雲托八鮮・物語
一 民衆の信頼・壱
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
共通
雲托八鮮
「○○?訪ねて来てくれて感謝します。空桑へ越してからは、とても調子が良いですよ」
「実は、空桑の法を読ませて頂きましたが、幾つか疑問があります。
貴方の時間が許すのであれば、実地調査を行い、原因を知りたいのですが、宜しいですか?」
「何処に疑問を抱いたかですか?」
「空桑の法は、唐王朝の律法と比べるとその違いは歴然、説明すると長くなりますので、歩きながら話しましょうか……」
雲托八鮮
「ご存知ですか?唐では民間人が牛を許可なく殺生することを禁じていました。何故なら、当時の牛は大事な農業生産用具だったからです」
「ですが、貴方が先ほど我に見せてくれた数々の精巧な農業の仕掛け、それらを用いれば大幅に農業生産を高めることが可能になります。故に空桑では、そういった法を制定する必要はありません」
「法律は不変ではない、その土地や時代によって変えていくものです。空桑の法と唐王朝の律法の違いは、それぞれに根拠があるのですよ」
「空桑に腰を据えると決めたのですから、一刻も早く現地の民の生活を把握し、法を熟知して、改善していかなければ……」
「おや?あそこの二人はなにをしているのです!?」
飛龍湯
「ふはは、火之諸帝、俺の火焔の槍を受けてみよ!」
焼乳豚
「ははははははは、来い!諸帝の中にいる火魔もそろそろ抑えがきかないようだ!」
雲托八鮮
「何をしているのですか?直ちに止めなさい!空桑の法では、公共の場での決闘は禁じられているはずです!」
「貴方たちは官職を持つ身なのですよ?武力を振るうのは公務のためですか? 公務に関係なく私情で行った場合は、重罰を受けなければなりませんよ!」
「もしや今までもそのような前科が?まさか決闘の過程で公共物を破壊などしていないでしょうね?
共犯でも後先があります、何方が先に言いだして、何方がそれに従ったのです?」
焼乳豚
「えっと……飛龍、諸帝が先に手合わせを申し出たのだったか、それとも貴様からだったか?」
「あ、あと、麦を二株ほど燃やしてしまったのだが、公共破壊になるのか?」
飛龍湯
「っは?喧嘩に御託は必要ない。放っておけ、いざ尋常に勝負――」
雲托八鮮
「その手を止めて我の質問に答えなさい!貴方たちの行いを全て記録し、法に基づいて罪状を決定しなければならないのですよ!」
そう言って、雲托八鮮はすぐさま紙と筆を取り出し、真剣に罪状を一つずつ書き記していく。
飛龍湯
「なにが罪状だ、そんなもの勝手に書けばいいだろう!」
雲托八鮮
「勝手に書くですって!?賞罰を与える時は、立場や身分に関わらず公平に行うべきです。
貴方たちに対する我の主観的な印象だけで法律に代わって判断することは断じてなりません!」
「それに一旦判断を誤り、他人の利益を侵害してしまったら、それは我の失態のみに留まらず、法律に対する冒涜にもなるのですよ!」
「最後に、お二人に忠告しておきます、どうしても手合わせがしたいのであれば、必ず正規の施設で申し込みを行ってください。
でないと、今日みたいに我が法の仕組みというものを分からせてあげますからね――」
三十分後……
焼乳豚
「飛飛飛飛龍――この者は一体何を言っているのだ!!!諸帝にはさっぱり分からん、あ、頭がクラクラする……」
飛龍湯
「お、恐ろしい!これはなんの「呪術」だ!?武器もないのに、敵を始末することができるというのか?」
浴びせられる言葉の射撃に焼乳豚と飛龍湯は打ちのめされ、お互い頭を抱えながら部屋へと帰っていく。
雲托八鮮
「なんとか非合法の決闘を食い止めることができましたね」
「古代では法制を普及させるために、重罰を課して民への見せしめにすることがあります。ですが空桑でそのような重罰を行うのは、我の意に反するのであまりやりたくはありません」
「ですが先ほどの状況を鑑みると、一刻も早く空桑で法制を普及させないとならないようです、さてどうしたものか……」
【選択肢】
・今しがた成功したじゃないですか?
・「法制教育」をご存知ですか?
選択肢
今しがた成功したじゃないですか?
