文思豆腐・エピソード
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文思豆腐のエピソード
元々は殺傷しないなどと誓っていたが、一部の人を死なせてしまった事から、自分の師匠の没後、世界を放浪する事を始め、やがて真理にたどり着く。
このような力を手に入れたのは天意である。自分が地獄に行かず誰がいくのか。もし自分が地獄に行ったのなら、そうすれば他の人はもう誰も地獄に行かなくて済む。
Ⅰ.村子
「趙家のお嬢さん、今日はどこに行かれるんですか?僕が送って差し上げますよ」
「あら、文思豆腐さんまたここに座り込んで。前に村長が仕事を紹介してあげたでしょう?どうして仕事に行かないんですか?」
花籠を提げた女の子は笑いながら僕をからかう、隣で鍬を担いでいる農民も思わず笑いだしていた。
「好きにさせてやれよ、お嬢さん。彼は毎日ここで犬猫や子どもらとはしゃいで楽しそうにしてるよ。養鶏してる劉さんたちが、自分らの子どもを彼に面倒見てもらってるのさ」
「文思さん、このままではいけませんよ。ちゃんと仕事をしなければ、お嫁さんを貰えなくなりますよ」
「僕は出家しているので!」
「そういうのいいから!今晩、李さんのお宅で宴会をするらしいけど、来ますか?」
「……行きます」
ここはとても素敵な村だ。遠くない所に栄えた大きな町があるから、村人たちはよく町で自分らが育てた野菜や果物などを売りに行く。その稼いだ金は一家の生活費として事足りた。
丁度春真っ最中、周りの景色が美しかった。
僕はここを通った際、ここの景色に夢中になった。
村人達も非常に熱心で、僕が托鉢しにきた坊主だと言っても親切にしてくれたし、僕が酒を飲めて、肉が食べられる事に対してもあまり驚かなかった。
こんな優しい人達にとって、僕が坊主を装ってタダ飯を食べに来ている嘘つきだとしても、気にする事はないだろう。
「こんな酷いご時世にこのお兄さんは……大変な目に遭っていなかったら、生活のために僧侶のフリなんてする訳がないだろうな」
「ええ……またいくつかの村が化け物に襲われたそうよ、彼も可哀想な人だ。うちの村にもう少し置いておこう、景色は良いから、気晴らしにはなるだろう」
「そうだな、普段彼はみんなを手伝ってくれているし、子どもたちにも漢字を教えてる。いっそ彼に残ってもらおうか。家族がいないなら、お互いに面倒を見て、何年かしたら村の綺麗な女の子を紹介してあげよう……」
村長と村長の奥さんは、僕より年は取っていないけれども、人間で言えばご老人だ。
あの日李さんから頂いた菓子を村長に届けようとして、偶然二人の会話が聞こえて来た。
お二人が僕を本当の僧侶でないと思っている事に関して、何とも言えない気持ちになったが、彼らのその気持ちに心動かされた。
こんな慈悲深い人がいるから、この村は優しい人ばかりなんだろうな。
僕は一つ咳払いをして、家の外から叫んだ。
「村長さん!村長さん!李さんの花餅を届けに来ましたよ!」
「あら!すぐ行くよ!お前さん、また李さんの家でタダ飯を食べてきたのかい!」
「そうです!」
「布団はもう用意してある、早く入りなっ、夜はまだまだ寒いだろう」
「南無阿弥陀仏、ありがとうございます、ありがとうございます!」
「お前!またそういうテキトーな事を。本当に仏様から罰が下るよ!もう食べ物に困ってないだろう、そういうのはもういいよ」
「………………」
「いいから、早く入って休みなさい」
Ⅱ.縁
「文思文思!この漢字の読み方は何だ?」
小さな子どもが首を傾げて僕を見ていた。彼は木の枝で地面にぐにゃぐにゃとした線を描いた。
僕は眉をひそめて、真剣に観察した。
「……これは、ミミズ?」
「………………」
「いたたたっ!手を放して!早く!髪を引っ張らないで!」
「フン!」
「わかった、わかりました。どこで見たか教えてごらん、そしたら読み方を教えてあげますよ」
