創始頌・サブストーリー・9~15
探す
カターイフ:王宮の爆発はキミがやったんだろう!王室に対する不満があったとしても、捜索隊、それから衛兵や使用人に罪はない!どうして自分のために彼らを殺すことができたんだ!
カマルアルディン:へ?私がいつ彼らを殺したんだ……
カターイフ:オレは見たんだ!カレらはオレの目の前で……このブレスレットは爆発地点のそばで拾ったんだけど、キミのじゃないのか?
カマルアルディン:これは……そ、そう私のだ。だが……!
カターイフ:人殺し……この野郎、オレを人殺しの共犯にしたなんて……
カターイフ:消えろ……さっさとうせろ!
カマルアルディン:……
***
記憶はカマルアルディンの信じられない顔で固定され、カターイフは苦しそうに首を横に振り、それを頭から振り払おうとした。
カターイフ:あの時カレは何かを言いたげだったが、オレは有無を言わせずに追い払ってしまった……
カターイフ:もし爆発の事件を本当にカレがやってないなら、オレは濡れ衣を着せてしまったのか。カレはどれだけ悔しかっただろう……
カターイフ:ダメだ、絶対にカレを早く見つける。
そこでカターイフはカマルアルディンの姿を探しに城の各階を探し、最後の階に到着した。地下へと続く大きな石の扉の前に立っていた……
***
カターイフ:探してないのはここだけだ……カマルアルディンの性格上、確かにオレらが立ち入れない場所に隠れる可能性はある……
カターイフ:でもなぜかわからないけど、地下に近づいたら恐ろしい感じがする……
カターイフ:!兄、兄さん!ど、どうして……
フィテール:君を待っている。
カターイフ:え?オレを待ってる?
フィテール:はい。ちょうど君もここにいるんだ。私と一緒に中に入ろう。
カターイフ:入る……地下に?オレあそこは禁地かと思ってました。
フィテール:普段は確かに禁地だが、これも君が城に来た使命だ。
カターイフの困惑した表情の中で、フィテールは嬉しそうに笑って彼の頭を撫でた。
フィテール:ついに、その時が来た。
留意
創世祭典の最終確認をして、クロワッサンはほっとした。プレッツェルは彼のその挙動に気づき、心配そうに尋ねた。
プレッツェル:あのカイザーシュマーレンという食霊の話を本当に信じますか?
クロワッサン:もし彼が私たちを騙しているのであれば、協力することで彼の真の目的を明らかにしてこそ、より対応することができます。
プレッツェル:……もし彼の申し出を断れば、法王庁も彼に気を使って対応する必要はありません。
クロワッサン:わかってる。しかし、たとえごくわずかの可能性であったとしても、世界の破滅を黙って見ているわけにはいきません。それに……
クロワッサン:堕化した完全な治療法はペリゴールでさえまだ把握できていない……その治療法はラムチョップ復活に必要不可欠なものです。
プレッツェル:しかし、その方法さえ嘘だったら?
クロワッサン:可能性がある限り、私は試します。どんなにリスクがあってもです。
プレッツェル:……
クロワッサンの言葉を聞いて、プレッツェルの心配は大きくなったが、よく考えてみると――
救いの可能性を捨てない、これこそが法王庁が信じているものである。法王庁がすべきことでもある。
プレッツェル:……はい、その通りです。いかなる可能性も諦めるべきではない。
クロワッサン:理解をありがとう。では法王庁のことはしばらくあなたたちに任せます……
クロワッサン:できるのであれば、私も創世祭典のような大事な時期に離れたくないですが、しかし……
プレッツェル:ご心配なく、私たちが創世祭典を取り仕切るのは初めてではありません。そちらこそ気をつけたほうがいいです。
クロワッサン:もちろんです。
融合
千年前
神域
肇始之神:吾が霊よ、時空の輪を守る任務をあなたに任せたい。
???:時空の輪を守るのを……私にですか?
肇始之神:今この瞬間、あなたほどふさわしい存在はいない。
肇始之神:吾はフィテールとモロヘイヤに大きな力を与えたが、そのせいで彼らは本来歩むべき軌道から徐々に逸脱していった……
肇始之神:だが、「今回」はまだ始まったばかりだ。全てはまだ間に合う。
肇始之神:それにむしろ……「あなたは元々時空の輪に属している」と言った方がいいだろう。
???:私が時空の輪に……?私は兄さんが創造したのではないんですか……
肇始之神:時空の輪は生き物を創造することはできない。あなたは彼らによって「前もって」この地に「連れてこられた」だけである。
???:……では……どうして彼らに怒っているのですか?
