臭桂魚・物語
一 鯉の滝登り・壱
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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陸吾
「桂くん、今日ここに来たということは、何かやってほしいことがあるんだね。言ってみにゃ」
臭桂魚
「さすが陸吾さんです! 陸吾事務所のスローガンは、「ずば抜けている事務所、陸吾事務所」だそうですね……」
「みんなの困りごとは必ず解決してくれる。だから今回は、部活資金募集の問題について、聞きに来ました……」
陸吾
「皆のためか、桂くんは意識が高いにゃ!
ちょっとまってね、いまからそれに関する資料を取ってくるにゃ」
「にゃ? 桂くんが入った部活は……」
「調理部、演芸部、ゲーム部、風雅部、遠足部、手芸部、演説部、探検部、敬老部、新聞部!?」
臭桂魚
「そして、健美部にも入りました!」
陸吾
「……」
【選択肢】
・なんでそんな数の部活に入ったの?
・自分も健美部に入りたい
選択肢
なんでそんな数の部活に入ったの?
臭桂魚
「わ、わかさま、桂、何か悪いことをしましたか? 部活の新人募集の時、皆が桂を勧誘して……気づいたら、こんなことになってしまいました……」
自分も健美部に入りたい
臭桂魚
「わあ! わかさまが入ってくだされば、肘子兄さんもきっと喜びます。
肘子兄さんは、マッチョになるには一万種の方法があると言っていまして……」
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陸吾
「コホン! 桂くん、活動資金が必要な部活はいくつあるにゃ?」
臭桂魚
「ぜ、全部です! 活動のたびに、すごくお金がかかるって聞いて……
だからここでアルバイトをして、部活のために資金を集めたいんです……」
陸吾
「うにゃ、必要な資金が多いにゃ――」
陸吾は持っていた魔法瓶の湯気を吹き、言いよどむ。
臭桂魚は彼をぼーっと見つめていたが、突然顔が真っ赤になった。
臭桂魚
「ご、ごめんなさい。甘すぎる考えでしたね……ご迷惑をおかけしました……」
彼はその場から消えたかったのか、頭を下げると、血の気の引いた手で袖をつかみ、後ろに何歩も退いた――
結局焦りで自分の足を踏んで、よろめいた後に転んでしまった。
臭桂魚
「ひゃ……!」
体の任意の位置に触れる
触れ合い
頭を触る
臭桂魚
「わかさま…頭をなでてくださり、ありがとうございます
もう、痛くないです…」
体を触る
臭桂魚
「あっ、大丈夫です。全然痛くありません!
桂なんかを抱っこするのは、お嫌でしょうから……」
「でも、もう少しだけこのままで……この温かい感じ、まるで夢の中のようで……」
手を触る
臭桂魚
「桂なんかを助け起こしてくださって……ありがとうございます……
今度転ぶときは、声を出さないようにしますから……」
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陸吾
「にゃ? 床に落ちたのはなんにゃ?
まさか全部桂くんの物かにゃ? いけないにゃ、わしは賄賂を受け取らないにゃ!!!」
臭桂魚が見下ろすと、服に入れていたものが、床に散らばっていることに気づいた。
動く毛糸のヒヨコ、色が変わる羽のブローチ、光る酒瓶の盆栽などが落ちている。
どれも明らかに異なる物だが、似ている点があった――
形は全て歪んでいて、初心者が作った物だとわかる。
臭桂魚
「す、すぐに片づけますから! 少しだけ待ってください……」
陸吾
「桂くんが持っている物は、なかなか面白いと思うにゃ。
全部市場で見たことがない物にゃ」
【選択肢】
・面白い物オークションを開催しよう!
・儲けるチャンスだね!
選択肢
面白い物オークションを開催しよう!
臭桂魚
「聞いたことがありませんが……
今度辞書で意味を調べておきますね……」
儲けるチャンスだね!
臭桂魚
「よく分かりませんが……もしわかさまが、部活の資金を集める方法をご存知なのでしたら……」
「け、桂も儲けたいです――!」
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陸吾
「うにゃ、これは全部桂くんが作った物でしょう?
