彼岸からの声・ストーリー
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目次 (彼岸からの声・ストーリー)
彼岸からの声
プロローグ
グルイラオ
夜
ここは賑やかなバー。一人の少女の出現により、罵詈雑言で満ちていた空間に一瞬の静けさが訪れた。
バーはすぐに賑やかさを取り戻し、連れのいない男達がその少女のナンパを試みようとしていた。
酔っ払い:よっ!ナースの嬢ちゃん……あんた一人か?
商人:ナースちゃん、注射器なんか下ろして、お兄さんと一緒に遊ぼうよ?
ブラッドソーセージ:友人に会いに来ましたので、結構です。
商人:なんだ、友だちがいるのか、どこにいるんだ?
ブラッドソーセージ:あの人です。
ブラッドソーセージは、バーの隅で少女とイチャついている男を指差した。
商人:は?あの女たらしか?ナースちゃんよ、あんな奴に騙されちゃダメだよ。あんな奴は甘い言葉で女の子をたぶらかす事しかできないんだから。
ブラッドソーセージ:女たらし?フフ、そういう風に思っていると痛い目に遭いますよ。
少女は周りの男達を無視して、まっすぐターゲットの元へ向かった。
ポルシェお嬢様:マリー先生、さっき言っていた事は本当?痛みを全部忘れて、喜びを得られる薬があるって……
ブラッディマリー:もちろん、だけどその続きはここから離れてからじゃないと……
少女は赤面しながら目の前の男に近づき、ひそひそと話した。
ポルシェお嬢様:じゃあ、一緒に--
ブラッドソーセージ:お邪魔させて頂きます。
ポルシェお嬢様:えっ!
ブラッディマリー:え?
少女のなけなしの勇気はブラッドソーセージの出現によってかき消された。彼女はブラッディマリーから距離を置いた。
ブラッドソーセージ:ごめんなさい、お嬢さん。「先生」に用があります、また改めてもらってもいいかしら。
ブラッドソーセージはその少女を押しのけ、代わりに席に座る。少女はブラッディマリーに助けを求め、目線をやった。ブラッディマリーは眉をひそめたが、ブラッドソーセージに手は出さず、立ち上がり少女と改めて約束を交わした。
少女が離れてから、ブラッディマリーは冷たい声でブラッドソーセージに聞いた。
ブラッディマリー:お前は誰だ?
ブラッドソーセージ:本気でマリー先生と手を組みたい人ですよ。
ブラッディマリー:ほぉ?何をお望みだ、美しいナースさん?
ブラッドソーセージ:人を殺したい……いいえ、正確には、法王庁の食霊を殺したいです。
ストーリー1-2
ナイフラスト
朝方
朝方のホテル、プレッツェルの部屋のドアがそっと叩かれた。
郵便配達員:神父様、手紙が届いています。
プレッツェル:ありがとうございます。
手紙を受け取り、法王庁を象徴した封蝋を見て、思わず眉をひそめた。
部屋に戻り、ペーパーナイフで手紙を開封した。
先日、ナイフラストから「ヴァンパイア」の噂が流れて来た。既に被害者が数名発見されている。噂の出所に教堂はなく、被害者の死因が分からない。ヴァンパイアの仕業か、または渴血症なのか判断が出来ないため、すぐに調査して欲しい。
犯人が誰であれ、勝手な行動はしないで欲しい。ヴァイスヴルストが到着してから共に行動するように。
――クロワッサン
プレッツェル:(ヴァンパイア……)
プレッツェルの頭に浮かんだのはある男の姿だ。あの男は幾度にわたり自分の手から逃がれ、罪を隠すためヴァンパイアの噂を流してきた。
しかし、渴血症の症状は伝承のヴァンパイアによく似ている。この事を知らなければ、必ずこの病気をヴァンパイアと関連付けてしまう。
法王庁は今も全力で渴血症の元凶--ブラッドソーセージを指名手配している。同時に、その患者らが利用されるのを避けるため、出来る限り彼らを法王庁の勢力範囲下に置くようにしている。
───
これからどうしますか?
