桜桃畢羅・物語
一 共に口ずさむ・壱
◆主人公【女性】の場合◆
(男性の場合の差分は括弧書きで記載)
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桜桃畢羅
「麗しの雛菊、散歩に付き合ってくれてありがとうございます。」
「ちょっと、じっとしててください⋯髪に薔薇の花びらが付いていますよ。」
「⋯⋯⋯。」
「ああ、早まって取るべきではありませんでした。
あなたの柔らかくて艶のある髪の毛と相まって、まるでシルクのように綺麗だったのに。」
畢羅はその白い花びらを丁寧に懐に入れたーー
桜桃畢羅
「⋯陽射しが強くなってきましたね。あちらの木陰で休憩しましょうか?
その滑らかな肌が太陽に晒されるのは心が痛いですし。」
「どうしてじーっと見つめているのです?ここでのボクの生活を気にかけてくれているんですか?」
「大丈夫、空桑はとても美しいところですよ。ボクはここが好きです。
勿論、貴方のことも。」
「復国のことでしたら、それはもう遥か昔の、覚めるべき夢になりました。ボクは⋯」
東坡肉
「若ーっ!白琊が呼んでる!」
桜桃畢羅
「先に行ってください。ここで待ってますから。」
「⋯⋯。」
戻ってきたとき、少年は樹の下にある椅子の上で苦しそうに眠っていた。
彼の長いまつげは震え、まるで怯えているようだ。
唇もひどく乾燥しており、本来の潤いと生気を失っている。
このままでは風邪をひいてしまうと思い、羽織を脱いで彼に掛けると――
東坡肉
「若ー一!さっきの件についてなんだが―」
太白鴨
「ん?寝てるのか?」
東坡肉
「し、静かに、だな!悪ぃ悪ぃ、でけぇ声出しちまった!」
「そういえば最近畢羅の奴、あんまり元気なかったな⋯この間もずっと花壇の花を眺めてたし。」
「昨日は花に向かって歌ってたようなーー
「ワイン、ワイン、赤いワイン!ボクの白い頬をバラ色に染めて!」とかなんとか⋯」
「餃子日く、何か思い詰めてるらしいんだけど。」
太白鴨
「あは!まさかワインが飲みたいのか!よくわかるぞその気持ち⋯
飲みたいときに飲めないのはさぞかし辛いだろうなあ!」
東坡肉
「だったら簡単だ。歓迎会でも開いて、いっぱい飲ませりゃあいい!
酒さえ飲めば心の病も吹っ飛ぶだろ!」
【選択肢】
・悪くないかもしれない
・やっぱり復国の件で落ち込んでるんだろうか
選択肢
悪くないかもしれない
東坡肉
「「悪くない」?つまり良い案でもないのか?」
太白鴨
「ん?畢羅が花に向かって歌ってたのは、あいつの国の詩じゃないのか?」
東坡肉
「おお!
なるほど、畢羅は故郷が恋しくなったってわけか!
つまり、ペルシャ風の歓迎会にしてやらねぇとって言いたかったんだな、若!」
やっぱり復国の件で落ち込んでるんだろうか
太白鴨
「なるほど、畢羅が花に向かって歌ってたのは、あいつの国の詩なんだな?」
「胸の内に抱えてるんなら、酒を飲めば消えるってわけじゃないのは確かだ。
しかし、少しくらいなら元気づけられるだろう!」
東坡肉
「お、若もペルシャ風の歓迎会に賛成ってことか?」
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東坡肉
「よっしゃー!今すぐ皆に伝えてくる!