だったら、面白い物オークションは現実可能だと思うにゃ」
臭桂魚
「わかさま、どうして急に私の手を!? ど、どこに行かれるつもりですか――」
午後、不思議なオークションが空桑神殿で開催された。
オークションの商品は全て見たことがない物ばかりで、「匠人による手作り」の宣伝文句は多くの人の注目を集めた。
臭桂魚は多くの人に囲まれ、不安そうに見えた――
鶏茸金絲筍
「おい、臭桂魚。あの上の羽根のブローチを見せてくれ!」
臭桂魚
「は、はい……でも、あれは……」
鶏茸金絲筍
「うむ、なかなかいいデザインだ! 気に入った、三倍出すから!
隣のモコモコヒヨコを退かしな、目障りだ!」
松鼠桂魚
「あの雛は、俺が買った」
臭桂魚
「あの、みなさん、ちょっと待ってください、実は……」
「こちらの物を売ることができません……もう、やめてください!」
【選択肢】
・何か事情あるの?
・まさかの品薄商法?
選択肢
何か事情あるの?
松鼠桂魚
「事情があるのか? ならば、より助けなければ。
俺は五倍の価格でそれを買うから、臭桂魚、その雛を俺に売ってくれ」
まさかの品薄商法?
鶏茸金絲筍
「この世には俺様の買えないものなんてない!
欲擒姑縦は俺様には効かないぞ!」
「世間に知らせるがいい、このオークションは俺様の貸し切りだ!」
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臭桂魚
「うう、違うんです……そういう意味ではなくて……」
糖葫芦
「わっ! 面白いものを独り占めして、ケチだね!」
「いっぱい並んでるけど、これが一番面白いと思う! 売らないなら奪っちゃうから!」
糖葫芦は展示台にある大型竹とんぼを奪って逃げた――
臭桂魚
「ひ、ひぃぃ!だめです、奪っていかないで!」
臭桂魚は糖葫芦を追いかけて、小さな背中があっという間に地平線に消えた……
二 鯉の滝登り・弐
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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若の部屋の連子窓の前に、細い影が現れた。
中に入ろうと動くが、外でうろうろしていた。帽子の上についた塩魚は左右反転して窓に滑稽に映っている。
【選択肢】
・危険にあったふりをする
・窓をばっと開ける
選択肢
危険にあったふりをする
臭桂魚
「わ、わかさまをいじめる者は……塩魚で退治してやる……!」
窓をばっと開ける
臭桂魚
「あっ、いたたたた…… 勝手に窓の外に立っていて、ごめんなさい……」
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陸吾
「桂くんはなんで外にいるのにゃ? びっくりして、わしのクコの明目茶をこぼしてしまうところだったにゃ!」
臭桂魚
「ご、ごめんなさい……すぐに帰ります……」
陸吾
「ああ、待つにゃ! その目の下のクマ、何があったにゃ?」
臭桂魚
「わ……わかさま!糖葫芦がどこにいるかご存じありませんか? 一晩中探したのですが……」
「まだ桂の……桂の物を持ってるんです……何か良くないことがあったかもしれません…… 心配で心配で……!」
【選択肢】
・何を心配してるの?
・夜更かしするとハゲちゃうよ
選択肢
何を心配してるの?
臭桂魚
「は……話したら、きっと皆にもっと嫌われてしまいます……」
「でも、だめ、言わなくちゃ! もう周りの人に迷惑をかけたくない……」
夜更かしするとハゲちゃうよ
陸吾
「そうにゃ、このままだとわしみたいに育毛剤を使わなくちゃ……いや、なんでもないにゃ」
「でも、桂くんさぁ…… この何日も寝ていないでしょう。何を心配しているにゃ?」
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臭桂魚
「わかさま、陸吾さま……早く糖葫芦を探しに行きましょう! 危ない目に遭っているかもしれないんです……!」
「私を信じてください! 前にも……こんなことがあって……」
数年前
???