子どもの手は温かい、彼は僕の指を引いて、村の広場にある組まれ小屋の前に走り、そして上の旗を指さした。
「一番上の漢字!」
風に煽られた旗には一つの大きな「縁」の字があった。
先程のミミズが這ったような線を思い出して、随分と興奮していた小僧に向かって言った。
「小虎よ、あなたも中々やりますね。確かにこの漢字は難しいけど、さっきのは流石に下手すぎやしないかい?」
「……うるさい!何の字か早く教えて!」
「この漢字は『えん』と読みます」
「えん?縁って何?」
小虎のキラキラとした目を見て、真面目に考えてみた。
「そうですね……あなたと僕の出会いが一つの縁です。あなたの父と母との出会いも、あなたと両親の出会いも縁です」
「うーん……わかんない」
「縁とは天意。僕があなたたちに出会えたのも天の意思です」
小虎はわかるようでわからない顔をして自分の指を噛んでいた。僕は彼の隣に座って、空を眺めながら彼が語るのを待っていた。
突然誰かに肩を叩かれた。振り返ると、普段仲良くしている若者達が見えた。先頭にいた李家の息子さんは笑いながら僕の髪を引いた。
「文思、こんな真面目な僧侶の姿、俺は初めて見たぞ!」
「…………僕はずっと真面目な僧侶です!」
「いい加減にしろよ!普通の僧侶はお前みたいに酒を飲んだり、肉を食べたりする訳ないだろう!」
「あなたは本当に慧根(えこん)を持っていないのですね!“酒肉は腸の先へ、菩薩は心の奥へ”という言葉をご存じないのですか?僕の心に仏様がいる限り、僕は真面目な僧侶です!」
「本当か?俺は信じないぞ。いっそ俺たちが丸坊主に剃ってあげようか?もっと僧侶らしくなるかもしれないぞ?」
「ああああ!僕の髪を離してください!」
「ハハハハハ!もうからかわないよ、今晩の宴会を忘れるなよ、みんなお前のお話を楽しみにしてるんだから」
「…………あなたたちのような浮ついた人にはわからないだろうが、あれはお話ではなく仏法です」
「はいはい、仏法、仏法ー」
騒々しい若者たちが去った後、小虎が隣の柵から急に飛び降りてきた。
「文思!わかった!」
「はい?何がわかったのですか?」
「縁だよ!縁はこの世界の一番良い物!縁があれば!いっぱい良い事が起きる!」
「ハハハハッ、その考え方は悪くない!小虎、あなたは慧根を持っているのですね」
しかし、話を聞いた途端、小虎は怖がった顔で自分の頭を抱えた。
「えっ!慧根なんていらないよ!」
「どうしてですか?欲しがっている人は多いですよ!」
「村長のおじいちゃんが言ってた!慧根を持ってる人は丸坊主にして僧侶にならないといけないって!文思みたいな偽物じゃなくて本物の僧侶!」
「…………王小虎!逃げるな!待て!!!」
Ⅲ.異変
僕の旅はいつも自由気ままだ。
離れたければ離れるし、離れたくなければそこに留まる。
僕はここの雰囲気が好き、周辺の景色も好き。知らず知らずのうちに、長くこの村に留まっていた。
この村は立地が良い。
周りの村落全てが堕神に襲われても、ここには畑の野菜と果物を盗む小さなものしか現れない。村人の命を害するような大きなものが現れる事はなかった。
ただ最近、怪しい気配が漂うようになった。
風は微かに血生臭さを帯びていた、遠くの町を眺めた僕は眉をひそめた。
「文思……どうしたの?」
「にゃんでもない……はなしぇ……」
「何言ってるかわかんない」
「僕の顔を放してくれたらわかるようになるよクソガキ!」
「なるほど――でも放さねーよ!ほら、前に進めこのダメ馬!」
遊び疲れた子ども達を彼らの家に送った後、僕も村長の家に戻った。
夕食の誘いを断り、村長の部屋から出掛けた。
後ろで僕を尾行している人影を気にはしなかった。
食霊の足は速いので、すぐに彼を撒いて、城門の前までたどり着いた。
堀によって阻まれている町は、巨大な城門を下ろした時しか入れない。
僕は警備をしている兵士たちを呼ぼうと試みた。村人が野菜を売りに来た時、僕も手伝いで数回来た事があった。兵士たちは大柄な若者ばかりで、性格も明るく、権力を笠に着て人を苛めるような者はいなかった。
