煲仔飯・物語

一　胡蝶の夢・壱

◆主人公【男性】の場合◆

（逆の場合の差分は募集中）

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臘八粥

「松明、牛脂ろうそく、巫鏡…はぁ、施主、勝手に動いちゃダメだよ！」

臘八粥は袋の中の物をいじくりまわし、緊張しながら木の下で寝ている煲仔飯を見る。

煲仔飯はうとうとと居眠りをしていた。

彼の鼻先に一匹の蝶々が止まり、金色の羽を揺らしている。

臘八粥

「信じてくれよ、前のは全部ミスだよ、ミス！　…法具を使って、今度こそ蝶々を捕まえる！」

「この超レアな蝶々を捕まえたら、今回の蝶々捕獲コンテストの優勝は拙者たちだ！」

煲仔飯

「うん、赤綿がいっぱい…拾って豚骨スープを煮込んで…Zzz…」

「うぅん…鼻がムズムズする…Zzz…」

選択肢

お菓子を出して引き寄せる

煲仔飯

「うん…この味は…鵠羹がいつも隠しているお菓子！」

「緑豆ケーキ、花餅、梅花烙！わかさまが食べないなら、私が頂こう…」

羽根を一本飛ばす

煲仔飯

「う、う…宮保鶏丁、また羽が飛んだよ…」

「このまま動いたらハゲちゃうよぅ……」

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臘八粥

「おわっ！施主、邪魔しないでくれ。急に震え出したら蝶々が飛んじゃうよ！」

煲仔飯

「へ――――へ――」

「へっくしょん――！！！」

蝶が気流に流され、空へ飛んでいく時――

臘八粥

「ぼ、帽子も勝手に動き出した？！ひっ――」

煲仔飯の帽子が「シュッ」と舞い上がる。

「鍋蓋降臨」の技を使って蝶を捕まえれば、帽子はまた主の頭上に戻っていった。

臘八粥

「あわわ！？どうして帽子が勝手に動くんだ？」

「はは、まだ真っ昼間なのに、何かちょっと寒いよね…」

煲仔飯

「あ…お昼の時間だ…」

「ん？みんな…私を囲んでどうしたんだい？」

選択肢

優勝、おめでとうございます。

煲仔飯

「優勝？…あ、眠りの試合かな？」

「…蝶々捕りコンテスト、私が金色の蝶々を捕まえただって？　本当かい、臘八粥？」

臘八粥

「あわわ――引っ張らないでよ！その帽子に近づきたくないから！離して、離してよ！」

もう十年間ずっと眠っていたよ

煲仔飯

「……」

「――あ！？寝る前に注文したドリアンクッキーに、冷蔵庫に入れていた楊枝甘露、えび餃子に約束した広東風火鍋、全てなくなってしまった…どうしよう！関帝城隍神何仙姑土地神よ、わあ――！」

