吉利エビ・手紙
半分風雅
主人公名:
〈封筒からピンク色の紙片が落ちた。〉
『結婚相手募集中』
二十代前半、賢くて有能。
無職だが、夢多き者。
上記条件を満たす、余生を共有できる運命の伴侶を求む。
電話番号:吉利エビXXXXXXXX
着信待ちの吉利エビ
同袍同沢
主人公名:
最近また新しい方法を見つけたよ! まずは頭の中にラブラブな妄想を巡らせて、そして愛を求めて家から出て散策したんだ! 誠意を尽くせば、きっと運命の人に出会えるからね!
だから甘い口づけを想像しつつ、僕は目を閉じて部屋を出たんだ。そうしたら、可愛い少女の口癖である「にゃ」って言った柔らかい人とぶつかったんだ……!
これは運命の人だと思って、僕はキスしたんだよね……でも、相手は激怒した陸吾様だったんだ……
ううっ……顔をいっぱい引っ掻かれて、痛かった〜。
吉利エビ
以心伝心
主人公名:
昨日やっとう厨房から桃花粥を一杯もらってきたよ! 「桃花の香りは愛の兆しって言うよね?
霧の中に吉先生と利姐さんを見てさ。二人は相思相愛で一生を過ごしたんだよ。それとね⋯⋯キミの笑顔も見たんだ。愛というものは数日前に読んだ詩と同じかなぁ?
『ふと振り返れば、薄明かりにあの人がいた。』
吉利エビ
金蘭之契
主人公名:
結婚相手を募集したら、電話が何本か来たよ。でも応募してくれた人は、僕の理想とするパートナーじゃなかった……愛とは一体、どんな味がするのかな? 果実に例えると、甘酸っぱいみかんか、それとも青くて渋い橄欖のよう……
試してみたいな……もしよかったら時間があるとき、電話してくれないかな?
吉利エビ