・<選択肢・上>すぐに出発する。
・<選択肢・中>クロワッサンに手紙を書く。
・<選択肢・下>必需品を準備する。
───
プレッツェル:(教堂が無い場所……そこでは法王庁の力に限界がある、福音はまだ大陸全体に届いていない。事態がそこまで悪化していない事を祈る。)
ストーリー1-4
ナイフラスト
ある辺鄙な町
空は青いが、このナイフラスト西北に位置する町は寒風に晒されていた。町民たちは服を着込み、そそくさと歩いている。
プレッツェル:(ここは……随分と寒い、ブラッディマリーがいる可能性は低いだろう。)
───
次はどうしますか?
・<選択肢・上>(まずは町で「ヴァンパイア」について調査する。)
・<選択肢・中>(まずは病院に被害者がいるか調べる。)
・<選択肢・下>(まずはこの町の情報を集める。)
───
プレッツェル:(ではそうしましょう。)
プレッツェルは神父の服を着ていたからか、周りの町民から好奇の視線を集めた。しかし立ち止まる人はいなかった。
この時、新聞売りの少年が彼のそばを通り過ぎようとした。
新聞売り:新聞だよ!新聞には、町の情報が全部載っているよ!
プレッツェル:新聞を頂こう。
新聞売り:ありがとうございます!では金貨一枚頂戴します。
プレッツェル:ありがとうございます。
新聞売り:毎度ありー!
新聞売り:珍しいな、普段は町の外から人は来ないんだけど、ここ二ヶ月は多いな。
プレッツェル:(ここ二ヶ月?)
プレッツェル:--少し待ってくれ!
プレッツェルは先程の新聞売りの少年を呼び止めた。
プレッツェル:私の前にも、外からこの町に来ている人がいるんですか?
新聞売り:はい?外から来た人ですか?えっと……
少年は少し考え込んでから、指を三本立てた。
新聞売り:お客様の前に来たのは、三人ですね。一人は行商人ですが、もう町から出ました。
新聞売り:他の二人はフィッシャーさんが招いたお医者さんとナースさんですね。フィッシャーさんの家以外ですと、病院でしか見かけないですね。
プレッツェル:その二人についてどれぐらい知っている?
新聞売り:あまり知らないですね…でも病院の人から、あの二人は親しみやすく、魅力的な人だと聞いた事があります。彼らの事を尋ねたいのなら、お客様を病院まで案内しましょうか?
プレッツェル:そうしてくれると助かる。
ストーリー1-6
哀願の声が響く暗い部屋の中、ブラッドソーセージはカーテンを閉めた。彼女は病床の前に行くと、患者に鎮静剤を1本注射した。
患者はやっと静かになってきた。ブラッドソーセージは医者の服を着ている男の傍に近づいた。
ブラッドソーセージ:プレッツェルやっと来ましたよ。ブラッディマリー先生、準備は宜しいですか?
ブラッディマリー:遅すぎる、寒い所でこんなに長く待たされるなんて。
ブラッドソーセージ:先生はこの二ヶ月、たくさん人間を召し上がったではないですか、まだ温まらないのですか?
ブラッディマリー:足りない、全然足りない!人間の血液は一時の温もりしか得られないんだ。
ブラッドソーセージ:今回プレッツェルを倒したら、彼の血液を試してみましょう。
ブラッディマリー:フフ、あの男のような澄ました冷血殺し屋の血液なんかで、僕があたたまる訳ないだろ。
ブラッディマリー:神の名義を盾に、他人を勝手に審判し、相手の目的を問わず、必ず「裁き」を下すなんて。殺人犯と同じだ。
ブラッディマリー:あぁ、ステーキの熱でしか僕はあたたまらない--
───
何か言う事はありますか?
・<選択肢・上>──分かっている、あなたを満足出来るのは、ステーキだけ。
・<選択肢・中>チッ、他に言いたい事はないんですか?