彼らは仕事をサボるような人ではなかったはずだが、僕が何度呼びかけても、返事はなかった。
静かすぎる町と風に混じっている血生臭い匂いによって、ますます不安になった。僕は一気に城壁の上に飛び乗った。
……………………
………………
…………
……
城壁の向こう側、そこは地獄になっていた。
僕は手を合わせて、亡くなった命のために往生の呪文を読んだ。
尾行していた者も諦めず、ここまでついて来ていた。
彼は堀のすぐ傍に立っていた。
彼は何家の息子、子どもの頃から不真面目で、僕が来てからはずっと僕を目の敵にしていた。
彼と同じくふらふらしている僕は、村人に良くしてもらっているのが気に食わなかったのだろう。彼は時々僕にちょっかいを掛けた。
「おい――貴様、どうしてここに来た!」
「危ない!動かないで!」
指先から伸びた白い糸は月下で銀色の光を放っていた。無数の銀糸が風に乗り、舞っているだけのように見えたが、しっかりと青年を包んだ。
彼の後ろにいた目から赤い光を放つ堕神が倒れるのを見て、僕はホッとした。
彼が振り向いた時、頬は糸によって切り傷がつけられた。
彼は怖くて地べたに座り込んだ。僕は自分の糸を引っ張り、彼をゆっくりと自分の傍まで引き寄せた。
「き、貴様……一体何者なんだ!」
「……説明は後で、今は僕の傍にいた方が安全です」
Ⅳ.佛性
何家の息子を家まで送り届けた後、僕は村長の家に戻った。
村長夫妻は僕が外出していた事に気付いてはいないようだった、静かに眠っていた。
この小さな村は静かで、何事も起きていないようだった。
翌日の東天紅が響くまで、村人たちはやっとぞろぞろと起きてきた。
野菜を売るために町に行った村人は、城門がずっと下ろされないため、文句を言いながら村まで帰ってきた。
「今日はどうしたんだ?普段閉門するなら前もって掲示が出されるのに」
「さぁ……しょうがない、帰るか」
何も知らない村人たちに何を言うべきか、わからなかった。
「……おい、偽僧侶」
「……はぁ?」
突然、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。振り返ると何家の息子だった。
「今夜、また行くのか?」
「……はい、まだたくさんのご遺体を埋葬できていないので」
「じゃあ俺も一緒に連れてってくれ、貴様一人じゃ手が足りないだろ」
「……えっと」
「決まりだな。夜、村の入口で落ち合おう。チッ、ねみぃ、先に帰って寝るわ」
「えぇ……」
彼は文句を言いながら離れていったが、表情は言葉程嫌がっているような感じではなかった。
深夜、僕はまたこっそりと起きた。村の入口まで行った所で、本当に何家の息子が待っていた。相変わらずの生意気な顔をしていた。
「どうした、遅せぇよ」
「村長は先程眠ったばかりだったので」
「チッ、行くぞ」
今日の彼は僕よりも速かった。仮面のように生意気を顔に出していた彼だが、城門に近づくにつれ、その生意気さは薄れていき、それは、慈悲がこもった悲しみと重みに変わっていった。
僕たちは城門を越えて町に入ると、何も言わずご遺体の埋葬を始めた。
とても静かな夜だった、穴を掘る音しか聞こえない。
明らかに彼は農具の使い方に慣れていないようだった、ただその動きは非常に敬虔だった。
彼は丁寧に一つずつ穴を掘った後、慎重にご遺体を入れていった。
小さな女の子を埋めようとした時は、自分の袖で彼女の顔を綺麗に拭ったりもした。
彼は全ての墓に小さな花を供えた。珍しい花ではなく、どこにでもあるような名もない白い野花だった。
「あなたは仏性を持っているようですね」
僕は岩に座り、精一杯穴を掘っている彼を見た。
僕の話を聞いて、彼は一瞬手を止めた。手で自分の顔を拭ったが、手に付いていた褐色の土によって頬に三毛猫のような模様が残された。
