢を前に、威圧するように言い放つ。
魔物達は少し怯んだように見えた。
「私は誓いの黒槍騎士、イリア・ノクターンだ。この飛行島を、アイリス達を守るために―」
私は戦う。もう一度、信じることの出来たもののために。私が再び取り戻すことの出来たもののために。
私の誇りに賭けて。
「―貴様らを全て、ここで葬ってくれるッ!!」
流れる血で見えにくくなった視界で、辺りを見渡す。
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冒険者さん
3942014年11月29日 00:00 ID:k5xqqmzk「忘れたのか?私は今まで幾つもの苛烈な戦場を潜り抜けてきた。この程度、私には造作もない」
「でも…!」
「だから、早くいけ。アイリス。もう時間がない。この飛行島を、お前が救え。あいつらを、お前の手で守るんだ。…さあ、早く…!!」
アイリスは泣き出しそうな顔で逡巡していたが、やがて表情を引き締めると、遺跡の中へと走り出していった。
「…………」
そうだ。これでいい。
身の丈以上もある巨大な黒槍を持ち上げ、構える。
「黒き終焉」ブラックエンド。
…いや、もう名を変えた。
その名は――「夜の烈火」ノックスルージュ。
ずっと私と共にあった、唯一にして最強の私の武器。
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冒険者さん
3932014年11月28日 23:58 ID:k5xqqmzk私はそれを手で制した。
「お前の魔力は、『詠唱』のためにとっておけ。余計なことに使おうとするな」
「イリアさん…」
眉を下げたアイリスは、しかしすぐにその表情を凍り付かせた。
アイリスの凝視する方を見、私もまた何も言えなくなった。
魔物達がこちらに向かって来ている。しかもその数が尋常ではない。二百体は優に超えている。
…敵にも、こちらの思惑が気取られていたのだろう。
奴らは全力でアイリスを殺すつもりだ。
「…行け。アイリス」
「そんな…!こんな数、いくらなんでもイリアさんでも無理です!それじゃあ、イリアさんが…!」
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冒険者さん
3922014年11月28日 23:57 ID:k5xqqmzk「あ、ああ…」
私はアイリスの手を取った。
「行くぞ、アイリス。あまり時間はない」
「は、はい…!」
私達が深い闇の中へ駆けだした時、後ろの方で声が聞こえた。
「白の巫女殿のこと、頼みましたぞ…。イリア殿…!」
魔物を倒しながらアイリスを守り、遺跡の入り口までたどり着く。祭壇まであと少しだ。
「大丈夫ですか?イリアさん。さっき魔物の攻撃を食らってしまったところは…」
「…心配するな。ただのかすり傷だ」
血の流れる腕を隠しながらアイリスにそう言う。
「待っていて下さい。今、回復魔法を…!」
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冒険者さん
3912014年11月28日 23:56 ID:k5xqqmzk「お待ちくだされ!!お忘れなのですか!?奴らの狙いは貴女様なのですぞ!今貴女一人で向かっては、ますます敵の思うつぼでございます…!」
「でも、このままじゃみんなが…!」
「私が一緒に行こう」
二人の話に割って入った私を、アイリスとバロンは驚きの表情で見ていた。
「私がアイリスと共に行く。私が迫ってくる敵をなぎ倒している間に、アイリスが『詠唱』を終わらせる。…これで問題はなかろう、バロン?」
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冒険者さん
3902014年11月28日 23:55 ID:k5xqqmzkバロンは目を伏せた。
「…一つだけ。恐らく、あの黒き矢はこの飛行島の機能を止めるためのものだったのでしょう。この島に墜落させるために。現に魔物共は全てこの島から湧き出て、飛行島に攻め込んできております…。つまり再び飛行島を起動させ、この島から離れればよいのです。そうすれば、敵の援軍を絶つことが出来るでしょう。飛行島の中にある遺跡の祭壇に行き、白の巫女殿が『詠唱』をなされば、この飛行島は再び動き出すかと…」
「分かりました!すぐに行きますっ!」
急いで駆けだそうとするアイリスを、だがバロンは止めた。
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冒険者さん
3892014年11月28日 23:53 ID:k5xqqmzk「闇」についての話は私も聞いている。
奴らの狙いは確か大いなるルーンと…アイリスの命。
「はあッ!!」
黒槍を振るい、魔物共を蹴散らす。この場にいたものは全て倒したが、またすぐに湧いてくるのだろう。…キリがない。
「白の巫女殿ッ…!」
「バロンさん…!?」
金の鬣の獣人、バロンがこちらに向かってきた。
「ご無事でございましたか…」
「バロンさんの方こそ…。他の皆さんは?」
「今もなお、街の方で魔物と戦っております。―――(主人公の名前)達もそちらに。ですが敵の数が多すぎますゆえに…そう長くはもたないかと…」
「そんな…!何とかならないんですか…!?」
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冒険者さん
3882014年11月28日 23:52 ID:k5xqqmzkアイリスを抱え、木にしがみつきながら島の淵を見ると、島の側面にあの黒い矢が突き刺さっていた。
「これは…まさか…」
隣でアイリスが呆然と呟く。
「『闇』からの襲撃…!?」
飛行島内はパニックに陥っていた。
黒い矢を受けた飛行島は、そのまま近くの小さな島に墜落した。
だがその島には待ち伏せしていたかのように大量の魔物が潜んでおり、一気にこの飛行島に攻め込んできたのだ。
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冒険者さん
3872014年11月28日 23:51 ID:k5xqqmzk広大な大海原の上を、何かがこの飛行島へ凄まじい速度で接近してきている。
黒い影の飛行物体。
それは、巨大な黒い矢とでも言うべきものだった。
禍々しい闇を吐き散らしながらこちらに向かってくる。
「まずい…伏せろっ!!」
「きゃ……!」
アイリスを庇うように彼女に覆いかぶさった瞬間、飛行島が大きく揺れた。
そして、急に体の抵抗が無くなったかのように軽くなり、私は再び言葉を失う。
これは…飛行島が落ちている…!
