蜜汁叉焼・物語
一 糖蜜の心・壱
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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蜜汁叉焼
「今日は日当たりが強いな~、目も開けられないよ…」
「あれ?あれは桂魚くんだ~!忙しそうに…どこに行くんだろ?」
「ブーちゃん、果樹園の見張りは任せたよ~!
ちょっと桂魚くんに聞いてみる!」
ブーちゃん
「ブヒブヒ――」
蜜汁叉焼
「じゃ、約束ね!行ってきま~す!…桂魚くん、待って~~!」
ブーちゃん
「ヘブッ!!」
それはとても暑い午後のこと。普段ならだれもいない空桑の広場に、なんと大勢の人が集まっている。
蜜汁叉焼
「ふう…ふう…や、やっと止まったよ~、桂魚くん。さっき何回も呼びかけたんだけど、全然かまってくれない~…うぅ…」
臭桂魚
「ご、ごめんなさい…気が付かなくて…無視するつもりじゃなくて…」
蜜汁叉焼
「ふんっ!わかさまからもらったアメちゃんをくれなきゃ、信じてあげないよ~?」
【選択肢】
・桂くんのこといじめないで
・アメちゃんならあるよ
選択肢
桂くんのこといじめないで
蜜汁叉焼
「うぅ…叉焼、桂魚くんのことイジメてないもん…」
「わかさまみたいな賢い人でも、叉焼のこと誤解するんだね…」
「アメちゃん一つでわかさまを許すつもりはないよ!せめて…せめて抱っこでもしてもらわなきゃ!」
アメちゃんならあるよ
蜜汁叉焼
「やっと、かわいそうな叉焼にもアメちゃんくれる気になった~?」
「やきもちなんてし~らない」
「わぁ~わかさまからもらったアメちゃん甘いな~」
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???
「ほう?なんだか危険な匂いがするな――さっさとどけ、この凡人ども!貴様らの安全はこの火の諸――」
蜜汁叉焼
「お父、ここで何してるの?あっ、もしかして、そのアメの缶みたいなのは、ぼくの誕生日プレゼント~?」
焼乳豚
「叉焼!?なぜここに来たんだ!早くお父の後ろに隠れろ!この変なものは昼に突然出てきたのだ!我らを謀殺するつもりで置いてるんだぞ!」
???
「被害妄想は精神疾患の中でも典型的な症状であり、母性愛や正常な人間関係欠乏による症状だ」
糖葫芦
「白先生、よくわからないけど、またすごそうなこと言ってるね!じゃあ、それっていったい何なの?」
開水白菜
「『解良絡繰り術』では似たような記録があるが、その絡繰りは「蜜アメ」という名があり、手をそれに載せると、話者が言っていることが本音かどうかは即座にわかると。本音だったらアメが落ちて、逆に嘘の場合は石ごろが落ちるという」
蜜汁叉焼
「わぁ、縁があるね~!叉焼と同じ名字で、大好きなアメちゃんも落ちるなんて!」
【選択肢】
・同じ苗字?
・アメの賞味期限は大丈夫?
選択肢
同じ苗字?
蜜汁叉焼
「そうだよ!「蜜アメ」も、叉焼も「蜜」って苗字がついてるの!」
「うぅ、わかさまわらってくれない!…叉焼のダジャレ面白くない?」
アメの賞味期限は大丈夫?