・<選択肢・下>……(また?!)
───
ブラッディマリーのステーキ話が始まろうとしたため、ブラッドソーセージはすぐさまその話を中断した。
ブラッドソーセージ:先生のステーキに対する執着は本当に感心しますよ。では、ご自分でプレッツェルをここに誘き寄せるつもりですか?
ブラッディマリー:君が一生懸命作った仕掛けに僕が入る必要はあるのかい?君の計画を邪魔しかねない。
ブラッディマリー:それに、ここは本当に寒すぎる。必要じゃなければ、わざわざこの暖かい部屋から出たくない。
ブラッドソーセージはソファーで横になり、柔らかいブランケットで覆われているブラッディマリーを見て、思わずからかいたくなった。
ブラッドソーセージ:血液欲しさに、病院で人間を誘惑した時は、寒いなんて一言も言ってませんでしたよね?
ブラッドソーセージ:あの人間たちを連れ戻して、処分してあげたのはわたしですよ、先生。
ブラッディマリー:僕は彼らを抱き締めて、君は噂を流す、彼らを利用してプレッツェルを狙う、全ては君の計画通りじゃない?
ブラッドソーセージ:まあ、確かにそうですね。
ブラッドソーセージ:では、ここで準備しておいてください。わたしも良いタイミングを選んで彼の前に現れないといけませんね。
ストーリー2-2
新聞売り:ここです、では僕はこれで。
プレッツェル:ありがとう。
プレッツェルは金貨1枚を礼として少年に渡したら、少年は喜んで飛び跳ねた。
新聞売り:お客様はどうしてこの町に来たか分かりませんが、うまくいきますように!
少年はプレッツェルに手を振り、背を向けて新聞売りを続けた。
プレッツェルは手に持っている新聞を読み始めた。載っているのはほとんど町の日常に関する事だが、一つだけ彼の興味を惹いた。
プレッツェル:(……血液センター盗難事件?血液か……恐らく「ヴァンパイア」と関係があるのだろう。)
プレッツェル:(しかしどちらの「ヴァンパイア」なのか、まだ調査する必要がある。)
プレッツェルは病院で調査を始めたが、結果は芳しくない。病院には「渴血症」患者の受診記録がなかった。
医者:申し訳ございません、貴方様が仰った症状の患者を問診した事はありません。ただ……
プレッツェル:ただなんだ?
医者:外部に公表してはいけない件ですが、貴方様は法王庁の神父様ですので……お伝えしても宜しいかと。
医者:この間、病院の患者数名の体に変わった症状が出ていました。
医者:全員ほぼ完治して退院しましたが、ある日から突然日差しを怖がるようになりました……貴方様が仰っていた「渴血症」と似ています!
医者:しかし、彼らの首には明らかに噛まれた跡がありました!
プレッツェル:噛まれた跡ですか?
プレッツェル:(まさか……)
───
これはなんでしょう?
・<選択肢・上>(ブラッディマリー?)
・<選択肢・中>(誰かが「ヴァンパイア」の仕業に見せかけている?)
・<選択肢・下>(「ヴァンパイア」?)
───
医者:更におかしいのは、この件が起きた後、病院の血液センターで盗難事件が発生したんです。犯人は未だ逮捕されていません……
プレッツェル:(病状が突然変異した患者、噛まれた跡がある、血液センター盗難事件……一体これらにどういった関連が……)
医者:神父、神父様?
プレッツェルの思考は、医者によって中断された。
プレッツェル:あの患者たちはどこにおりますか?少し様子を見させて頂きたいです。
医者:彼らはフィッシャーさんの家に迎えられました。フィッシャーさんのお嬢さんは病気を患ったため、フィッシャーさんはご自宅に医者とナースを家に招いているのです。
医者:マリー先生が、フィッシャーさんの雇った医者ですね。彼はあの患者たちはフィッシャーさんのお嬢さんの症状と似ているため、合同治療が可能だと仰ってました。
プレッツェル:(……マリー先生!)