肇始之神:吾はただ彼らが勝手に時空の輪を使うことが好きではない。それは非常に悪い影響を及ぼす可能性がある。彼らがあなたを連れて来たことに不満があるのではない。
肇始之神:結局のところ、あなたは「ずっと存在していた」。
???:私はあまり……理解できません……
肇始之神:あなたはいつもそうだ。情報を取り込みすぎると、独立した「自我」を生成できない……
肇始之神:大丈夫、いつの日か全てを思い出すであろう。
???:わかりました……しかし、私が時空の輪を守るというのは……ただ守るだけでいいんですか?
肇始之神:吾が霊よ、時空の輪の力がどれだけ強いのか知るべきである。近い将来、より多くの人々がその力を欲しがる。ひとたび「悪」に略奪されれば、全世界が危機に陥るであろう……
肇始之神:時空の輪を守り、この世の万物を救う。これは非常に難しい任務である。
???:この世の万物、救う…………はい、この任務、喜んで引き受けます。
肇始之神:では、それを守る最も安全な方法を教えよう。同時に、それはあなたの身を守ることでもある。
肇始之神:吾が霊よ、この後万物と同じ夢を見るであろう。何もかもがなくなり、そこには生も私も存在しない。
肇始之神:しかし同時に、あなたも全てを網羅している。あなたは世の万物である。つまり時空の輪である。
???:!!!
***
世界は突然真っ暗になり、彼女は何かが消えていくのを感じた……
世界が青白くなり、自分の中で何かが痛いほど大きくなっていくような気がした……
世界が青くなり、彼女は穏やかになった……
世界は色鮮やかになり、いつの間にか目を閉じていたことに気づいた。
***
神は彼女の目がまるで空っぽのようにゆっくりと開いていくのを見て、満足げにうなずいた。
肇始之神:今から、あなたが考えることは吾が考えることであり、その逆もまた然りだ。
肇始之神:吾が霊よ、あなたのこれからの選択を吾はとても期待している。
処刑
肇始之神:吾が霊よ。モロヘイヤの処刑の権利はあなたに任せる。
フィテール:……わかりました。
肇始之神:……何度やり直しても、ティアラの生き物はいつも吾を失望させる。
肇始之神:今回は特に……吾でも疲れを感じるであろう。
フィテール:神も休んでください。
肇始之神:……心配するな、最終的にはあなた方に選択の権利を渡す。
肇始之神:吾が霊よ、自分が後悔しない選択をすればそれで良い。
フィテール:……
彼は疲れ果てた始まりの神の後ろ姿が静止するまで黙って眺め、振り返らずに背を向けた。
***
フィテール:始まりの神は私に君の処刑をさせる。
モロヘイヤ:へえ、どうして神自ら来ないんだ?自分の手で創造した生き物を殺すのは、神にとって当たり前のことじゃないのか?
フィテール:君は怖くないの?
モロヘイヤ:言っただろう、こんな独断専行の神に操られているクソみたいな世界なら、生きるより死んだほうがマシだ。
フィテール:独断専行……しかし、神は私たちに選択の権利を与えると言われた……
モロヘイヤ:私らに?ふっ、神のものを盗んだ精霊の指導者を邪神にさせることか?それともあのバカに世界を救うために自分を犠牲にさせるのか?あるいは、神の権威を維持するために悪事を行い、それからこの世の人々を怖がらせるため再び処刑されることか?
フィテール:……神は私のことを言っているのかもしれない。
モロヘイヤ:?
