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猫まんま・エピソード

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猫まんまのエピソード

自らを「吾輩」と呼ぶ無口な猫系男子。

猫のことを家族同然に思っている。

忘れん坊なため、やろうとしていたことを思い出せなくなることがある。


Ⅰ.捨てられ

吾輩が召喚された時、御侍が吾輩を見るその目。

吾輩は多分、永遠にそれを忘れることはないだろう。


「猫?猫耳?ちっ……一応食霊だし、まあいいか」


何か言い返した方がいい気がしたが、目の前の男は背を向けて歩き出した。

吾輩は慌てて後についていった。


吾輩は不器用で、戦闘に向いていない食霊なのだと思う。

ならば何ができるのだという話である。


御侍の冷たい視線を感じながら、吾輩は自分の服をきつく掴んだ。

「おい、ちゃんと盾になってくれよな。」


目の前の堕神は恐ろしい黒い炎を吹き、巨大な触手が御侍に襲いかかる。

その時、吾輩は彼の前に容赦なく押し出された。

彼を貫くはずの触手は吾輩の体を簡単に吹き飛ばした。

地面に這い蹲る吾輩を見て、御侍は躊躇なく逃げ出した。

吾輩を見捨てて、逃げ出したのだ。


吾輩は目を閉じて死の到来を待っていた。

堕神は吾輩を一瞥すると、御侍を追っていった。


悲鳴がした方角で、御侍は血の海の中に倒れていた。

吾輩は、体の震えを必死に抑えながら立ち上がり、その場をあとにした。


吾輩は、なんて役立たずなのだろう。


御侍が亡くなり、吾輩は自暴自棄になっていった。

仕事もしてみたが、全部長くは続かない内にクビになった。




あの日の土砂降りの雨。

陰鬱な天気は、まるで吾輩の憂鬱な気持ちを表しているようだった。


吾輩はボロ屋の下に座って、まるで止むことを知らないように降り続く雨を見上げていた。

吾輩のような役立たずは、あのとき命を投げ出して堕神を引き止めていれば良かったんだ。

――そうすれば、御侍は死ななかったのに。


そう思い吾輩はおもむろに立ち上がり、雨の中、堕神がはびこる郊外へ向かった。


街を出ようとしたとき、一本の傘が雨を遮った。


「どこに行くんだい?こんな雨の中、傘もささずに。街の外には危険な怪物がいるよ」

「…………」


「行くあてがないのかい?」

「…………吾輩は……」


「かわいそうに。捨て猫みたいだな。私のところに来ないか?仲間がいっぱいいるよ」


彼の家は大きくない。けど、たくさんの猫を飼っている。

猫たちは何も恐れず、吾輩を見ると好奇心に駆られて匂いを嗅いだり、近寄ってきて体をすり寄せてきた。


やわらかい猫たちが吾輩の足首に群がっている中、一匹の三毛猫が輪に入れず、こっちを見てかわいそうにニャーニャーと鳴いている。


吾輩がその三毛猫に狼狽しているところを見て、彼は大笑いした。

彼は厚い手の平を吾輩の頭のてっぺんに置いて、容赦なく揉みくしゃにした。


「こいつらもお前を仲間と認めたようだ!やっぱり拾ってきて正解だったよ!」


Ⅱ 猫

吾輩を拾った男はこの辺りで有名な猫愛好家だった。


街の野良猫はほとんど彼に拾われ、色んな原因で飼い主が手放した猫さえ彼の家に送られてきた。


彼が言うには、あの時、雨の中の吾輩の顔はまるで主人に捨てられた猫のようだったから、思わず拾ってきたそうだ。