プレッツェル:フィッシャーさんの娘が病院で受診しない理由、そして他の患者がフィッシャーさんの家に送られた理由を教えて頂けますでしょうか?
医者:マリー先生は、この病気はかなり厄介な症状なため、病院よりもフィッシャーさんの家の方がより治療に適していると仰ってました。
医者:フィッシャーさんも優しい方なので、自宅を療養のために開放したんです。
プレッツェル:病院のスタッフで手伝いに行っている方はおりますか?
医者:神父様、うちは小さな病院なので、そんな余裕はありませんよ。
医者:ですがあれから、私たちはフィッシャーさんのお嬢さんとあの患者たちにも会っていません。マリー先生とナースさんは薬を買うため、或いは治療状況を報告するために何回か来た事はありますけど。
プレッツェル:彼らの症状は良くなりましたか?
医者:彼らは……なんと言うか……私は一度だけ彼らの様子を見に行った事があります。その時彼らは全員寝ていました……マリー先生は、彼らの病状は既にコントロール出来ており、副作用のせいで昏睡してしまっていると、仰ってました。
医者:でも私はそう単純な事だとは思えなかったです……彼らは顔面蒼白で、歯も鋭くなっていました。まるで……
プレッツェル:まるで、なんでしょう?
医者:ここだけの話ですが…彼らはヴァンパイアになってしまったのかと思います……
プレッツェル:……どうしてそう思うんですか?
医者:もちろんあの噛まれた跡が原因ですよ!伝承のヴァンパイアと同じじゃないですか。
プレッツェル:ヴァンパイアは実在しません。彼らは嘘の中でしか生きられません。
医者:そうですか……それは少しがっかりですね。
プレッツェル:あまり考えすぎない方が良いかと。あの二人は普段何時に来られますか?
医者:うーん……決まってはいませんが、夕方近くが多いですかね。
プレッツェル:ありがとうございます。
プレッツェル:(恐らく真犯人はブラッディマリーだ。しかし、どうして数人だけで止めたのか?)
プレッツェル:(そのフィッシャーさんの家に行ってみよう。)
ストーリー2-4
プレッツェルは医者に別れを告げて、立ち去ろうとしたが、見覚えのある人物に出くわした。
ブラッドソーセージ:あら、これはプレッツェル神父ではないですか?
プレッツェル:ブラッド…ソーセージ!
───
次は何を言いますか?
・<選択肢・上>よくも堂々と姿を現せるな!
・<選択肢・中>ここに来て何がしたいんですか?
・<選択肢・下>貴方一人だけですか?
───
ブラッドソーセージ:質問する前に、まず挨拶をするべきでは?神父様。
医者:えっと、ブラッドソーセージさんは、神父様とお知り合いですか?
ブラッドソーセージは白い百合の花束を持っていた。彼女の赤いナース服で、白い花がより際立った。
ブラッドソーセージを見た瞬間、プレッツェルは全てを理解した。彼が手を出そうとした時、後ろから医者の声が聞こえてきた。
プレッツェルは握りしめたこぶしを開き、医者がブラッドソーセージに近づこうとしているのを体で遮った。
プレッツェルの意図に気付いたブラッドソーセージは微笑んで、医者に挨拶した。
ブラッドソーセージ:ヒュースマン先生、ごきげんよう。
ブラッドソーセージ:ケイト姉さんたちは元気ですか?前回来た時、もうすぐ退院出来ると聞きました。これはお見舞いの花です、ケイト姉さんの病床に飾ってください。
医者:ケイトさんは明後日退院出来る予定です。今回も病状が変化するかどうか……はぁ、もうこの話題はやめましょう。
医者:マリー先生はご一緒じゃないんですか?ケイトさんはずっとマリー先生の事を言っていましたよ。
ブラッドソーセージ:マリー先生は……
ブラッドソーセージはプレッツェルを一目見てから、ヒュースマン医師に目線を戻した。