蜜汁叉焼
「あっ、そうだ!賞味期限切れのアメちゃんが出てきたらどうしよう?」
「やさしいわかさまが、少しだけ弁償してくれたらいいのにな~…」
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蜜汁叉焼
「テストするの?じゃあ叉焼が最初にやるね!」
「叉焼はね、わかさまと、空桑のみんなが大好きだよ!みんなに言った褒め言葉も、嘘じゃないからね!」
蜜汁叉焼は絡繰りに手を載せ、目に溢れる喜びは、まるで密アメのように甘くて喜ばしいものだった。
糖葫芦
「何か落ちた!どれどれ~?」
「なにこのアメ~?薄汚いし黒くて、この前川で拾った丸石の方がよほどきれいだよ!」
【選択肢】
・賞味期限切れのアメだね
・それは石だよ
選択肢
賞味期限切れのアメだね
糖葫芦
「これが賞味期限切れのアメってやつ?味は何か違うかな?」
蜜汁叉焼
「さすが糖葫芦くん、物知りだな~!これあげるね!食べたらその味教えてよ~!」
糖葫芦
「ぺっぺっ! アメの味しないよ! ○○、これ石じゃないの?」
それは石だよ
糖葫芦
「い、石?そ、そ、それは――」
蜜汁叉焼
「わかさまもそれが石だっていうの?叉焼が嘘つきだって疑うの?」
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開水白菜
「その主要成分は炭酸カルシウム、足の下にある石と同じ成分だ」
糖葫芦
「ということは、これ、ただの石だよね?」
「ふん、この嘘つき!わたしたちのことまったく好きじゃないくせに!」
蜜汁叉焼
「叉焼は、みんなのことが、だ、大好きだよ!嘘なんかじゃないんだから!」
「桂魚くん、全部本当だよ!信じてくれるよね?」
糖葫芦
「信じちゃだめだよ!桂くん、今のもきっと嘘だよ!」
「みんな、きみのことがこんなに好きなのに!ふんっ!この嘘つき!もう二度ときみと遊ばないっ――」
蜜汁叉焼
「……」
二 糖蜜の心・弐
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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人の群れは四散し、空桑の広場に残ったのは、たった一人ぼっちだった。
蜜汁叉焼
「叉焼は嘘ついてないのに…!」
臭桂魚
「蜜、蜜汁叉焼…み、見つけましたよ!」
蜜汁叉焼
「桂魚くん?も、戻ってきてくれたんだ!…せ、責めに来たわけじゃないんだよね…?」
臭桂魚
「蜜汁叉焼のことは…し、信じます。葫蘆ちゃんも、さっきは受け入れられなかっただけで…
昨晩までは誕生日プレゼントを考えてたんです…か、彼のこと、責めないで…」
蜜汁叉焼
「責めるつもりなんてないよ!糖葫芦くんは一番の親友だもん!
お父も言ってたよ、親友はそんなこと気にしないって!」
【選択肢】
・コホン!
・自分も叉焼の親友だよ!
選択肢
コホン!
蜜汁叉焼
「わかさま!?」
「戻ってきてくれたんだ!わかさまなら、絶対ぼくのこと置いてかないって信じてたよ!」
自分も叉焼の親友だよ!
蜜汁叉焼
「わかさまも戻ってきたの!?」
「わかさま、やきもちやいちゃった~?大丈夫だよ、だって若はね、特別な親友だもん!」
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蜜汁叉焼
「ぼくをなだめるために戻ってきてくれたの?」
「叉焼はね、メンタルが強いんだよ~!この絡繰りにはきっと何か問題があるけど、それがまだわからなくて…知略に長けているわかさまは、叉焼を助けてくれるのかな~?」
臭桂魚
「わ、私、わかさまと開水白菜兄さんから『解良絡繰り術』を貰ったんです… その中に、この絡繰りの物語が書かれていますよ…」
蜜汁叉焼
「ふむふむ…この「蜜アメ」はもともと製作者が愛する人に贈る結婚の約束のお礼だったんだ。それで、自分の愛を証明するつもりが、逆に愛する人のウソを証明しちゃったんだって…」
臭桂魚
「あ…じゃ、じゃあ…製作者が騙されたんですか?」
蜜汁叉焼
「うぅ…かわいそうだよ…その製作者は、愛する人に刺されて、「蜜アメ」以外の絡繰りも全部奪われちゃったんだって…その後、彼は「蜜アメ」のコアを外して、地下に埋めた…」
蜜汁叉焼
「わかさま、彼らみたいにはならないよね!? 叉焼は嘘ついてないんだよ!みんなとずっと仲良く暮らしていくの!」
【選択肢】
・もちろん!
・勝手にフラグ立てないで!
選択肢
もちろん!
蜜汁叉焼
「うん!わかさまがそう言ってくれるなら、絶対にかなうよ~!」
「わかさまとず~っといっしょにいたい!」
勝手にフラグ立てないで!
