ギャラクティカ版シャナオウ・思い出

ギャラクティカ版シャナオウの思い出とボイス

思い出1

シャナオウ

見参ログイン！！

キャトラ

あいかわらず、

さわがしいわね。

アイリス

シャナオウさん、こんにちは。

キャトラ

それで、なにしに来たの？

シャナオウ

新しい刀をここで受け取る予定だ。

マゴロク殿は来ているか？

アイリス

バロンさんと話してましたよ。

マゴロク

来たか……

シャナオウ

マゴロク殿、ご機嫌オールクリア！

呼び立てて、申し訳ない。

マゴロク

なに、気にするな。

早速だが、これを見てくれ。

(HOEMARUがある)

マゴロク

名は＜HOEMARU＞だ。

一口で戦局を変える汎用決戦兵器。

……お前の新たな力だ。

キャトラ

何度見ても、刀には見えないわね。

マゴロク

鞘にはサポート用のAIが搭載

されている。戦闘だけではなく、

恋愛や職場の悩みなど、

すべての問題を解決してくれる。

アイリス

(恋愛……？)

シャナオウ

すばらしい。

一目でわかる……

これはいい仕事だ。

マゴロク

喜ぶのは、まだ早い。

HOEMARUのAIは疑似的な

人格を有している。

マゴロク

すなわち、HOEMARUがお前を

マスターと認めなければ、

刀は抜けない。

シャナオウ

承知インストールつかまつった。

では、さっそくアジャストせん！！

HOEMARU

…………

(ミサイルが発射される)

キャトラ

ぎにゃー！！

アイリス

み、ミサイル！？

(爆発した)

マゴロク

……どうやらヘソを

曲げたみたいだな。

シャナオウ

なかなかのじゃじゃ馬ぶり……

だが、必ずや御してみせよう！！

(またミサイルが発射される)

キャトラ

ぎにゃー！
飛行島が壊れるでしょー！
どっか別のところでやりなさいよ！！

マゴロク

安心しろ。

戦闘モードではない限り、

破壊行為はしない。

ミサイルも空で爆発してるだろ？

キャトラ

そーゆー問題じゃないわよー！！

思い出2

シャナオウ

抜けん……

キャトラ

どんだけミサイルやレーザー
撃てば気がすむの！！

アイリス

でも、被害はないわね……

キャトラ

せっかく新しい刀を

作ってもらっても、

使えないんじゃあ、

意味ないんじゃない？

マゴロク

それは大将次第だな。

シャナオウ

わかっている。

ふさわしい使い手となれば

いいだけだ。

マゴロク

じゃあ、俺は失礼するぞ。

バロンと話があるからな……

キャトラ

鍛冶師同志、話が合うみたいね。

シャナオウ

…………

HOEMARU

…………

キャトラ

どうしたの？

シャナオウ

……HOEMARUに

認めてもらうには、

どうすればいいかと考えていた。

シャナオウ

おそらく、HOEMARUは

俺の力量が足りないと

判断したのだろう。その問題を

解決しなければならない。

キャトラ

だったら修行ね！

キャトラ

刀なんだから、強くないと

認めてくれないのよ！！

シャナオウ

キャトラの言うとおりだ。

俺は、もっと強くならねばならん。

シャナオウ

だが、一人でできることは

限られている。

主人公、

俺の修行を手伝ってくれないか？

キャトラ

ちょっと待ちなさい！！

シャナオウ

どうした？

キャトラ

ここじゃダメよ。

どこか人に迷惑をかけない場所で

修行しなさい。

キャトラ

そうね、山よ。

山に行きましょう！

修行と言ったら山なのよ！！

シャナオウ

承知アセントつかまつった。

では、修行トレーニングに

ログインせん！

思い出3

キャトラ

このあたりだったら人に

迷惑かからないわね。

アイリス

それで、どういうことを

するんですか？

シャナオウ

戦術プログラム＜リクトウ＞が、

修行内容をいくつか提案して

きている。例えば、

動力アクチュエーターの改装だ。

キャトラ

修行じゃなくて改造じゃない！

シャナオウ

だが戦術プログラム＜リクトウ＞は

技術的なアップグレードしか

提案してくれない。

キャトラ

そういうことだったら、

キャトラさんにまっかせなさい！

キャトラ

修行と言ったら定番があるわ！！

キャトラ

滝に打たれなさいな！！

シャナオウ

滝に……？

キャトラ

そうよ！
よくわかんないけど、
滝に打たれると強くなるのよ！！

シャナオウ

サビにか？

キャトラ

そうじゃないわ！！

よくわかんないけど、

精神的ななにかよ！！

アイリス

キャトラ、よくわかんないのに

断言したらダメだよ……

シャナオウ

幸い、俺のボディは

完全防水仕様だ。

滝に打たれた程度では壊れはしない。

やってみよう。

…………

……

シャナオウ

…………

シャナオウは
ひたすら滝に打たれていた。
まだ肌寒い季節に滝の水は冷たい。

なるほど、これならば
確かに心を鍛えられるだろう。

だがシャナオウはアンドロイドだ。
機体温度の調整は完璧である。

ゆえに寒さを、
いっさい感じなかった――

シャナオウ

(ハイスペックゆえに

過負荷を感じないとは……

皮肉な話だ)