雲托八鮮
「貴方は我が食魂たちに法律の重要性を説いたことが、法制の普及に一役買っていると言いたいのですか?」
「法制教育」をご存知ですか?
雲托八鮮
「罰を多く課すよりは良い政治を、賞を多く与えるよりは良い教育を」
「それが法律に対する空桑の態度なのですね?」
共通
「貴方は我に演説部へ入り、法制を普及させるための公演を開いて欲しいというのですね……」
「一度に聞き慣れぬ言葉をたくさん聞いたためか、少々頭が混乱しています、少し整理させてください……ですが、何故か我の心は高揚しているようです」
「貴方の仰る申請手順は覚えました、必ず規定に従います」
「○○、貴方の提案に感謝します……どうやら、空桑での新しい法制の普及方法を見出せたかもしれません!」
数日後
符離集焼鶏
「○○、警務部の周りをうろちょろとなにやってんだ?視察にでも来たのか?」
「へへん、東璧と雲謹が来てからというもの、警務部の仕事効率も格段に上がってよ。今までたまってた事件まで全部解決したんだぜ」
「でも、なぁお前、本当に暇してるなら、雲謹を気にかけてやってくれないか……」
「あいつ、法制教育の公演に失敗してからというもの、なんか人が変になっちまったみたいでさ。
別に勤務態度がだめとかじゃないんだ、仕事は相変わらず真面目なんだ、ただ――」
雲托八鮮
「囂々(ごうごう)たる者よ、罪を認めよ!」
符離集焼鶏
「ほら、まただよ……」
突然、高らかな声が部屋から聞こえてきた。だが、よく聞く台詞の後、木簡を床に投げる音が聞こえてこない。
雲托八鮮
「素晴らしい!罪無き者の冤罪を晴らした、貴方たちの公正な審判!パソコンの画面越しでも、貴方たちの正義に拍手を送りたい!」
「わ、若?何時からそこに?」
【選択肢】
・正義に拍手をおくる所から!
・最近ストレスが溜まっているのでは……
選択肢
正義に拍手をおくる所から!
雲托八鮮
「お恥ずかしい所をお見せしました。実は……」
最近ストレスが溜まっているのでは……
雲托八鮮
「木簡を投げてストレス発散につきあってくださると?」
「いえ、それは結構です」
共通
「貴方は、我の味気ない講座に面白みを加えてはどうかと提案されましたよね。
その後、家に戻り色々模索していたところ、ちょうど陳豆児が我にインターネットの使い方を指導してくださったのです」
「それで、インターネットを通して、法制の普及方法を色々知りました。
例えば、法廷裁判の生放送を観るというのは、木簡を投げるよりも良いストレス解消方法だということが分かりました」
「そうだ、ちょうど貴方に見て欲しいものが……」
雲托八鮮は四苦八苦しながら本棚から大きな箱を取り出し、仰々しく中の物を説明する――
雲托八鮮
「法廷裁判の生放送を全て録画しました。これでもう一度公演を開き、皆さまに録画をお見せするのです。鑑賞後に我が質疑応答を行い、法律に対する疑問にお答えしましょう」
「それから、法制新聞についてですが、それにも古今東西の事件概要を載せようと思います。
それを食事処で配布しようと思うのですが、如何ですか?」
【選択肢】
・雲謹、それでは根本的な解決にはならないと思いますよ。
・手取り足取り教えないとダメみたいですね。
選択肢
雲謹、それでは根本的な解決にはならないと思いますよ。
雲托八鮮
「若にはこれよりも良い方法があると?」
手取り足取り教えないとダメみたいですね。
雲托八鮮
「手取り足取り……教えてくださると?」
共通
「遊びを取り入れた法制普及のための遊園イベントを開催する……ですか?」
「ですがそのような遊園イベント、どのようにして開催すれば宜しいのですか?どうか此方にいらしてお教えいただきたい……」
二 民衆の信頼・弐
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
共通
雲托八鮮
「なるほど、どうやら我は貴方の言う「面白みのある法制普及」の意味を理解できていなかったようですね」
「普及の本質は民に法律について知ってもらうことです。ですが、我は単純に公演を動画鑑賞や新聞に差し替えただけで、一方的に法律を押し付けているのには変わりがない、それでは真に法制を普及したことにはならない」
「民の目線で見て、彼らの需要を知り、思考を理解する、その上で難解な規律を分かりやすい言葉に換え、遊戯という形で普及させる、それが我のなすべきことだったのですね」
「若、貴方は誠に聡明な方だ、また貴方に諭されてしまいましたね」
「貴方の言う遊戯の道具を作るのに必要な絵筆、絵具、厚紙等でしたら、売っている所を知っているかもしれません……」
雲托八鮮
「若、ここは我が最近よく訪れる文房具兼本屋です」
本屋の店長
「雲先生じゃねぇか、あんたの言ってた法典の孤本、倉庫から見つけてきたよ」
「しかしもう唐王朝から民国までの法律を読破しちまったのか、次は現代の法律でも読むつもりかい?」
雲托八鮮
「恐縮です。今日は主に文房具を買いに来たのですよ。こちらがリストなのですが――」
本屋の店長
「なんだ、子供の図画工作用具じゃねぇか。お安い御用だ、ちょっと待っててくれ……」
【選択肢】
・普段から法典にお金を全部使っているのですか?