臘八粥

「彼がこんなに早く喋るのを初めて聞いたかも！」

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煲仔飯

「それは、どこかの神様の加護を…受けたってことなのかな？」

臘八粥

「うんうん！たとえ今日の件がなくても、拙者は貴方のことがすごいと思っているんだ！」

「おとといも、闘茶会で徳州に勝っただろ！」

煲仔飯

「うぅ、そのお菓子が美味しくなかったことしか覚えていないよ…だから私は…」

臘八粥

「そのとき拙者は龍井にインタビューしたんだ！貴方は居眠りをしていたから、雨が降っても茶器を納なかった」

「そして涼しい秋雨が、桂花を落として茶器に入った。その結果――徳州が弱火で煮込んだ特級碧螺春に勝った！」

煲仔飯

「アハハ…そもそも龍井自身の性格が変わっているからねぇ…」

臘八粥

「まさか、貴方は秘密の方法を使って、龍井の好みを調査したのか！　そして、貴方は天の時、地の利、人の和を揃えた計画を立て――」

煲仔飯

「ん？何を言っているんだい。私はただ偶然寝てしまっただけだよ…」

選択肢

煲仔飯は強運を持っているのかもしれない

煲仔飯

「しかしわかさま、私は毎回担仔麺が開催する感謝祭宝くじに参加するのだけど…一個も当たらなかったよ…」

「ん？当たった方がおかしいって？　まあそれはそうみたいだけど…」

煲仔飯は予言者かもしれない

煲仔飯

「そうだなぁ…じゃあ今から予言をしようか。毎日夕食に火鍋が出る――　わかさま、鵠羹に言っておいてくれない？」

「ねえ、聞こえないふりして、顔をそむけないでおくれ…」

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煲仔飯

「わかさま…そういえば、今はまだ昼寝の時間だよ…」

「だから何も考えずに、目を閉じれば…いいんだ…」

臘八粥

「え？もう寝たのか…」

「あれ、あれ？拙者も急にすごく…睡魔が…」

帽子の下から蝶が飛び出し、眩しい光を放つ。

みんなの視野は徐々に暗くなっていく――

臘八粥

「思い出した。この世には人に夢を見せる蝶々がいると、師匠が言っていた」

「これがまさかその…南華蝶…」

電車が通り過ぎ、街に「チリンチリン」とベルの音が響く。

人が混雑している城隍廟の前に、三人は空から落ちてきた――

煲仔飯

「わぁぁぁ！」

「痛っ！」

臘八粥

「貴方…貴方はこっちに来るなよ、施主を押し付けている！」

選択肢

痛い痛い！

煲仔飯

「わ、わかさまの悲鳴？　ごめんよ――」

もっと苦難を感じわいたい！

煲仔飯

「わ、わかさま！いきなり後ろから抱きつくのはやめてくれ、くすぐったいよ！」

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煲仔飯はバネのように立ち上がった。

そのとき、周囲の景色は彼を懐かしく思わせた。

煲仔飯

「う～ん…そこら中に赤綿がある。ここは、広州の街？」

まさにこの時、年老いた声が彼の耳元でささやいた――

？？？

「金色の、金色の蝶か？！」

ある白髪の男性が目の前に立っていた。

彼は煲仔飯の周りを飛んでいる金色の蝶を見て、瞳の奥に炎を燃やしているように見える。

？？？

「…金鳳蝶じゃ、金榜に名を掛ける金鳳蝶じゃ！」

「毎年祭りに参詣していたのは無駄じゃないという事じゃ、いよいよ、いよいよ来る――！　合格するのじゃ、今年はいよいよ合格するのじゃ！」

「この帽子を被った若者が、空から落ちて来たのをわしはこの目で見た――」

「ま、まさかあなたは…　城隍神の命でわしの科挙合格を助けに来た使者なのか？！」

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二　胡蝶の夢・弐

◆主人公【男性】の場合◆

（逆の場合の差分は募集中）

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？？？

「「若い頃にしっかりしないから、老いぼれになって後悔しても意味がない。」」

「「一年の中で春が短く、百年の人生の中で晩年が長い。」」

そのとき、学生たちは波のように頭を揺らし、小さな学堂の中に朗々とした本を読み上げる声が響く。

選択肢

…夢の中でも勉強するのか！

煲仔飯

「夢なら、ご馳走がいっぱいある夢がよかったなぁ…」

私は誰？ここは何処？何処へ行くの？

煲仔飯

「わぁ、夢に閉じ込められた上に。わかさまが記憶喪失！？」

「…冗談だって？驚かさないでおくれ」

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煲仔飯

「わかさま…やめるんだ、頭を壁に打ち付けても無駄だよ！　見せて…もう赤く腫れているじゃないか」

「臘八粥の話によると、私たちは夢から抜け出す方法を見つけるために、蝶々の指示に従う必要があるらしい。私たちがここに導かれたのも、たぶん理由があるはず…」

話が終わり、彼は講壇へ振り向いた。講壇の上にはやせ細った老人が立っている。胸の前まで生えた髭は読書の動きと共に揺れている。

煲仔飯

「もしかして…　この王さんを助けて、科挙に合格させるのかなぁ？」

「臘八粥は、もう脱出方法を探しに行ったよ」

「私の考えかい？…安心してくれ、何があっても――　私にも必勝道具があるから！」

王

「若者よ、ここに本当にわしを合格させる道具があるのか？」

煲仔飯

「もちろん、とびきりすごい道具だよ～。私にとって、これは全部必勝道具だから！」

「うわ、二人とも待って。早すぎると体に悪いから…」

選択肢

スピードを落とす

煲仔飯

「もうちょっと待って…服のボタンが緩くなって…」

いきなり止める

煲仔飯は「バーンッ」と○○の背中にぶつかり、石道に崩れ落ちた。

煲仔飯

「…わ、わかさまの背中は壁みたいに硬いなぁ！」

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街の隅々では、銅鑼の音が鳴り響き、色とりどりの旗が飾られ舞っている。果物屋にエナメル陶器店、銅器屋…相次いで匙を叩いてはチリンチリンと鳴らしていた。

