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【白猫】ネモ(茶熊)・思い出

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最終更新者:にゃん
学園の侵略者
ネモ・カノープス CV:鈴木達央
射撃部の新入部員。裏の顔は、悪を侵略する〈侵略者〉。


思い出1



やあ、先輩。

!?

今の俺は生徒だろ。郷に入りては郷に従えだ。


やっほー、学生楽しんでる?

人生を楽しんでる。

素直じゃない返しね。

何か困ってること、ありませんか?

あそこにいると、ヒマで腕が鈍る。悩みはそれくらいだな。

ヒマでいいじゃない。

その考え方がわからん。

そういえばアンタ……前にもがっこうに通っていた気配あるわね。

だったらどうした?

どんな学校だったんですか?

海軍学校だ。そこで技術と、忍耐を学んだ。

厳しそう……

そうでもない。実戦に比べたらな。

実際、戦場に出てからも学ぶことは多かった。勉強というのは一生続くらしい。

そうなのよ主人公。

キャトラったら……

アタシも深海のお魚について勉強したくなったわ。アルゴノート号はいつ直るわけ?

なんでお前が気にするんだ。

アタシあの潜水艦結構気に入ってるのよ。

私もです♪

今メンテ中だ。言わなかったか?

アンタたちの潜水艦、なにかっていうとメンテナンスしてるわねえ。

それぐらい手がかかるんだ。

アンタもね!

主人公。ペットを教育しておけといっただろう。

ペットじゃない!


<ネモの義手が、赤い光を発した。>


アリャ。なにそれ。

またか……最近調子が悪いな。

壊れちゃったのかしら。

義手の故障ならいいが……

どういうことですか?

アルゴノート号に、何か起こっているのかもな。



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思い出2



校庭の一角で、射撃部が活動を行っている……

ネモは伏せた姿勢で、ライフルを構えた。

新入部員は、微動だにしない。


「ばあ。」

「……なっ!?」

「フフーン。驚いたでしょ!」

「危ないだろ!」

「かまって!」

「練習中だ。向こうにいってろ。」

「ネモはてっぽう部に入ったのね。」

「射撃部だ。」

「こうやって止まったマトを狙って……何が楽しいの?」

「意外と楽しいんだ!」

「じゃ、やってみせて。」

「わかった、見てろ。」

――

的がルーンの光で、緑色に光った。

「少しずれたか――まだ指が慣れてないな。」

「命中したかは、この音と光でわかるってわけね。」

「そうだ。中心に命中すれば、この音が鳴る。」

――♪

「なるほど~。」

――――――♪

「何っ!?」


「ふんふんふ~ん。」

「お前……!」

「はっ! 部員じゃないのに、すみません!」

「……やるじゃないか。」

「え、えっと……射撃はなんていうか、他よりはちょっとマシで……」

「いい腕だ。俺と勝負しないか?」

「えええっ!?」

――

「チッ、またか……」

「う、腕が……ピカって……? どうしたんですか?」

「気にするな。」

「それ、鋼の島製の義手ですよね?

ルーン回路の不調でしたら、学園に詳しい方がいますよ?」


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思い出3



カムイは、ネモの義手を手に取った……


「ふーむ。鋼の島製の、―般的な義手ですねェ。

使いこなすのに長時間のトレーニングが必要だとか。苦労されたんですね。」

「義手にソウルを通わせ、自在に動かせるようになるまで、数力月かかった。」

「見たところ義手そのものに問題はありません。」

「だったら?」

「こちらの義手には、別の仕掛けを操る機能が備わってるようですね?

不調が生じているのは、仕掛けそのものかと。見たところ。」

「そういう見立てになるか。」

「ええ、まあ。」

「主人公が言っていた……あんたは信用できるらしいな?」


 ***


「ほう……これはすごい! 先文明の遺産が今でも動いているなんて!」

「クマッチュ!?」

「茶熊学園の学長だ。」

「シツレイシタッチュ。コレ、タベテホシイッチュ♪」

「たこ焼き……ですか? これはどーもー。」

「機関室はこっちだ。」

「ハフハフ! あ、待ってくださーい。僕って大柄なもんで……」


「……………………………………………………カテイホウモンッチュ?」

「学長は専門家だ。」

「例ノ<エラー>ノ件ッチュカ。」

「一応僕の専門は魔術原理で、ルーンエ学は専門外ですけど?」

「技術的な事柄ならば、うちのクルーが知りぬいている。学長に期待するのはその先だ。」

「ご期待どうも~。ちょっとお時間いただけます?」


 ***


「わかりました!」

「わかったのか。」

「たこ焼きって、中にチーズいれても、いけますね~。」

「チーズハジャドウッチュ!」


「……学長。」

「冗談です! 本当にわかったんですよ~。」


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思い出4



ネモは、ライフルを構える……


「お見事なのです。

「俺は外さない……と、もっと自信をもって言えるようになりたいもんだな。

「そういえば、競技会があるそうなのです。ネモも、出るのですか?