蜜汁叉焼
「あれ?わかさまは…鶏茸金絲筍おにいちゃんみたいな言葉つかってたっけ?」
「なんかすごいね~、叉焼も学びたいな~!」
「わかさま教えてよ~!」
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蜜汁叉焼
「えへへ、じゃあ約束だよっ!」
臭桂魚
「こ、ここに書いてありますよ、「蜜アメ」のコアを埋めた場所は…ど、どうやら…蜜汁叉焼のうちの地下に埋めたみたいです…」
蜜汁叉焼
「ええ!?桂魚くん、この地図読めるんだね~?」
臭桂魚
「うん…たぶんそこにあります…この前、白先生から少しだけ教わったんです…」
蜜汁叉焼
「うわぁ!桂魚くんすごい!じゃあ、早く宝探しに行こうよ~!」
「みんなを呼んでくるね~!これで叉焼の汚名返上だ~!」
蜜汁叉焼
「たくさん来てくれたんだね!これが叉焼の部屋だよ~」
「鍋包肉おにいちゃんも、徳州おにいちゃんも、床をはがして地面を掘ってもいいって許可してくれたよ~」
「ただし、ものを割らないように気を付けてね、じゃないと、弱くて可哀想な叉焼が自分で片づけるしかないからね~」
焼乳豚
「安心しろ!この火の諸帝がいれば、必ず凡人どもを率いて、コ、コアを探し出すぞ!」
糖葫芦
「い、言われなくても…!た、探検が面白いからやってきたんだ!」
糖葫芦
「あっ、箱があるよ!もしかして、その中には…えっ?」
「アメ、手袋、マイクに…タッセル?」
蜜汁叉焼
「糖葫芦くん、こ、こんなものはほっといて、あっちで宝探ししようよ~」
【選択肢】
・なんか見覚えあるよ
・随分と慌てるね?
選択肢
なんか見覚えあるよ
蜜汁叉焼
「だ、だって、どこにでもあるものだもん!」
「お父のところに行ってみようよ~!何か見つけたみたいだよ~!」
随分と慌てるね?
蜜汁叉焼
「勘違いじゃないかな~、叉焼はちっとも慌ててないよ~」
「最近、麻婆豆腐おにいちゃんとゲームしすぎて、目が悪くなっちゃったのかな?」
「後で、餃子おじいちゃんから煎じ薬をもらっとこ~」
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蜜汁叉焼
「とりあえず、今はラッキーな若と一緒に、コアを目指して出発だよ~!」
臭桂魚
「わ、私も…その箱の中のものに…見覚えがありますが…き、気のせいでしょうか?」
三 糖蜜の心・参
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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蜜汁叉焼
「あった!」
「へへっ、やっぱり若といるといいことあるね〜」
【選択肢】
・幸運Sと呼べ
・叉焼の方こそ運がいいよ
選択肢
幸運Sと呼べ
蜜汁叉焼
「幸運Eって、よく麻婆豆腐おにいちゃんから聞いたよ〜!」
「で、幸運Sってなに?」
「全知全能なわかさま〜、あなたの心身深い信者の叉焼に教えて!」
叉焼の方こそ運がいいよ
蜜汁叉焼
「ぼくの運がいいの?なら、叉焼とずっと一緒にいようよ〜!」
「叉焼は持ってる運をすべて若にあげるから!」
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蜜汁叉焼
「わかさま、こっちだよ!これ、本に書いてたコアとそっくりだよ〜、間違いないはず!」
「早く帰ろうよ〜!『蜜アメ』を修理したら、叉焼の濡れ衣を晴らせる!」
開水白菜
「この中に運んで⋯ん?どうしたその目は⋯のか弱い国文先生に絡繰りを運ばせると?」
蜜汁叉焼
「偉大なる救世主、火の諸帝よ、このひ弱な叉焼に力を貸して〜」
焼乳豚
「誰かが祈願しているようだな――」
蜜汁叉焼
「わぁ!あっという間に運んでくれたんだ!すごいよ、お父!」
「じゃあ、今すぐ試してみるね!みんなに誤解されてつらいから、叉焼はもう二度とこの気持ちを味わいたくないよ⋯ぐすん⋯」
蜜汁叉焼は深呼吸をして、毅然とした表情で絡繰りに手を載せた。
臭桂魚
「し、芯が強いですね、蜜汁叉焼は⋯わ、私だったら⋯
彼みたいに⋯こ、こうして笑顔で解決方法を見つけるなんて⋯無理です⋯」
「わ、私も見習わないと⋯!」
蜜汁叉焼
「桂魚くん⋯みんなこそ叉焼の力の源だよ〜
あなたとわかさまが側にいてくれなかったら、ぼくもどうしたらいいかさっぱりだったもん!」
【選択肢】
・甘い言葉を言ってるなぁ
・警告!糖分は基準値を大きく超えた!