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冒険者さん
3862014年11月28日 23:50 ID:k5xqqmzk「もう一度だけ、信じてみる…と」
「イリアさん…」
アイリスは嬉しそうに微笑む。
見ているとこっちが少し恥ずかしくなってきて、私はその笑顔から目を逸らした。
「…そろそろ戻るか。いい加減空腹も覚えてきたしな」
「そうですね。今回の夕飯、私が作ったんですよ。イリアさんもぜひ味わって食べてくださいね」
「…そうか。それは楽しみだな」
そう言いながら立ち上がろうとした時…。
私の本能が何かを感じ取った。
「……………!」
瞬時に振り向き、絶句する。
「なんだ…あれは…?」
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冒険者さん
3852014年11月28日 23:49 ID:k5xqqmzkアイリス達には私の過去を話している。裏切られ、捨てられた私の憎悪の全てを。
誰も寄せ付けぬ黒い深き闇を。
「心配するな。言っただろう」
それでも、それを聞いた上で、彼女達は私に憎む以外の道を与えてくれた。
上辺だけの言葉でではない。私の心に直接響いた、彼女達の気持ちの光によって。
その光は、何も見えなかった私の闇を微かに照らす灯となってくれた。憎悪に縛られていた私の心を温かく溶かしてくれた。
私はきっと、あの光に助けられたのだ。
だからこそ、私は…。
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冒険者さん
3842014年11月28日 23:48 ID:k5xqqmzkそれからしばらく沈黙が続いたが、やがて言葉を漏らしたのは私の方だった。
「…昔も、よくこうやって主君と並んで星を見ていた。城の上で、二人きりで。あの時の星空も綺麗だった…」
口にした途端、私の心の奥底で少しだけ痛みを覚えた。
今でもあの日々は昨日のことのように鮮明に覚えている。
主君の言葉、柔らかな微笑み、私の誇り。
私にとっては、この思い出こそが全てであった。
主君と過ごしたこの記憶が。
…だがあの日を境に、この思い出は私の心を縛る楔へと変わってしまった。
「…………」
アイリスは少しだけ表情を曇らせた。
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冒険者さん
3832014年11月28日 23:46 ID:k5xqqmzk「そうか。もうそんな時間か。…だが今はいい。もう少ししてから行く」
「…星を見ていたんですか?」
「ああ。倒す魔物がいない以上、こうしてじっとしているしかないからな。今日はたまたま星が綺麗だったから見入っていただけだ。」
「ふふっ。意外とロマンチックなんですね、イリアさん」
一瞬言葉に詰まってしまう。
「う、うるさいぞ。お前も早く飯を済ませてきたらどうだ?」
「いいえ、私ももう少しここにいます。私もイリアさんとこの星空を見たいです」
「…勝手にしろ」
そう言うと、アイリスはにっこりと笑って私の隣に腰かけた。
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冒険者さん
3822014年11月28日 23:44 ID:k5xqqmzk『夜空の騎士の誓い』
日は既に落ち、辺りはもう暗くなっていた。
私は一人、飛行島の街の外れにある木に寄りかかってぼんやりと空を眺めている。
飛行島の上から眺める星空は地上で見るよりも綺麗に感じた。
天により近いこの場所では、星の見え方というものも変わってくるのだろうか。
「イリアさん」
声をかけられた方を振り向くと、そこには白い髪の少女が立っていた。
「…お前か、アイリス。私に何の用だ?」
「いえ、夕飯の用意が出来たのでみんなを呼びに回っていたんですが、イリアさんだけ見つからなかったので…。ここにいたんですね」