「射撃部は、全員参加らしいが……俺はメンテの結果次第だ。

「ネモ、アルゴノート号は、大丈夫なのですか……?

「学長がいうには……悩んでいる、そうだ。

「お悩みなのです。

「今までにため込んだ記憶を整理する過程で、問題が生じているらしい。

「アルゴノート号も、お勉強……なのです?

「宿題を片づけているのかもな。

「悩んでるなら、ノアが相談にのってあげるのです。

「いいかもしれん。潜水艦というのは、繊細なものだ。

「アルゴノート号は……ノアたちとずっと一緒だったのです。助けてあげたいのです。


 ***


「この船は、遥か昔に作られたものですね、ネモさん。

「隠してもしょうがないな。その通りだ。

「そして長い問眠っていた。

「<連邦>が、メザメサセタッチュ。伝説ノ<タコブネ>ヲ……

「連邦?

「そいつを俺が奪った。義手に仕掛けが加わったのも、その時のことになる。

「なるほど……話を戻しますが、けっこう状況は深刻でして。この潜水艦、混乱してるんです。

「混乱だと?

「過去の記憶にとらわれて、自分が何をすべきか、わからなくなってますね。ハイ。

「このままだと、どうなる?

「機能停止か……最悪、暴走の危険性があります。

「――古代の兵器が暴走か。身に覚えがありすぎる。

「なぜか僕も。

「どうすればいい。


 ***


「いっておきますが……これは賭けです。

「わかっている。


「ネモ……

「心配するな。


『艦長。この決断は、合理的ではありません。

「動けるのか、アルゴノートⅡ。

『非常事態ですので、艦との接続を解除しました。

機能は制限されていますが、意見をさせていただくことは可能です。

「意見なら聞いてやる。

『本機の思考回路に直接アクセスするのは、危険です。

「俺の腕は、アルゴノート号のー部のようなもの――

艦にアクセスできるのは、この腕をもつ俺だけだ。


「いいですかネモさん。あなたはアルゴノート号と記憶を共有します。

ですが、記憶に流されてはいけません。機能のリセットを優先してください。

「リセットか……アルゴノートⅡに命令するときの感じでやればいいんだな……?

「おそらくは。


『不確定要素が多すぎます。

「――お前は俺の船だ。


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思い出5



「賭けか。全く、分が悪いな……

周囲に広がる、凍てつく海。

沿岸に、墓標のごとき廃墟が広がる。


「アルゴノートⅡの記憶か。


廃墟が爆ぜる。瓦喋か雪崩となり、汚れた雪が巻き上がった。

奇怪な形の飛行艇が、上空を行きすぎる――


「飽きもせずに、よくやる。


ネモの義手が、赤い光を発した――

かと思うと、ネモの体は……水中に引き込まれる……!


「こいつは現実じゃない――

わかってはいても――気分がいいものではないな。

ノア……?


『――撃て。

「誰だ。

『――――撃て。


「……こいつは、方舟……!


 ***


「ネモさん……!

「どうしたの……?

「ネモが、目を覚まさないのです……

「意識をアルゴノート号と共有している状態でして……

機能のリセットに成功したら、目を覚ますはずなんですがねえ。

『艦長……!


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思い出6 (友情覚醒)



「……光が……

これは、”あいつ”の……」

海の底が、光り輝いている……


「あっちか……」

ネモは光の中に、身をゆだねた……


 ***


『撃て……!』


「アルゴノート号の……艦内か……」


艦内には、誰もいない。

その男以外は……


『撃てっ……!』


男は、その場に崩れ落ちる。


『はぁ……はぁ……うううっ……!』


ネモは、勝手知ったる艦内を見渡し、計器類を確認する。

艦は満身創痍。周囲の全てに敵がいる。絶体絶命――


「……最低だな。こんな状況、想像したこともないぞ。」


『……俺は……侵略者……だ……』


男は、動かなくなった……



『命令を受諾。戦闘を続行します。

お休みください、――艦長。

「攻撃を中止しろ。

『あなたは――

「この男の戦争は終わった。遥か昔にな。

アルゴノート号。お前は俺のために戦って沈め。


 ***


射撃競技会、当日――

ネモは、ライフルを構え、的を見据えた。


射撃の大会って……なかなかシブイわねえ……

アルゴノート号は、もう大丈夫なんですか?

はい。お悩みを解決したのです。

よかった……!

潜水艦にも悩みってあるのねぇ……


kここだけの話……学びのルーンで学習意欲が高まった影響かもですハイ……

あれってもう静かになったんじゃなかったっけ……?

k影響が無くなったわけじゃないんですよね。実は♪



『命中精度が向上しています。

「少しは腕が上がったらしい。

『お手数をおかけしました。

「侵略者と名乗っていたな。前の艦長は。

『はい。

「黒い方舟……アルゴノート号は、方舟を守るための船だったか。

『作戦目的は、達成されました。

「――俺はもっと、うまくやる。


ネモは銃を構えた。

――♪





絶海の狙撃者

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