【白猫】ヴィンセント(トライドル2)・思い出
ヴィンセント・サビーノ CV:拝真之介 ジョカ島出身のギャング。 その手に握るのは、誇りと形見。 |
南の島の100億$$$ ストーリー
思い出1
ワイハの島での事件が解決し、少しだけ後のこと……
<ジョカの火薬庫>が飛行島を訪れた。
お邪魔いたします。ご挨拶が遅れてしまい、面目次第もございません。
アラ、ヴィンセントじゃない。やっほー。
この間はお疲れ様でした!
皆さまご無事で何より――喜びの至りでございます。
なんでフォーマルモードなのさ。
あら、礼儀って大事よ? 人のシマにお邪魔するんだもの。つまらない物だけど、コレどーぞ。
うん?
ワイハといえば、シャイニーズのココナッツ・ビーナッツバターよ♪
あらー! 気が利くじゃない♪
わざわざありがとうございます。ゆっくりしていってくださいね♪
お気づかい感謝いたします。ですがあの島にはまだ、野暮用が残っておりまして。
ワイハ島に? 事件はもう解決したでしょ?
一度、巣食った<病>ってなァ、そう簡単には消えねえのさ。
――徹底的に除かねェ限りな。
もしかして、アンタやブラッドがワイハ島に来た理由と関係あるの?
私たちにお手伝いできることがあるなら、頼ってください。
ありがとうございます。ですが、心配はご無用ですとも。
……なんか隠してるふうね?
可憐なお嬢さんに、ドブさらいをさせるわけにもいかねェもんでね。
みなさーん!
あっら~~~ン!? ティィィイヌウワちゅわぁ~~ん!
みなさん、もしお時間空いていたら海に――
いくいくゥ~~! 一緒にバカンスをエンジョイしちゃいましょ~~~ン♪
おっ先ィイ~~~~~~~ン!!
海に遊びにいきませんか!
(何事もなかったように……!)
思い出2
たくさん泳いだね~。疲れちゃった!
お腹ペコペコだわ。何か食べましょーよ♪
すごい行列。
ソースの匂い………焼きそばかな?
アタシたちも並びましょうよ! この行列だもの、絶品に違いないわ!
***
「らっしゃい!! 何人前でしょうかァ!?」
あ、ヴィンセントさん。
ティナちゅわんじゃなァ~い! もー待ってたんだからぁ♪
なんで焼きそば作ってんの?
テキ屋の真似事するつもりはなかったんだけどねえ。
材料買い込んで準備してたら、客が集まっちゃってもー。
どういう経緯よ! たしかに美味しそうだけどさ!
ったりめェだろ? はいティナちゃん、たーんと召し上がれ♪
ありがとうございます。いい匂い……♪
商売繁盛、大いに結構だ。
で、誰の許可ァ得て、ウチの縄張りで小銭稼いでる?
―これはご無礼を。ご覧の通り、右も左もわからない余所者でして。
そうかい。とうりでクソマズそうな焼きそばだと思ったぜ。
ウチの屋台のは絶品だって、客の間でも評判だったな。
それはぜひ味わってみたい。
もっともウチじゃ――クスリのトッピングは扱っちゃいねえがな。
クスリ? なんのことですか……?
どうせ裏で売りさばいてんだろ。ピースフル剤をよ。
ピースフル剤――
この島の人々を蝕んでいた危険な薬物である。
なんのことやら。
言いがかりよ!
しらばっくれんじゃねえ!
知ってんのよ。あんたらがこの島で派手に暴れ回ってたことはね。
あんたなら、騒ぎに乗じて<在庫>をかすめ取るくらい、ワケねえはずだ。
なあ――<ジョカの火薬庫>よ?
……あァら、あたしったら有名人。
ピースフル剤はいまだに裏で出回ってる。黒幕は尻尾を出さねえ。
そんな……
ヴィンセントの『野暮用』って、もしかしてコレ……!?
ジョカの次は、この島を牛耳ろうってハラか?
ヴィンセントさんはヘンな人だけど……そんなことはしませんっ!
ガキまで利用するかよ。ヘドが出る。
そんなんじゃないわよ! 話を聞きなさい!
無駄だ。あちらさんは拳を振り上げた。止まらねェよ。
わかってるな。で、どうすんだ?
さっきはずいぶんと吹いてくれたじゃねぇか。
付き合ってやる。どっちが上が、白黒つけようぜ。
……面白え。後悔すんじゃねえぞ!
思い出3
ヴィンセントさん、豚肉と野菜切りましたよ。
あらぁぁ~~~ん、上手ゥウウ! もういっそこのまま食べちゃいたいわ~ん!
生ですから!!
鶏ガラも準備できました♪
さすがの手際でございます。……うん、いいダシ出てるわ♪
じゃ、いきますぜ主様。あたしのヘラさばき――
よぉくご覧くだせェ!
<ヴィンセントは二本のヘラを巧みに操り、具材を炒める!>
さあ主様も! リピートアフタァア……ミィイ~!
