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Honor of Kings@人物百科事典

【HoK Wiki】ヒーローデータ:ラプール

最終更新日時 :
1人が閲覧中
作成者: 上官激推しbot
最終更新者: 上官激推しbot

【掲載日:2026年1月22日(木)】
「Honor of Kings@人物百科事典」のYouTubeチャンネルを開設いたしました。
こちらのチャンネルでは、本ゲームの各種公式アニメの日本語字幕付き動画を制作しています。

直リンク:Honor of Kings@人物百科事典

本Wikiと併せて、よろしくお願いいたします。


Honor of Kingsに登場するラプールについてのデータを載せています。

ヒーローデータ


ラプール

入手方法

ステラ13888
バウチャー588

(※中国サーバーでは「牛魔〔ギュウマ〕」という名前で実装されているが、グローバルサーバーへと実装されるにあたっては、「ラプール」としての完全オリジナルの見た目や設定が用意された)

プロフィール

種族身長
人類182cm
系統本拠地
武道ノカタン
所属身分
諸島岩と化す代償に海獣の力を手に入れた、波を召喚する能力を持つ島の守護者
好きなもの嫌いなもの
--
特技日本語CV
-(未実装)
ストーリー
獰猛で凶悪、そして気まぐれ。ノカタンの民はそんな海獣を信仰している。願いを叶えるためには、常に代償が伴う。ノカタンの部族長・ラプールは、西方の冒険家たちの支援を受けた隣接諸島がノカタンへの侵攻を企てたことに耐えかね、全てを投げうって反撃を開始した。二つの島は惨憺たる被害に遭った。そこへ、漁夫の利を狙う西方の冒険家たちが遅れてやってきた。権力に固執した自分が他人の駒となってしまっていたことに気付いたラプールは、島の聖域へと立ち入った。そして、石化という代償と引き換えに海獣から波を操る力を授かり、島民たちと共に敵を撃退した。ノカタンは再び部族の手に帰し、ラプールの心臓は石となった。だが、戦いはまだ終わっていない。故郷の復興、島の繁栄──ラプールが完全に海岸の岩と化してしまう前に......。

バックストーリー(翻訳済み)

▼ タップ・クリックして展開 ▼
簡略バージョン
ノカタンの民は、例外なく海獣・バクナワの力を崇めていた。それは潮のように気まぐれで、同時に凶暴で容赦のない存在であり、その加護を求める者には必ず代価が伴うことが知られていた。
ノカタンの部族長──「ダトゥ」こと、ラプールは、西方の侵略者に唆された隣島からの襲撃を受け、自らの支配が脅かされることを許さなかった。彼はすべてを賭け、兵を率いて反撃に出た。

しかしその戦いの果てに残ったのは、双方の島における甚大な死傷だけであった。西方の侵略者たちは遅れて姿を現し、漁夫の利を得るつもりでいた。
そのとき、ラプールは悟った──権力に執着する自分こそが、他者の盤上に置かれた一つの駒であったのだと。

彼はひと欠片の迷いもなく島の聖域へと向かった。いずれ自らが石と化し、浅瀬に沈む岩礁の一部となる代償を払うことで、バクナワから荒波を呼び起こす力を得ようとしたのである。
島々の民は力を合わせて侵略者を退け、故郷は再び彼らの手に戻った。しかし同時に、ラプールの心臓はもはや鼓動を感じることができず、すでに石へと変わってしまっていた。

彼にはわからなかった──身体のすべてが石となり、難破船の残骸と並んで浅瀬に立ち続ける岩礁へと変わるその瞬間が、いつ訪れるのかを。
だが完全に石化するその時まで、彼にはまだ果たすべき務めがあった。彼は故郷を再建し、群島を強く結び直すつもりだった。戦いは、まだ終わっていなかったのである。
詳細バージョン①「石心のダトゥ」
・その1:南方のそのまた南
王者大陸の南──青と蒼がゆらぎながら重なり合う海域には、真珠を連ねた首飾りのように散りばめられた群島・アズリアが広がっている。アズリアでは、湖が大地に抱かれるのではなく、大地そのものが「海の湖」として浮かんでいる。島々は、海と空の境界が溶け合う揺らめく青のゆりかごであり、光は波のように屈折し、世界そのものが生きているかのような息づかいを見せていた。