ペルシャ風の宴会か⋯楽しみだな!」
太白鴨
「ははは、ワインが飲めるのか!いいな!」
桜桃畢羅
「⋯⋯。」
二人は大笑いしながら去っていった。
静かになった途端、風に靡く花の音や、畢羅の微かな呼吸音がはっきり聞こえてくる。
木漏れ日が梢の隙間から少年の瞼に口を付け、艶やかな花が彼の頬をさする。
生き生きとした万物が彼の蒼白さを一層際立たせたせいか、彼が精巧に彫られた石像のように見えてきた。
桜桃畢羅
「うう⋯⋯」
もう少し楽な姿勢にしてやろうと、畢羅を自分の膝の上に寝かせようとする。
しかし、指がうなじに触れた瞬間、畢羅の頬は明らかに赤らんだ。
どうやらとっくに目を覚ましたが、寝たふりをしていたようだ。
【選択肢】
・鼻をつまむ
・くすぐる
・離れる
選択肢
鼻をつまむ
桜桃畢羅
「ぷふぅーー!!」
「ご、ごめんなさい。まさかこんな間抜けた声が出るなんて⋯
え?『可愛い』って?よ、⋯喜んでいただけたのなら⋯良かったです⋯⋯」
「寝たふりをしていたのがバレてしまいましたか。騙すような真似をしてごめんなさい。
先ほどボクにしてくれたことがあまりにも嬉しかったので、つい⋯」
くすぐる
桜桃畢羅
「⋯⋯⋯。」
「あは⋯⋯はははは!
ごめんなさい、ごめんなさい!
あはは⋯⋯ご容赦を!」
「ふう⋯⋯ごめんなさい!
さっきあなたが、ボクにしてくれたことが、あまりにも嬉しかったので、つい⋯⋯」
離れる
桜桃畢羅
「え⋯⋯?」
「麗しの雛菊、どこに行くのですか?」
「怒ってしまいましたか?ごめんなさい、わざと騙したつもりでは⋯あれ?⋯わざとと言えばわざとでしたが⋯
いや、違うんです!先ほどボクにしてくれたことがあまりにも嬉しかったので、つい⋯」
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桜桃畢羅
「白状します。東柏先生と白琊先生が来た時から⋯起きていました。」
「歓迎会の話は聞きましたし、雛菊がボクのことを心配してやってくれたことも⋯
こんなに優しくて暖かい人に出会えるなんて、感動しないほうが難しいじゃないですか。」
少年は目の前の人のお下げを持ち上げ、その上に軽いキスを残したーー
桜桃畢羅
「貴方のためにも、元気を出さなくては⋯」
鶏茸金絲筍
「おい!そこズレてるぞ、もっと右だろ!」
春巻
「ダマスカスの薔薇を用意しました。机に飾っておきますね。」
太白鴨
「ちっ⋯この味、やっぱり違うな。以前飲んだのとは比べ物にもならん!」
青団子
「小旦那様、どうしましょう⋯
空桑の食材だけで作った料理だと、西域の味は出せません⋯!」
糖葫芦
「でも⋯結構美味しいと思うよ!もぐもぐ、もぐもぐ⋯」
帯把肘子
「はははっ!小僧、それ以上は食うなよ。これは畢羅のために用意した料理だからな!」
桜桃畢羅
「あれ?皆さんはボクを待っていたんですか?」
「麗しの雛菊、今日もお美しいです。(○○、今日も決まってますね。)
なら、今日ばかりは少し調子に乗って、ボクのためだと捉えても⋯」
鶏茸金絲筍
「ストーーップ!お前な、俺様の下僕をじろじろ見てんじゃねえぞ!」
「ゴホン⋯いや、つまり⋯このペルシャ風に飾られたロビーを見ろってことだ!
散々苦労したんだからな!」
桜桃畢羅
「そ、そうですね!入った瞬間、まるでサーサーンの宮殿にいるかと思いました⋯
それに西域の料理まで⋯皆さん、ありがとうございます!」
東坡肉
「へへ!でも地元の食材がないから、味はちょっと違うかもしれないけどな。」
桜桃畢羅
「大丈夫ですよ。皆さんと一緒に飲みたくて、新しいワインも持ってきました。」
太白鴨
「酒だって?いただこう!」
畢羅がワインを開け、中身をグラスに注いだ瞬間、甘美な香りが部屋の中を充満した。
太白鴨
「⋯むー!うまい!長安の町で胡姬楽舞を見た時に飲んだものと同じ味だ!
これぞペルシャ本場のワイン!」
青団子
「いい香り!⋯青も、青も飲みたいです!」
西湖酢魚
「おいおいおい、こっちを見るな!未成年はダメだぞ!」
四喜団子
「畢羅兄さんのワインのお蔭で幸せ度マックスだよ!
