ファクティス・思い出

ファクティスの思い出とボイス

思い出1

女

あの、

こちらは飛行島で合っていますか？

アイリス

はい、そうですよ。

どうかされましたか？

女

ええ、このカードを

渡すように頼まれていまして。

アイリス

ありがとうございます。

えっと、これは……

キャトラ

パーティーとかの招待状だったら、

喜んで受け取るわよ！

女

ふふ、招待状ではありません。

？？？

――予告状だ。

(※主人公とアイリスが驚く)

(※女の姿が変わる)

キャトラ

だ、誰よアンタ急に！

？？？

誰だと問うことに、意味はあるのか？

真実を口にするとは限らない。

キャトラ

それはそーかもだけど！

ファクティス

俺の名はファクティス。

キャトラ

言うんかい！

アイリス

アイリスです。

キャトラ

アタシはキャトラよ！

(※主人公も挨拶する)

アイリス

ファクティスさん、予告状って

いったいなんのことですか？

ファクティス

飛行島には

多くの冒険家が集まると聞いた。

キャトラ

そうね、色々な人がいるわよ。

ファクティス

風の噂で知った。

ここには揺さぶるものがある。

キャトラ

揺さぶる？　どゆこと？

ファクティス

すべて口にしろと？

興が削がれる。カードを見ろ。

キャトラ

なんて書いてあるの、アイリス。

アイリス

飛行島の揺るぎない煌めき、

頂戴いたします。

怪盗ファクティス――だって。

キャトラ

怪盗？　本物なの～？

ファクティス

さぁ、どうかな？

本物だと言うのは簡単だ。

――たとえ偽物でもな。

キャトラ

その感じ、モノホンっぽいわね！

キャトラ

けどお生憎様よ！　盗みたくなる

美術品とか宝石だとかは、

すっかんぴんだからね！

キャトラ

たぶんだけど！

キャトラ

そんなもんあったら、
アタシが欲しいくらいだわ！

アイリス

たしかに、ファクティスさんが

狙うようなものはないと思います。

ファクティス

お前たちが言ってるのは泥棒だ。

キャトラ

何が違うのよ。

ファクティス

美学。

ファクティス

怪盗にあり、泥棒には存在しない。

ファクティス

一国を買える値がつこうとも、

俺のターゲットにはなりえない。

キャトラ

じゃあ何よ、

アンタが盗みたいものって。

ファクティス

お前たちの大切なもの。

それ以外、ありえない。

(※主人公が真剣な顔になる)