「桂くん、しっかり掴んで! 僕がロープを引っ張ったら登ってきてね!」
臭桂魚
「だめですよ、もしバレたりしたら……」
???
「大丈夫よ、父さんと母さんは家にいないし、使用人も追い払ったから。今日は料理長が一品鍋を作ってくれたの、僕一人じゃ食べきれないよ――」
「桂くん、手を伸ばして、僕が引っ張るから!」
【選択肢】
・手を伸ばす
・自分の力で登る
選択肢
手を伸ばす
奥様
「またこの臭い燻製魚か、手を離しなさい! 何度も言ったでしょう、うちの臧児に付き纏うなって!」
自分の力で登る
奥様
「臧児、今日の復習はどうだった……どこから来たの泥棒! またこの臭い燻製魚か!」
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急に怒鳴られた臭桂魚はびっくりして壁から庭へと落ちてしまった。
はしごに上っていた少年も地面に飛び降り、驚いた目で自分の母親を見ていた。
臧児
「母さん、どうして急に戻ってきたの……! それに桂くんは臭い燻製魚なんかじゃない、僕の友達だ!」
臧児の母親は臭桂魚をチラッとみた、彼の隣に小さな小物が散らかしている。そこに落ちているのは竹で出来たカエル、毛糸で作ったヒヨコ、前に臧児の部屋で見つけたコマ……
奥様
「臧児、もしその子が本当にあなたの友達なら、きっとあなたの勉強の邪魔なんてしないわ。家族繁栄の大任、もう忘れたの?」
「今年はやっと奨学生になれたけど、来年の郷試に自信あるの?」
臭桂魚
「……」
【選択肢】
・臧児を責めないでください、今すぐ帰りますから…
・ごめんなさい…全部桂のせいです…
選択肢
臧児を責めないでください、今すぐ帰りますから…
臧児
「桂くん、行かないで! もし君までいってしまったら、僕は本当に一人ぼっちになっちゃうよ!」
ごめんなさい…全部桂のせいです…
臧児
「違うよ、どうして桂くんは自分を責めるの? 前に僕の命を救ってくれたのは君、もうこれ以上誤解されてはいけない!」
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臧児
「母さん、前に山のお寺に行ったことをまだ覚えてる?」
奥様
「もちろんよ。あの日、私とあなたの父さんは用事があって先に山を下りて陳府に行った。駕籠かきにあなたを家に連れて帰るよう命じたけど、ずっと帰ってこなかった」
「結局、王婆さんがあなたを見つけて家に連れて帰ってきてくれた。駕籠かきは道を間違えたなんて言って」
臧児
「ううん、違うんだ!道なんか迷っていない」
「彼らは……わざと別の山道に進んで、僕を誘拐して、身代金を請求するつもりだった……」
「でもあの日急な大雨で、土砂崩れが起きたんだ。彼らは僕を見捨てて逃げていったよ。大怪我を負った僕は動けなくて、しかも水位は上がって僕の腰の高さまできた……」
「もう父さんと母さんに二度と会えないんだと思った時、目の前にあの赤い唐傘が現れたんだ……」
過去を思い出した少年は感激の表情で臭桂魚を見ていた――
臭桂魚
「大雨が降る日は、よく小動物が山で遭難するから……助けようと出てきたら……」
「桂は、不気味ですけど……臧児が桂を怖がらなかったので……街まで案内しました……」
「そのあと臧児の乳母王婆さんに会うと、彼女は焦って臧児を連れて行きました……」
王婆さん
「奥様、旦那様が戻りましたよ!」
王婆さんの声が彼らの会話を遮った。奥さんは広間に向かって何歩か踏み出したが、すぐに引き返してきた。
彼女は複雑な表情で臭桂魚を見つめ、何かを言おうとした。
奥様
「あの山には人があまりいない。あなたはあの山に何年住んでいたの?」
【選択肢】
・覚えていません…………
・け、桂は妖怪ではありません!
