【白猫】ウォルター(クリスマス)・思い出
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総合商社社長 ウォルター・スズキ・十七世 CV:小西克幸 総合商社<ヴェスタWSC>代表取締役社長。 クリスマスの時期もやっぱり忙しい。 |
2016/11/30
メインストーリー
思い出1
お互いにウィンウィンだったってことで、ここはひとつ。
<ウォルターは洗練された手つきで名刺を取り出し、主人公たちに差し出した。>
一本のペンから大国の飛行艇まで、ニーズに合わせてあらゆる物資を企画・販売する。
それが私の会社、<ヴェスタWSC>なのです。
……時代は日々、流れる雲のように変化していきます。時代が何を求めているのか、自分が何を求められているのか――
それを見きわめるのが、社長である私の仕事だと思っております。
幸運な事に……前の会社、<ネプチューンPLC>の人間も、何人か私についてきてくれました。
これ以上ないやる気に満ちあふれているところなのですよ。
<ウォルターは、かつて生活が噛みあわないという理由で妻と別れ、それからは男手ひとつで二人の子供を育てていた。
とはいえ、その別れた妻との関係は今でも良好らしい。>
……どうにも、いま一つなのです。
何といいましょうか……こう、盛り上がりに欠けるといいますか……
シズル感が足りないといいますか……
『最高のクリスマスを提供したい!』
ということね。
ですから今度のクリスマスは、一生の思い出に残るようなものにしたいと考えているのです。
いわば、クリスマスのドラスティックなイノベーションーなのです。
思い出2
<とある街。暗かった空が白み始める、早朝――
ウォルター・スズキは……並んでいた。>
――まさか、徹夜組が!? くっ、それならば私も……
いやいや、駄目です。それは駄目。ご近所の方にご迷惑をおかけしてしまいます。コンプライアンスは守らなければ。
<少し離れたところから、主人公たちがウォルターの様子を見守っている。>
5年連続で世界三大コンテストを制覇しちゃったから、いっそう人気店になったんだよね。
『最高のクリスマス』プロジェクトのキックオフ以降、何度もMTGを重ねたウォルターと主人公たち。
内容が固まったいま、彼らはその準備に取りかかっていたのであった。
――第一フェーズは、最高のクリスマスケーキの用意である!
リサーチによれば、毎年配られる配布券は50枚から60枚……
……私の見える範囲では、前に並んでいる方は恐らく32人……
角の向こうに28人以上並んでいたら、確実にアウト……ですね……!
<やがて、曲がり角の向こうから、整理券を配る店員が姿を現す!>
「やったあ! オーペルさんのケーキ、ゲット~♪」
「はい、どうぞ。」
「ふがふが! やったぞい!」
「はい、整理券です。」
「あ~、よかった~!」
――ああっ! どうか……
<店員は、ウォルターのすぐ前までやってきた!>
<列からひょっこりと首を出し、店員の手元をのぞき込む!
そしてその目が、大きく見開かれ――>
<ウォルターは整理券を握りしめ、満面の笑みで空を仰いだ――>
どっと疲れました。
思い出3
<とある島のとある山。さんさんと太陽の光が照りつける中――
ウォルター・スズキは……登っていた。>
<プロジェクトは第二フェーズに移行。
すなわち、最高のクリスマスツリーを仕入れる事である。>
さあ、みな様! 私についてきてください!
……歌でも歌いながら行きますか?
***
<――土砂崩れで道がなくなっている!>
<その後、大雨に降られたり、魔物に襲われたりと散々な目にあいながらも――
主人公たちはモミの木の群生地へと到着した!>
<ウォルターは手ごろな大ささの木の前に立ち、槍を構えた。>
<そして、その槍で木の周りの地面を掘りはじめた!>
……そぉい!
<握り起こしたモミの木を、ウォルターは肩に担ぐ。>
この辺りはクマが出るそうですし。
思い出4
<昼下がりのとある街。中央にある広場で――
ウォルター・スズキは……謝っていた。>
……あらゆるリスクヘッジを考えてはいたけれど!