ゴクゴクゴク⋯へへへ⋯小生もこのワインで一曲踊ろっかな〜」
東坡肉
「畢羅のあんちゃんよ。一体どんな葡萄を使ったらこんなうまいワインができるんだ?」
桜桃畢羅
「それは⋯秘密です。いずれお教え致しますから、今はお待ちを。」
少年は私(僕)の方へ振り向き、宝石のような両目で見つめてきたーー
桜桃畢羅
「ボクの麗しの雛菊⋯一杯どうですか?あれ、もう少し寄った方がいいですか?」
「なぜそんなに怖がるのです?ボクは鍋に危ないモノを入れる魔女ではありませんよ?
まさか⋯飲酒は貴方にとって危険な行為でしたか?」
「カンパイ!今日はありがとうございました。とても楽しかったです。
御礼として今度はボクが宴会を設けますので、皆さん、ぜひいらしてください。」
「貴方も、必ず来てくださいね!」
二 共に口ずさむ・弐
◆主人公【女性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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桜桃畢羅
「⋯⋯あ!」
「だ、大丈夫です⋯続けてください⋯」
餃子
「よし。後頭部の傷はこれで良かろう。」
桜桃畢羅
「餃子先生、ありがとうござました。
◯◯も皆さんも見舞いに来ていただいて、本当にお騒がせしました。」
餃子
「さあさあ、若いの!これは煎じたばかりの薬じゃ、暖かいうちに飲みなさい。
飲めば傷も早く治るぞ!」
桜桃畢羅
「ありがとう。」
【選択肢】
・応援団やってあげようか?
・飲ませてあげようか?
選択肢
応援団やってあげようか?
桜桃畢羅
「はい?薬を飲むだけなのに⋯なぜそこまで励ますんですか?」
青団子
「畢羅兄ちゃん、気をつけてくださいね〜
餃子爺ちゃんの薬は、とにかく苦くてまずいですから!」
桜桃畢羅
「大丈夫ですよ。
身体が弱くて、子供の頃から薬漬けですから、どんなに苦い薬でも⋯」
桜桃畢羅
「⋯。」
「うっ⋯ごめんなさい、さっきの話は撤回します⋯麗しの雛菊⋯応援をよろしくお願いします⋯
貴方の励みさえあれば、毒入りの薬だろうと飲める気がしますので⋯」
青団子
「青団も手伝います〜!
畢羅兄さん、ファイト、ファイト〜!」
飲ませてあげようか?
鶏茸金絲筍
「なんだよ、頭をちょっと怪我しただけだろ、腕がもげたわけじゃあるまいし!
俺様ですら下僕に食べさせてもらったことないのに!」
桜桃畢羅
「紳士として⋯これは⋯⋯やはり自分で飲みましょう!」
青団子
「畢羅兄ちゃん、気をつけてくださいね〜
餃子爺ちゃんの薬は、とにかく苦くてまずいですから!」
桜桃畢羅
「大丈夫ですよ。
身体が弱くて、子供の頃から薬漬けですから、どんなに苦い薬でも⋯」
「⋯⋯。」
「うっ⋯ごめんなさい、さっきの話は撤回します⋯麗しの雛菊⋯よろしくお願いします⋯
貴方が飲ませてくれれば、毒入りの薬だろうと飲める気がしますので⋯」
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餃子
「おやおや、若者たち〜私の気持ちはどうでもいいみたいじゃな〜」
東坡肉
「そういえば、畢羅。犯人が誰か本当にわからないのか?」
桜桃畢羅
「葡萄の収穫をしていたら、急に後ろから襲われてそのまま気絶してしまったので⋯
犯人は全く見ていないんです。」
鶏茸金絲筍
「野生の葡萄を採ってたのか?葡萄園ならあるだろ?」
桜桃畢羅
「実は、空桑で偶然ボクの故郷と似ている荒地を見つけまして。
前回の宴会で開けたワインも、あそこの葡萄を使って作ったものです。」
太白鴨
「あのワインが!なるほど、さすがの味だったぞ!