ファクティス

先に言っておく。

俺は一度宣言したら必ず奪う。

キャトラ

本気でなんか盗むつもりなのね、

アンタ。

ファクティス

ああ。

ファクティス

例えば、上等な魚肉を練った

アレが盗まれたら、どうだ？

キャトラ

なんで知ってるの！
特上カニカマね！
アタシのお宝を狙うつもりね！

ファクティス

ただの挨拶だ。

キャトラ

そうはさせるもんですか！

ファクティス

なら俺がカニカマを盗めるか、

ゲームするか？

キャトラ

受けて立つわ！
絶対に盗まれないんだから！

思い出2

キャトラ

さぁ、いつでもきなさい！

キャトラ

見えない光に触ると、
デッカイ音鳴らす鈴！

キャトラ

トラップの定番、落とし穴！

キャトラ

まきびし！
かんしゃく玉！
ペイントボール！

アイリス

だ、大丈夫？

キャトラ

特上カニカマを

取られるわけにはいかないわ！

キャトラ

死守するわ！　死守！

アイリス

ファクティスさんを調べたんだけど、

伝説の怪盗一家の一員らしいわ。

キャトラ

伝説の怪盗一家がなんなのよ！

キャトラ

アタシはトラップの専門家の

レクチャー受けたもん！

キャトラ

盗めるものなら、
盗んでみなさいなんだから！

キャトラ

主人公、

アイリス、

トラップをすべて起動するわ。

キャトラ

危ないからこの部屋から離れてて。

アイリス

キャトラは？

キャトラ

守るわ、カニカマを。

キャトラ

カニカマと一緒に、
この部屋に残るわ！

アイリス

わかったわ。

ご飯の時間には呼んでもいい？

キャトラ

いいわ！

ファクティス

さぁショータイムだ、子猫ちゃん。

キャトラ

スース―。

キャトラ

もう食べれないわ……

キャトラ

……は！

キャトラ

つい寝ちゃったわ！

カニカマは――

キャトラ

ない！！

ファクティス

――面白いトラップだった。

独創性を感じるな。

ファクティス

真正面から受けるスタイル、

怪盗冥利に尽きたぞ。

キャトラ

そんな！　どうやって。

ファクティス

いい好敵手となれるな、俺たちは。

キャトラ

好敵手なんかならないわよ！

キャトラ

カニカマ返しなさい！

ファクティス

あえて悪い言葉を使おう。

ファクティス

カニカマ程度に

そこまでの愛を注げる熱。

ファクティス

きっとお前は、

関わると決めたすべてに全力で

接しているのだろうな。

キャトラ

カニカマー！

ファクティス

このカニカマを盗んだところで、

揺さぶられることはないだろ？

キャトラ

揺さぶられてるわよ！
大荒れよ！

キャトラ

よくわかんないけど返しなさい！

アタシのカニカマ！

ファクティス

舐めてみろ、自分の口周り。

キャトラ

ぺろり。カニカマの風味！？

これは特上カニカマの味！

ファクティス

俺が来た時、

すでにカニカマはなくなっていた。

キャトラ

寝てる間に食べたのね……アタシ！

キャトラ

ぎにゃー！

思い出3

アイリス

……ふぅ。

アイリス

お洗濯、

手伝ってくれてありがとう。

(※主人公が返事をする)

アイリス

あ、服がほつれてるわ。

アイリス

すぐに済むから、

先に直しちゃおっか。

(※アイリスが何かに気づく)

アイリス

あれ？

お裁縫セットが見当たらない。

ファクティス

裁縫道具は日常。

なくてはならないもの。

ファクティス

お前にとって、そうだろう？

ファクティス

裁縫道具がなくなったとき、

さぁ、どう変わる？

(※アイリスがまたもや何かに気づく)

アイリス

ファクティスさん、

ボタンが取れかかってますよ。

ファクティス

なに？

アイリス

よかったら、直しましょうか？

ファクティス

くく、はははは！！

ファクティス

こんな失態、二度目だな。

ファクティス

もしかすると、

お前の持つ空気に

緩んでしまったのかもしれない。

(※主人公が真顔になる)

アイリス

二度目、ですか？

ファクティス

ああ。

ファクティス

…………。

ファクティス

俺にとって盗むことは、

呼吸と同じだ。

ファクティス

意識することもない、

つまらないもの。

アイリス

じゃあ、盗む必要なんて――

ファクティス

つまらないもの、だった。

ある作品と出会うまではな。

(※主人公がハッとする)

ファクティス

本物と見分けのつかないほどの贋作。

俺が犯した初めてのミスだった。

アイリス

どういうことですか？

ファクティス

盗むことで、

変えられるものもある。

ファクティス

怪盗という行為に飽きていた俺は、

贋作に価値観を歪められたのさ。

ファクティス

だから決めている。

ファクティス

――俺は、価値観を盗む。

ファクティス

盗むものが高いか安いか、

希少か夥多なのか……、

客観的な価値などに興味はない。

ファクティス

思い入れのあるもの。

無くして初めて気がつくもの。

盗まれたことで、変わるもの。

(※アイリスが驚く)

いつの間にかアイリスの手の中に
裁縫道具があった。

ファクティス

俺が盗むものはそういうものだけだ。

アイリス

返してくれて、

ありがとうございます。

ファクティス

だが変わるべきじゃないものも、

あるんだな。

ファクティス

アイリス。

俺の価値観が盗まれた。

ファクティス

あんたのような者ばかりだと、

俺は廃業になるかもな。

アイリス

きっと怪盗じゃなくても、

ファクティスさんなら

何だってできると思います。

ファクティス

そうはいかない。俺は怪盗だ。

ファクティス

飛行島の煌めき、盗ませてもらう。

思い出4

ファクティス

次のターゲットは、お前だ。

ファクティス

主人公、

どんな価値観を持っている？

(※主人公が驚く)