それ以前のケアレスミスだなんてね!
<……プロジェクト・第三フェーズ。最高のクリスマスプレゼント。
ウォルターは、<星たぬブジョー>の超合金ロボットを手に入れんと画策していた。
<星たぬブジョー>……ウォルターの子供・マサミとユウマが熱中している、大人気のSFセンゴクバトルマンガである。
その人気と熱量が最高点に達したタイミングでの、ロボットの発売。売り切れは必至だった。
……マーケティング・リサーチは完璧なはずだった。彼はあらゆる情報を徹底的に分析・予測――
入手できる可能性が最も高いおもちゃ屋へとやってきたのだった。
ケーキの時と同様、早朝から彼は店に並んだ。……しかし、<星たぬブジョーロボ>は手に入らなかった。
あろうことか……ウォルターは発売日を、一日勘違いしていたのだ……>
商人にとって、昔から変わらない本質があるのをご存知でしょうか。
――足で稼ぐ。
***
「お世話になっております。こちらのお店には、星たぬブショーの超合金ロボットはまごだざいますでしょうか?」
「ごめんなさい、売り切れです。」
***
「お世話になっております。星たぬブジョーロボを買わせていただきたいのですが。」
「昨日の午前中ならまだあったんだがねえ。」
***
「はあ、ふう……お世話になっております。星たぬブショーの――」
「この島にはあると思ったかい!? 残念、ないんだなー!!」
***
「はあ、はあ、はあ……お世話に、なっております……星たぬ……ブショー……」
「あ、ロボットかい? まだまだ残ってるから、二個でも三個でも買っておくれ。
「………
………遊園地…………穴場……でした……」
***
「……私……
どっと疲れました。」
思い出5
<最高のクリスマスを過ごすための準備はその後も順調に進み――
いよいよ、クリスマス前日を迎えていた。>
……失礼。
<ウォルターは<ルーンスマホ>を耳にあて、話しはじめた。>
<ウォルターの表情が、見る見るくもってゆく。>
スキームを見直さねばなりません。アレン君とチョウ君が帰杜次第……
***
今すぐ、クライアントの元へと参らねばならなくなりました。
……マサミ……ユウマ……
<ウォルター・スズキ。
総合商社の社長、そして二児の父親。この大ピンチに、彼は――
不敵な笑みを浮かべた。>
思い出6 (友情覚醒)
身命を賭して仕事と家庭を両立させてみせましょう。
……申し忘れておりました。
今回、私のクリスマスプロジェクトにご尽力いただきましたみな様のために、借越ではございますが一席設けさせていただきたいと考えております。
スケジュ―ルをご確認の上、調整していただけますと幸甚でございます。
何卒よろしくお願いいたします。
***
「まったく、お互い困った事になったもんだね……
……これはもう、白紙に戻すしか……」
「……私に考えがございます。
いかがでしょう? 御社と弊社で、ピンチをチャンスに変えてみませんか?」
「…………ふむ……」
***
「…………」
ウォルター・スズキは――
間に合った。
両手には、子供へのプレゼントと、クリスマスケーキ――
「星たぬブジョーロボよし。星たぬクノイチよし。クリスマスケーキよし。
クリスマスツリーの搬入までは、あと5分……
……フフフ、完璧です。二人の喜ぶ顔が、目に浮かぶようですよ。
……三人、ですね。
――参りましょう。」
二人の子供が、歓声をあげながらウォルターの元へと駆けよってくる。
「おとーさーん!」
「おとうさん! おかえり!」
「マサミ、ユウマ……ただいま!」
そして、キッチンから姿を見せたのは――
「…………」
「…………」
「おかえりなさい。」
「……ああ。」
三人の顔を見て、ウォルターは思う。
(……私にとっては…………いえ、きっと子供たちにとっても……
みんなで楽しく過ごす事こそが最高のクリスマスなのかもしれませんね……)
「「おとうさん! おかあさん! メリークリスマス!」」
「「――メリークリスマス。」」
スズキ家の大黒柱 ウォルター・スズキ・十七世
その他