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星降るキセキな夜に・ストーリー

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編集注記:村人が2人登場の為、青い服を村長、白い服を村人としています。


星降るキセキな夜に

プロローグ

肇始八日 早朝

村の傍にある平原


 荒れ果てた平原、草ひとつ見当たらない。

 頬に当たる早朝の風も乾ききっている。

 目の前には砂漠を思わせる荒地が広がっていた。

 ここがかつて肥沃な土地であったとは、到底思えない変わりようである。


村長:もう三ヶ月が経ったのですよ。

村長:原因はまだわからないのですか?

村人:はい。いろいろ試してみましたが、この土地は……。

村長:……。

村人:あ、あの……村長。

村長:なんです?

村人:お竹たちが、平原の奥に堕神を見かけたと……。

村長:……

村長:わかりました。祭りを行いましょう。準備をお願いします。

村長:私たちは神様を怒らせたに違いありません。

村人:えっ?

村人:し……しかし、墮神関係なら料理御侍ギルドに報告しなければいけないはずでは。

村長:私は祭りの準備を頼みましたが……?

村人:ハッ!


ストーリー 1-2

肇始十三日 午後

村付近の港町


 発展した港町、賑わう人々。

 多様な文化の交差する港町ならではの、異国情緒があふれている。

 臘八粥は町の目抜き通りに立ち、珍しそうに周囲を観察していた。


臘八粥:綺麗ですね。


 人混みに溶け込み、周りを見渡すだけで胸が高鳴る。


臘八粥:グルイラオのおうちってこういう作りだったんですね!

臘八粥:あっ!桜の島のお菓子ですよ!


 港町は、どこを見ても人々を魅了する洒落たお店や商品でいっぱいだ。

 町を散策していたとき、臘八粥は人の少ないエリアに出た。


臘八粥:作業エリア、立ち入り禁止……。


───

……

<選択肢・上>ここはどこ? 臘八粥+15

<選択肢・中>作業エリアかな? お屠蘇+15

<選択肢・下>変な指示ボード……。 臘八粥+5

───


 好奇心にかられ、立ち入り禁止エリアに足を進める。

 しかし、そこは期待を裏切る不快な光景が広がっていた。

 巨大な掘削機が騒音をあげながら、樹木を次々に刈り倒し、

 工場は青い煙を吐き出し、大量のゴミが海に投げ込まれている。


臘八粥:……


 目を覆いたくなる光景に、気分が悪くなってきてしまう。


臘八粥:先ほどまでの美しい町は、こうした悪行の上で成り立っているのでしょうか?

臘八粥:……


 更に足を進めようとした時、突然小さな影が現れて彼女にぶつかった。


ストーリー 1-4

肇始十三日 午後

村付近の港町


臘八粥:えっ!

女の子:すみませんでした!

臘八粥:大丈夫。

臘八粥:気を付けて歩きましょうね。

女の子:……

臘八粥:急いでいるみたいですが、どうかしたのですか?

女の子:……

女の子:おっ、弟が!


 子どもは突然何かを思い出し、とても慌てた様子で立ち去ろうとする。

 その様子を見て、臘八粥はあやすように言った。


───

……

<選択肢・上>急がなくてもいいよ。 お屠蘇+5

<選択肢・中>まずは深呼吸をして? 臘八粥+15

<選択肢・下>落ち着いて〜 お屠蘇+15

───


臘八粥:何があったのですか?私に話してくれませんか?

女の子:弟が……。


 そこまで言いかけて、少女は急に黙り込んだ。

 唇をぎゅっと閉じて、頭を横に振る。


臘八粥:どうしました?

女の子:だ、大丈夫です……なんでもないです。


 子どもの目には恐怖と警戒心が見て取れる。

 臘八粥は心配と同時に、何かを感じ取った。

 目線を合わせるために屈んで、霊力を包むように放って子どもをあやす。


臘八粥:私に話してくれませんか?

臘八粥:あなたの力になりたいのです。


 臘八粥は少し考えたあと、こう告げた。


臘八粥:私は人間を守る食霊です。

臘八粥:貴方の味方ですよ。


 その言葉に、少女から警戒心が消えたようだ。

 臘八粥を見つめ、戸惑いながらも口を開き始める。


女の子:弟と遊んでたら、いなくなっちゃったの……。

臘八粥:じゃあ、お姉さんも一緒に探してあげようか?

女の子:……

女の子:……うん。


ストーリー 1-6

肇始十三日 午後

村付近の港町


 空が赤く染まり、夕日が海に沈む頃。

 臘八粥は女の子を連れて町の中を彷徨っている。

 そうして、少女とたくさんの場所を歩いて回った。

 そんな時間を過ごしたことで徐々に、二人の距離は縮まってきた。

 だが、少女の弟は見つからない。


臘八粥:少し休みましょうか?


───

……

<選択肢・上>大丈夫です。 臘八粥+5

<選択肢・中>お姉さんは疲れてますか? 臘八粥+15

<選択肢・下>大したことではありません。 お屠蘇+15

───


臘八粥:焦らないで、きっと見つかりますよ。

臘八粥:おうちまで送ってあげますね。

臘八粥:もしかしたら弟さんは、先におうちに戻っているかもしれませんよ?