選択肢
覚えていません…………
奥様
「覚えてない?こんな事は忘れられるものか?」
け、桂は妖怪ではありません!
奥様
「……」
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奥様
「まあいいわ、法師があの日、臧児に悪い事が起こるって言ったのが、本当みたいね」
「王婆さん、あとのことは先ほど私の言った通りにしなさい」
王婆さん
「かしこまりました」
三 鯉の滝登り・参
◆主人公【女性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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鍋包肉
「若様。陸上救助隊の徳州扒鶏と、水上救助隊のカ仔煎からの報告です!残念ながら、糖葫芦は見つかりませんでした。」
「まさか、この世で若様以上に、迷惑をかけるのがうまい人間がいるとは。」
陸吾
「コホン、鍋ちゃんは自分の言葉に注意しにゃさい。次は糖葫芦を探しながら、鵠ちゃんの返事を待つかにゃ。」
道にはクスノキとイボタノキが生え、木の葉と葉の間からは、光が差し込んで揺れている。
植物の間特有の霧が現れる。
臭桂魚は何も言わずに列の最後尾を歩いてる、誰も彼の表情を見ることができなかった。
陸吾
「そうだにゃ、桂くんの話はまだ終わってないにゃ。奥さんは一体何を企んでいるにゃ?」
臭桂魚
「大した事では……桂を地下牢に閉じ込める事だけです。」
【選択肢】
・それ大した事じゃないの!?
・どれくらい閉じ込められたの……
選択肢
それ大した事じゃないの!?
臭桂魚
「お、落ち着いてください……いつでもどこでも一人ぼっちでしたが、地下牢にいたときは、毎日ご飯を持ってきてくれる人がいる……」
「地下牢でじっと考えました……奥さんはきっと、臧児を守るために桂を閉じ込めたのでしょう……」
「なにしろ、生まれた時から桂の周りはみな死人でしたから、だから人々は……桂を怖がるのも、不思議はないです……」
どれくらい閉じ込められたの……
臭桂魚
「あの部屋は真っ暗で……どれだけ日が過ぎたのかも、見張り番はなかなか教えてくれませんでした。」
「桂が寝ていた稲むらの下に、ネズミの一家も住んでいたんです。子ネズミもたくさん産んでいました……」
「一匹、二匹、そして二組の双子……数えてみましたが、食魂の命よりは、はるかに短かったのです。」
「あの頃を思い出すと……いつもよりずっと寂しかったです……」
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鍋包肉
「本当につらい思い出でしたね。きっと、地下牢で長い間泣いたでしょう。」
臭桂魚
「……みなさんのようにしっかりしていれば……そうすれば……桂もこんなに聞き苦しい声にならないのに……」
陸吾
「友人は助けに来なかったのにゃ?彼が親友を見捨てる人のはずがないにゃ!」
臭桂魚
「臧児が桂を見つけた時、髪についた蜘蛛の巣を見て泣いていました……」
「そしてその日の夜、桂たちは屋敷から逃げ出したのですが、奥さんに見つかってしまいました。彼女はすごく慌てていて……まるで桂に一番大切なものを盗まれたみたいに……」
「そのあとは、桂たちは山に住み着きました。山の暮らしはとても大変で、臧児が落ち着いて勉強できないんじゃないかって、心配でした……それに、彼の母さんが桂に言った最後の言葉は……」
「「この忌々しい妖怪が、きっと臧児に不幸をもたらすわ!」」
鍋包肉
「もし私があなたであれば、きっと帰るように進めるでしょう。いえ、そもそも私は自らをそのような境地には立たせません。」
臭桂魚
「桂もそう言ったんです。もうすぐ郷試の日だから、家に帰ってしっかり勉強してほしいって……でも彼は、どうしても家に帰ろうとしませんでした……」
【選択肢】
・それはおかしいね
