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刀剣乱舞攻略まとめWiki【とうらぶ】

【刀剣乱舞】回想其の166以降の発生条件と刀剣男士の組み合わせ一覧【とうらぶ】

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其の166:婆娑羅の深層

  • 刀剣:京極正宗・道誉一文字
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
京極正宗「道誉の叔父さま!」
道誉一文字「ハッハァ!これはこれは、真紅の薔薇よ!」
京極正宗「ここでお目に掛かれるとは思っていませんでした。とても嬉しい」
道誉一文字「それはこちらの台詞さ」
京極正宗「ふふ。ここでの暮らしは楽しくて、時があっという間。叔父さまも、そうでしょう?」
道誉一文字「その笑顔を見られるのであれば更に、と言ったところかな」
京極正宗「……」
京極正宗「……そう、事情がおありのよう」
道誉一文字「どうしてだい?」
京極正宗「だって、京極ではなく、あちらの……、お仕事の顔をしていらっしゃるもの」
道誉一文字「薔薇はなにもかも、お見通しのようだ」
道誉一文字「しかし、往生際の悪い泥臭いド根性こそ、我ら京極の根。それは忘れてはいない。望郷は心の内に留めるのみでいいのさ」
京極正宗「そう。では、たまにお庭でお茶をしましょう。それくらいはいいでしょう?」
道誉一文字「ふふ、絡めとられないようにしなくてはだ」
京極正宗「あら、ふふふ」

其の167:雲居なす予報図

  • 刀剣:雲生・雲次
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
雲生「……」
雲次「まーたしかめっ面してる。そんな顔してると他の刀に怖がられちゃうよ」
雲生「……正確な管制のためだと理解してくれれば、怖がられなどしません」
雲次「どうかなあ。そもそも、正確かどうかわかってもらうまでが大変じゃない?」
雲生「その点は心配無用です。実力を見れば通じ合えるのが刀剣男士だと私は考えています」
雲次「それは一理あるね。……でも、戦場で想定外が起きた途端に顔を青くしてるようじゃねえ」
雲生「……!……誰からそれを?」
雲次「お。図星だ」
雲生「雲次……」
雲次「ごめんごめん。大丈夫だよ、これは僕の予測だからさ。でも僕が予報したってことは……わかるよね?」
雲生「近いうちにそこから崩れる、と」
雲次「まあ、これまでのデータを見た感じ、そういうことになるかな」
雲生「それなら、その前提を崩せばいいだけです。この先はあなたのフライトプランを頼りにできるんでしょうから」
雲次「わかってるじゃないか。僕がいれば、君の管制に穴はなくなるさ」

其の168:蛍火と陽炎

  • 刀剣:蛍丸・面影
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
蛍丸「おーい、国行ー?国行ってば」
面影「……ん?」
蛍丸「国行、追いついたー!」
蛍丸「あれ?国行違いだ」
面影「明石くんですか?」
蛍火「そ。すぐサボるから、俺、お目付け役。見かけたら教えて、面影」
面影「そうですか。では、手分けして探しましょうか」
蛍火「ねえねえ、その陽炎にじゃーんって映って、見つけられたりしない?」
面影「残念、そんな便利になんでもかんでも映るものじゃないのです」
蛍丸「ふーん、そーなんだ」
面影「貴方の蛍のほうがはるかに有能ですよ」
蛍丸「へへへ、まあねえ」

其の169:陽炎にゆらめく

  • 刀剣:明石国行・面影
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の168「蛍火と陽炎」を回収済

ネタバレ注意
面影「こんな簡単に見つかるんじゃ、本気で隠れるつもりはないんでしょうけど」
明石国行「なんや、面影はんか」
面影「任務はともかく、蛍丸をほったらかしでおサボりとは」
明石国行「蛍丸の名前出すんは反則ですやろ」
面影「反則もなにも、実際そうですし」
明石国行「はいはい、おおきに、おおきに」
面影「……ふーん」
明石国行「……なん?」
面影「知られたくないなら、もうちょっと繕ったほうがいいんじゃないですか?」
明石国行「おっそろしい。あんたさん、何が見えてはるん?」
面影「今のところ秘密のほうが都合がいいと思いますけど。お互いに」
明石国行「……」
面影「私、口は堅いほうなので。ご心配なく」
面影「遠く越えてやって来たという物語もある来国行の刀にはうってつけ、かもしれませんね、とだけ」
明石国行「……、……ほな、お先」