ブラッドソーセージ:外が寒すぎたので、出掛けたくなかったみたいです。それでわたしにケイト姉さんの見舞いを頼んだのです。
医者:相変わらず寒いのが苦手なんですね。本当に大変だ、ここが暖かくなるにはあと一ヶ月は掛かりますよ。
ブラッドソーセージ:ヒュースマン先生、こちらの神父様とまだお話の途中ですか?それなら、わたしは先にケイト姉さんのお見舞いに行ってきます。
医者:もう終わりましたよ、一緒に行きましょう。彼女が時間通り今日の薬を飲んだか確認したいので。
ブラッドソーセージ:いいえ、わたし一人で大丈夫ですよ。先生はまだ回診の予定があるでしょう?サボりはダメですよー
ブラッドソーセージはそう言いながら、廊下の反対側に位置している階段へと向かった。食霊にしか聴こえない小さな声でプレッツェルに向かって話す。
ブラッドソーセージ:早く来ないと、間に合わなくなりますよ、プレッツェールさーんー
プレッツェル:どういう意味だ?-ー
プレッツェルがブラッドソーセージの話の意味を考えている間、ブラッドソーセージは既に廊下の突き当りにたどりついていた。プレッツェルは少し迷ったが、急いで追いかけた。しかし、ブラッドソーセージの姿は既に見えなくなっていた。
プレッツェル:……!
プレッツェル:(二人が手を組むとは…相手は二人、こちらに援護はない、恐らく相手は万全な準備をしているだろう……)
プレッツェル:(ヴァイスヴルストを待つ余裕はない。もしブラッドソーセージが言った事が事実であるなら、今すぐブラッディマリーを見つけなければならない!)
ストーリー2-6
空がだんだんと暗くなり、通行人も減った。プレッツェルは一人でフィッシャー家の前に立っている。
二階建ての洋館、窓のカーテンは全て閉まっている。庭も手入れされておらず、雑草がはびこり、花たちも息絶えていた。
プレッツェル:ブラッディマリー、貴様がここにいるのは分かっている。
プレッツェル:神の制裁を受けるがいい!
まるでプレッツェルに応えるかのように、閉じられていた門が突然開かれた。血生臭い風がプレッツェルを襲う。
プレッツェル:(この血生臭い匂い……まずい!)
プレッツェルが広間に突入すると、背後の門は再び閉じられた。
身に覚えのある暗闇が広がる。
プレッツェル:(またこんな手口を…)
暗闇は光の信徒を阻む事は出来ない、もちろん食霊の足を止める事も。血生臭さが強くなるが、プレッツェルに一刻の猶予もない、真っ直ぐ二階にある匂いの源へと向かった。
静かな廊下には、プレッツェルの足音しか響いていない。
二階の部屋は多いが、突き当りの部屋だけ、ドアが閉じられていた。そして血生臭さも極めて強い。
───
……
・<選択肢・上>ドアを強く押し開ける。
・<選択肢・中>周りを観察してからドアを開ける。
・<選択肢・下>慎重にドアを開ける。
───
ドアを開けた瞬間、プレッツェルは暗闇から飛んできた攻撃をかわした。
窓辺のライトから出た弱い光は、ブラッディマリーの蒼白だが、魅力的な顔を映した。どこからかやってきた2匹の蒼い胡蝶が、ブラッディマリーの腕に舞い降りた。
プレッツェル:あのマリー先生はやはり貴様だったのですね、ブラッディマリー。
ブラッディマリー:正解♡
ブラッディマリーは軽く拍手をする。
プレッツェル:貴様はどうしてあのブラッドソーセージと一緒にいるんですか?
ブラッディマリー:彼女が出した条件が良くて、拒否出来なかったから。
プレッツェル:条件?
ブラッディマリー:豪華な報酬、温かい血液、そして--君だ。
話し終えた瞬間、前と後ろから同時に暗器がプレッツェルに襲いかかった。彼は前の暗器を逸らせたが、それの本当の狙いはプレッツェルではなく、後ろから飛んできた血液パックだった。飛び散った血がプレッツェルの全身に掛かった。
プレッツェル:これは--!
