ダージ・思い出

ダージの思い出とボイス

思い出1

？？？

いよっ、邪魔するぜぃ。

キャトラ

どなたさま？

ダージ

ダージっつうもんよ。

まァいわゆる傭兵ってやつだ。

ヤバイ仕事は大抵お任せってもんよ。

ダージ

ムカつくやつを刻みたいなら、

手を貸してやるぜ？

キャトラ

ヤバい仕事ってのが気になるけど、

戦力は多い方がいいわね。

アイリス

よろしくお願いします。

ダージさん。

キャトラ

ところでアンタ、

両手に武器もってるけど、

そんなんで戦えるの？

ダージ

この俺がトーシローに見えんのか？

このおしゃべりニャン公め。

ダージ

マヌケ野郎のムカつく面を

刻んでやるにゃー、

コイツが一番なんだよ。

ダージ

なんかムカついてきたな。

キャトラ

怒りっぽい奴ね？

ダージ

……ああ、マジでムカついてきた。

おめーら、なんかヤバい仕事

知らねーか。

ダージ

今すぐ誰かを刻んでやらなきゃ、

気が済まねえ！

キャトラ

なにこの人。

ダージ

あーでも仕事すんの

面倒くせえな……

キャトラ

ほへ？

ダージ

契約書書いたり、

報酬の交渉したり、

依頼人の身辺調査したり、

ダージ

すげー面倒だよな……

キャトラ

傭兵ってそういうのあるのね？

アイリス

契約とか、

しっかりされてるんですね。

ダージ

傭兵にもいろいろあるのよ。

俺はどっちかっつーと

専門職だからなぁ。

キャトラ

専門職？

ダージ

なんか、忍び込んだりとかする系よ。

まあ俺、生まれは忍者だからな。

おあつらえむきってやつだ。

アイリス

忍者さんなんですね？

キャトラ

忍者むいてなさそうね、アンタ……

すぐムカつくし怠け者だし。

ダージ

そういわれると

ムカついてきたな。

でもめんどくせー。

キャトラ

怠けるかムカつくか、

どっちかにしなさいよ！

思い出2

ダージ

ニャン公、でっけえ雲だなあ。

キャトラ

そうねえ。

ダージ

本当にでっけえ雲だ……

なんだかムカついてきたぞ。

キャトラ

ところでアンタ、服が焦げてるけど

どーしたのよ。

ダージ

仕事でドジってよ。

まー、替えがあるから

いいけどな。

アイリス

危ないお仕事なんですね。

ダージ

ラクではあるけどな。

ムカつくやつを刻むのは

気が晴れるしよ。

キャトラ

アタシは楽でも焦げたくないわ。

もっと堅実な仕事をしたら？

ダージ

おーきなお世話だニャン公。

あー、ムカついてきたぞ！

キャトラ

落ち着きなさい。

いいトシなんだから。

ダージ

なんで俺がいいトシって

わかるんだよ！

キャトラ

見りゃわかるわ！

もっと若い子でも、

もーちょっとシッカリしてるわよ！

ダージ

うるせーニャン公だな、畜生！

ダージ

あーん、なに見てんだよ

赤ぼーず。

ダージは、服の下に

包帯を巻いている。

アイリス

……その傷、大丈夫なんですか？

ダージ

ああ、この程度すぐ治らあな。

キャトラ

アンタの実力で怪我なんて、

らしくないわね。

ダージ

ちょっとムカついてな。

丁寧にやりすぎちまったぜ。

キャトラ

ふだんはずっと

ダラダラしてるのに。

ダージ

ケッ、うるせーや。

標的の勝ち誇ったツラを見て、

プロ意識がうずいたのよ。

ダージの鼻先に、モンシロチョウが

飛来した。

ダージ

あー、なんだ聞いてたのか半人前。

ケッ、こんな傷大したこと

ねーっての。

キャトラ

ダージがチョウチョと話してる？

ダージ

はっ？里に戻ってこい？

だいたい俺は食客だろ。

どこへ行こうと勝手じゃねえか。

ダージ

うっせーこのモンシロ女！

掟がきゅうくつなくらいで

俺が里を抜けるか！

キャトラ

えーと、その蝶々、

知り合いなの？

ダージ

こいつは、俺の後輩がよこした

『忍蝶』だ。そいつはこの忍蝶を

通じて離れた相手と会話ができる。

キャトラ

……なるほどねえ。ところでアンタ、

後輩なんているのね。意外だわ。

ダージ

そうだな。俺も意外だ。抜け忍の

俺を受け入れる奴らがいるとは

思わなかったぜ。

キャトラ

抜け忍？なにそれ？

ダージ

組織を抜けた忍者だ。

俺は一度ある組織を抜けて、

今の後輩のいる組織に入った。

ダージ

まー今の組織はヒマなんで、

ソロで仕事うけてることが

多いんだがなあ。

アイリス

そうだったんですね。

ダージ

ま、考えて見りゃ、おかしな話だな。

俺がもーいちど忍者を

やるなんてよ……

思い出3

ダージ

ふーむ、ナカナカ

いい出来じゃねえか。

ダージ

赤ぼーずに

こんな特技があるとは……

ダージ

ムカついてきたな。

キャトラ

なにしてるの？

ダージ

おお、ニャン公にお嬢ちゃん。

アイリス

それ、釣竿ですね。

主人公が作ったの？

キャトラ

釣りするわけ？

ダージ

大人のレジャーってやつよ。

こーみえて俺は

根気があるからな。

キャトラ

アンタほど根気のない男、

珍しいと思うけど。

ダージ

わかってねーな。

ニャン公よ。

ダージ

この前メシ屋に入った時も、

出されたメシが延々

出てこなかったが……

ダージ

それでも俺は黙って、