フィテール:すまなかった。少し我慢してくれ。
モロヘイヤは驚き、目を見開くことしかできなかった。声も出ず、動くことさえできなかったが、自分の体が瓦解していくのをはっきりと感じていた。粘土の塊が急速に風化し、最終的には砕けて砂になった……
フィテール:君のいわゆる「自我」は虚無のものにすぎない。たとえこの世に始まりの神がいなくなったとしても、私らに絶対的な自由はない。
フィテール:他人の考え、コントロールできない気持ち、それから宇宙。自分がそれらに操られていないとどうして確信できる……
フィテール:だから……
***
彼はその黒い霧が神の体内に溶け込んでいくのを見届けると、満足げな笑みを浮かべた。
フィテール:これが私の選択だ。
フィテール:神の存在を必要とするこの世界のように。私にも……彼の存在が必要だ。
フィテール:彼が存在できる限り、どんな形であろうと、憎しみを抱かれようとも……いずれにせよ構わない。
フィテール:彼が存在する限り。彼が存在する限り。
破壊
モントリオールスモークミート:……さて、天幕は少し厄介だけど、まずはここから始めて、少しずつ山河陣を破壊していきましょう。
チキンスープ:……
モントリオールスモークミート:聖教のみなさんも協力してね。
チキンスープ:もちろんよ、妾らはもう協力に合意した。
モントリオールスモークミート:あら、本当にすみません。かつてわが社には契約を結んだから全てうまくいくと思っている従業員が多く、自分がちっぽけで他の人に気づかれにくいのを笠に着て、怠け、ひそかに契約上で許されていないことをしていた……
モントリオールスモークミート:だからこそ提携先に注意を促したり、監督するのがわたしの習慣になっているの。
チキンスープ:ふ、しかし残念ながら聖教は小さくなく、「ひそかに」違反する値打ちもない。
モントリオールスモークミート:そう?分からないわよ~
チキンスープ:……
モントリオールの露骨な挑発を前にして、チキンスープの表情はどこか抑えきれないほど不愉快になった。
チキンスープ:(なぜか、聖主は最近現れていない……ハイビスカスティーは明らかに聖教から離れる機会を狙っている……これまでは瑪瑙魚圓らが聖教にかなりの損失をもたらしてきた。今同時にハイビスカスティーを制御し、異国人グループの相手をするのはさらに厄介だ……)
チキンスープ:(やはり今はこの嫌な女と協力するしかないのか……)
モントリオールスモークミート:ああ~石碑が打ち砕かれる音は心地よいね。
チキンスープ:ふふ、無数の人の心血が破壊される音を聞くだけで、こんなに興奮するのか?本当に満足しやすい人だな。
モントリオールスモークミート:聖女様、恐れ入るわ。聖教はこの点ではわたしと互角ね。
チキンスープ:……
話している時、みんなで力を合わせて石碑を破壊し続けたが、突然どこからか、微かな煙が漂い、聖教の黒服とパラダイスメイカーズの従業員らは次々と地面に倒れ込んだ。
チキンスープ:何者だ?!
北京ダック:そんなことを聞くのは良くないでしょう。吾らは古くからの知り合いですよね?
チキンスープ:ふ、貴方だったのか。
北京ダック:以前の神君継承式の件で聖教に教訓を与えることができなかったとは思いませんでした。今ここまで大々的に山河陣を破壊するとは……耀の州全体を敵に回す覚悟はあるのですか?
チキンスープ:貴方は妾を誤解している。聖教は耀の州にあるのに、耀の州に害を及ぼすようなことをするはずがないでしょう?これはグレロからの客人のアイデアで、妾がいくら話しても彼らを動かすことはできなかった。
モントリオールスモークミート:聖女様持ち上げすぎよ。わたしたちはグレロにある普通の会社で、お金を持って仕事をしているだけよ。聖教を操るほどの力がどこにある?
チキンスープ:……
魚香肉糸:仲間割れの芝居はあまりにも下品で、演じない方がいい。2人とも山河陣を破壊することは自分の考えではないと言うのであれば、そこでやめましょう。
魚香肉糸:さもないと……手加減しませんよ。
モントリオールは石碑に寄りかかってぐっすり眠っているカフェオレを見て、さらに2人の不機嫌そうな顔をした食霊を見て、微笑みながら2歩下がった。
モントリオールスモークミート:(これだけ時間稼ぎをして、石碑をいくつか破壊できたし、そろそろ潮時かな……それにあの男性の食霊は手ごわいように見える……ヴィダルの大業のために自分が傷つくのはごめんだ。)
モントリオールスモークミート:誰かが正義を主張してくれてよかったわ。じゃあ早く手を止めよう。
チキンスープ:?