この大海で生まれた神秘の巨獣たちは、いつから存在するとも知れず、最古の島民ですらその起源を語れない。ただ、彼らが「自然の怒りを鎮める力」を持ち、遥か昔から外海を巡り、時に静かに人を見守り、時に守護者として寄り添ってきたという記憶だけが残されている。

ノカタンには、その巨獣の一頭──海蛇・バクナワが棲んでいる。海風の鋭さ、岩礁の硬さ、塩を含む砂浜のざらつき、そのすべてがバクナワの性質を形づくっていた。バクナワは人に媚びず、ナットゴール樹林を縄張りとし、巨大な影をその奥へ潜ませていた。ノカタンの民は畏れと敬意を込めて海蛇を語り、かつてその恩寵を得た者が石と化して岩礁の一部となった──そんな荘厳な伝承を語り継いだ。
満月の夜には、銀色の海面を割るように跳躍し、まるで「月を呑み込む」かのように影を走らせた。その姿に子どもたちは歌を作り、潮風に乗せてナットゴール樹林に響かせた。

ノカタンもまた、アズリアを飾る真珠のひとつである。ダトゥ・ラプールは、空と海がゆっくりと混ざり合い、青が青へと連続して消えていく水平線をよく見つめていた。潮風は漁師たちの唱和を運び、彼らは自らの手で未来を切り開くことを信じていた。
ラプールは強靭で即断即決であったが、若き日は純粋で心の広い戦士で、子どもたちと「月食いの唄」を歌い、岩亀が帰る「海辺の季節」を心待ちにしていた。岩亀は成長の友であり、誕生の節目を祝う象徴でもあった。だが、天真爛漫ではダトゥにはなれない。今の地位は武力、策略、号令力によって得たものだった。政治に潜む影はあれど、彼はノカタンとナットゴール樹林を守る盾であった。

しかし──すべてが変わる日は、突然訪れた。
その日は岩亀が帰るはずの季節だった。島民が海を見つめると、そこにいたのは岩亀ではなく、侵略者の船団だった。隣島のダトゥが精鋭を率い、ノカタンのナットゴール樹林と海域を奪いに来たのだ。彼らの島には巨獣の加護はなく、普段は波風ひとつ立てない勢力だった。
しかしこの日、彼らは鮮やかな旗を掲げ、螺旋紋様が刻まれた新たな盾を持ち、刃が青白い光を帯びる鋭利な武器を携えていた。ラプールは胸に言いようのない不気味さを覚えた。

理由を考える暇などなかった。戦いは避けられず、ノカタンを奪わせるわけにはいかなかった。敵の兵は特別強そうではないが、武器の質では圧倒的に上だった。ノカタンが勝つためには、犠牲が必要だった。
しかしそのとき、ラプールの内側では「責任」が「権力欲」へと静かに変質していた。島々の上に立つ強烈な誘惑が、胸を満たしていた。

ラプールは戦える若者の男女、砂イルカ、資源を冷徹に数えた。犠牲があっても島は発展できる──そう計算した。島民との絆は、波が織った柔らかな網から、冷たい「命令」へと変わりつつあった。勝てるならいい。自分がダトゥであり続けるなら、それでいい。
「隊列を整えろ! 誘い込め! 容赦はするな!」
島民は忠実に従った。副官は命を賭して戦術的優位を作り、最期の瞬間までラプールを信じていた。空は急速に暗くなり、浅瀬は血に染まり、波の音すら沈黙に似た響きを持ち始めた。ノカタンはかろうじて優勢を得たが、その代償はあまりにも大きかった。