其の170:蛍火に明からむ

  • 刀剣:明石国行・蛍丸
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の169「陽炎にゆらめく」を回収済

ネタバレ注意
蛍丸「あ、国行!」
明石国行「あちゃー、見つかってしもうた」
蛍丸「もー、俺の保護者なんだからさ」
明石国行「すいまっせん」
蛍丸「探し疲れちゃったな」
明石国行「すまん、すまんて」
蛍丸「どこでサボっててもいいけど、俺か国俊からちゃんと見える所に居てくれないと、困る」
明石国行「ほた……」
蛍丸「あと、面影にも謝って」
明石国行「あぁ、あれにはもう……」
蛍丸「え、何したの?ちゃんと仲良くしてよね」
明石国行「なんもしてへんて」
明石国行「……むしろ、釘を刺されましたわ」

其の171:漬物は辛じょっぱで

  • 刀剣:信濃藤四郎・古備前信房
  • 時代:維新の記憶 地域:会津
ネタバレ注意
信濃藤四郎「あ、このおにぎり、信ボーの漬物が入ってる!」
古備前信房「いい酒粕があったから自作したんだ~」
信濃藤四郎「今度、畑に民田茄子を植えようかなあ」
古備前信房「それは名案~!あの茄子はからし漬にぴったりだからね」
信濃藤四郎「ねっ、粕漬にしてよ。辛いのは、ちょっとさ……」
古備前信房「信ノン、甘いことばかりだと侮られてしまうよ?」
信濃藤四郎「俺、秘蔵っ子だし。なんだか許される気が……するっ!」
古備前信房「ここでも甘やかされてるな~」
信濃藤四郎「やーっと信ボーが来てくれたし、戻ったらまた大将の懐でぬくぬくするんだ」
古備前信房「信ノンがそれでいいなら、俺はいいよ」
信濃藤四郎「……うそ。今だけちょっと特別」
古備前信房「そっか」
信濃藤四郎「信ボーは懐に……入らないから、俺がぎゅーってする?」
古備前信房「……んだの」
信濃藤四郎「へへっ」
信濃藤四郎「……負け戦、辛いね」
古備前信房「…………。……やはり、民田茄子はからし漬けだな」
信濃藤四郎「……」
古備前信房「悔し涙をこぼしてもわからないから」

其の172:波乗りらぶぴーす

  • 刀剣:笹貫・古備前信房
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
笹貫「お?今日はいい波、来てるかい?」
古備前信房「いや、もう少し欲しいな。荒れているぐらいが丁度いい」
笹貫「黒い荒波に乗る本格派は言うことが違うね」
古備前信房「庄内浜はサーフィン発祥の地って話があって、それも戸板で乗るのが醍醐味だったりしてさ。これがまたなかなかどうして。やってみる?」
笹貫「落ちたら戻れなさそうだ」
古備前信房「それこそ、光って待てばいい」
笹貫「拾いに来てくれるなら」
古備前信房「勿論、波乗り同士。薩摩と庄内は愛と平和と書いて、らぶあんどぴーす!だよ?最先端の波乗りも教えて欲しいからね~。薩摩は新しいことを取り入れるのが上手いよ」
笹貫「ま、薩摩は新しいものを手にいれることで、失うものも多かったが……。ああ、庄内から人が来ていた頃から大きく変わったところがあるな」
古備前信房「へ~?なになに」
笹貫「桜島が繋がった」
古備前信房「…………なんっっっ、、、だって~~~~っっっ!!???」
笹貫「いや、ほんとほんと。錦江湾、片方、塞がっちゃってさぁ。びっくりするよねぇ」
古備前信房「はわぁ~おぼげだちゃ~」

其の173:バリのり古備前!

  • 刀剣:八丁念仏・古備前信房
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
古備前信房「ねえ、八ッチョン~。八ッチョンの拵え、おもしろいね」
八丁念仏「わわっ、信房の兄さんはわかる口?いつでも銃で敵を撃ち抜く感覚。訓練、大事だからね」
古備前信房「八ッチョン、のりのりだね~!」
古備前信房「その波に乗って、俺のことは信ボーって呼んで~」
八丁念仏「そ、それはちょっと、どきどきしちゃうっ」
古備前信房「なんでなんで~??」
八丁念仏「自分でもよくわからない……かもっ」
古備前信房「う~ん、古備前は古くて長くて、すんごいのがあるから?オオチャンにウグチャン、それにそれに~」
八丁念仏「……だって、兄さん方まぶしすぎっ」
古備前信房「へへっ、実戦でバリバリやってきてる八ッチョンもまぶしい~~~!!」
八丁念仏「わわわわっ……!」
古備前信房「あれれ?ちょっと荒波すぎたかな~」

其の174:童子切はここか?