彼女はチキンスープの驚き、困惑している顔を見て、ますます笑った。
モントリオールスモークミート:ふふ、聖女のこのような表情を見ることができて、行ったかいがあったわ。
旅
(御侍の名前の表記部分を「御侍」に統一しています)
御侍:すぐに快諾したけど、実際に船に乗ってみたら怖くなってきた……
御侍:私とライスが変な場所に連れて行かれて口封じのために殺されるわけないよね……赤ワインとビーフステーキに言っておけばよかった……
パルマハム:あの、黙っててくれる?わかったわかった、いいね……おっと、この船どうしてこんなに揺れてるの!ダメだ、俺は絶対に最高の写真を撮る!
御侍:刑務所に入っているみたいだ……
ライス:レンズ、どこ?
パルマハム:ここここ、それか俺を見てもいいよ……もう少し2人は近づいて、動かないように!もっと笑って!
御侍:ごめんライス、私の決定のせいで苦労させちゃって……
ライス:御侍さま、謝罪、いらない……ライス、自分で、望んだ……
ライス:写真、以外……
パルマハム:おっけい!パーフェクトだ!やっと撮り終わった!2人の救い主様、お疲れ様!
御侍:……でも彼の様子を見る限り、サイコパス殺人鬼と結びつけにくい……
パルマハム:あれ?なんて?
御侍:いや、何でもない……
パルマハム:時間を計算すると、もうすぐパラタに着くはずだ……ごめんね、突然のことで君らはきっと不安だよね。
御侍:いや……まあまあ……
パルマハム:心配しないで、この後何が起きても必ず守ってみせるから。
パルマハム:今度こそ、後悔するようなことは絶対にしない。絶対。
消滅
パラタ
王城廃墟
コルン:暑いなあ……涼む場所さえないなんて……
コルン:これが実習生の宿命なのかな……いつも一番汚くて疲れる任務……
ピスコ:任務は私が選んだ。もし不満なら、次は君が選べ。
コルン:!まっまさか!不満などありません!ボスと一緒の任務は全て最高です!
ピスコ:うん、私もそう思う。
ピスコ:このような環境でなければ、凶悪な犯罪者を捕まえることはできない。その味はいつも美味しい。
コルン:(また真顔でそんなことを言うなんて、怖い……)
コルン:へへ、ボスの言う通り!しかし……来る場所を間違えたのでは?資料上に書かれていたのは王宮だったと記憶していますが……あれ?
ピスコ:どうした?
コルン:……ないです……
コルンは驚いて手にした資料を見ていた。そこに書かれていたはずの任務の目的地が彼の目の前でゆっくりと消えていった……その直後、彼の頭からもある記憶が消し去られたようだ……
コルン:おかしい……ボス、私たちの任務は何でしたっけ?
ピスコ:……資料をめくれ、私に聞くな。
コルン:おお、見てみます……うん、パラダイスメイカーズ、ヴィダルアイスワイン……
コルン:おかしい、パラダイスメイカーズはグレロですよね?私たちはどうしてパラタに来たんだろう?
ピスコ:何でも私に聞くな、めんどくさい。
コルン:はあ――でも今頼れるのはボスしかいません!
ピスコ:……ヴィダルは最近どこで活動している?パラタか?
コルン:えっと……あ!あった!資料には確かに彼がパラタにいると書いてあります……ボスすごい!
ピスコ:騒ぐな、早く探しに行こう。
コルン:はい!早く任務を終えて、給料をもらって、順調に正社員になって、私の幸せな人生は……
コルン:ボス、あれは……人ですか?
ピスコ:あれ?
コルンが指さす方向を見ると、そう遠くない砂漠に白い人影が立っていて、その足元には、数人が倒れているようだ……
ピスコ:君は誰だい?どういうことですか?
フィテール:タイミングがいい。彼らのことは任せたよ。
ピスコ:くっ、お前……。
フィテール:彼らを連れて行きなさい。
その瞬間、頭の中で何かが変わったような気がした……ピスコとコルンが正気に戻った時には、白い人影はすでに彼らの前からも記憶からも消えており、気絶した3人の食霊だけが残されていた。
***
ピスコ:……これらの食霊が今回の任務か。彼らを連れて戻ろう。
コルン:えー……またあの恥ずかしいスローガンを叫ぶんですか?
ピスコ:うん、あのバカのせいだ。
コルン:はあ……では……
ピスコ:いただきます。
コルン:ごちそうさまでした!
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