ついにラプールは敵のダトゥへ刃を深く突き刺した。藤甲が裂け、肉が抵抗し、刃は重く飲み込まれていく。塩水が目を刺し、視界が揺れる。ためらいが生まれた瞬間、瀕死の戦士の顔に深い恐怖が走った。
ラプールは眉を寄せ、戦士の指差す先へ目を向けた。水平線には、異国の旗を掲げた西方からの侵略者の艦隊が浮かんでいた。浜に視線を戻すと、自軍も敵軍も消耗しきっており、このままでは侵略者の本軍に抗えないのは明らかだった。争いの火種、連続した違和感──すべてが線で繋がり、真実が浮かび上がる。誰かが裏で糸を引き、二つの島を争わせ、弱り切ったところを奪いに来たのだ。

ラプールたちは、その罠にはまっていた。

ラプールの心は海底へゆっくりと沈んだ。島の争いが、ここまで血を流す必要などなかったのに。彼が──彼らが──そのことに気づくには、あまりにも遅すぎたのである。
・その2:海蛇とナットゴール樹林
「ラプール……奴らは財宝を約束したのだ……。勝てば、ノカタンの新たなダトゥになれると……」
隣島のダトゥは、息を吸う力すら失い、胸腔の奥で濁った音を漏らしながら言葉を絞り出した。
「俺が……間違っていた……。ラプール……ラプール! 島々は……島民たちのものに、他ならん……。お前が……守らねば……」
ラプールはそっとその男の眼を閉ざした。最期に宿っていた悔恨と願いが静かに沈んでいく。
「俺たちは……権力に目を曇らされていた。それがすべての罪の始まりだったのだ」
ラプールの胸には、冷たく重い感覚が降り積もっていた。自分が招いた血の海、その結末が脳裏で波のように押し寄せる。彼は贖罪を必要としていた。

ラプールは赤みを帯びたナットゴール樹林へと視線を向けた。塩を含む霧が樹々の間を漂い、浅瀬一帯には海蛇・バクナワの影を孕んだ岩礁が静かに横たわっていた。バクナワの加護には必ず代償がある──それは「魂が石となり、永遠に解き放たれない」という恐るべき帰結である。ラプールはその事実をダトゥとなった日の誓いとともに深く理解していた。異国の者は命など惜しまず願いのために石となることを厭わなかったが、島の民にとって「石になる」とは、魂の拘束そのものだった。
しかし、ノカタンのためなら──そして、この血の贖罪のためなら──石となる代償も恐れる理由はない。ラプールの胸には、赤い潮の記憶が焼きついていた。
彼は魂の重さを計った。一方には「ラプールという人間の人生」があり、他方には「島のすべての命」があった。秤は一瞬にして傾いた。

ラプールは膝をつき、じわりと滲み出す塩水に足を浸した。霧は濃く、空気は重く、まるで見えない何かが彼を海中へと引きずろうとしていた。目を開けたとき、樹林全体が不気味な赤い光を帯びていた。空気は粘りつくように思考を絡めとり、彼の精神の奥へ無数の「糸」が伸びているような錯覚が走った。ここではどんな思考も隠すことができず、すべてが暴かれる──逃げ道など存在しなかった。
「バクナワよ……私には守る力が必要だ。海の生き物、嵐、荒れ狂う潮......そのすべての力が必要だ!」
水面が裂け、奇怪な海蛇が姿を現した。その頭骨はサメのように硬く鋭く、胴は巨大な蛇のようにしなやかで、全身を巡る毒はヒキガエルの劇毒のように濃く重かった。深淵のような暗い双眸がラプールと正面から交わる。彼の魂が覗かれ、測られ、飲み込まれようとしていた。
「この魂を差し出そう……岩となり、意識を失っても構わない! 島を守る力さえ得られるのなら……私は何にでもなろう!」
ナットゴール樹林の周囲で暴風が巻き起こり、潮が逆巻き、海と樹々が同時に唸りを上げた。ラプールはその中心へ一歩踏み出した。背後には海の波が寄り添い、まるで彼を前へ押し出すかのようだった。バクナワの視線が揺らぎ、海そのものが応えるようにうねった。