  • 刀剣:大包平・童子切安綱 剥落
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の45「童子切はどこだ?」を回収済

※大包平【極】でも可

ネタバレ注意
大包平「童子切ー!童子切、いないか!」
童子切安綱 剥落「……声が、大きい」
大包平「ああ、新入りか。お前、童子切を見なかったか?顕現していると聞いたんだが」
童子切安綱 剥落「それ、は……」
大包平「……待て。待て待て待て!……どうしてお前から童子切の気配がする」
童子切安綱 剥落「わたしは……」
大包平「……うむ。……訳、ありか」
童子切安綱 剥落「わけ……」
大包平「俺も、ここに来てわかったのだ。すべてのものがこの大包平のように美しく、完璧とは限らないと。それぞれに、まったくと違う刃なのだと」
童子切安綱 剥落「違う刃……」
大包平「ああ、だからこそ高めあえる」
大包平「新入りならば猶の事、手合わせ願いたい。お前のその気配……、気に入った」
童子切安綱 剥落「……」
童子切安綱 剥落「……ああ」

其の175:天下五剣は揃えども

  • 刀剣:三日月宗近・童子切安綱 剥落
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の84「天下五剣がまた一つ」を回収済

※回想其の85「天下五剣が集うとき」を回収済

※回想其の86「妖物斬りの 陰気」を回収済

ネタバレ注意
三日月宗近「来たか」
童子切安綱 剥落「……!」
童子切安綱 剥落「わた、しは……」
三日月宗近「ああ……。すまんな。名乗ることは、難しいか」
童子切安綱 剥落「……そうなの、だろう」
三日月宗近「そうか……。天下五剣が揃ったとは、まだ呼べない状況だな」
童子切安綱 剥落「……」
三日月宗近「なに、それは大したことではないさ。お前がここに来たことは、俺たちにとっては確かな一歩」
童子切安綱 剥落「それは……なぐさめ、なのか?」
三日月宗近「俺が、慰められているのかもしれない」
童子切安綱 剥落「…………、……よく、わからない」
三日月宗近「それでいい。それでいいのだ」
三日月宗近「それに、お前からはまだ微かに香るぞ、……ほら」

其の176:津山の赤と白

  • 刀剣:石田正宗・童子切安綱 剥落
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

ネタバレ注意
石田正宗「君が……童子切?不完全な顕現だとは聞いていたけれど……」
童子切安綱 剥落「わたしの、旧知なのだろうか?だが、わたしには、記憶が……」
石田正宗「そうか……。それなら、いいんだ」
童子切安綱 剥落「すまない……」
石田正宗「いや、むしろそれでも良いか、と思っている自分がいるんだ」
童子切安綱 剥落「なぜ……」
石田正宗「君が顕現したら、今度こそ格の差などないと証明しようと思っていたんだ。でも、それはやめた」
童子切安綱 剥落「わたしが、童子切安綱そのものでは、ないから……」
石田正宗「……どうかな。うーん、……寂しいって言うのかな、これは」
童子切安綱 剥落「さびしい……」
石田正宗「いや、頭を冷やしてもらったよ。これからは、うまくやろう」

其の177:星の索を編んで

  • 刀剣:篭手切江・倶利伽羅江
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
倶利伽羅江「江は歌って踊れる付喪神……って言い出したの、あんたって聞いたんだけど」
篭手切江「ああ、私は篭手切江。新しい江の仲間、倶利伽羅江だね。君も一緒に」
倶利伽羅江「ははっ、それは趣味が悪すぎる」
篭手切江「倶利伽羅江……」
倶利伽羅江「歌ったり、踊ったり、俺が?するはずがないでしょ」
倶利伽羅江「……俺はこれ以上、目を付けられたくないんだ」
篭手切江「確かに君が背負うものは重く、根も深い……」
篭手切江「……でも、だからこそ、君が欲しい」
倶利伽羅江「話、聞いてる?」
篭手切江「聞いてるとも」
倶利伽羅江「俺のためとか、恩着せがましい話がしたいの?」
篭手切江「……違うよ。君のためじゃない」
篭手切江「私と君は、江であるという以外にも、稲葉と細川と明智の縁がある。だからといって、いや……、そうであっても、私は君の救いになることはない」
倶利伽羅江「……」
篭手切江「だから、これはまったくの私利……」
篭手切江「……私が見てみたくなってしまったんだ。新たな江の時代を」
倶利伽羅江「せんぱい……。それは、本当に、悪趣味がすぎる」
篭手切江「君のように地に足を付けるための、重石が必要なんだと思う」
倶利伽羅江「灰混じりの腐った井戸の底から、足を掴んでろって?」
篭手切江「だから、一緒に……やろう」
倶利伽羅江「……目立つことはしたくない」