キャトラ

さっきから、ずっと黙ってるわね。

アイリス

そういうものだからだと思うよ。

キャトラ

……修行ってつまんないのね。

シャナオウ

(人の身なれば、

スペックやスキルを上げるのに

時間がかかる)

シャナオウ

(だが俺はソフトやパーツの

アップグレードをするだけでいい。

アンドロイドにとって修業とは

なんだ？)

シャナオウ

(そもそも人の身とは違うのに、

なぜ俺には人の心がある……

なぜだ……)

シャナオウ

(いや、待て！

この苦しみこそ、スペックで

補えない過負荷ではないのか？

なれば、これこそ修行――)

シャナオウ

答えは得た！！

キャトラ

シャナオウ！
上、上！！

見上げた先には流木があった。

シャナオウ

ごはっ！

キャトラ

しゃ、シャナオウが！！

アイリス

シャナオウさん！
しっかりして、シャナオウさん！！

思い出4

シャナオウ

ギュイーン……

再起動を確認。

スリープモード解除――

シャナオウ

はっ！

ここは……

そうか俺は流木にぶつかり……

流されたのか……？

シャナオウ

(衝撃により一部ソフトが

エラーを吐いている。

位置情報も把握できんか……)

シャナオウ

(残存エネルギーにも限りがある。

早く主人公たちと

合流せねば……)

シャナオウ

エネルギーが切れたら、

終わりか……

…………

……

シャナオウは歩いた。
ひたすら頂きを目指して……

シャナオウ

…………

エネルギーの残量が
減っていくなか、
ひたすら歩いた。

だが、十日経っても、
主人公たちとは
合流できなかった。

シャナオウ

残存エネルギーはわずか……

まさか、こんなくだらぬ理由で

果てることになるとは……

シャナオウ

(レーダーも通信機器もダウン……

それだけで俺はこうも無力なのか)

シャナオウ

(アンドロイドだからと、

驕った結果か……

結局、俺はなにもできなかった)

シャナオウはエネルギー消費を
抑えるため、
システムのほとんどを落とした。

その時である。
今までレーダーの情報によって
追いやられていた体感が
クリアーになった。

シャナオウ

(そうか、風にも香りがあるんだな。
土と木々……
俺は己のスペックさえ、
理解しきっていなかった。)

シャナオウ

ここで諦めてなるものか……

たとえ、無様だろうと

最後まであがいて……

みせ……る……

エネルギーが切れた。
だが、意識は途切れなかった。

シャナオウ

(眠い……)

？？？

……ナ……オウ！

シャナオウ

(ノイズ……？)

キャトラ

シャナオウ！！

アイリス

シャナオウさん、大丈夫ですか！！

シャナオウ

ここは……？

キャトラ

アンタ、木に当たって、
沈んでたのよ！
起きないから心配したんだから！

シャナオウ

沈んだ？
待ってくれ！
俺は十日以上、
森をさまよっていたはずだ！！

キャトラ

本当に大丈夫？

シャナオウ

ボディやプログラムに異常はない。

だとすれば……夢か？

いや……しかし……

だが、感覚がクリアーになっていた。
あの時、感じた風の香りが
センサーに触れる。

シャナオウ

……つかめた気がする。

今の俺ならば、

HOEMARUを抜けるはずだ。

思い出5

シャナオウ

では、レーダーを切った。

好きなように打ち込んできてくれ。

(主人公が攻撃し、シャナオウが避ける)

キャトラ

嘘！

目を閉じたまま……

アイリス

主人公の攻撃を

かわした……

シャナオウ

これが＜明鏡止水プロトコル＞

俺が新しく作り上げた

戦闘プログラムだ。

シャナオウ

レーダーに頼らず、

純粋な体感により、状況を把握する

ソードマスターの極意。

シャナオウ

これならば、HOEMARUも

応えてくれよう！

いざ、アジャストせん！

(刀は抜けなかった)