こうしてラプールは、代償と覚悟をもって、海蛇・バクナワの力を受け入れたのである。
・その3:怪物
西方から来た冒険者たちは、アズリアの秘められた力を暴こうとしていた。彼らは「ブルーフローライト」を動力とする戦船を操り、島々の文化も、巨獣との共存も理解することなく、ただ秘密を奪い取るためならどんな手段でも取る覚悟で海を越えて来たのだ。彼らは、ノカタンの者たちが自分たちの戦船にどう立ち向かうのか想像もできず、ましてや嵐の中心に「石の心臓を宿したダトゥ」がいることなど知る由もなかった。
先頭の戦船の船長は推進装置を起動させ、乱れる波を力任せに切り裂きながら進んだ。確かに船体には損傷があったが、彼はなお勝利を疑わず、この地で容易く宝を持ち帰れると信じていた。
砂浜に近づくと、重い鉄甲を身にまとう傭兵が次々と海へ飛び込み、青白い光を反射する武器が日差しの中で鋭く瞬いた。

──その浅瀬に、ラプールが立っていた。片手に長刀、片手に盾。足もとでは潮が渦を巻き、その中心から何かが呼応しているようだった。ラプールは構えを崩さず、長刀を大きく振りかぶると、海面へと向かって投げつけた。刃は勢いよく弧を描き、侵略者の足元に突き刺さる。砂が舞い上がり、直後、水面が裂けた。
そこから躍り出たのは、サメの頭骨のように硬い頭、巨大な蛇のしなやかな胴、そしてヒキガエルを思わせる濃い毒を宿す海蛇──バクナワであった。暗い双眸が海中の深淵のように揺れ、獲物を狙うように傭兵たちへと向いた。バクナワはその毒牙で傭兵を丸ごと呑み込み、海水の中に血潮が溶けていった。
同時に、ラプールは人間とは思えぬ速度で突進した。背後では嵐が巻き起こり、風が唸り、潮が壁のように立ち上がっていた。刃が閃くたびに異国の兵が吹き飛び、海蛇の咆哮と波の轟音が混ざり合い、砂浜はいつしか津波と暴風雨に覆われた。異国の兵は嵐に攫われるか、重い鉄甲のまま海に沈んでいった。
遠くから戦場を見守る者たちは、もはや何が起きているかを見分けることができなかった。見えたのはただひとつ──嵐の中で岩のように屹立する「影」と、その中心に佇むラプールの姿だけだった。

激戦は島中に語り継がれることとなった──海の神力を宿したダトゥが、伝承の海怪のように侵略者を打ち滅ぼしたと。戦場の残滓として残ったのは、破壊され半ば沈みかけている難破船の残骸と、裂けた異国の旗だけだった。
海に混じった血は、数日経つまで完全には消えなかった。潮がようやく澄んだ頃、ラプールは倒れた島の戦士たちを、どの島出身であろうと同じように葬った。島民たちはある変化に気づいた。ラプールがナットゴール樹林へ頻繁に向かうようになり、また岩礁の近くに長い時間佇むようになったことに。
ラプールは知っていた。戦の最中、上陸できずに逃げ延びた探査船が数隻あったことを。彼らは「ナットゴール樹林の秘密」か「ノカタンの怪物」の噂を持ち帰るかもしれない。だがラプールは気に留めなかった。
彼はすでに覚悟していたのだ。島々が生き延びるのなら、自分が「怪物」と呼ばれても構わないと。
・その4:守望
危機はひとまず去った。しかし、ラプールは歩みを止めなかった。彼にはよく分かっていた──バクナワの力を受け取った代償として、自分はゆっくりと、確実に、岩礁と同化していく運命にあることを。すでに彼は、自らの胸の奥から「心臓の鼓動」という感覚が失われていることに気づいていた。命の残り火は、砂上の灯のように静かに消えつつあり、この身が完全に石へと変わってしまう日が必ず訪れる。その日までに、ノカタンが自力で立ち続けられるようにしなければならなかった。
アズリアの巨獣たちの奇跡はすでに秘密ではなくなっており、遠い西方では、その力を利用しようと蠢く者たちが現れることは目に見えていた。だからこそラプールは、島々を守る仕組みそのものを築き上げる必要があった。彼はノカタンに海兵の育成場となる学校を建て、南方の島々を守る軍事の中心地とした。漁場を整備して食糧と資源の蓄えを増やし、さらに港を拵え、北側の王者大陸から学者を招けるようにした。島は少しずつ姿を変え、嵐の余韻を乗り越え、再び息づこうとしていた。