ジーッと……メシを

待ってたくらいなんだぜ？

アイリス

偉いですね、ダージさん。

キャトラ

アイリス、偉くないわ。

ダージ

俺は待った、

待ち続けた！

メシが来るのを！

ダージ

息を殺しながら！

耳をそばだてながら！

目を血マナコにしながら！

ダージ

ああもうムカついてきた！

思い出しムカつきだ畜生！

キャトラ

やっぱり根気ないじゃん！

ダージ

だが、物音ひとつ

立てなかったぜ！

キャトラ

ご飯屋さんで静かにしてるのは、

普通でしょ！

大人のマナーよ！

ダージ

クソーあのメシ屋め！

今度いったら天丼の上を

頼んでやる！

アイリス

気に入ったんですね。

そのお店。

キャトラ

ともかくアンタ、

釣りはむいてないわよ。

ダージ

フン。見てやがれ、大物を

つってやっからよ！

キャトラ

ハイハイ、期待せずに

待ってるわ。

ダージ

……それにしても、海ってのは

デッケエな……

ダージ

ムカついてきたぞ。

思い出4

キャトラ

アラ、またごろごろしてるのね

ダー公。

ダージ

何がダー公だ、このニャン公。

キャトラ

フン。アンタがいいだしたんでしょ。

ダージ

ニャン公をニャン公といって

なーにが悪いんだよっ！

アイリス

ムカついてきた……

ですか？

ダージ

嬢ちゃんに先をとられた！？

キャトラ

アンタはワンパターンなのよ。

いつもムカついてるじゃない。

ダージ

あー、そうだなぁ。

キャトラ

大人なんだから

もーちょっと落ち着きなさい。

ダージ

まー落ち着いたほーが

いーかもしれんがよ。

ダージ

俺にとっちゃあ

ムカつくってのは

結構大事なことなのよ。

ダージ

たとえばお日様が照っていると

すらーな。

キャトラ

たとえるまでもなく

照ってるわね。

アイリス

いい天気ですもんね。

ダージ

お日様ってやつは、

まぶしくてあったけえ。

普通はそう思うかもな。

ダージ

だが俺はそれがムカつくんだよ！

ダージ

何がお日様だ！

どうして様づけなんだ畜生！

ダージ

ってな。

キャトラ

面倒なやつねぇ。

ダージ

ムカつくもんは

しょーがねえだろ。

ダージ

だが……意味のねえムカつき

かもしれんが、心が動くんだよ。

ダージ

なんちゅーかな。

心が反応するってのがよ。

俺には大事なのさ。

アイリス

……

ダージさん。

私、ちょっとわかります。

アイリス

自分に心があるって感じると

嬉しいですよね。

ダージ

嬢ちゃんは……。

あ、あれだな、天然だな。

キャトラ

共感されることに

慣れてない大人であった。

思い出5

ダージ

いやあ、ひっさしぶりに

ムカついたぜ。

キャトラ

アンタ、いつも

ムカついてるじゃない。

ダージ

いつものムカつきなんぞ

目じゃねーっての。

ダージ

アー、やってられんぜ。

畜生め。

キャトラ

……まー、アンタのことだから

どうせ大したことじゃ

ないんでしょ？

ダージ

まーな。

アイリス

どうなさったんですか？

ダージ

たいしたこっちゃねえよ。

ちょっと無くしものをしてな。

キャトラ

なに？

ダージ

こいつの片割れよ。

二本あったんだがな。

キャトラ

これ、ナイフ？

なんだかカマキリのカマみたい。

ダージ

そーよ。カマキリを参考に

作った、試作品１号よ。

ダージ

カマキリってえ虫はよ。

どんなに強い相手にも

カマを振りかざすんだよ。

ダージ

そーいうバカなムシなんだよ。

でも昔の俺は、

カマキリ以下だったのさ。

キャトラ

つまり、強い相手に

ヘイコラしてたってこと？

ダージ

そうだよ畜生。

ああ、ムカついてきた。

だから俺は、カマキリに憧れた。

ダージ

それでコイツをつくったってわけさ。

アイリス

ダージさんにとっては、

思い出の品なんですね。

キャトラ

ところで、どこで無くしたの？

ダージ

メシ屋で。

メシ屋か！

思い出6

ダージ

あああんっ！？

なんだこの光はぁ！？

ダージ

なんだなんだぁ！？

この光を浴びてると……

すごく……

ダージ

ムカついてきたぜ！

結局それか！

ダージ

あまりにムカついて、

なんだか全部どーでもよく

なってきたぞ……

キャトラ

単純なわりに、

ねじくれてるのねぇ。

ああ畜生…！

ダージ

……あんな試作品。

無くしたとこで

どーってことなかったぜ。

ダージ

……俺はすでに、

カマキリなんだからよ。

キャトラ

ところでさ、アンタ抜け忍って

いってたけど、忍者って、

そんなに簡単にやめられるの？

ダージ

他はどーだか知らんが、

俺の抜けた組織の掟じゃ、

辞める奴は始末される。

キャトラ

じゃ、アンタどーしたわけ？

ダージ

掟そのものを消してやったのよ。

きれいさっぱり、な……

ダージ

赤ぼーず、お前のおかげで

何かスッキリした。

ありがとな。

ダージ

だが俺が赤ぼーずに

貸しをつくるとは……

ダージ

なんだかムカついてきたぞ！

ボイス

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