「馬鹿野郎、火ィ通しすぎだ!
とろとろの半熟卵がウチの焼きそばの命だろうがァ!」
「「「ヘイ!すいません!」」」
「余所モンに負けたらぶっ飛ばす!」
ねえヴィンセント! なんで焼きそば作ってるんだっけ!
こんな所でドンパチなんざ、カタギの皆さんにご迷惑だろうが!
売上げ勝負ならわかりやすいぜ! 文句あるかァ!?
ないけども!
焼きそば十個、お待たせいたしましたァ!
そんなにたくさん一人で持てる? 手伝おうか?
大丈夫、弟たちが待ってるんだ! じゃあねー!
あ、そんなに慌てたら……!
あっ!?
大丈夫かよ、お娘ちゃん?
うん……でも焼きそば、ぜんぶこほしちゃった……
こぼした? さて、何のことやら。
え、だって……
<ヴィンセントの手には、新品の焼きそばが大量に乗っている!>
ほらよ、持てるか?
でもお金、もうないよ……?
お代ならとっくにいただいておりますとも。
……ありがと!おじさん!
じゃあね~ん♪
私も運ぶの手伝ってきますね!
あーもーティナチュわぁあン! なァんて優しいコなのかしらぁ~♪
…………
***
さて、売上げ発表といこうぜ。
テメーが勝ったら、気の済むまで調べさせてやるよ。
もちろん、抵抗はするけどな。
……必要ねえよ。どうでも良くなっちまった。
あら、そ。
なんだかわかんないけど、信じてもらえたみたい……?
ってかアンタら、結局なんなのよ!
元々、この一帯を治めてたチンピラさ。
あのふざけた会社と、その傘下に降ったギャングともにほとんど殺られたかな。
悪党らしい幕だな。
納得ずくさ。だが、奴らが持ち込んだモンまで許すつもりはねえ。
カタギもガキも区別なく牙を剥く、あのふざけたクスリだけはな……!
あんたらも<売る側>じゃなく<追う側>ってわけだな。
あんたら『も』……? じゃあ、アンタ――
オレ自身の都合じゃねえ。落とし前ってやつさ。
……大切な奴だったのか?
オレに焼きそばの作り方を叩き込んだジジイさ。
<ヴィンセントは焼きそばの容器を放って渡した。>
――うめェな。
だろ?
思い出4
――で、テキ屋のフリして売人(ハスラー)を誘き寄せようとした、と?
あの手の連中は、同業者の動きに敏感だからな。
だからって、あのチープな味の焼きぞばで金とったのか? 冗談だろ。
アテは外れたが、地元の古株と渡りをつけられた。上出来だろ。
一人で無茶すんなって……
バッキーのやり残した仕事だ。ハンパに終わらせるつもりはねえ。
……旦那にゃ世話んなったしな。
バッキー・ディミューロ――
ヴィンセントたちの知己であり、この島に流れた危険植物<ワスカの葉>を嗅ぎつけた結果、殺された老ギャングである。
死人の仕事を引き継ぐなんざ、ケナゲすぎて涙が出るね。
悪党だったが、筋は通す男だった。
クスリを嫌ってたよな、旦那は。なんつってたっけ……
『人の特権とは<憂う>こと』……
『それを手放したヤツは、人のカタチをした獣だ』
<三人は、路地裏に視線を向けた。>
……しあワセ――だぁ――ヘヘ……
……たしかにヘドが出るぜ。
ワイハ島で、押収を逃れた相当量のピースフル剤と――
その主原科であるワスカの葉が何者かに持ち出され、ひそかに出回っていた。
表向きこそ小綺麗になったが、島の裏側はいまだクソまみれだ。
黒幕はどこのどいつなんだろうな。いくら売人ともをふん縛っても、情報なんて出てきやしねェ……
尻尾をいくら漬そうが意味がねえ。潰すなら頭だろ。
だから、簡単にそれができるならよ……
――このビルで間違いねえか、ケニー?
ああ、ここだ。そびえ立つクソみてえなビルだ。
何がだよ? このビルがどうか――
おじゃましま~す♪
<ヴィンセントがビルの外壁を蹴り壊した!>
あーら、いるいる。ちょっぴり偉そうなオジサマ方♪
な、なんだ貴様ら!?
あれは――ピースフル剤か!? それもあんな大量に……
ビンゴじゃねえかケニー。情報収集ありがと♪
お前が味方につけたゴロツキ、そこそこ使えたぜ。土地勘ってのは大事だな。
え? は? なんだコレ!?
どこ向かってんのかと思ってたら、出入りだったのかよ!?
そういうことは事前にいっとけ!
ハン、出入り~? こんなもんはなァ――
お、おい、こいつらを殺れ! 早く!
――ただのゴミ掃除っつーんだッ!
ったく……仕方ねェな!