商販甲

「陳記爽魚皮！美味しくなければお金はいらないよ！」

商販乙

「大良牛乳、パパイヤ水牛ミルクだよ！甘くて…あら、やだ範包仔じゃないか？あんたも祭りに来たのかい！」

商販甲

「範包仔、お得意さんへのサービスだ！半額にしてあげるから――早く友達を呼んできな！」

老人は周りを見回し、しばらく考えていた。

王

「まさか…この人々の中に、試験対策を研究した民間の専門家がいるってことか？」

煲仔飯

「えぇ、何を言ってるんだい？」

王

「わしは愚鈍でね、今でもその必勝道具がどこにあるのか分からないのじゃ」

煲仔飯

「あぁ、それならここにあるじゃないか！姜撞奶、艇仔粥、ドリアンクッキー…全部私の大事な宝物だよ～」

煲仔飯

「どうしよう？おじいさんを怒らせたみたいで、また学堂の方に行ってしまったよ！」

「もしかしてテスト前にリラックスするのは、とても大事な準備なんじゃ…？」

選択肢

気持ちは分かる

煲仔飯

「わかさま…その言葉、認めたということだね？そうだね？」

それは勉強ができる人のでたらめだ

煲仔飯

「わかさま、その微妙な表情…まさかこういうことに…経験があるのかい？」

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煲仔飯

「うん、そうだね。何としても、まずは王さんにちゃんと説明しなくちゃ…」

？？？

「我は天罰之焔・火羽之王・烈火丹心之守護者・永焚者・烈焔の諸帝…」

前方に突然一つの赤い姿が現れ、太陽を遮った。

焼乳豚

「城隍廟にお越しの客人の皆に、南越王の親衛隊よりもっと興奮する魔法ショーを披露するぜ！」

「天冥地火斬龍煙！」

数本の蛇状の花火が焼乳豚の手から舞い上がり、徐々に周りへと伸びていく。

道を急いでいたおじさんはそれを避け切れず、唸り声を上げて地面に崩れ落ちた。

焼乳豚

「なんと――　こんなにも早く美しい天冥地火斬龍煙の美しさに感動し、気絶するファンがいるのか？」

煲仔飯

「勝手に感動してないで、早く助けてくれ――！」

選択肢

夢の中の焼乳豚は、相変わらず頼りないね！

煲仔飯

「うわぁ、まさかさっきこの焼乳豚に期待したのかい？」

……

煲仔飯

「○○、大丈夫かい？ぼーっとしているよ…」

焼乳豚

「フンフン、どうやら天冥地火斬龍煙の威力に魅了されたものはもう一人いるようだな？」

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煲仔飯

「王さん、ちょっとは楽になったかな…」

王

「…はぁ、わしは一秒たりとも無駄にしたくないのじゃ」

「閣に暗記してない経書がまだたくさん残っている。『唐律疏議』だの『開元占経』だの…」

煲仔飯

「とりあえず、まずはごめんなさい！それと、ちょうど夕食の時間だから、これは私の店の煲仔飯です、良かったら冷めないうちに食べてください～」

王

「そこまでの配慮は要らんのじゃ。食に関してはあまり欲はない」

煲仔飯は気に留めることもなく、ご飯をおじいさんの口に運んだ。彼は口に含むと、ひそめていた眉を段々と緩めていった。

王

「長年家に閉じこもっていたからか、煲仔飯の味も分からなくなったか…うん、この懐かしい肉汁…」

一陣の風が吹いて、一輪のキワタが木の上から「とんっ」と煲仔飯の手元に落ち、彼は眼を細めて微笑んだ。

王

「ソースの味が口の中に広がって…気持ちも徐々に緩やかになっていく…」

「これはま、まるで若い頃――」

煲仔飯

「はい、こちらがご注文の臘味煲仔飯ですよ～」

王（若い）