まさか空桑境内にそんな素晴らしいところがあるとは⋯」
桜桃畢羅
「ですから、あの荒地を耕して国の復興でもしようかと思っていたのですが⋯
まさかこんなことになるとは⋯」
東坡肉
「一体誰なんだろうな?」
鶏茸金絲筍
「国の復興とか言ってるし⋯
やっぱあいつ、まだ復国の事を気にしてるのか⋯」
青団子
「あれ?皆見てください、向こうの草むらで何か動いてますよ。」
太白鴨
「何者だ?待て!」
剣が稲妻の如く振られ、草むらの上半分が切られた。
そこにあるのは一匹の仮面キャロットと、隣に転がっている収穫したばかりの葡萄だった。
「ぷー、ぷぷー!!」
太白鴨
「は!ただの仮面キャロットか!」
青団子
「大丈夫ですよ!ここで何をしているんですか?」
「ぷ⋯ぷぷ⋯ぷ、ぷぷぷぷ!!」
青団子
「ふむふむ⋯⋯え?あ⋯うんうん⋯え?」
東坡肉
「おお、青団はすごいな⋯仮面キャロットの言葉がわかるなんて!
オレには「プププ」としか聞こえないんだけどな⋯」
青団子
「うーん、どうして言葉がわかるかは青団にもわからないです〜
よくカエルちゃんとも話してるんですが。」
「この子の一族が、畢羅兄さんを襲ったって言ってます⋯
理由は⋯彼らもその荒地がほしいかららしいのです。」
「怪我をさせてしまったのは申し訳ないからと、葡萄を採って、畢羅兄さんに謝りに来たそうです。
暴力はよくない!青もそう思います!」
???
「そういうことでしたか。」
東坡肉
「畢羅?聞いてたのか!」
「ぷ、ぷぷ⋯⋯!」
桜桃畢羅
「ええ、事情は全部把握しました。
仮面キャロット、大丈夫ですよ⋯貴方たちを責めたりはしません。それと、葡萄もありがとうございます。」
【選択肢】
・私の畢羅をいじめるなんて、許せない!
・畢羅、優しいんだね
選択肢
私の畢羅をいじめるなんて、許せない!
桜桃畢羅
「麗しの雛菊⋯」
「怒らないでください。ほら、ボクはピンピンしてるじゃないですか。」
畢羅、優しいんだね
桜桃畢羅
「優しい⋯ですか?このボクが⋯」
「麗しの雛菊、それは⋯過去にあなたを傷つけたボクに言っているのですか?
ならば、一番優しいのは雛菊です。」
「いえ、何でもありません。」
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桜桃畢羅
「この土地なら、ボクは―一」
鶏茸金絲筍
「ふん、その土地は譲ってやれねぇ!」
「こいつらは普段から農場を荒らしてるからな!
土地まで欲しがるなんて、なめられたもんだ!ちっと痛い目に遭わせてやらねぇとな!」
東坡肉
「おいおい、落ち着けって!こいつらと一緒に飲んでみるのはどうよ?
酒さえ飲めば和解だってできるって!皆で兄弟になろうぜ!」
青団子
「彼らも東柏兄ちゃんみたいに、酔ったら猿のマネをするかもしれませんねーー」
「もごっ!」
東坡肉
「へ⋯⋯へへ!ありゃ偶々だよ、たまたま!」
桜桃畢羅
「……。」
「いい方法を思いつきました。キャロットさん、一つ伝言を頼まれてくれませんか?
貴方の一族と話がしたいのです。」
「大丈夫ですよ、麗しの雛菊。ボクは自分の方法で⋯波斯の王子として、善処いたします。約束した宴会も、予定通りに開きますから。」
三 共に口ずさむ・参
◆主人公【女性】の場合◆
(逆の場合の差分は募集中)
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太白鴨
「ち、ただの仮面キャロットじゃないか。本気で剣を抜くまでもない⋯」
東坡肉
「いやいや、この前も抜いてたじゃんか。かなりビビられてたぞ!」
太白鴨
「おいおい、そこは突っ込まないでくれ!
ワインのためじゃなかったから、誰がインスピレーション閃くときにそんな真似を⋯」
東坡肉
「白𤥶、若は畢羅の事を心配しているだけなんだって!
元々畢羅は戦闘があまり得意じゃないからさ、いじめられるんじゃないかって話だろ?」
「あれ?若、範包仔から帽子まで借りて来たのか!!
