年寄（赤青服）・餐庁手帳

一

年寄：会社に君のポストを用意してあるから、卒業したら手伝ってもらおう。

お兄さん：親父、会社を継ぐ気はない！

年寄：じゃ何がしたいの、言ってみろ！

お兄さん：こ……ここみらいな食堂を開きたい。

二

子供：パパ、料理だけ食べてもい？ご飯は食べたくなくて。

年寄：ダメ、ご飯を食べないと、食魂に捕まっちゃうよ。

子供：パパの嘘つき。この前、ご飯を食べないで、料理だけ食べたよ！

子供：食魂は一人も出てこなかった！

三

お兄さん：親父、水煮魚と洞庭金亀をご馳走してくれるんじゃないの？

お兄さん：なんか……別の料理ばっかり注文しているじゃん？

年寄：うちの食堂じゃないし、何でもあるわけじゃないだろう？

お兄さん：はい……でも、親父、うちは金に困らないし、空桑を買い取らない？

四

子供：パパ、湘西外婆菜と金魚戯蓮が食べたい、なんで注文しないの？

年寄：今日のメニューに湘西外婆菜も金魚戯蓮もないからね。別のものを食べよう？

子供：はーい……でもパパ、やっぱり悲しいな。帰りに金魚を買ってほしいな？

年寄：はいはい、ちゃんとご飯を食べてくれるなら、何でも買ってあげる。

五

お兄さん：親父、胃の調子が悪いのに、こんな辛い水煮魚は食べて、大丈夫？

年寄：野郎、舐めるな！親父は生の唐辛子でもいけるぞ！

お兄さん：じゃあ……親父が唐辛子担当で、俺が魚担当でいい？

年寄：……

六

お兄さん：今日の水煮魚は一味違うな、辛すぎず、おいしい。

年寄：ふん！辛くない水煮魚なんて、美味しいわけないだろ？自分の食堂だったら、板前は首だ！

お兄さん：と言っても……親父、その箸の動きは言葉と一致しないぞ？

年寄：……！不味くても食べる！食べ物を粗末にすると罰が当たる！分かったか！

七

お兄さん：親父、ここ最近毎日空桑で食べるか、出前頼むかで、飽きない？

お兄さん：お袋の家庭料理が食べたいな……親父、お袋はいつ旅行から帰ってくるの？

年寄：野郎、洞庭金亀があるのに贅沢なもんだ！お前のお袋は随分苦労したんだ、気晴らしに出て何が悪い？

お兄さん：ちっ……口はそう言っても、どうぜお袋に会いたいだろう！

年寄：会いたいじゃなくて会うんだ！チケットは買った、明日ヨー口で集合だ。飯はもう自分でなんとかしろう。

八

子供：パパ、この湘西外婆菜はおばあちゃまが作ったの？

年寄：ばあばあは湘西の実家にいるよ、これはね、食堂の料理人が作ったんだよ。

子供：でもなんで味がばあばあが作ったのと同じなの？

子供：うぅ……パパ、おばあちゃまに会いたくなった。

九

子供：パパ、なんで今日の湘西外婆菜は辛くないの？

年寄：台所の唐辛子が切れたかもね。

子供：それじゃあ、ばあばあの味じゃなくなるでしょう。

子供：ばあばあが作った外婆菜が食べたいよ。

十

子供；パパ、金魚ちゃん、かわいいな。食べられないよ。

年寄：これね、本物の金魚じゃないよ、板前の兄ちゃんがきみがかわいいから、料理を金魚の形にしたんだ、ちゃんと食べるんだよ。

子供；本当？金魚じゃない？じゃ何の魚？

年寄：これは小イカだよ、墨魚とも呼ばれる。

子供：へえ……でも小イカもかわいいな。食べられないよ、持って帰よう。

十一

子供：パパ、白扒四宝なんかいやだよ！パンダを4匹も殺して作ったんでしょ……。

年寄：おやおや、安心して、「四宝」の「宝」は、国宝のことじゃないよ〜

子供：ほ……ほんとう？パンダを殺してない？じゃ「四宝」って何？

年寄：ほら、魚の胃袋と、アワビと、鶏の胸肉と、龍須菜だ……

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