吾輩は彼に飼われているまるまる太ったチビ達を見て、少し呆然として頭を上げた。


「吾輩、こいつらと似ているのか?」

「ハハハハ!そりゃそうだ!猫耳も付いてるしな!」


男の家での生活は、以前の生活よりもはるかに楽しかった。

吾輩は毎日掃除を手伝ったり、チビ達が食べるご飯を用意したりするだけでいい。


あの三毛猫は小魚が好物、あのオレンジ色の小さくて太い猫は比較的に鶏肉が好きだ。

吾輩は猫たちの好物を全部しっかり覚えている。


猫まんま!猫の餌は用意してるけど私のご飯は…?」

「わ……吾輩、忘れてしまった……」


吾輩は男のむくれ顔を見て思い出した。

彼のご飯を用意するのを忘れていた……。


吾輩は頭を下げ、上着をきつく掴み、下唇を噛み締めた。

吾輩は役立たずだと、彼も思うのだろう。


予想していた叱責はこなかった。代わりに、人を安心させるあの手が吾輩の肩に置かれた。


「まあいい!今日は外食にしよう!」


吾輩は驚いて頭を上げ、微笑んでいる男を見て聞いた。

「わ……吾輩を責めないのか……」

「こんなちっぽけなことで責めたりしないさ!さあ、行くぞ!」


店につき、お碗を抱えて美味しそうに食べてる彼を見て、吾輩も夢中で食べ始めた。

「それでいい!」


食べ過ぎたお腹を摩りながら、吾輩は男の後に付いていった。彼は両手を頭の後ろにおいて、明るい星空を見上げている。


猫まんま、知ってるか?」

「ん?」

「猫は私たちが想像しているよりずっと繊細で敏感なんだ。彼らは自分の死さえ人に見せたくないんだ…」

「……う」

「だから、私は良くしてあげたい。もっとな」


月光の下で長く伸びた男の影を見て、吾輩は大きく頷いた。


「うん!」


吾輩の居場所はここなんだろうと、強く思った。


Ⅲ 一人ぼっち

吾輩の生活はこうやって平凡で静かに続いていくものだと思っていた。


だがある日、あの毎日笑っていた男は突然姿を消した。


まるで老いた猫のように、ある日突然、吾輩たちの前から消えた。


吾輩は再び捨てられたのだと思った。

でもあの小さな三毛猫が足元に寄ってくると、吾輩は無理やりにでも気を取り直し、餌の用意を始めた。


そしていつも使ってる料理器具の中に、一通の手紙を見つけた。


手紙を読み、あのいつも笑ってる奴は、ずっと不治の病を患っていたという事を知った。

彼はもうこのチビ達の面倒を見られない。


あの時、彼は町で吾輩を見つけた。


あの時の吾輩の目は、早くこの世を去りたいようという絶望に満ちていた。

そこで彼は決めた。吾輩に自分の代わりとして、猫たちの面倒を見させると。


彼は申しわけなく思った。最初は不純な動機で吾輩を利用した。

でも、彼は本当に吾輩もチビ達と同じように居場所を見つけられるように願った。


吾輩がチビ達の面倒を見ていけるように、彼はかなりの資金を残してくれた。


彼が吾輩に近づいた最初の目的は、猫たちのために退路を残しておきたいだけだったかもしれない。

でも彼のその行動は、吾輩を絶望から救い、生きる希望を与えてくれた。


手紙の最後に彼が描いた下手な笑顔を見て、吾輩はどんな顔をすればいいのかわからなかった。


ありがとう。

たとえ最初はただの嘘でも、吾輩に居場所をくれてありがとう。吾輩は必ずこいつらを守っていくから。


Ⅳ 私塾

(※違和感のある日本語や、一人称のぶれ、キャラ名が日本語版と違う箇所などは変更しています)


