臭桂魚・手紙
半分風雅
主人公名:
〈震える筆跡。書いた人は字を書くことが苦手のようだ。しかし、力いっぱい真剣に書いたようだ。〉
わかさまがみんなに言い聞かせてくれたおかげで、みんなは桂にすごく親切にしてくれます。葫蘆ちゃんや青団や春巻はいつも遊びに誘ってくれて、鵠羹お兄ちゃんもいつも美味しいおやつを持ってきてくれます。みんなの優しさに……感謝してもし切れません……
できるだけ迷惑をかけたくないのですが、ついついわかさまに頼ってしまいます。みんなとのお付き合いのことまで、わかさまの力を借りるなんて、本当は迷惑ではないでしょうか?
桂くん
同袍同沢
主人公名:
わかさまはおやつが好きって鵠羹お兄ちゃんから聞いたので、作ってみました。わかさまはお花が好きだと春巻きから聞いたので、お花も摘んできました。わかさまは枝で作った帽子と羽根で作った鞠が好きだと青団と葫蘆ちゃんから聞いたから、それも探してきました……
こんな些細なものでは、わかさまがくれた優しさには到底適いませんが、今の桂には、これくらいのことしかできません……
〈最後の文字は涙で滲んだ……〉
桂くん
以心伝心
主人公名:
若様のご恩に対して、お返しすることを気にしなくて良いっておっしゃいましたか?それはダメですよ。聞いてください、桂は生まれながら醜くて臭いから、自分ですら自分のことを好きになれません。でもわかさまはで桂のことを「可愛い」と褒めてくれたり、頭を撫でてくれたり、優しい言葉で桂を褒めてくれますよね。
これはおそらく桂が、ずっと望んでいる「家族の絆」ってものではないでしょうか。思い出すと暖かく感じるのです。わかさまのおかげで、放浪していた桂に「帰る場所」ができました。このご恩は返さないといけません。もしよろしければ、これからもわかさまのために尽くしたいです……
桂くん
金蘭之契
主人公名:
わかさま、『みにくいアヒルの子』という童話の話を聞きました。みにくいアヒルの子はいくらかの苦痛を凌いで、最後は美しい白鳥となりました。その日の夜、ちょっと恥ずかしい夢を見ました。夢の中で桂は大きくて凛々しい桂魚になっていました。もし桂が、みにくいアヒルの子みたいに勇気を出して困難を乗り越えたら、自分を変えることができますか?
徹夜で思考した結果、桂は大きくなって、自分の力でわかさまを助ける決意をしました。これは最高の恩返しだと思っています。これからは、わかさまのために自分を変えられるように頑張りたいです。わかさま、ご期待してください!
わかさまの桂くん