北方の学者が島を訪れた日、ラプールはゆっくりと歩く彼に歩調を合わせ、島の各所を案内した。魚場では子どもたちが砂イルカを抱きしめて笑い、波打ち際では岩亀の甲羅の紋様を学者が興味深げに調べ、漁婦たちは採れたばかりの珠貝を手に誇らしげに掲げていた。ラプールはふと気づく──こうして島を眺めるのは久しぶりだと。かつての荒廃とは違う、彼が築き直した新しいノカタンが、青の海とともに穏やかに呼吸していた。
学者は足を止め、海風に揺れる灰色の髭を指で軽く整えながら言った。
「ダトゥよ。そなたには、まことに尊き『石の心』がある。その心にこそ、感謝すべきであろう」
その言葉は温かく、しかし真実を射抜くように深かった。ラプールは静かに息を吸い込み、青に染まる穏やかな島の光景に身を委ねた。
それでも、心の奥底で同じ問いが繰り返された。
「──これで、十分なのか?」
その答えは決して変わらない。
「──まだだ。まだ足りない。やるべきことは……もっとある」
それは心臓を失った胸の奥に宿る、彼自身の贖罪の重さであった。

ラプールは歩みを止めない。自らの時間が尽きるその瞬間まで。運命が彼を迎えに来るその日まで。彼は、生きている限りノカタンを守り続けるのだ。
詳細バージョン②「もし岩亀がいなくなったなら」
もし岩亀が世界から消えてしまったとしても、島々の暮らしは大きく変わらないだろう。ただ「海辺の季節」がもう訪れなくなる──それだけのことだ。
だが未来の子どもたちは、その季節のにぎわいや、岩亀たちが帰ってきた日の喜びを知らないまま育つことになる。大人たちは、その記憶を物語にして語り継がねばならないだろう。
もし岩亀が世界から消えてしまったとしても、島の子どもたちは日々を過ごしていける。しかし、幼い頃から共に成長する「友」はいなくなる。成長の節目──誕生日を祝う相棒もいない。島の文化の一部が静かに失われていく。それは島の者にとって、小さな喪失の積み重ねになる。
一方で、岩亀からすれば、それは「とても困ること」なのだ。だから岩亀は消えないほうがいい。島が岩亀を必要とするように、岩亀もまた島と共にあるべきなのだから。

私は温かい液体に包まれていた。養分が満ち、身体は力で満たされていた。世界は暗く、だがその暗闇を破らねばならないと本能が告げていた。私は殻を押し広げ、力を振り絞り、ほとんど力尽きかけたその時──外から殻に触れる感触があり、「パリン」という小さな音が響いた。
光が世界を満たし、温かい液体が流れ込み、砂粒が殻の内側に触れた。耳に届いたのは人間の声。
「お父さん! ぼく、岩亀を孵したよ!」
その声に続いて、温かい掌のぬくもりが私の身体を包み込んだ。細かい砂が私の皮膚と掌の間でこすれ、心地よい刺激となった。
「動いた! お父さん、名前は? この子の名前は何?」
さらに深い声が答える。
「ラプール、お前はダトゥの息子だ。その岩亀は、お前が自分で名をつけるといい」
私は、その人間──幼いラプール──の魂を見つめた。その魂の流れは穏やかで澄んでおり、私はすぐに直感した。私はこの人間の成長、喜び、悲しみ、そして死までも、すべてを見るのだと。
「バコ! この子はバコって名づける! 隣島のラジャが、前に火山亀の伝説を教えてくれたんだ!」
こうして私は自分の名を知り、ラプール──私の人間の友──と共に育つことになった。光は温かく、甲羅の岩は太陽によってぽかぽかと熱を帯びた。ラプールの魂は静かで心地よく、私の魂と同じ方向──彼の言う「海」──の先へと緩やかに流れていた。