選択肢
甘い言葉を言ってるなぁ
蜜汁叉焼
「甘い言葉なんかじゃないもん!」
「そ、そういうことは、好きな人だけに言えってお父が言ってたよ!
叉焼は、ま、まだ若いし、す、好きな人なんて、まだできてないよ〜」
警告!糖分は基準値を大きく超えた!
蜜汁叉焼
「だって叉焼は甘い蜜で作られたもん⋯」
「もしかしてわかさま⋯甘い叉焼のこと、嫌いになっちゃった⋯?」
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蜜汁叉焼
「何か落ちた⋯あれ?この絡繰りは、さっき叉焼が言ったことをテストしてくれたの?」
糖葫芦
「アメだ!おお〜これは嘘ついてないってことだね⋯
じゃあ、わたしたちのこと、本当に親友として接してくれたんだ?」
蜜汁叉焼
「もちろんだよ〜!わかさま、お父、糖葫芦くん、桂魚くん、白先生・それに⋯
とにかく、空桑のみんなは、みんな叉焼の大切な親友だよ〜!」
臭桂魚
「ま、またアメちゃんが⋯」
糖葫芦
「ご、ごめんね、叉焼のこと誤解して⋯」
蜜汁叉焼
「親友だもん、謝らなくて大丈夫だよ〜!」
皆で仲直りをして、先程まで物寂しい様子だった広場にも、普段の賑わいが戻った。
糖葫芦
「叉焼、その箱は何?大事にしてるみたいだし⋯
さっき部屋にいた時にも見せてくれなかったけど!」
蜜汁叉焼
「この中にはね、叉焼からのとっておきのプレゼントが入ってるの!」
「本当なら、誕生日プレゼントに渡したかったけど⋯まぁ今でも変わらないよね〜!」
「このタッセルはあなたに⋯」
糖葫芦
「えっ、わたしに用意してくれたの?」
蜜汁叉焼
「そうだよ〜。前に約束してたでしょ、あなたの灯籠用に新しいタッセルをあげるって!春巻に作り方を教わりながら、特別に編んだんだよ〜!」
「それで、この手袋は桂魚くんに!あの子の手はいつも冷えてるから⋯」
「これは夏皎おにいちゃんの!最高音質のマイクだって!」
【選択肢】
・プレゼントは?
・優しいね
選択肢
プレゼントは?
蜜汁叉焼
「困ったな〜、わかさまは食べ物にも着る物にも不自由してないし⋯」
「じゃあ、わかさまには『叉焼特別おつかい券』を一枚あげる!」
「この券を持ってれば、わかさまの要求になら何でも答えてあげる!」
優しいね
蜜汁叉焼
「そんなことないよ〜!わかさまの優しさこそ、空桑一だもん!」
「叉焼もわかさまを見習って、心優しいいい子になるの!」
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蜜汁叉焼
「誤解も解けたことだし、叉焼は⋯」
臭桂魚
「わかさま⋯蜜汁叉焼⋯絡繰りから便せんが一枚落ちましたよ⋯
どうやら『蜜アメ』の制作者が⋯残したもののようです⋯」
臭桂魚
「内容は――」
蜜アメの中には、陰謀だけじゃなく、透き通った真心も必ずあるとずっと信じている。
蜜汁叉焼
「わかさまの心もきっと透き通ったよね〜!」
「それじゃあ、叉焼はみんなにプレゼントを配りに行くね!
⋯あれ?おかしいな⋯ブーちゃんは?」
「あっ!すっかり忘れてたよ、ブーちゃんはまだ牧場にいるんだった一一」
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