・最近ずっと夜通しで法典を読んでいるのですか?
選択肢
普段から法典にお金を全部使っているのですか?
雲托八鮮
「法典を買う以外に、有用な使い道も思い浮かびませんから」
「それに、古代では孤本はとても手に入りづらい物なのです。ですが、ここならお金を払えば買うことができる、とても喜ばしいことです」
最近ずっと夜通しで法典を読んでいるのですか?
雲托八鮮
「歴史の移り変わりと共に、法律も変化しています。法制の普及を効率よく行うには、不足した知識を補わなければ……」
共通
一方で、本屋の店長が何やら仕入れ先ともめているようだ。
雲托八鮮
「店長、何か問題でもありましたか?」
本屋の店長
「品物とその値段に問題が起きてな、こいつがギャーギャー騒ぐもんだから、困っちまってよ……」
雲托八鮮
「商談の場で起きた揉め事でしたら、口頭での調停で事足ります、お任せください」
雲托八鮮が二言三言話しただけで、店長と仕入先はお互い納得し、握手で和解した。
本屋の店長
「さすがは雲先生だ。この前も先生から法律に関するアドバイスをもらったしな」
雲托八鮮
「礼には及びませんよ。恩師が教えてくれたのです、法は本の上にあらず、民生の中にあり。
我はそれを信念として常に行動しているだけです」
「……それにしても、若はどちらに?若を見かけませんでしたか……」
本屋の店長
「ん?この本屋街は人通りが多いからなぁ、雲先生のお友達、人混みに流されちまったんじゃないか」
雲托八鮮
「――!」
連れがいなくなってしまったことに、雲托八鮮は焦りを感じ、急いで会計を済ませると外へ飛び出した――
雲托八鮮は長い通りを延々と探し回ったが、探し人は見つからない。
手に持っていた数冊の分厚い法典を地面に置き、息を切らしながら柱にもたれかかる。
雲托八鮮
「はぁはぁ……我は……法典を得て、若を失ったということでしょうか?」
「先ほどは……法典を片手に、もう片方の手で……しっかりと若を掴んでいるべきでした」
「どうやら、我の心の秤は……彼と律法を同じ重さで捉えているようですね……」
そのとき、雲托八鮮は誰かに肩を叩かれた。振り返るとそこには――
【選択肢】
・目薬を手渡す。
・アイマッサージマシーンを手渡す。
選択肢
目薬を手渡す。
雲托八鮮
「これは……?」
「貴方は我のために目の疲れを取る薬を買ってきてくれたのですか?」
「え、目薬のさし方を教えてくれると、あ、ありがとう……こんなに近づけてさすものなのですね……」
アイマッサージマシーンを手渡す。
雲托八鮮
「これは……?」
「貴方は我のために目の疲れを取る器具を買ってきてくれたのですか?」
「有難うございます、先ほど貴方がいなくなってしまって、我は本当に……いえ、貴方が無事で何よりです」
共通
「今後法典や資料を読む時は、目をしっかり休ませろと?」
「分かりました、ですが今は休んでいる場合ではありませんね」
「材料も揃いましたし、さっそく戻って遊戯の道具を作りましょう」
空桑に戻ると、ちょうど子供達が警察ごっこをしている場面に出くわした。
青団子
「あ、雲謹兄さんと小旦那様がたくさんの絵具と絵筆を持ってますよ、あとお菓子と玩具も~」
雲托八鮮
「我々は法制の普及を目的とした遊園イベントを開催する予定なのですよ。これは遊戯道具を作るための材料と、遊戯の景品です……」
糖葫芦
「新しい遊戯で遊べるの?絶対に葫蘆ちゃんも仲間にいれてね!」
「ゴホン、雲謹兄ちゃん、何故そのようなキラキラした目でオレを見るのだ、顔も赤くなっているな、何か罪を隠しているのではないか?」
雲托八鮮
「……」
東璧龍珠が犯人を尋問している時の口調を真似た葫蘆ちゃんに、雲托八鮮はたまらず吹き出してしまう。