「バコ、あの海の向こうには何があるんだろう? お前が大きくなったら、一緒に遠くまで行ってみようよ」
ラプールは、あの大いなる青を「海」と呼んだ。海が温かくなる頃、私は他の岩亀と同じように海へ入る。遠くの海を巡り、甲羅の岩に見た景色を刻み、暖かい潮に乗って、あの夜と同じ月が満ちた時に砂浜へ戻る。赤い樹林のそばで、ラプールを探すのだ。私はその想いをラプールの魂へ伝えた──「必ず戻る」と。しかし、ラプールにはその声は届いていなかった。

十三度目に島へ戻った時、ラプールはすでに新たなダトゥとなっていた。私はナットゴール樹林に近い砂浜を選び、自分が見てきたすべての希望を込めて卵を埋めた。
それから私はラプールを探し、彼を砂浜へと導いた。波の縁で私は興奮し、鰭で水と砂を軽く叩いた。
「バコ、見ろよ。この海域は全部、俺たちのものだ」
ラプールは雄々しく海を見渡し、そう言った。胸には力が満ち、彼は島々を俯瞰するように立ち、その眼差しはすべてを掌握しようとしていた。だが、彼は私の子らの孵化には間に合わなかった。彼には島を率いる多くの務めがあった。彼はもう「友」ではなく、「ダトゥ」になっていた。私は静かに海へ戻り、温かな潮に身を沈めた。

十九度目に島へ戻った時、海の匂いは鋭く、刺激的だった。それは私が孵った時にかすかに感じた「血の匂い」に似ていた。多くの人間の血が海に流れ込み、青かった水を鉄のような色に変えていた。
海と空の境界には、 異国の艦隊が浮かんでいた。その中心から、私が本能的に嫌う匂いが広がっていた。私は仲間の岩亀を集め、この島がもう産卵に適していないことを告げた。ノカタンであれ他の島であれ、故郷に違いはない。海蛇の庇護があろうとなかろうと、海はどこまでも続いている。だが私は振り返った。ラプールの姿を──かつての私の「友」を──見届けたかったのだ。
戦場を見ると、ラプールがラジャの胸へと刃を突き立てていた。彼は高く首を掲げ、その姿はまるで勝利を誇るタツノオトシゴのように見えたが──同時に、氷の中へ閉じ込められたチョウザメのように静止していた。遠くから見ていると、ラプールの魂にかすかな「悲しみの影」が差しているのが分かった。

私は以前、海で仲間がサメに喰われるのを見た。暗い光が海中で揺れ、血が漂った。逃げようとしたとき、別のサメが突進してきた。私は甲羅の岩が噛まれる瞬間を少しでも遅らせてくれることを祈った。しかし次の瞬間、最初に喰われた仲間を襲ったサメが、「さらに大きなサメ」に横から噛み砕かれたのだ。二番目のサメは、私たちを「自分だけの獲物」と見なし、他のサメを同類ではなく「獲物を奪う敵」として扱っていた。
その隙に、私たちの群れは珊瑚へ逃げ込んだ。やがて獲物を失ったサメは我に返り、同類の亡骸を見つめながら何度も周囲を巡った。そこへ血の匂いに誘われたシャチが近づいてきた。サメは恐れを忘れ、必死に戦い、ついにはシャチの尾を食いちぎった。勝利したサメは血を曳きながら海の影に消えていった。