・なんで家に帰りたくないの
選択肢
それはおかしいね
臭桂魚
「きっと桂のせいだと思いましたが……臧児は、そうじゃないって言ってくれました……」
なんで家に帰りたくないの
臭桂魚
「最初は臧児が両親に叱られるのが怖いかと思い、桂は地下牢に戻ろうと言ったんです……けれど、そう簡単な事情ではないと言うのです……」
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臭桂魚
「彼は桂を探している間、両親の会話を盗み聞きしたそうです……それで、彼が実はあの家に引き取られた子供だということが分かったんです……」
「臧児もただ家族繁栄の大任のための……道具でしかなかったです……」
「臧児は郷試を受けるために寝食を忘れて勉強して、いつかあの「家族」のそばから離れるために頑張っていたんです……」
陸吾
「うにゃ。桂くんにとって人間の気持ちを理解することは、ちょっと難しいかもしれないにゃ。」
臭桂魚
「山で暮らしたあの日々に、桂は初めて……そばに誰かがいることの楽しさを知りました……」
「彼が上京する前に、桂が彼にうまくいくように、無事に帰ってきてくれるようにと、彼に玉佩を作りました……」
【選択肢】
・手紙で連絡をとってたの
・自分もあなたが作った玉佩が欲しい
選択肢
手紙で連絡をとってたの
臭桂魚
「彼の母さんの話がいつも頭の残っていて……本当は……怖かったんです……」
「だから桂は、彼が危険な目に遭っていないか心配で、彼に手紙を書き続けました。桂の願いはただ、彼が早く家に帰って家族と仲直りをすることだけです……」
自分もあなたが作った玉佩が欲しい
臭桂魚
「わたしの玉佩は不格好ですから。それに……」
共通
臭桂魚
「上京する途中までは、臧児はいつも返事をくれました……」
「けれど、京城に着いた後は……全然返事をしてなくなりました……!いくら手紙を書いても、全然返ってこないんです……!」
「真っ暗な地下牢にいた頃は……日付が分からないことで悲しみましたが……」
「そのときは外にいて……日付は分かるのに、彼がいつ帰ってくるのかはわかりません……」
【選択肢】
・彼の家に行ってみたの
・合格の発表欄に彼の名前があった?
選択肢
彼の家に行ってみたの
臭桂魚
「は、はい。でもあの屋敷にはもう誰もいません。きっと奥さんが言った通り…すべて桂のせいで…」
合格の発表欄に彼の名前があった?
臭桂魚
「いいえ……何度も見て、何度も人に聞きましたが……誰も彼を知りませんでした……」
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臭桂魚
「わかさま、さっきのは……わがままを言うつもりではなかったのです。手伝いに行くつもりでしたが……あの面白いものオークションが、私の物を売るために開催されたものだとは思わなくて……」
「あの物は……桂の物は、桂と同じで……人に不幸をもたらします……」
「糖葫芦も……も、もし臧児みたいに帰れなくなってしまったら……」
「どうして……どうして桂はいつも人に不幸をもたらしてしまうのでしょう……」
「もう誰にも迷惑をかけないように頑張っていたのに、桂はどうしたら……桂、空桑とわかさまと離れたくないです……!」
彼は自分の失態を意識していて涙をこらえていたが、口元は依然として震えていて、彼の気持ちが滲み出ている。
そんな時、なにか回っている物が空から降ってきて、臭桂魚の頭に当たった。
臭桂魚
「あ、ああっ!」
糖葫芦
「Zzz…………」
陸吾
「にゃっ!木の上で寝ていたのは――糖ちゃんにゃないか!」
糖葫芦
「……あれ?なんできみたちはここにいるの?その竹とんぼ、返さないからね!まだ遊びたいんだもん!」
【選択肢】
・徳州が隠されたおもちゃを押さえたらしいよ……
・さっき鵠羹から遊園地のチケットをもらったけど……
選択肢
徳州が隠されたおもちゃを押さえたらしいよ……