糖葫芦
「雲謹兄ちゃん怪しいぞ!わか、証拠を探し出すのだ」
雲托八鮮
「若、許可なく他人の体を検査するのは――」
体の任意の位置に触れる
触れ合い
頭に触れる(彼の額に手をあてる)
雲托八鮮の額は熱く、どうやら熱があるようだ。
体に触れる(彼の額に手を当てる)
雲托八鮮は伸ばされた手を避けようと、とっさに胸元をかばった。
だがそれは実はフェイクで、彼が気を取られているうちに、もう片方の手で熱くなった額に手を当てる。
手に触れる(彼の手を握る)
雲托八鮮の手のひらは熱く、どうやら熱があるようだ。
共通
春巻
「若様、雲謹兄様は熱があるのですか?餃子爺に見てもらった方がいいのではないでしょうか?」
雲托八鮮
「……心配してくれてありがとうございます」
「若、我が今まで無理していたことに気付かれたようですが、我はここで休むわけにはいかないのです」
「この身が倒れても、法は倒れず!」
【選択肢】
・あなた一人で法制の普及をしているわけではないのですよ。
・そんな頑固な人には、いつも通り……
選択肢
あなた一人で法制の普及をしているわけではないのですよ。
雲托八鮮
「――!」
「わ、我は……一人ではないと?」
そんな頑固な人には、いつも通り……
青団子
「わぁ~あの易牙を打ちのめした拳と、キノコ姫を蹴り倒した小旦那様の必殺技がみれるのですか?」
雲托八鮮
「い、いけません、他人の命を脅かすような行為は――」
だが雲托八鮮に向けられたのは、想像していたような拳ではなく、椅子に座らされただけだった。
雲托八鮮
「はは……若、貴方は我に座って休んで欲しいのですか?」
共通
春巻
「そうですよ、雲謹兄様、若様の言う事を聞いて休んでください。遊戯の道具を作るのでしたら、わたしたちが手伝いますよ!」
青団子
「青も手伝います!どうやってあんな目の回るような法律の文章を、カラフルな絵にするのか気になります~」
糖葫芦
「葫蘆ちゃんもどうやってあんなクラクラする法律の内容を、面白い遊戯にするのか気になる!」
雲托八鮮
「……ありがとうございます、皆さん。若、貴方の提案する普及法が正しいのだと、改めて感じましたよ」
蝋燭の明かりの下、部屋で雲托八鮮が真剣に赤い切り花を法制教育新聞に貼り付けている。
雲托八鮮
「若?ええ、青団子たちがほとんどの仕事を助けてくれましたよ」
「我は今この法制教育新聞を少し飾り付けようと思いまして、少々お待ちを!」
自分を訪ねてきた人を見て、雲托八鮮は仕事に没頭していて飲むのを忘れていた机の薬を急いで飲み干した。
雲托八鮮
「薬を促したり、睡眠まで気にかけてくださるとは……空桑の患者は、皆このように「優遇」されるのですか?」
「承知いたしました……すぐに休みますよ」
温かい灯に、暖かい室内、そしてベッドの傍で見守ってくれる人、雲托八鮮は今までにない安心感を感じていた。
薬の効果も相まってか、心地良い眠気が押し寄せる……
雲托八鮮
「若……法律と関係のない話を、しても宜しいですか?」
「我は以前湘地で遊学をしていたのですが、民の辛さを目にし……その後長安で職に就き、乱れた情勢を目にし……更には砂漠の過酷な地にも赴きました……」
「その間、様々な君主と出会いました……清廉潔白な方もいれば……唯我独尊な人も……
彼らが我を支持しようとしまいと……どうでもよい事でした……」
「ですが……貴方は……違う……」
三 民衆の信頼・参
◆主人公【男性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
共通
双皮ミルク
「空桑農場がなぜ今日のような賑わいをみせているのか?食魂たちが遊戯の店を出したのは?これらの背景にあるのは、はたして人の性の光か、はたまた道徳の昇華か?」