「あれ？どうしてお茶碗の隣にキワタの花が落ちてるんだろう？」

煲仔飯

「それは春からのおまけですね～」

「他の人の話によると、街の木綿は毎年咲くんですって。それは花たちのきれいな姿で注意をひいて、客人たちを休ませたいという願いが込められているらしいですよ」

「今度休みたいときは、またこっちに来てくださいね。煲仔飯はいつも木綿の木の下で、羊城の民たちをお待ちしていますから～」

王（若い）

「本当に美味しいよ――お兄さん。私はこれから毎日必死に勉強して、高官になって、そして毎日美味しい煲仔飯を食べる！」

王

「そうじゃ、わしは…　下駄を履いて街を散歩して、毎日美味しいごはんを食べるために、ずっと…」

数週間後の午後…

臘八粥

「これはまずいぞ――今の状況をちゃんと理解しているのか！」

「王さんは焼乳豚の花火に撃たれてから、煲仔飯の影響を受けて、こんなにだらしない人になったのか？」

煲仔飯

「別にいいじゃないか。毎日早茶を飲んで、花位置をめぐって…官吏になるよりずっと幸せだと思うなぁ」

臘八粥

「煲――仔飯！彼はもう百歳だ」

「今度また落ちると、もう合格する機会はない――　つまり、蝶々の要求を満たすことができなくなって、ずっと夢の中に閉じ込められるぞ！」

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三　胡蝶の夢・参

◆主人公【男性】の場合◆

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煲仔飯

「ふわぁ〜⋯はぁ」

煲仔飯はあくびをして、だらけそうに皆の後ろについていく。

煲仔飯

「今日は結果発表の日だ。みんな結構冷静な顔をしているねぇ。

　おおかた自信があるんだろう」

「言ったじゃないか、安心しろって⋯きっと大丈夫だからさ〜」

臘八粥

「そうだよな、心配しすぎた。今度こそ合格して、拙者たちも帰ることができる―」

「――ってそうじゃない！これは冷静じゃなくて、絶望だよ！」

選択肢

どうして絶望するのか

煲仔飯

「そうそう。どうして絶望なんだい？」

「ここ数日、私たちは毎日王さんと一緒に食べて飲んで、羊城を満喫したじゃないか…」

絶望の中に希望の花が芽生える

煲仔飯

「⋯わかさまは哲学的なことを言うなぁ！」

「んん？人の哲学はいつも苦しみの中から生まれたって？」

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臘八粥

「そうそう、煲仔飯は王さんを連れて、毎日早茶を飲んで、花市をめぐって、疲れたら寝て⋯」

「何の資料も読まないで、試験会場で寝て、最後に適当な答案用紙を出した。

　これはもう終わりじゃないか！」

えび餃子

「は〜い、ご注文のレモン鳳爪！そして本日限定サービスの金榜題名〜」

臘八粥

「わ⋯こんな時に豚足料理を出すと、王さんは悲しむよ！」

煲仔飯

「安心して。私たちはいつも通り、ここで早茶を飲んで、結果が出るまで待つとしよう〜」

選択肢

煲仔飯を信じる

煲仔飯

「あれれ、若に信頼された…ちょっとうれしいなぁ」

「え？夢に長期滞在する計画？わかさまはもうそんなことを考えているのかい？」

煲仔飯に質問する

煲仔飯

「⋯あ、私に怒っているのか〜」

「私が最後の菠蘿油を食べちゃったからかな？いい香りで、我慢できなかったんだよぅ――ごめんよ！」

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「でも王さん、本当に大丈夫？全然緊張していないみたいだけど⋯」