ファクティスの手には、
主人公の剣が
握られていた。

ファクティス

返してほしいなら、奪い取れ。

(※主人公が困る)

ファクティス

これはゲームだ。

ファクティス

俺に触れることができたら、

剣は返そう。

(※主人公が触れる瞬間ファクティスは消えた)

ファクティス

残念、

それは光が生み出した幻影。

(※主人公がもう一度近づく)

ファクティス

人形だよ、身代わりの。

(※主人公が真剣な顔つきで迫る)

ファクティス

ほう、素晴らしい動きだ。

(※主人公もニッと笑う)

ファクティス

これをやろう。

(※主人公が不思議がる)

ファクティス

俺の顔写真だ。

(※主人公が少し引く)

ファクティス

誤解するなよ。

そういうことじゃない。

ファクティス

イギスドラム家。

伝説の怪盗一家。

……古巣だ。

ファクティス

俺の家族は親兄弟、等しく怪盗だ。

(※主人公が驚く)

ファクティス

未だに誰も捕まったことがない。

ファクティス

どこで何をやっていて、

なぜ怪盗なのか、

手がかりは何も残さない……

ファクティス

姿を見た者がいても形に残せない。

怪盗とは、神出鬼没。自分の姿を、

写真に撮られるヘマはしない。

ファクティス

だからイギスドラム家の顔がわかる

写真は高く売れる。

ファクティス

然るべき筋に売れば、

一生遊んで暮らせるぞ。

ファクティス

剣は返さない。

その金で、

もっといい剣を買え。

(※主人公が怒る)

ファクティス

金じゃない、か。

ありきたりな言葉だ。

ファクティス

写真を売れば、俺を

捕まえたい連中から感謝されるぞ。

ファクティス

褒め称えられ、

称賛の美酒に酔い、

手元には金が残る。

ファクティス

手頃な悦に浸ればいい。

(※主人公が真剣な眼差しを向ける)

ファクティス

頑固な男だな。

(※主人公が驚く)

いつの間にか、
剣は元の場所に収まっていた！

ファクティス

だが嫌いじゃない。

ファクティス

知っていることと、

実行できることの隔たりは大きい。

ファクティス

いい価値観だ。

ファクティス

写真は返さなくていい。

戦士の誇りを弄んだ対価だ。

(※主人公が写真をファクティスに返す)

ファクティス

俺に返すのか？

……なぜ？

(※主人公が嬉しそうにする)

ファクティス

写真に撮られたことのない、

俺の価値を、損ねる、と？

ファクティス

くくく、はははは！！

ファクティス

お前の心が揺さぶられる瞬間、

盗みたいものだな。

(※主人公がきょとんとする)

ファクティス

ああ、まだ終わりじゃないさ。

ここまでは仕掛け。

ファクティス

ポアソンまではフルスコア。

ファクティス

ヴィヤンドが楽しみだ。

ファクティス

お前たちの価値観、

必ず盗んでやる。

(※ファクティスが消える)

主人公の手には、
一枚のカードが残されていた……

思い出5

ファクティス

招待に応じてくれたこと、

感謝しよう。

キャトラ

せっかく呼んでくれたんだしね。

アイリス

予告状じゃなくて招待状で、

いいんですよね？

ファクティス

ああ、招待状だ。

ファクティス

俺から直接、予告したくてな。

キャトラ

てことはまだ盗むの？

ファクティス

怪盗が他になにをしろと？

ファクティス

やめるわけにはいかないさ。

完成させるまでは。

キャトラ

なにをよ。

ファクティス

俺を解放してくれた瞬間の、

天地の反転するような、衝撃。

(※主人公が謎がる)