其の178:蠍炎

  • 刀剣:松井江・倶利伽羅江
  • 時代:織豊の記憶 地域:越前
ネタバレ注意
松井江「信長公の戦いは実に鮮やかだと思わないかい?」
倶利伽羅江「それ、俺に言う話じゃなくない?それとも、試されてる?」
松井江「ただの雑談だよ。戦は事前にどれだけ準備をしてきたかがものをいう。信長公は敏感で小心者、故に用意周到だ。石を積み上げられるだけ積み上げて、最後に突き倒す」
倶利伽羅江「局地的に見れば負け戦ばかりなのに、最後に笑ってるのは信長公だ」
松井江「ああ、魔王とはよく喩えたものだ」
松井江「どれ程の血を浴びれば……」
倶利伽羅江「……覚悟なんてないんじゃない?松井くんが言ったよ、信長公は敏感で小心者だって」
倶利伽羅江「俺らは、戦を止められない理由を行動から求めるには、そこに至る人間を知りすぎてる。そして、その末路も」
松井江「……山が燃える」
倶利伽羅江「うん。実に鮮やかだ」
倶利伽羅江「この光景を表する言葉を、俺も他に持ち合わせてない」

其の179:本丸からの百韻

  • 刀剣:古今伝授の太刀・倶利伽羅江
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の90「本丸と歌集」を回収済

ネタバレ注意
古今伝授の太刀「ひとりでいると、鬼に惹かれてしまいますよ」
倶利伽羅江「望むところだよ」
古今伝授の太刀「縁は縒りてこそ」
倶利伽羅江「俺の寄る辺なんて、どこにもない」
古今伝授の太刀「おやまあ……」
古今伝授の太刀「逢うと見て かさめる袖の 移り香の 残らぬにこそ 夢と知りぬる」
倶利伽羅江「……、俺に会いたかったってこと?」
古今伝授の太刀「ああ、やはり。あなたも歌心がある」
古今伝授の太刀「これは、あなたが失われた後、苦難の中におられた、ガラシャ……玉子様がお詠みになった歌」
倶利伽羅江「姫様の、歌」
古今伝授の太刀「ええ。とても平穏とはいえない人生であったけれど。だからこそ、豊かな歌を詠まれた」
倶利伽羅江「そうか、あの後、姫様は」
古今伝授の太刀「少し安堵しました」
倶利伽羅江「え?」
古今伝授の太刀「明智の刀が苛まれる心の内は、わたくしもよく知るところ。されど、それでも。己の足で進まねばならない」
古今伝授の太刀「それが生きるということだと、玉子様のお姿を思い出します」
倶利伽羅江「……」
古今伝授の太刀「……歌を詠みなさい、倶利伽羅江」
古今伝授の太刀「歌は光です。光が届かぬ暗闇の中にあっても、その心を照らす。心を見つけ、届けてくれます」
倶利伽羅江「古今……」
古今伝授の太刀「はあっ」
倶利伽羅江「!?え、な、な、古今!古今!?」
古今伝授の太刀「あらら……、うっかり。足が滑ってしまいました」
古今伝授の太刀「山を我が たのしむ身には あらねども ただ静けさを たよりにぞ住む」
倶利伽羅江「こういうときに詠む歌が、それなの?」
古今伝授の太刀「ふふ、こういうときだからこそ。……だって、ほら。あなたには届いた」

其の180:孝行刀の話

  • 刀剣:不動行光・倶利伽羅江
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の124「森家の話」を回収済