王

「もう⋯良いのじゃ」

老人は茶楼の粤劇を見ながら、お茶を啜った。

王

「この間、あなた達が付き合ってくれて、本当に感謝している。

　範包仔のおかげで、わしは初心を取り戻せたのじゃ」

「わしはずっと独りで書籍を研究して、すべての時間を勉強に捧げてきた⋯」

「しかし、少し目を逸らせば、身の回りに⋯こんなにも普通の幸せがあったとは知らなかった」

「道端の熱い煲仔飯に赤い花、早春の花市⋯」

「これは全て⋯官服の孔雀羽根より私を満足させる」

煲仔飯

「うん⋯私も心から嬉しく思うよ。」

選択肢

あなたもそう思うでしょう

煲仔飯

「うん、毎日いいものを食べてよく寝て、楽しく過ごす～

　これは多分、広東人全員の座右の銘なのだろう」

普通の幸せ？

煲仔飯

「うん、例えば――」

「空桑にいる毎日、私はわかさまと一緒にご飯を食べて、散歩して、昼寝して⋯それだけでもう十分幸せだよ！」

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煲仔飯

「でも、王さんは本当に大丈夫かな？

　目標のために、百年も頑張ったんだ⋯」

舞台の演劇は、ちょうど『范進中挙』を演じている。

舞台にいる俳優は、自分の不遇とやむを得ない心境を一つ一つ演じた。

俳優

「悲しや！悲しや！いつまで孜不倦で嘔心瀝血が続くのやら、この墨を磨り切った頃には、もう白髪の老人になってしまう」

王

「これも⋯やむを得ない事じゃのぅ」

俳優

「磨穿鉄硯は全て功名のため、もう才能があるのに諦めるには――」

「卑屈でも借りに行こう、借りられないなら物乞いをしても一位を！」

えび餃子

「朗報朗報！合格だよ、合格〜♪」

煲仔飯

「えび餃子、君、粤劇も歌えるのかい？」

えび餃子

「本当に合格したの、私が朗報を届けに来たの〜♪」

煲仔飯

「このセリフは壇上にいる「范進」に向かって歌うべきだよ」

えび餃子

「范進じゃなくて、王健寒だよ！ジャジャン〜

　このテーブルの王様が合格しました〜⭐︎」

老人は震える手で、コップを置いた。

彼の目からは信じられないほどの、喜びの光が輝いている。

王

「⋯あ、ありがとう、本当に⋯ありがとう！」

朝の風が窓から吹き込んでいる。燃え盛る炎のようにキワタが木の上で咲き誇る様は、まるで夕日のように鮮やかだった。

臘八粥

「大団円な変な夢だ。本当に煲仔飯らしいな。

　ここ数日、簡単に民間の伝説を調べたけど」

「本当に広州には百歳で功名を取った王健寒という名のおじいさんが実在してた」

「彼は、昔勉強しすぎて、文章を書く時になじみがない典故を使うから、採点者に好かれなかった。

　長く寝て簡単に書いたら、逆に合格したって。」

煲仔飯

「そうなのかい？私はもう⋯全部忘れてしまったみたいだ」

選択肢

これは実話なのか？

煲仔飯

「多分茶楼でこの話を聞いたことがあったけど…でもそのときは蝦を剥くのに集中していて、あまり頭に入らなかったかもしれないなぁ」

頑張って思い出して！

煲仔飯が頑張って思い出すこと、三分、五分、十分⋯

臘八粥

「起きて、また寝ちゃうよ！」

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煲仔飯

「あ⋯思い出した！」

その場にいる全員が緊張して、煲仔飯の回答を待った―一

煲仔飯

「私が蝶々になって、空桑であなたたちに追われたり、羊城で飛んだりして⋯」

臘八粥

「どうやら、これは偶然や階段じゃなくて、もっと奥深い何かだったのかもしれない」

煲仔飯

「ふわぁ〜⋯はぁ、それより、また夢を見ようなかなぁ。

わかさま、枕がほしいなぁ〜」

選択肢

肩を貸す

煲仔飯

「どうもありがとう…夢にあなたが出てきたらいいな…Zzz…」

上着を貸す

煲仔飯

「う〜ん⋯軟らかくて、わかさまの匂いがする⋯これは⋯とても安心⋯Zzz⋯」

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煲仔飯

「ん？木綿の花言葉⋯思い出した」

「今の時間、今目の前にいる人を大切にする⋯」

「次、わかさまに会う夢を見たら、全部覚えておこう」

「あなたこそが…私が一番大切にしたい⋯安らぎだから」

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