思い出5
襲撃した幹部を締め上げ、ヴィンセント達は密売事件における<黒幕>の潜伏先を突き止めた。
”コードネームは<マウス>――ネズミねぇ”
「コソコソ潜んで、バイ菌まき散らす野郎にピッタリだな。
時間をかけたら逃げられる。挟み撃ちにして、確実にケリをつけるぞ。」
”主人公の力も借りられりゃ心強ェが……身内事だしな”
「わかってんじゃねーか。ならとっとと――
おでましだ。おい、ブラッド――……チッ。壊れたか。」
銃弾を受けたルーントランシーバーは沈黙している……
こいつバカか? 一人でノコノコ来やがった。
誰がトドメ剌すか賭けようぜ。今日こそはオレ――
な……!?
ぐちゃぐちゃうるせェ。
この野郎……殺っちまえ!
おいおい。たかが一人に大盤振る舞いじゃねェか。
代金はてめえの命だ。
面白ぇ……満足させてみろよ!
***
な、な……!?
――で。これで終いか?
<ヴィンセントの周囲には、おびただしい数のギャングが倒れ伏している。>
なら、どけよ。ネズミが逃げちまう。
「――動かないでください。」
……! テメーは―
マ、<マウス>……!! 助けてくれ、こいつ――
人前で呼ばないでくださいよ、……ゴミが。
テメーが<マウス>か。わざわざ会いに来てくれてありがとうよ。
このままじゃ、大事な兵隊が全滅してしまいますから。
テメーで殺っておいて、難儀な話だ。
バカはいりませんので。
その胡散臭えツラ、見覚えあるぜ。バッキーの部下だった。
ええ、あなたのこともよく知ってますよ、ヴィンセントさん。
バッキーを売ったのはテメーだな?
だって時代錯誤なんですもん、クスリは扱わないとか。
例の騒ぎのおかげで、ブツも大量に手に入りましたし。僕の人生キテますよこれ。
バッキーはテメーを気に入ってたぜ?
心底間抜けですよねぇ。最後まで裏切りに気づかなかった。
そのニヤニヤ笑い、今すぐ消してやるよ……
おっと、ここで突然クイズです。<コレ>はいったい何でしょう?
知ってるぜ。ピンチになったら自爆するためのスイッチだろ?
島の各地に、<災いの霧>を仕込んだ爆弾が仕掛けてあります。
……なに?
爆発したら何人死にますかねぇ?
……興味ねェな。他人が何人くたばろうが。
100億ゴールドの少女も巻き込まれるかも。
…………
そうそう、それでいい。……半殺しにして動けなくしろ。
***
――ハァ、ハァ……
くそ、こんだけ痛めつけてまだ気絶しねえ……!
……気は……済んだかよ……?
もういい。適当に縛って車にブチ込んでください。ズラかりましょう。
なんで……いま殺らねェ……
ジョカを復興させた立役者……ヴィンセント・ザビーノ。
僕ね、ジョカ島を狙ってるんです。あなたのノウハウがほしい。
あそこじゃクスリは……扱ってねェよ。
綺麗な土壌ほど、市場は作りやすいんですよ。
ドブネズミ……が。
じゃ、虫の息のてめえは虫ケラだ。もう動けねえだろ?
ワスカ潰けにして情報吐かせたら、用無しだ。
***
ちょっと! あれ、ブラッドだわ!
次から次へと――うぜェんだよ!
――
お前ら!? どうしてここに……
ケニーさんから聞いたんです! ヴィンセントさんは……!?
思い出6 (友情覚醒)
この……光は……!
なんだ!?
――あああああッッッ!
ぐッ……!? しまった、スイッチが……
……いただきだ。
<爆弾のスイッチは、ヴィンセントの手の中で粉々に砕け散った!>
ひっ……!?
『と、取り押さえろ! 死にかけだ、ビビるな!
死にかけかどうか、確かめてみろよ……ッ!
しゃらくせぇ。全員まとめて――かかってこいやァ!
も、もういい! 撃て! 撃ち殺せェ!
な……!?
ニイさんに、好き放題やってくれたな。
――ったく、遅えよ。バカ野郎。
ヴィンセント、だいじょぶ!?
ひどいケガ……
ご心配おかけいたしました。この通り、ピンピンしてますとも。
さあ……年貢の納め時だぜ、ドブネズミ。
……この、死にぞこないがぁッ!!
テメーに欠けてる、決定的なものを教えてやる。
品性。度胸。そして――
くるなァーーー!!! ぶぎゃぁアアア!?
――<愛>だ。
***
数日後――
バッキーの眠る海辺にて。
「悪いなバッキー。遅くなっちまった。」
ヴィンセントの手にはワインの瓶。
銘はクライング・フォックス。
生前バッキーが愛蔵していた、億の値を持つビンテージワイン……
「祝杯といこうぜ。あんたは仕事をやり遂げた。」
ヴィンセントは瓶に口をつけると、残りを海へとまいた。
「美味えか? もう開けちまってたから、風味はだいぶ抜けてんなぁ。
オレがそっちにいったら、最初の一口の感想を聞かせてやる。
せいぜい悔しがれ――クソジジイ。」
矜持のアヴェンジャー ヴィンセント・サビーノ
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