【白猫】Lucky Chance Again ~幸運の在処~
Lucky Chance Again Story0
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あの日、俺は、ある家族の幸福を奪った。
報われぬ者がいた。俺の身に備わる幸運の力を与えれば、救ってやれると思った。
救ってやれる――その思い上がりこそ、過ちの発端だった。
俺の選択が……俺の幸運が、二人を殺したのか……
今ならまだ、ー人の命なら、救えるかもしれない。俺の力なら……
俺の力……?俺の、選択……
……くっ!
なにが、<幸運の神>だ……
幸運とは何なのかも見極められぬ愚か者が神とは、笑わせる……
ガレア~~~!
……なんだ。
それはこっちのセリフだよ~。ぼーっとしちゃってさ。
だからといって背中に手を突っ込むな。
ひんやりしたでしょ!で~なに、考えごと?
ああ……お前を、今の姿……天使にしたときのことをな。
暗ぁ~~~~っ!
なんかわかんないけど、どーせ責任かんじちゃってたんでしょ?
前も言ったけど、もうあたし気にしてないよ!というか、人間だった頃のことほとんど覚えてないもん!気にしよーがない!
あたしが気にしてないこと、ガレアが気にしてるって、ヘンじゃん!
そうとも限らん。
かぎりますぅ~!
というか、なぜここにいる。街を見回ると言っていたろ。
ガレアに聞きたいことができたんだ~。
そうか。なら、ー緒に見回りながら話すか。
そうしよー!れっつごー!
おい、走るな……やれやれ。
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ラッキープレゼント!
おおっ!?掘っても掘ってもイモが出てくる!?
これなら食料問題が解決するぞ!
プレゼント~!
ああ、ポッチーちゃん、こんなところに挟まってたのね!
くーん!
おい、マール。軽率に幸運の力を使うなと言ってるだろう。
えー?軽率じゃなかったでしょ~?
たとえばあのマダムがポッチーくんを虐待していたらどうする?出会わせたのは間違いだろう?
悪いマダムがポッチーくんなんてかわいい名前つけないよ~。
愛情が不変とは限らないんだぞ。
ガレアってたまにわけわかんないよね~。
(まあ、マールに分別がついてきたのも確かだ。説教ばかりではダメか……?)
そんなことより、ガレア!もう質問していーい?
ん?ああ、見回りの前に言ってたな。聞きたいことがあると。
うん!あたしたちのこと、ききたいんだ!
考えてみたら、あたし自分のことぜんぜん知らないなーって思ってさ~。
幸運をはこぶ天使ってことはわかるけど、同僚ってガレアしか知らないし。
上司の<幸運の女神さま>も会ったことないし。
忘れたか?いや、言ってなかったのか。
?
気にするな。
(どこかで伝えていた気がしたんたがな……俺がその<幸運の女神さま>だと)
(というか、口伝した連中は、なぜ俺を<女神>などと……髪のせいか……?)
ねえ、聞いてる?
なんだ?
だから~この翼について知りたいんだよ~。
俺たちに生えている、白と黒の翼についてか。
ふむ、いいだろう。なんとなくで理解しているとは思うが……
白の翼は運を与える力を持ち、黒の翼は運を奪う力を持つ。
うん。ラッキーブレゼントしてるとき、白い翼のパワーを使ってるのはわかってた。
ガレアは黒い翼ばっか使ってるよね~。
その方が性に合ってるんだ。幸運を与える、不運を奪う、結局は同じことさ。
あたしはラッキーを出来る限りあげたいけどな~。
(幸運を与えることは、俺にとっては……)
でもさ、ガレア。あたしの黒い翼って、奪う力ないよね?なんで?
それは……俺のせいだろう。
?
お前を今の姿に再生させる際、己の能力をすべて与えるつもりで力を振り絞ったんだがな……不足があったようだ。
やっぱそうなんだね~!すっきりした!
なんの話だ?
あたしの翼、おかしいなーって思ってたんだ~。でもおかしくて当然だったんだなって。
おかしい?
うん。前からなーんか動かしづらかったんだけどね。
なに……?
さいきんさー、急にさー。
<そう言ってマールは、自らの黒翼を手で握りしめる。>。
ほら。
<黒い翼を離した彼女の手のひらには――
ごっそりと抜け落ちた、大量の黒い羽が握られていた。>
幸運の神・ガレアが運の意義を見失ったあの日、
マールは幸運の天使となり、第二の生と翼を得た。
その彼女の小さな翼に突如、異変が現れる――
01. 3000万回のラッキーチャンス! それは、幸運と不運の巡り合わせが織りなす運命の旅―― |
後日談 マール・ガレア |
02. 白猫温泉物語 風光明媚なアオイの島に、ほっかほっかの温泉が湧き出した! それをネタにアオイの国を一大観光地としてアピールしようと考えるセオリたち。 だがそこに、国中の一番風呂を盗むという謎の男“温泉怪盗”が現れた――! |
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03. 茶熊学園2016 桜の季節――茶熊学園にも、新たな生徒がやってくる。 今回はなんと総勢16名! ひとクセもふたクセもある面々は、どうやって馴染んでいくのだろうか。 |
後日談 マール・ガレア |
04. マール編「聖夜の奇跡」 |
後日談 マール |
茶熊学園2017 |
05. THE・100物語 ハロウィンで賑わう島にやってきたおばけな親子! 古の100物語が巻き起こす、怖くておかしな奇跡とは―― |
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茶熊学園2018 |
06. Blooming Blaze! バンズ島へ遊びにやってきたカスミ、ノア、マール、ルカ。 とあるきっかけから、四人はガールズバンドを組むことに! しかし全員、音楽は素人!どうなるガールズ!? |
後日談 マール |