ブラッドソーセージ:血液センターにあった最後の血ですよ。
ブラッドソーセージ:彼らは何日もお腹を空かせているのです。
プレッツェルはやっと気づいた、この部屋にはベッドが多く置かれていた事に。病院から移された患者たちは血生臭い匂いのせいで、ベッドから起き上がり、ゆらゆらとプレッツェルを囲んだ。
同時に、ブラッディマリーとブラッドソーセージの攻撃も始まった。プレッツェルは二人の強い食霊と対抗するだけで既にギリギリの状態、更に周りの人間に自分の攻撃が当たらないよう配慮しなければならなかった。
ブラッディマリー:捕まえて!あの男を捕まえたら、君たちに新鮮な血液をあげるよ。
プレッツェル:全員変えられたのですか、渴血症に……
ブラッドソーセージ:でも彼らはまだ生きていますよ。法王庁はいつだって、生きている人を「諦めない」んでしょう?
ブラッドソーセージ:それとも、神父様は彼らに手を出しますか?
ブラッディマリー:どちらの選択肢を選んでも、もう終わりだよ、プーレッーツェールー
ブラッドソーセージ√宝箱
人間たちの援護を借りて、ブラッディマリーとブラッドソーセージはプレッツェルを追い込む。プレッツェルの傷はどんどん増え、動きも鈍くなっていく。
プレッツェルは注射器を振り払って壁にもたれかかる。暗闇での戦闘で、気力を多く削られ、視界がぼやけ始めた。
プレッツェルはあの人間たちに手を出さなかった。彼らは悪党ではない、悪魔に選ばれただけに過ぎないから。
プレッツェル:……貴様らの罪は重すぎる、神は貴様らを決して許さない。
ブラッドソーセージ:あなたたちはわたしの神様を奪い去った、今更許しを乞うとでも?あなたたち法王庁は相変わらず偽善ね。
ブラッドソーセージ:そろそろおしまいの時間よ、プレッツェル!
プレッツェルの意識がもうろうとしてきた。ブラッドソーセージは注射器を持ち上げ、最後の一撃を与えようとした。間一髪、一本のメスが外から飛んできて、ブラッドソーセージの攻撃を阻んだ。
ブラッドソーセージ:誰だ?!
ヴァイスヴルスト:ブラッドソーセージ……あなたの恨みを、プレッツェルが受けるべきではない。
ブラッドソーセージ:あら、先生ーちょうど良い時に来たね。間に合わないと思ったのに。
ヴァイスヴルスト:あなたは僕の意識を別の方向に誘導するため、わざわざシュールストレミングたちにデマをばら撒かせた。
ヴァイスヴルスト:しかし、法王庁の情報網を甘く見ないでください。
ブラッドソーセージ:あらあら、先生の言う通り、これはわたしのミスね。でもプレッツェルの傷は酷いよ、先生一人来たところで、結果は同じだよ。
ブラッドソーセージ:先生も、一緒に遊ぼうよ……
プレッツェルが意識を失う前に聞いた最後の言葉は、ブラッドソーセージの死への誘い文句だった。
───
プレッツェルが再び目を覚ましたのは、翌日のことだった。
プレッツェル:……ここは、病院?
ヴァイスヴルスト:僕なんかよりも自分の事を心配してください。でも状態は悪くないみたいですね、そろそろ法王庁に戻りましょうか。
ヴァイスヴルスト:逃げられました。
ヴァイスヴルスト:昨日は、彼らに僕以外の増援がもうすぐ来る事を誤解させました--一応事実に違いありません、他の人は今日にここに来て、彼らが残した「問題」を処理します。
プレッツェル:……感謝する。
ヴァイスヴルスト:お礼は結構です。あなたの選択は間違っていないんですから。
ヴァイスヴルスト:あの人たちは……助かるかもしれません。
プレッツェル:渴血症の治療薬の研究が成功したのか?