これは⋯袁宵の爆弾?!本当に心配してるんだな⋯⋯」
太白鴨
「若が心配しているのは果たしてキャロットなのか⋯
それとも、バルス自身の執念なんだ?」
「ははっ⋯いやはや、喉が渇いた!酒だ酒!」
三人は畢羅が言っていた荒地に辿り着き、草むらをかき分けて辺りを見渡した。
そこには既に家屋やテントが立てられており、葡萄畑や野菜畑も作られていた。
仮面キャロットは人間みたいな衣服を身に着け、畑の間で作業を勤しんでいた。「彼ら」の顔には笑顔が絶えない。
争いが起きるような兆しは全くなく、それこそまるで「桃源郷」のような調和の取れた景色だったー
太白鴨
「しかし、畢羅は誠に管理の才能がある!空桑でいたずらばっかりしてきた「妖怪」にこんな労働をさせられるなんて⋯」
東坡肉
「これが皇族の「血」ってやつか!」
桜桃畢羅
「そこにいるのは誰ですか⋯?」
東坡肉
「シー、シー⋯⋯!
悪い、また声がデカかったみたいだ!」
桜桃畢羅
「麗しの雛菊、東柏に白𤥶先生⋯会いに来てくれたのですか?」
太白鴨
「ふ、会いたがってたのは若だ。
俺はだだ通りすがっただけだよ。ま、大丈夫そうだし、俺はここで退散させてもらう!」
東坡肉
「白𤥶?あ、じゃあ⋯オレも失礼するわ!」
桜桃畢羅
「⋯⋯。」
【選択肢】
・私も通りすがっただけだよ!
・ごめん、バルスの事が心配で
選択肢
私も通りすがっただけだよ!
桜桃畢羅
「ではーー」
「お美しい空桑の主人よ、何故散歩に陶磁帽子と酒爆弾を持っているのです ?
もしや、あの執事様の新しい訓練法ですか?」
「本当は⋯ボクの事が心配なんでしょう?
⋯⋯はあ、まさかこんなに信頼されていなかったなんて⋯」
「でも、嬉しいです。ありがとうございます。」
「それと、心配をかけてしまって、ごめんなさい。」
ごめん、バルスの事が心配で
桜桃畢羅
「⋯⋯はあ、まさかこんなに信頼されていなかったなんて⋯」
「いいえ、謝るべきなのはこっちのほうです⋯
心配をかけてしまって、ごめんなさい。」
「しかし、ずるい話になるかもしれませんが⋯
こんなに心配されると⋯少し嬉しい気分にもなります。」
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桜桃畢羅
「⋯⋯。」
「麗しの雛菊⋯ちょっとだけ、ボクの話をしてもいいですか?」
「人間界のあの砂漠を彷徨っていた頃⋯ボクは毎日復国のことばかり考えていて、精神もおかしくなっていました。」
「あの時のボクは、故郷の事が恋しくて仕方がなくて、現実味のない夢を抱いていました。
サーサーンのためなら、全てを掛けてもいいと⋯そう思っていたんです。」
「しかし今はもう、その夢から醒めました。こんな願いが叶ったところで、誰も幸せになれないという事実に気が付いたからです。
むしろ、多くの人を殺め合う不幸に陥れてしまう可能性だってありました。」
「それは⋯ボクが望んでいるものではありません!」
「しかし、ボクは一体何を求めていたのでしょうか?