その頃、ラプールは血まみれの身体を引きずるようにしてナットゴール樹林へ向かっていた。私はほかの海亀から聞いていた──海蛇は人間に力を与えるが、その代わりに魂を石へと変えると。ラプールも石になってしまうのだろうか。私の群れはすでに遠くへ泳ぎ去り、私を待っていた。行くべきなのは分かっていた。だが私は戻らなかった。
私はこの島の静かな始まりを見てきた。ならば、その「終わり」も見届けたかった。私はラプールの後を追い、赤く光る樹林へと入った。樹々の赤は、私の甲羅の岩に宿る色と同じ脈動を放っていた。
「どんな代償でも受け入れる……。どうか、私の族を守らせてくれ。私の罪を贖わせてくれ……」
ラプールは願いにも似た声でそう呟いた。直後、樹林の湿地から圧倒的な力が湧き上がり、波が盛り上がり、私の甲羅の岩がその力と共に震えた。
ここに留まれば、私は岩になるかもしれない。あるいは何か別の存在へと変じてしまうかもしれない。私は「ただの岩亀」ではいられなくなる。だが、この力がラプールを飲み込むなら──一体どうなるのか。彼は死ぬのか。超人的な力を得るのか。ゆっくり石となるのか。誰にも分からなかった。
光のように澄んだ力が水面を貫き、ラプールへと注がれた。続いて、濃密で粘つく「呪詛」のような力が現れた。その気配は本能で恐ろしく感じた。私は思い出した──孵った日の光を。ラプールの掌の温度を。そして、ノカタンの海を。
私は本能に逆らい、水面へ跳び込んだ。そしてラプールの前に身を投げ出し、その力を受け止めた。奇妙な力が私の身体を裂くように走り、やがて全身が固まり、意識が凍りついた。遠くで、ラプールが私の名を呼ぶ声がした。

それからというもの、岩亀は長らくノカタンへ戻らなかった。かつて長らく続いていた「海辺の季節」も静まり返り、島は姿を変えていった。私は浅瀬に長く佇むようになり、満月の夜には海蛇が深く沈んでは再び飛び上がり、私を見てから目をそらすようになった。
昼、私は水の下でラプールの独り言を聞いた。
「昔、俺には『バコ』という名の友がいた。岩亀だった。だが、私は島に血を流しすぎた。それから岩亀は姿を消した。再び岩亀がこの地に戻るのを見るまで、私は石にならずに済むだろうか……」
私はバコだ。私はずっとそばにいる。ラプール、お前は石にはならない。お前は長く生きるのだ──そう告げたかった。だが──礁石は、語ることができなかった。

それから幾星霜──海と空の境界に「小さな石の影」が浮かんでいるのが見えた──岩亀たちが帰ってきたのだ。孵ったばかりの小さな岩亀が殻を破り、子どもに抱き上げられていた。その光景は、私が島を去る前とまったく同じだった。

他のヒーローとの関係

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ヒーロー名解説

カルラ
・中立的な獣神
カルラが出会った中で初めて、バナクワの祝福を受けたにもかかわらず石化しなかった人間。
天災が迫り来る中、この「石の心」を持つ人間が、グラモランドの希望となり得るかもしれない。
ただ、ラプールはまだカルラを完全に信用してはいない......。

PVリンク集


コメント (ラプール)
  • 総コメント数3
  • 最終投稿日時 2025年12月20日 01:15
    • 名無しの稷下学院生
    3
    4カ月まえ ID:lbvqgu53

    >>2

    馬鹿みたいな耐久力で馬鹿みたいにcc押し付けてくる半裸のおっさん

    • 名無しの稷下学院生
    2
    4カ月まえ ID:p6sy1q2v

    ちなみにどんなキャラなの?

    • 犬犬
    1
    5カ月まえ ID:gv0g6b42

    新キャラの解説くらい載せたら閲覧数増えると思うんだけど・・・管理人さんはそれすら思い浮かばない低脳だったか・・・

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