「艶踊の舞鞭」リアンキッス

メルク「リアンキッスさんが仲間になってくれて嬉しいのです。これからもよろしくなのですよー！」

リアンキッス「ええ、よろしくね。」

メルク「そういえば、リアンキッスさんはエレキ・ファイト界でも有名なエレキファイターさんなのだと聞いたのですよ。」

メルク「なんでも、踊るように戦う妖艶さと、ミステリアスなところが魅力だと……。」

メルク「本人に会えるとは思わなかったのですが、噂にたがわぬ、人を惹きつける雰囲気を持つ方なのですよ～！」

リアンキッス「あら、ありがとう。ステージに立つ者として、とても嬉しいほめ言葉よ。」

メルク「みゅ～、いつかリアンキッスさんのエレキファイトを見てみたいのですよ！」

リアンキッス「ありがとう、うれしいわ。だけど、ごめんなさいね。私が、特別招待チケットを渡すのは、たったひとりだけなの。」

メルク「みゅっ、そんなつもりではなかったのですよ！もちろん、自分でお金を出して見に行くのです！」

メルク「でも、そのたったひとりの方が気になるのですよ……！リアンキッスさんといえば、プライベートは完全に非公開！そして、エレキ・ファイト界の入るまでの経歴も不明！」

メルク「みゅ～、聞いてみたいのですよ！でも……、」

リアンキッス「秘密は女のアクセサリー、かしら？」

メルク「なのです！」

メルク「あまたの記者さんたちの質問をその一言で封殺してきたリアンキッスさんがそう簡単に答えてくれるとは思えないのですよ……！」

メルク「そして、私も知りたいのですが、同時に知りたくないような気も……！」

リアンキッス「じゃあ、メルクちゃんにだけ特別よ。すこぅしだけ教えてあげる。」

メルク「みゅっ！い、いきなり耳元でささやかないでほしいのですよ！心の準備が！」

リアンキッス「かわいいのね。ついつい悪戯したくなっちゃう。」

メルク「い、いたずら！」

リアンキッス「冗談よ。」

メルク「な、なのですよね～！」

メルク「って、なぜか少し残念な気持ちが……！」

メルク「そ、それで、そのリアンキッスさんが招待チケットを送るたったひとりとは……！？」

リアンキッス「私をこの世界でいちばん輝かせられる人よ。メルクちゃんには申し訳ないけれど、私がエレキ・ファイトのステージに立つのは、彼だけのため。」

リアンキッス「彼に私を魅せるためだけに、あのステージで踊っているのよ。だから、本当は観客なんてどうでもいいの。私が私のダンスを見てほしいのは、彼だけだから。」

メルク「そ、その方は、恋人……とかだったり……？」

リアンキッス「知りたい？」

メルク「みゅ……、ま、迷うところなのですよ……！」

リアンキッス「ふふ、ステージが終わった後、一緒に踊る仲、とだけ言っておきましょうか。」

メルク「みゅ～、なんだか想像がかきたてられるのですよ……！」

メルク「でも……、ちょっと意外だったのです。リアンキッスさんはファンサービスをよくする方だと聞いていたのですよ。」

リアンキッス「不思議なものね。私が踊る理由を私のダンスからきっと感じ取ってるはずなのに私のファンで居続ける奇特な方が多いのよ。」

リアンキッス「だから、私のファンサービスは私と彼を愛してくれる彼らへのお礼なの。」

メルク「そうだったのですね～……。リアンキッスさんのファンに女性も多い理由がなんとなくわかった気がするのですよ……！」