 すると突然、少女の表情が暗くなった。

 激しく頭を横に振り、拒絶している。

 どうしたのかと訊ねようとしたとき、ドタドタと足音が響く。

 一人の男が彼女たちの前に立ち塞がった。


村長:やっと見つけた。

 

 少女は怯えながら臘八粥の背後へ隠れる。

 無意識に、臘八粥の眉間に皺が浮かぶ。


臘八粥:どちら様でしょうか。

村長:……

村長:私はその子の父親です。


 少女は反論しようとするが、その男の次の言葉に遮られる。


村長:弟はもうおうちに戻っているよ。さあ、一緒に帰ろう。

臘八粥:えっ?


 臘八粥は、驚いて子どもの方を見る。

 少女は臘八粥の服の裾を掴む。

 その手にギュッと力が入るのを感じた。

 子どもは顔を上げて、臘八粥を見つめる。


女の子:お父さんが弟を見つけたみたい。

女の子:お姉さんありがとう。わたし、帰るね!

臘八粥:……

臘八粥:はい……気を付けてくださいね。


 その場の空気から、臘八粥は異様なものを感じ取る--何か嫌な予感がする。

 しかし、子どもが父と帰ると言うのだ。止める理由はない。大人しく臘八粥は、少女が去っていくのを見送った。


ストーリー 2-2

肇始十三日 夜

村付近の港町


 夜の港町は昼のそれとは違う、更なる賑わいを見せてくれる。

 大通りは馬車が走り、行きかう雑踏で埋め尽くされた。

 そんな賑やかな繁華街とは裏腹に、臘八粥は沈んだ表情を浮かべていた。

 町の繁栄と引き換えにした、悍ましい環境破壊。

 偶然出会った少女との奇妙な出来事。

 そのことが、臘八粥の脳裏から離れない。

 思案しながら歩いていた臘八粥は、通行人とぶつかってしまった。


臘八粥:すみませんでした!

お屠蘇:痛っ!ちゃんと前を見ろ--

お屠蘇:え?

お屠蘇臘八粥じゃないか!


 聞きなれた声がした。頭を上げると、知った顔がそこにあった。


臘八粥:えっ?お屠蘇さん?


───

……

・<選択肢・上>ごめん! お屠蘇+5

・<選択肢・中>ほんとに申し訳ありません! 臘八粥+15

・<選択肢・下>すみません! お屠蘇+15

───


お屠蘇:……それより。

お屠蘇:前を見ずに、フラフラしてどうした?何かあったなら、あたしに話してみな。


 臘八粥は、その優しい申し出に、悩んでいたことについて簡潔に話した。

 そして、そのことが不安であることも伝える。


お屠蘇:それなら、見に行くか。

臘八粥:えっ?

お屠蘇:そこは、危険な場所か?

お屠蘇:そうじゃなきゃ、行って確認したらいい。

臘八粥:……

お屠蘇:どうした?怖いんなら一緒に行ってやろうか?

臘八粥:……

臘八粥:怖い訳じゃありません。ただ……。

お屠蘇:じゃあ、行くか。心配事があるなら、村に行きがてら聞いてやるよ。


ストーリー 2-4

肇始十三日 夜

村の傍にある平原


 ふたりは少女が住む村を探した。

 少女からいろいろ話を聞いていたため、その村はすぐに見つかった。

 村に着いたとき、すでに真夜中だったが、なぜかとても騒がしかった。

 慎重に中へと入ると、ふたりの目に異様なものが飛び込んでくる。村の入り口に祭壇があり、村人たちが荒野に跪いて拝んでいる。


村長:神よ!我らの貢物をお受けとりください!

村長:どうか、我らの願いをお聞き入れください!

お屠蘇:なんだあれ?

臘八粥:何かのお祭りでしょうか……。

お屠蘇:……こんな真夜中に祭りだって?

お屠蘇:何考えてんだ、妙な奴等だな。

臘八粥:待って……

臘八粥:なんか、様子がおかしい……。

お屠蘇:……どういう意味だ?

臘八粥:雨の恵みや豊穣のお願いをしてるわけじゃないみたい……。

臘八粥:神々の許しを請う祈り……自分たちの貢物を受け入れて欲しいと言っています!

お屠蘇:……はぁ?貢物だって?


 嫌な予感がした。

 臘八粥お屠蘇がいる事も忘れ、人だかりの方向へと走り出す。


───

……

<選択肢・上>ちょっと待って下さい! お屠蘇+15

<選択肢・中>え?!詳しく説明をお願いします! 臘八粥+15

<選択肢・下>臘八粥ちゃん!? 臘八粥+5

───


 臘八粥は村人の群れに飛び込んでいく。

 そして、見てしまう--祭壇の上に縛り付けられてた二人の子どもの姿が。

 臘八粥は思わず大きな声を出した。


臘八粥:何をしているのですか!すぐにその子たちを離しなさい!