ファクティス

あの衝撃と再び出会うために、

俺は伝えなくてはならない。

キャトラ

どゆこと？

ファクティス

俺を超える才能を見つけてな。

ファクティス

才能の花を開かせたい。

キャトラ

ファクティスを超える怪盗？

キャトラ

アンタ、怪盗業界じゃ

バリバリのナンバーワンでしょ。

アイリス

(なんで怪盗業界のことを……)

アイリス

もしかして、ファクティスさんの

ご家族の方ですか？

ファクティス

俺の家族？

ファクティス

あいつらはフォーマル過ぎる。

官僚主義の怪盗に魅力は感じない。

キャトラ

官僚主義で怪盗って……

じゃあ一体誰なの。

ファクティス

俺の価値観を盗んだ贋作。

その贋作を作った贋作王。

アイリス

じゃあその贋作王さんを？

ファクティス

その娘さ。

(※主人公がハッとする)

ファクティス

高いポテンシャルを秘めている。

あの才能、目覚めた瞬間を思うと、

楽しみだな。

ファクティス

であるなら、俺は一流の怪盗で

在り続けなくてはならない。

キャトラ

だから怪盗をやめるつもりはない

ってわけね。

ファクティス

盗むに値するものが存在する限り。

ファクティス

俺の見る世界の色彩は、

曇りなき鮮やかさを求めるだろう。

アイリス

ファクティスさん……

キャトラ

むむむ、でもどのよーな

理由があろーと、

やっぱり盗みは推奨できないわ！

キャトラ

飛行島の風紀をとりしまる
キャトラさんは、見逃さないわよ！

キャトラ

主人公、
盗みをやめるよう説得しちゃって！

思い出6

(※主人公の光が突如消える)

アイリス

ルーンの光が……

キャトラ

なんで！？　消えちゃったわ！

ファクティス

消えたんじゃない――

ファクティス

盗んだのさ。

(※主人公が呆然とする)

ファクティス

飛行島を訪れる冒険家達が浴びる、

美しい煌めき。

ファクティス

……ルーンの光。

キャトラ

じゃあアンタが

盗もうとしてたものって……

ファクティス

……フッ。

ファクティス

怪盗ファクティス、

ルーンの光を頂くため、

今宵参上した。

キャトラ

変わると言われても、ねぇ。

アイリス

……うん。

(※主人公も困る)

ファクティス

数多の冒険家の価値観に

影響を与えた光だぞ。

ファクティス

それが盗まれて、

どうも思わないのか？

キャトラ

どうも思わないというか……

キャトラ

ここに来る冒険家って、

一癖も二癖も

あるのばっかりだからねぇ。

ファクティス

初めてではないのだな。

光が盗まれたのは。

キャトラ

盗まれたというか、

そーゆー時もあるとゆーか。

キャトラ

残念ながら、

そんなに驚くことでもないわね。

ファクティス

……そうか、

囚われていたのは俺か。

ファクティス

迂闊だった。

初歩的なミスだ。

まるで、あの時と、同じような……

ファクティス

くく、ははは！

キャトラ

なによ急に笑い出して。

ファクティス

面白い、気に入ったぞ。

(※主人公が謎がる)

ファクティス

俄然、興味が湧いたよ。

ファクティス

やはりお前たちの価値観、

必ず俺が盗む。

キャトラ

じゃあまだ怪盗を続けるってわけ？

ファクティス

このまま引き下がったのなら、

俺の美学に反する。

ファクティス

だが安心しろ。

ファクティス

無闇矢鱈に盗むつもりもない。

ファクティス

俺が盗みたいのは、

あくまでお前たちの価値観だ。

ファクティス

その価値観が変わるその時まで、

飛行島に留まらせてもらう！

キャトラ

よくわかんないけど、応援するわ。

アイリス

よろしくお願いします、

ファクティスさん。

(※主人公も改めて挨拶する)

ファクティス

いずれ盗まれ、知るがいい。

怪盗の美学をな。

ボイス

関連キャラ

同時期登場キャラ

怪盗ピアナと贋作王の壺

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