この堕神が蔓延る時代では、人間でさえ、畑を壊されたせいで腹を満たせない。

猫たちを食わせるのは更に難しいことだ。

野良猫なら尚更だ。


ある日、吾輩が外に野菜を取りに行った時、突然かすかな鳴き声が聞こえた。

それは小猫の声だ。

幼くて軽快な。


吾輩は声を辿って桜の林に入った。


まさか、堕神に占拠されたと噂されている林の深くに、小さな庭があるとは思わなかった。


あの小猫は軽やかな足並みで、正門から出てきた男の懐に飛び込んだ。


その男も小猫の後ろについてきた吾輩を見て、不思議そうに瞬いた。


「えっと……君は……この子についてきたのか?どうぞ上がってくれ」


その男はさんまの塩焼きといって、この私塾のたった一人の先生だ。


この混乱の時代、放浪している弱い食霊は少なくない。もし悪人に利用されたら消えてしまう、もしくは堕落してしまう可能性すらある。


彼の私塾では、幼い食霊以外にたくさんの小猫もいる。


吾輩はさっき林に入ったわんぱくな小猫を抱かえ、柔らかいお腹を撫でながらさんまの塩焼きと話をした。


「じゃあ、君が飼っている猫たちと一緒にここに来ないか?僕もちょうど人手が欲しいところだ。猫たちも友達になれるしね」


吾輩は少し驚いた。だが、目の前に差し伸べてきた手を見て頷いた。


鳥居私塾はとても美しい場所だ。外には一面の桜があって、満開の季節になると美しくて目を離せない。

周りの堕神もさんまの塩焼きが片付けて、次第に消えてなくなった。


ここは小さい浄土と言えるだろう。

けど吾輩は言い表せない喪失感を感じた。


さんまの塩焼きはとても有能だ。彼はしっかりと私塾を運営しているし、彼以外にもよく手伝いにくる食霊が一人いた。

それはピンク色の髪をしたきれいな女の子だ。名前は桜餅


私塾の管理は彼ら二人だけで十分だった。

吾輩もなにかしてあげたいが、自分に何ができるのかわからない。


桜餅の繊細な思考が、そんな吾輩の不安に気づいた。

ある日、彼女は吾輩の傍に座ってそのきれいな目で吾輩を見る。


猫まんま、何か心配事?」

「吾輩は……自分には何もできないのだなと……」

「そんなことないよ。あなたはずっと猫たちの面倒を見てくれてるでしょう?すごく助かってるのよ!」

「そ……そうなのか?」

「そうよ!だから心配しないで!ここはあなたの家だから!」


多分、こここそが吾輩が欲しかった居場所だろう。

ありがとう。吾輩はかつてやさしい嘘に救われた。だからこの話が善意の嘘だろうと、本当の気持ちだろうと、吾輩は素直に受け止めた。


Ⅴ 猫まんま

「1、2、3、4、5……あれ?」


餌にがっついている猫たちを見て、桜餅は眉をひそめた。それを見て、猫まんまは近づいて聞いた。


「どうした?」

「一匹足りない。三毛猫がいないの」

「遊びに行ったのかな?」

「いけない!最近たくさんの堕神が現れたから、外はとても危険なの!」

「吾輩が探してくる!」


猫まんまは私塾を飛び出した。隅々探し、ようやくある小屋に入ろうとする三毛猫を見つけた。


「あの…誰かいるのか?」

「にゃ――――」

「やはりここにいたか。探したぞ、早く出ておいで!」


三毛猫しかいないと思っていたその小屋に、かつての彼と同じような絶望しきって世を去りたいやつがいるとは思っていなかった。

彼も食霊。名前は水信玄餅という。


水信玄餅の悲しみに満ちた目を見て、猫まんまはかつての自分を思い出した。

自分はたくさんの人の助けで居場所を見つけた。生きる意味も見つけた。

だから彼は、この食霊が居場所と生きる意味を見つけるのを助けられるんじゃないかと思った。


猫まんまは幸運な食霊ではなかった。


彼は、いい御侍に恵まれなかった。

彼の御侍は彼を堕神への盾に使うような奴だった。

まさか堕神は抵抗しない獲物を見逃し、自分を追ってくるとは思わなかっただろう。




これは猫まんまが初めて見捨てられた時だった。


全ての猫と同じように、一度捨てられた猫まんまはより慎重になった。


元から少し不器用なだった彼は、慎重になってから更に不器用になった。


彼は次々と仕事をクビになって、次々と捨てられた。


最後、彼が諦めたとき、差し伸べられてきた手が彼に新しい希望を与えた。


その人が亡くなったあと、鳥居私塾のみんなが猫まんまに本当の家をくれた。


ずっとみんなに助けられてきたねこまんまには一つ願いがある。それは、いつか自分もみんなのように誰かを助けてあげることだ。


そして彼は暗い小屋で塞ぎ込んでいる水信玄餅に出会った。

彼はかつて彼に手を差し伸べてくれた皆のように、このまるでもう目に光が映らないやつに、自分の手を差し伸べた。


「吾輩は猫まんまである」


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ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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