糖葫芦
「隠されたおもちゃ!?そんなわけないよ!今回は宮保鶏丁の枕の下に隠したのに、お兄さんはどうやって見つけたの!」
さっき鵠羹から遊園地のチケットをもらったけど……
糖葫芦
「うわ!わか!わたし最近ずっといい子にしてたよ!だから、その……」
共通
糖葫芦
「今から降りるから!臭桂魚、竹とんぼを返すよ!ひゃぁ――!」
糖葫芦は気の上から飛び降り、砂ぼこりを舞わせた。
鍋包肉は臭桂魚に当たったものを拾い上げた。それは、一冊の本だった。
鍋包肉
「ほう?これは私が数年前に書いた官界のノート……まさかこんなところで見つかるとは。」
鍋包肉は、そのノートを読み進めて、少し沈黙した。
鍋包肉
「そういえば、私、思い出したことがあるんです。臭桂魚。先ほど言っていた友人に送った玉佩は、熨斗目花色で桂魚模様の玉佩でしたか?」
臭桂魚
「桂魚ではありません……贈ったのは、鯉模様の玉佩です。鯉の滝登りのように成功することを願って……」
鍋包肉
「このページを見てください。ここは徽州から来た挙人のことを書きました。彼は郷試に合格したのち官界に入り、最後は官界の大物になりました。」
「他の、家の後ろ盾がある士大夫とは違い、彼は自分の両親はもう亡くなっていると言い、人々は、彼が使用している名前が彼の本名かさえわかりませんでした。そんな彼は、公明正大な役人であり、政績も顕著でした。そして、彼は一生「桂魚の滝登り」の玉佩
「あの玉佩の作りは雑で、珍竹林なデザインでした。原石も十分に磨いていなく、登竜門の「鮭」のしっぽは扇形。明らかに桂魚のしっぽでした。」
臭桂魚
「鯉のしっぽは扇形じゃないんですか!?」
陸吾
「鯉のしっぽは柳の葉のような形だにゃ…………そしてこの記事を書いた年月は、ちょうど桂くんが昔生活していた時代だにゃ。」
鍋包肉
「そのとき期には、誰もが知る噂があった。徽州の王氏が親族の恨みを買ったが、子供が道連れにならないように、「演技の悪い子」として追放した。その後一家は逃亡し、都でこの子と再会したと言います。」
「この記事に書かれた役人は、その子供でした。」
臭桂魚は本の前に立ち、書かれた文字は本当にそこにあるかを確認してるように、何度もその内容を目で追った。そして最後に彼は言葉をつぶやいた――
臭桂魚
「臧児だ。臧児です……彼は官界に入った後、百姓の為にやりたいって言ったことが書いてあります!」
【選択肢】
・彼も無事で良かったね
・ひどい、じゃあなんで返信してくれなかったの
選択肢
彼も無事で良かったね
臭桂魚
「はい……てっきり何か事件に遭ったのかと思いました……無事でよかったです……!!」
「桂は彼を不幸にしたわけじゃなかった……無事でいてくれた、そして今はきっと輪廻転生して……いつかまた、彼と会えるかもしれませんよね……」
ひどい、じゃあなんで返信してくれなかったの
鍋包肉
「おそらく、それは桂魚を守るためでしょう。もし彼が仇に狙われていたとしたら、きっと彼の大事な人もひどい目に遭うでしょう。」
臭桂魚
「わかさま、どうか怒らないでください。臧児は……いえ、私にとってこの事実だけで、もう充分です。」
共通
臭桂魚
「彼らは……桂のひどいニオイのせいで不幸にはならなかった……」
「糖葫芦も無事だった。まだ桂たちのそばにいる……ピンピンしてます……」
「あのとき奥さんが言った、大師が言った人というのも桂ではないのかもしれません……桂は妖怪ではなく、ただの食魂ですから……」
「わかさま、今までずっと、言えなかったことがあります。でも今日は幸せすぎて……小さい声で、言わせてください、一度だけですから、もう二度とこんなことは言いませんから……」
「桂、臭桂魚は……ほかの食魂と同じ、普通の食魂です……だから桂も……空桑に残ってもいいですよね……!」
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