「新聞部記者である双皮ミルクのカメラと共に、いざ第一回空桑法制教育遊園イベントへ――」
春巻
「双皮ミルク兄様、法制教育早口言葉の遊戯に参加しますか?」
「参加するだけで法制教育新聞がもらえるんですよ。
もし早口言葉に成功したら、「法制教育の星」の勲章ももらえるんです!」
双皮ミルク
「早口言葉の遊戯なんて朝飯前ですよ!どれどれ……」
一分後……
焼乳豚
「うおおーー双皮ミルク、貴様はどうやってやり遂げたのだ?一気に法制教育の冊子を丸ごと暗記するなど!」
「この前、雲托八鮮が公演を開いた時、諸帝は何時間も聴いていたが一言も覚えられなかったぞ!」
春巻
「それはですね、雲謹兄様が法律の内容を楽しい早口言葉にしてくれたからですよ!」
「それからこの法制教育の漫画広報、わたしと青団子が描いたんですよ、何を意味しているのか分かりますか?」
焼乳豚
「絵物語なら公演を聞くより容易いだろう、どれどれ……この絵は、農場で喧嘩をしてはならんという意味か?」
「む、ここに描かれている赤い鳥人と燃え上がる焼き豚、見覚えがあるような……」
蜜汁叉焼
「お父~お父~、あそこ凄く賑やかだよ!」
春巻
「あちらでは「二人三脚法制教育クイズ」の遊戯をやっていますよ。二人三脚で正面に置かれている法典の名前が貼られたカゴに向かい、法律の内容が書かれたカードを正しいカゴに入れて、また戻って来るんです」
「若様が言うには、体を動かしながら法律を覚えることで、覚え易くなるそうです」
双皮ミルク
「ほぉーー面白そうな法制教育遊戯の裏にはどのような秘密が隠されているのでしょうか?引き続き新聞部記者双皮ミルクのカメラと共に現場へ突入しましょう――」
双皮ミルク
「「二人三脚法制教育クイズ」も佳境に差し掛かっているようです、先にカゴへ到達したのは――」
「わかさまと雲托八鮮のチームが先頭です!」
「はたして彼らはカードを正しいカゴに入れることができるのでしょうか?」
雲托八鮮
「若、カードをカゴに入れてください」
【選択肢】
・雲謹の意見を聞く。
・自分の判断を信じる。
選択肢
雲謹の意見を聞く。
「この法律は刑法からきています。ですので「刑法」と書かれたカゴにカードを入れて、出発地点へ戻りましょう――」
自分の判断を信じる。
「お見事です、若、正しいカゴですよ。急いで出発地点へ戻りましょう――」
共通
「わ、若!歩くのが速すぎます……」
双皮ミルク
「素晴らしい!わかさまと雲托八鮮が手を取り合い、足取り早く出発地点へと戻っていきます――」
「おお、第二チームもカゴの前に到着しました、彼らは青団子と糖葫芦です!」
青団子
「葫蘆ちゃん、どこカゴが正解でしょうか?」
糖葫芦
「わたし知ってるよ!雲謹兄ちゃんが教えてくれたからね、この法律は民法だ!」
双皮ミルク
「青団子と糖葫芦もカードを正しいカゴに入れたようです!帰り道で先頭チームを追い抜くことができるのでしょうか?
皆さんで見守りましょう――」
帯把肘子
「雲謹の奴なかなかやるじゃねぇか!普段は大人しそうなのに、運動している姿も様になってるな!
まぁ、ほとんど若様に引っ張られて走っているようにしか見えねぇが、ははは!」
「青団子たちも頑張れよ!青は藍より出でて藍より青しっていうからな!」
「今回の法制教育イベントはなかなかなもんだな!
法律に触れながら、体の鍛錬もできる、見てる俺も参加したくなってきたぜ!」
こうして、法制教育遊園イベントは皆の笑い声の中で幕を閉じた。
一日中忙しくしていた雲托八鮮は、汗だくになり、疲れて草の上に座り込んでいる。
【選択肢】
・起き上がるのを助ける。
・楽しくて目が回っちゃいました?