ネタバレ注意
不動行光「あ……」
倶利伽羅江「……あ」
不動行光「……ま、待てよ」
倶利伽羅江「……、……なに?」
不動行光「……」
倶利伽羅江「……」
不動行光「……、なんか、言うこと、あるだろ、ほら」
倶利伽羅江「……俺が?なんで」
不動行光「そうじゃ、なく、て、はあ、はあ……」
倶利伽羅江「あの人が驚くと悪いから、殴るんだったら、見えないところがいいよ」
不動行光「……そう、じゃ、なく、て!」
倶利伽羅江「……」
不動行光「はあ……はあ……、……」
倶利伽羅江「……大丈夫?顔色が随分と悪い」
不動行光「触るなっ!」
倶利伽羅江「……あっ」
不動行光「なんで、俺に、優しくするん、だよ…………」

其の181:山と歌と温泉と

  • 刀剣:祢々切丸・三郎国宗
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
祢々切丸「そなたも山を降りたか」
三郎国宗「これはこれは。二荒山の」
三郎国宗「御辺の軒先を煩くしておりますほうの国宗にございます」
祢々切丸「うむ、心強きこと。しかし、そなた。その手にしているものは」
三郎国宗「全国温泉地細見にご興味が?」
祢々切丸「おお。そなたも同好の士か」
三郎国宗「御辺もでしたか!」
祢々切丸「温泉は良い。人が集まり、身も心も温まる」
三郎国宗「人の身も心も温めてこそ、天下泰平となりますからな」
三郎国宗「それにしても、御辺、良き声をなさっておられる」
祢々切丸「ああ、山に動物たち、あらゆるものと語らい、謳う」
三郎国宗「さすがは山の神。歌に慣れておられる。歌は人の身で得た新たな得物。この三郎国宗、歌業としてはまだ新人も新人、ド新人にございましてね。……山の神に一つ、お頼みが」
祢々切丸「ほう?」
三郎国宗「ここから遠くないところに温泉街がありますでしょ。飛び込み流し、ちょいと腕試しにいかがかと」
祢々切丸「そなた、国を守護するが己が定めと、山を降りたのでは」
三郎国宗「なんのなんの。稼いだ銭を日光山に埋めておけば、それこそ立派に守護となりましょや」

其の182:大江戸物見遊山

  • 刀剣:ソハヤノツルキ・三郎国宗
  • 時代:江戸の記憶 地域:江戸(元禄)

※回想其の28「幕府の霊的な守り」を回収済

ネタバレ注意
三郎国宗「ソハヤさん、縁日が出ていますよ」
ソハヤノツルキ「おっ、ちょいっと寄ってくか」
三郎国宗「よろしいので?」
ソハヤノツルキ「構わねえだろ」
ソハヤノツルキ「幕府の守りはしていても、爺さんが作りたかった世ってのを見ることはなかった」
ソハヤノツルキ「……わかるぜ、この賑わい。これが、天下泰平ってやつだ」
三郎国宗「西国に目を光らせている刀があるおかげでしょな?」
ソハヤノツルキ「あはは、俺にお世辞を言ったってなんも出ねえよ。それに江戸はあんたの領分だ」
三郎国宗「とはいっても、私は日光、御辺は久能山。ともに高い所から見下ろすだけでしたね」
ソハヤノツルキ「だから、そうしているうちに幕府が終わった」
三郎国宗「万事を尽くしてそうならば、それが人の選択。詮無き事ですよ」
三郎国宗「私どもがあったからこそ徳川の治世は260余年続いたのだと、胸を張りましょ」
ソハヤノツルキ「あんた、自分にもっと霊力があったらとか思わねえのか?」
三郎国宗「地続きである限り、消えはしないですからね。それに今は、霊力よりは歌力のほうが欲しいですね」
ソハヤノツルキ「歌力ねえ」
三郎国宗「ほらほら、このお囃子、うずうずしますでしょ」
ソハヤノツルキ「ははっ、もののついでだ。飛び入りしてこうぜ!」