 村人たちは突然の闖入者を祭りから締め出そうとする。そのとき、お屠蘇臘八粥の前に歩み出る。


お屠蘇:これは、邪教の儀式だ。

お屠蘇:間違いない。

村長:じゃ、邪教の儀式!?とんでもない!

村長:我々は神に罪の償いをしているのです!

臘八粥:えっ?

お屠蘇:なるほど。


ストーリー 2-6

肇始十三日 夜

村の傍にある平原


臘八粥:この子たちは生贄でしょうか?

臘八粥:一体何の罪を償うのですか?

村長:他に、神様の怒りを鎮める方法がありますか?

村長:大地は涸れ果てて、明日の糧もままならない状。

村長:堕神が現れ、狩りの道は使い物にならなくなってしまった。

村長:ただ祈っていても村を救えません。多くの村人を救うために、神に我々の言葉を届けるために、私たちは鮮血を捧げる覚悟を決めました。


 男は淡々とそう語る。しかしその表情には、怒りが滲み出ていた。

 臘八粥はまるで動じない。それどころか笑ってしまった。


臘八粥:神様とは博愛に満ちた存在です。決して気まぐれで信者を罰したりしません。

臘八粥:大地が荒れ果てているならば、原因を見つけて解決したら良いでしょう。

臘八粥:堕神が現れたら、料理御侍ギルドに連絡するべきでは?

臘八粥:神様の考えを勝手に憶測するのは、とても賢明な対応とは思えません。


───

‥…

<選択肢・上>そんなバカな! お屠蘇+5

<選択肢・中>目には入れません。 臘八粥+15

<選択肢・下>なんと愚かな… お屠蘇+15

───


村長:私が何の考えが浅慮だと?

村長:人間の力で自然が変わる訳ないでしょう!

臘八粥:もっと広い視野を持ってください!

臘八粥:たとえば環境破壊について。

臘八粥:近くの港町は今、自然を破壊し続けている。その影響について考えた事はありますか?

村長:えーと……


 そのとき、不意に暗い平原から低い呻き声が聞こえてきた。

 堕神が目を覚ましたのだ。


臘八粥:……堕神ですって!

臘八粥お屠蘇さん!

お屠蘇:ここは私の出番か?

臘八粥:堕神は私たちが退治します。

お屠蘇:行って。


 堕神と戦うために、ふたりは背を向ける。

 歩き始めたとき、ふと臘八粥は振り返る。そして、村長に言った。


臘八粥:様々な問題には、それが起きた原因があります。それを追求すれば、必ず解決方法が見つかりますよ。生贄を捧げる以外の方法を模索してください。

臘八粥:貴方たちはただ逃げているだけです。目を背けずに、現実の対処方法を考えてください。



臘八粥√

肇始十三日 夜

村の傍にある平原


 荒地の奥から激しい戦闘の物音がする。

 村人たちは借りてきた猫のように立ち尽くしている。

 暫くして、二人が戻ってきた。

 臘八粥は疲れきった顔で村長に目を向けた。


臘八粥:堕神は倒しました。

臘八粥:早く、あの子たちを解放しなさい。

村長:……

村長:ですが……

臘八粥:わかりました。では、一緒にそのほかの問題も考えましょう。

臘八粥:土地の問題は、今から港町の城主の所へ行って相談しましょう。ここで突っ立っていても何も解決しませんよ。

村長:……

村長:は、はい!おい、みんな……!


 村人たちが集まって、相談を始める。その様子を見ながら、臘八粥は頭を横に振って溜め息をついた。


臘八粥:この子たちを、おうちまで送りましょう。

臘八粥:この村にはもう、生贄なんて必要ないですからね。


お屠蘇√

肇始十三日 夜

村の傍にある平原


 荒地の奥から激しい戦闘の物音がする。

 村人たちは借りてきた猫のように立ち尽くしている。

 暫くして、二人が戻ってきた。

 お屠蘇は淡々とした表情で男へと目を向ける。


お屠蘇:堕神は倒したぞ。

お屠蘇:早く、あの子たちを解放しな。

村長:……

村長:ですが……

お屠蘇:土地の問題まで私たちに押し付けるつもりか?

村長:えーと……

お屠蘇:キリがないな。


 そう言って、傍にいる臘八粥に振り返る。


お屠蘇:私はこの子みたいにお人好しじゃないんだ。

お屠蘇:自分たちの事は自分たちでなんとかしな。

お屠蘇:でも、祈りや人に頼ることで解決しようとするな。

お屠蘇:堕神に関しちゃ、料理御侍ギルドに相談しな。わかったか?


 お屠蘇は武器を下ろして、苛立たしげに言った。


お屠蘇:その子たちを解放しな!今後、二度と生贄を立てるような真似をするな。そのときはこの剣でお前らを叩き切ることになるぞ?いいな?

村長:は、はい!

お屠蘇:ほら、これでお前の悩みは解決だ。

臘八粥:……

臘八粥:人によると思いますよ。

お屠蘇:え?

臘八粥:その方法は私にはできませんから。でも、ありがとうございました。



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ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018年10月11日
    • Android
    • リリース日:2018年10月11日
カテゴリ
  • カテゴリー
  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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