キャトラ

ダメじゃない。

シャナオウ

あなホワイ！？

なぜだ、HOEMARU……

なぜ俺に応えてくれない？

キャトラ

ふんとにもう。

アンタがあつかえないと、

完全に危険物よ、これ。

アイリス

キャトラ、鞘にさわったら、

あぶないよ。

(HOEMARUが動く)

キャトラ

え！？

アイリス

鞘が開いた？

キャトラ

え？

アタシがマスターってこと？

シャナオウ

……もう、俺にはなにもわからない。

機械の気持ちがわからない……

キャトラ

アンタ、アンドロイドでしょ……

シャナオウ

そもそもアンドロイドに

人の気持ちがあるから、

ダメなんじゃないか？

キャトラ

今さら自分を

全否定するんじゃないわよ。

(シャナオウがその場から立ち去る)

キャトラ

ちょっと、どこに行くのよ！？

シャナオウ

すまない。

一人にしてくれ……

アイリス

シャナオウさん、大丈夫かな？

思い出6

キャトラ

ちょっと、シャナオウ！

待ちなさいよ。

シャナオウ

放っておいてくれ……

その時、シャナオウの前に
焼けた野原が広がった。

おそらくHOEMARUの
レーザー照射によるものだろう。

シャナオウ

……おそるべき力だ。

一口あるだけで、戦況を

左右するというのは

過言ではない。

シャナオウ

だが、俺が不完全であるが故に、

使いこなすことはできない。

(主人公が光る)

シャナオウ

この光……

他に気づくべきことがあると？

シャナオウのセンサーに
花の香りが触れた。

シャナオウ

花か……

いとビューティフル……

野花が群生していた。
だが、その半分は焼け焦げている。

シャナオウ

なんということだ……
強さを求めるあまり、
俺の目はくもっていた。
なにも見えていなかった！！

シャナオウ

どれだけ強くなったとしても、
弱者を踏みにじる者に価値など
ありはしない！！

シャナオウ

太平とは更地にあらず！
この森のように、
様々な可能性を許すこと。

シャナオウ

俺は愚かだった。

武力を手に入れ、

戦をなくそうとしていた。

だが、それだけではいけない。

シャナオウ

真の将とは、あらゆる可能性を

常に模索しなければならない。

シャナオウ

HOEMARUほどの武力。

今の俺には大きすぎる……

そういうことだったのだな。

キャトラ

シャナオウ、大丈夫？

シャナオウ

ああ、全て合点コンパイルだ。

俺にHOEMARUを持つ資格は

ない。

マゴロク殿に返上いたそう。

…………

……

マゴロク

それで、どうした？

シャナオウ

HOEMARUは比類なき名刀だ。

それ故、今の俺には扱いきれない。

マゴロク

…………

シャナオウ

俺が力の正しい使い方を

理解した時、

また貰い受けに来る。

マゴロク

わかったよ。

だが、最後に一度だけ、

HOEMARUに語りかけてみな。

なにか変わってるかもしれないぞ。

シャナオウ

……わかった。

HOEMARUよ、

いずれお前にふさわしい将となる。

それまで、しばしの別れだ。

(HOEMARUが動く)

アイリス

刀が抜けた……？

HOEMARU

……マスター、

……よろしくお願いします。

シャナオウ

喋るのか！？

マゴロク

ああ、それも含めて＜刀＞だ。

マゴロク

前に大将が言ってただろ？

太平の世を作るってな。

だが、もし、本当に平和になった時、

兵器はどうなる？

シャナオウ

……必要はなくなるだろう。

マゴロク

だから俺はAIを設計した際、

思ったんだよ。

好戦的な人格にしたら、

最後は不幸になっちまうってな。

マゴロク

いくら兵器だとはいえ、

幸せになる資格はあるはずだ。

だから、平和主義な人格設定に

した。

マゴロク

武器でありながら誰かを

傷つけたくない。

そういう＜刀＞なら、

平和を作れる。

マゴロク

そんな奴がマスターと認めるなら、

そいつはきっと本物だ。

マゴロク

俺は、そんな本物に

自分の刀を預けたい。

シャナオウ

……HOEMARU,

本当に俺でいいのか？

HOEMARU

……ふつつか者ですが、

すえながくよろしくお願い

申し上げます。

シャナオウ

承知アセントつかまつった！
HOEMARUよ！
俺についてまいれ！！

HOEMARU

……はい。

キャトラ

よかったわね。

アイリス

おめでとうございます。

シャナオウさん。

シャナオウ

うむ、ご機嫌オールクリア！
皆の者！
ともに大平の世を
クリエイトしようぞ！！

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