其の183:眠れる猫と遠鳴きの鶴

  • 刀剣:鶴丸国永・三郎国宗
  • 時代:武家の記憶 地域:博多湾(元寇)
ネタバレ注意
鶴丸国永「元寇だってよ、国宗殿」
三郎国宗「その呼び方やめてくださいよ。安達にいた鶴さんは、同格の刀でしょ。三郎でいいですよ」
鶴丸国永「東照宮のお刀様だろう、あんたは。それに、俺は得宗に振り回されて墓に入れられたり、出されたり」
三郎国宗「わあ、嫌な言い方を」
鶴丸国永「冗談。でもまあ、まさか海から災厄がやってくるとは思わなかったよな」
三郎国宗「戦乱の世が恋しいですか」
鶴丸国永「ははは。俺たち北条家の刀にとって、災難には違いない」
三郎国宗「坂東武者の……、鎌倉幕府という政治機構は、とっくに限界を迎えていたのだと思いますよ」
三郎国宗「源氏将軍が滅びたとき、泰時公が死んだとき。北条は幾度となく終わり損ねた。その死に体にとどめを刺したのがこの戦い」
三郎国宗「人間は権力の奔流に巻き込まれると世の理が見えなくなってしまう。正直、ほっとしたのだろうと、得宗の威信材として生み出された刀は思いますね」
鶴丸国永「共通の敵がいれば、内心はどうあれ手を取り合って、一つの問題に対処できる」
三郎国宗「相変わらずですね、鶴さんは」
鶴丸国永「なあ、三郎。長くこの世にあって、いいことはあったか?」
三郎国宗「いろいろありましたけれど、そうですねえ……」
三郎国宗「泰平の世のほとんどを山の高いところから見下ろしていたでしょ。暗い顔でも明るい顔でも今日という時の長さは変わらない。それなら、恨みつらみも歌にして、泣いて流して、養分としたほうがよほど健全だと思えるようにはなりましたよ」
鶴丸国永「お前さん、随分と変わったな」
三郎国宗「そりゃそうでしょに。今更じじいが権威面したところで、滑稽でしかたないでしょ。鬼丸国綱やら髭切やら、かの後鳥羽院の菊御作ならともかく」
鶴丸国永「ぶははは、そりゃそうだ」

其の184:本科と写し

  • 刀剣:へし切長谷部・安宅切
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の22「黒田家の話 その後」を回収済

ネタバレ注意
へし切長谷部「安宅切。顕現してみて、どうだ」
安宅切「ええ、お蔭様で」
安宅切「もうそろそろ、御刀様の代わりも一通りこなせるようになるでしょうね」
へし切長谷部「……、そうか、そうだろうな」
へし切長谷部「お前の能力を疑いはしない」
安宅切「クスクス。……主の側仕えを譲る気はない、でしょう?」
へし切長谷部「……笑うな」
安宅切「ああ、そういえば。……黒田家のことは話したくない、とか」
へし切長谷部「……なぜ、そのことを。まさか……!?」
安宅切「図星……といったところ、ですかね」
安宅切「安心してください。うちの正三位に限って、御刀様の面子を潰すようなことは決してしません」
へし切長谷部「ふん……」
安宅切「よくわかっているくせに」
へし切長谷部「……そのニヤけた顔」
安宅切「おっと失敬」
安宅切「貴方の切れ味を誇る名前に反して煮え切らないところ、私は嫌いではないですから」
安宅切「ね、へ・し・き・り・さ・ま」
へし切長谷部「……くっ!」
安宅切「ここでも、よろしくお願いします」

其の185:紫紺の薔薇

  • 刀剣:実休光忠・安宅切
  • 時代:織豊の記憶 地域:安土
ネタバレ注意
安宅切「実休という名……」
実休光忠「僕がどうかしたのかな?」
安宅切「不躾で申し訳ありません。その名に長船とも織田信長公とも違う縁(えにし)を感じたので」
実休光忠「……君の期待に応えてあげられたら良かったのだけれど」
安宅切「お構いなく。長船の祖、光忠の太刀、それも焼失したとされる信長公最期の太刀に拝顔が叶った。後代の身では、十分です」
実休光忠「そうなんだね」
安宅切「刀剣男士、とは面白いものです。私は長船の末席であること、安宅貴康を斬ったこと、裁断銘があること、そして、黒田官兵衛が使ったことに強い執着があるようです。ああ、ここでは物語、と言った方が良いのかもしれないけれど」
安宅切「ただ、長船の祖ともなるとそれを飛び越えて、縁を作ることもできるようで」
実休光忠「……、ごめんね、僕自身の事はいかように言ってくれても構わないんだ。織田の物語に対しても、今の状態では不誠実に映ることも仕方がないと思っている」
実休光忠「けれど、君が君の範疇に拘るように、僕は僕で今手が届く物語を大切にしたい」
実休光忠「今ここで守れる物語なら、なおさら」
安宅切「言いたいことは分かりました」
安宅切「ただ、はっきり線引きしてやることも優しさ、かもしれません。大事の時に迷わぬ為にも」
実休光忠「そう……、なのかもしれないね。ありがとう、忘れていることを教えてくれて」
安宅切「こちらこそ。私も長船の刀がどういう刀か、改めて知ることが出来たので」

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