ヴァイスヴルスト:いいえ、しかし彼らの症状を緩和する事が出来るようになりました。夜になっても、彼らが普通の人間たちと同じように活動出来る程度には。
プレッツェル:奇跡に近いな。
ヴァイスヴルスト:そうかもしれません……
ヴァイスヴルスト:いつか彼らに追い付き、彼らが悪行をする前に阻止出来るようにしたいと思っています。
プレッツェル:神が我々を導き、全ての悪を制裁するだろう。
プレッツェル:戻ったら、引き続き法王庁の情報網を拡大しよう。更に早く彼らの動向が分かるようになる。
ヴァイスヴルスト:そうですね。もう一度クロワッサンに相談しましょう。
プレッツェル:ええ。
ブラッディマリー√宝箱
人間たちの援護を借りて、ブラッディマリーとブラッドソーセージはプレッツェルを追い込む。プレッツェルの傷はどんどん増え、動きも鈍くなっていく。
プレッツェルは注射器を振り払って壁にもたれかかる。暗闇での戦闘で、気力を多く削られ、視界がぼやけ始めた。
プレッツェルはあの人間たちに手を出さなかった。彼らは悪党ではない、悪魔に選ばれただけに過ぎないから。
プレッツェル:……貴様らの罪は重すぎる、神は貴様らを決して許さない。
ブラッディマリー:神?
ブラッディマリー:僕が欲しいのは、この永遠の温もりだけよ。
プレッツェル:……
ブラッディマリーはプレッツェルの顔を掬い上げて、指先で彼の口元から滲み出た血を拭う。
ブラッディマリー:チッ、もう冷たくなってる。
ブラッディマリー:ステーキの血液だったら、もっとあたたかいだろうね。
ブラッディマリー:もう僕を止められないよ、プレッツェル。ここで、君の命を終わらせる!
プレッツェルの意識はもうろうとしていた。ブラッディマリーの棘がプレッツェルの体に刺さり、抜こうとした時、一本のメスがブラッディマリーの頬を掠めた。彼の蒼白な顔に赤い傷跡がついた。
ブラッディマリー:誰?!
ヴァイスヴルスト:申し訳ないのですが、彼から離れてください。
ブラッドソーセージ:あら、先生ーちょうど良い時に来たね……
ブラッドソーセージの話が終わる前に、プレッツェルは意識を失ってしまった。
───
プレッツェルが再び目を覚ましたのは、もう翌日夕方のことだった。
プレッツェル:……ここは、病院?
ヴァイスヴルスト:僕なんかよりも自分の事を心配してください。でも状態は悪くないみたいですね、そろそろ法王庁に戻りましょうか。
ヴァイスヴルスト:逃げられました。
ヴァイスヴルスト:昨日は、彼らに僕以外の増援がもうすぐ来る事を誤解させました--一応事実に違いありません、他の人は今日にここに来て、彼らが残した「問題」を処理します。
プレッツェル:……感謝する。
ヴァイスヴルスト:お礼は結構です。もっと早く合流して、あなたと一緒に行動するべきでした。
プレッツェル:私の命を助けた事だけではない、その後の事についても感謝したい。
ヴァイスヴルスト:え?
しばらくの沈黙の後、プレッツェルは再び話し始めた。
プレッツェル:ブラッディマリーとブラッドソーセージは仲間ではない、彼らは決して二人で逃げない。作戦が失敗すれば、彼らの関係もここまで。
ヴァイスヴルスト:彼を追いかけるつもりですか?
プレッツェル:この罪は、早く断たなければならない。
ヴァイスヴルスト:なるほど、わかりました。僕に感謝を述べたもう一つの理由は、法王庁に戻ったあと、代わりにクロワッサンに申請を出して欲しいという事ですね。
ヴァイスヴルスト:だけど、もっと法王庁の力を信じて欲しい。あなたと彼の確執は、あなただけの物ではなくなっていますから……
ヴァイスヴルスト:霊力が完全に回復してから追ってください、気をつけて。
プレッツェル:ええ。
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