夢から醒め、貴方と一緒に空桑にきて⋯ボクは更に迷ってしまったんです。」
体の任意の位置に触れる
触れ合い
頭に触れる(彼の頭を撫でる)
桜桃畢羅
「いいえ⋯ボクが貴方を慰めるべきです。」
「ボクのせいで色々巻き込んでしまったし、危うく⋯
なのになぜ⋯ボクの方が慰められているのでしょうか?」
「本当にお優しい方ですね⋯その優しさに、ボクはいつも励まされています。
理解されないかもしれませんが、それが、今のボクを支えている全てです。」
手に触れる(彼の手を握る)
桜桃畢羅
「どうしてでしょう?貴方が手を繋いでくれるだけで、尽きることのない力が漲ってくるんです。」
「貴方は考えもしなかったのでしょう⋯貴方の優しさに、ボクはどれほど救われたか。
その優しさが無かったら、ボクは⋯」
体に触れる(彼を抱きしめる)
桜桃畢羅
「くっ⋯⋯」
「安心してください⋯もう大丈夫です。」
少年は少しだけ戸惑い、笑みを浮かべながら私を抱きかかえた―ー
桜桃畢羅
「貴方のお陰で、ボクは昔の狂気じみたか弱い畢羅ではなくなりました。貴方の優しさから、いっぱいもらったからです。それが無かったら、今のボクは一体どうなっていたか⋯」
共通
桜桃畢羅
「貴方が居てくれなかったら、未だに迷っていたかもしれません。」
「そして今、空桑で故郷とこんなにも似ている土地を見つけることができました。」
「仮面キャロット達が求めているのは、静かで幸せな暮らしだけ。彼らと接することで、それがようやくわかったんです。
この十地で、自分の力を発揮して、汗水をたらしてこそ一番だと⋯」
「ボクも次第に目が覚めてきました。
もう遥か彼方の、届くこともない夢に、執着することはありません。」
「そして、自分の本当の使命、本当に欲しいものーー
波斯の王子畢羅としてではなく、食魂の桜桃畢羅としての願いを、やっと掴むことができました。」
「権力を持って、誰かを統べる、一方の土地の覇者になることではありません。」
「故郷の文化を、世の中に伝えることこそ意味があるのです。この美味しいワインや、故郷の素晴らしい料理で⋯皆様を、笑顔にできたらと⋯」
「皆が幸せに居られるように、ボクが守りましょう。」
そう言って、少年は一歩近づき、◯◯の胸に琥珀のブローチをつけた。
琥珀の中に嵌められているのは、彼があの日取ってくれた花びらだった―ー
桜桃畢羅
「ボクが欲する良き未来が、この琥珀のように永遠に消えないことを願います。
これからも努力を重ねていきましょう⋯この琥珀こそ、ボクの誓いです!」
宴会当日
太白鴨
「はっ⋯はははは!」
「今日のワインは一層口当たりがいい!手伝ってよかった!」
東坡肉
「何の手伝いにもなってなかったような⋯は!いいワインだ!」
「ぷー、ぷぷー!!」
東坡肉
「へへ!畢羅と一緒にこのワインを作ったんだろ?
若も美味しいと思うか?じゃあ、一緒にカンパイだ!」
「ぷぷ!」
東坡肉
「だから言ったろ、酒あらば争いなし!へへ!」
桜桃畢羅
「皆さん!本日は来ていただき、誠にありがとうございます。
ボクの故郷の料理を堪能し、ワインを褒めていただき、ありがとうございました。」
「ボクにとって、それこそ一番重要なことです。
ボクが⋯日夜思っている故郷が、もう一つの形で蘇ったと言ってもいいでしょう。」
彼も飲みすぎたようで、顔に赤みが昇っている。
◯◯の視線に気付くと、彼は笑って尋ねたーー
桜桃畢羅
「麗しの雛菊、何を見ているのですか?」
【選択肢】
・ワインに染まった薔薇を見てる
・さあ、なんだろう?
選択肢
ワインに染まった薔薇を見てる
桜桃畢羅
「ああ⋯なるほど。その薔薇はお好きですか?」
桜桃畢羅
「では、花びらを触ってみては?」
畢羅は◯◯の手を取り、自分の赤くなっている頬に添えた。
その瞳はキラキラと、灯と共に揺れているーー
さあ、なんだろう?
桜桃畢羅
「ボクの事を、見ていたのでしょう。」
桜桃畢羅
「視線を逸らさないでください。ボクは貴方の目が好きなんです。
ボクを、ずっと見ていてください。」
共通
桜桃畢羅
「⋯⋯。」
「そういえば、麗しの雛菊。さっきのボクは、何を見ていたと思いますか?」
「ボクは天国を見ていたんです。
あまりの美しさに見惚れてしまいました一ー」
「どこにあるのかって?」
「「木陰の下には一冊の詩、ワイン一杯に、パン一切れ。貴方が荒原にいれば、私は歌い続ける⋯」」
少年は雪のように白い指をルビー色のワインに入れ、指先を目の前の人の唇にちょん、と置いたーー
「例え荒原でも、鳴呼⋯天国だ!」
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