選択肢
起き上がるのを助ける。
雲托八鮮
「ありがとう。
当初法制教育の公演を開いたとき、皆さまから頭が回るとのお叱りを頂きましたが。
本日皆さまと遊戯を行った私も、頭が回っていますよ。
ようやく分かりました、お互いに理解しないと、お互いに学べないのだと」
楽しくて目が回っちゃいました?
雲托八鮮
「空桑で、このような平和で友好的な方法で法制教育を行い、老若問わず得るものができて、我は本当に楽しいです」
共通
「今日の法制教育イベントが上手くいったのも、貴方と……皆さまのおかげです」
「この感謝の気持ちは言葉では表せられません、かくなる上はこの身をもって法を守り、皆さまのご期待に沿うよう精進いたします」
「ですがその前に、貴方が助けてくれたことへのお礼を考えなければなりませんね……」
一週間後、雲托八鮮がその「お礼」をするためにやって来た――
雲托八鮮
「若、なぜ我が正装をしているのか疑問ですか?」
「今日は貴方と初めて共に裁判所へ赴き、崇高なる審議の傍聴に行くのです、軽装ではいけませんよ」
「そろそろ時間です。あちらにあるのが裁判所ですよ、急がないと遅刻してしまいます」
裁判所は民国の風情漂う通りに建っていて、歴史ある風貌の建物だった。
裁判が始まる前に、書記が法廷の規律を読み上げ、裁判官、裁判員が入室し、全員が起立する。その後、裁判官が開始を告げ、全てが順序良く厳かに行われる。
しかし、数時間後……
トン――
雲托八鮮
「若……貴方?」
「疲れたのでしょうか?我の肩に頭をのせて眠ってしまうとは」
そう言って軽くたたいて起こそうとしたが、途中で思い止まり、暫く躊躇する。結局は手を下ろし、そのまま眠らせてあげることにした……
雲托八鮮
「若……裁判が終わりましたよ……」
「まぁ、いいでしょう……空調が寒いですね、冷えないようにしないと」
雲托八鮮は軽くため息をつくと、自分のローブを外し、彼の上に被せる、そして自分は席を立ち、裁判官や弁護士たちと話をしに行った……
雲托八鮮
「若、お目覚めですか?」
「審議は終わりましたよ、最後までご覧になられなかったのは残念ですが」
【選択肢】
・どうして起こしてくれなかったの?
・ごめん、すぐ起きるから
選択肢
どうして起こしてくれなかったの?
雲托八鮮
「貴方にはぐっすり眠れる一晩を与えられましたから、無理矢理起こすことはできませんでした」
「しかし、裁判所で居眠りするのは慎重さに欠ける行為ですから、今度からは寝ないようにしてください」
ごめん、すぐ起きるから
雲托八鮮
「もしまだ疲れているようでしたら、もう少しもたれかかっても大丈夫ですよ」
「貴方の体を支えるくらいの力なら、我の肩にはありますから」
共通
「裁判が終わった後、幸運にも同業者と交流を深める機会に巡り合い、彼らから現代司法の精神を教わりました」
「我はその精神に感動し、歴史と共に変わってきた法律に喜びをも覚えました」
「彼らは我と同じ純粋な心を持ち、法律を以て世の穢れを追い払う理想を持っています。なんて欣快なことでしょう…」
【選択肢】
・君の揺るがない理想に感服したよ。
・君の純粋な心が羨ましい。
選択肢
君の揺るがない理想に感服したよ。
雲托八鮮
「ええ。法律を守り、更に広めることこそが、我の変わらぬ理想でした」
「しかし、我を空桑に連れてきた君には感謝の気持ちを伝えねばなりません。我を平和且つ友好的な法律を広める道に導いてくれましたから」
「これからも貴方と共に、この道を歩めたら…」
君の純粋な心が羨ましい。
雲托八鮮
「人々が皆得意とする領域で輝き、自分の本職を全うし、法律と自然の規則に従って暮らせば、国家は安泰になり、人民も平穏な日々を送ることができるでしょう」
「法律を守ることが我の本職であるように、若の本職は食魂の理想を見守ることです」
「貴方がここの主であり、食魂達の期待を背負っている以上、我の理想実現の為だけに働く訳にはいかないかもしれませんが…」
「我は何時になっても貴方を補佐し、空桑を公平と正義が重んじられ、幸せと喜びが溢れる食魂の楽園に築き上げることを誓いましょう」
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