「……テキトーな事を言うな。ついでだったから。遭遇してしまったのなら、放っておく事は……できない……だろう……」
「出会えばそれは縁です。小虎が言っていました、縁がもたらすのは大抵良い事ばかりだと。しかし、彼らは災いに出会ってしまった、これも冥冥の中にある縁です。そして僕とあなたが彼らのために墓を作っているのも縁」
「………………偽僧侶のいう事なんてわかんねぇよ。早く仕事しろ!サボるな!」
やっと全てのご遺体を埋め、負傷者を安静にさせた後、僕は城壁の上に座って、少しずつ昇る朝日を眺めていた。
「何家の坊ちゃん、僕はそろそろ村を出ます」
「……あ?!お前、どこに行くんだ?この場所はどうすればいいんだ?!どうやってみんなに説明したらいいかわかんねぇよ?!」
「縁がある場所に行きます。ここの事は、既に僕の同門や友人らに伝えました。彼らはすぐに駆け付けてくれるはずです」
「……」
「では、僕の代わりに皆さんに別れの挨拶を伝えて頂けると」
太陽が昇るにつれ、二人の間には長い沈黙が生じた。
随分と時間が経ってから、彼は僕を見た。
「お前は食霊だろう。あの……珍しい、凄い、神みたいな……」
「あら……バレてしまいましたが。隠せていたと思ったのですが……」
「安心して行け」
「……ん?」
「俺は料理御侍になって、この村を守る。お前は言っただろう、これは俺の縁だと。俺はこの全てを見て、やりたい事を見つけた、この機会をしっかり掴もうと思う」
朝日の下で、土まみれだが輝いた顔をしている青年を見た。
「……だからあなたは仏性を持っていると言ったでしょう」
「やめろ!俺は坊主にならねぇよ!」
「えぇーどうしてですか!」
彼は僕を街道まで送ってくれた。僕は笑顔で彼に別れを告げたが、冷たくあしらわれた。
僕はしょうがなくその場を離れた。しかし、すぐに後ろから彼の叫び声が聞こえて来た。
「おい――――偽僧侶!俺が料理御侍になったら!一緒に酒を飲もう!」
Ⅴ.文思豆腐
村の北に住んでいる何家には、意気地なしの親不孝息子・何二宝がいた。
二十歳になっても定職に就かず、毎日家で暇そうにしていて、両親の手伝いもしない。
彼はずっと自分には力があって、将来もっと広い土地に行って大きな事を為すべき人だと思っていた。畑を耕すのも、野菜を売るのも、自分がやるべき事ではないと考えていた。
高慢で、性格も荒っぽい彼が、皆から好かれないのは当然であった。けれど、彼は自分が金を稼いでないから見下されているだけだと認識していた。
そんなある日、長髪の僧侶が村にやって来た。綺麗な人だが、長く白い髪と、いつも笑顔を浮かべている様子が胡散臭かった。
しかし、この酒を飲んで、肉を食べたりする偽僧侶はどうしてか村の人気者になった。彼がひそかに恋していた女の子もあの僧侶と親しくしていた。
「フンッ、口八丁の偽坊主の癖に」
彼が家でだらけていた時、両親に言われた。
「もし農業をしたくなければ、あの文思と言う僧侶さんを見習って、もう少し本を読みなさい。そしたら、出世できるかもしれない。そうでなくても、村で先生になれる」
でも彼は勉強したくないし、先生にもなりたくなかった。
彼はただあの偽僧侶を一発殴りたかった。
同じような事をしているのに、どうして文思だけが好かれているのか。
毎日、縁やら天意やら、南無阿弥陀仏と言うばかり。
フンッ、長髪で、肉を食べたり酒を飲んだりする偽坊主じゃねーか。
だからあの夜、彼は剃刀を持ってこっそりと村長の家に向かった。村長の家に潜入して、偽僧侶を捕まえて、頭を剃って本物の坊主にしてやろうとした。
しかしあの夜、彼は出掛ける文思豆腐を見た。
どうしてか彼にも分からなかったが、彼は文思豆腐を尾行した。
その後も、彼は自分のこの行動を後悔する事はなかった。
普段はアリを踏み潰さないようのんびりと歩く偽僧侶に必死に食らいついていた。
気付けば、文思豆腐が軽々と堀の反対側にある城壁に飛び乗ったのを見た。
彼が文思豆腐に何をしていると聞こうとした時、あの偽僧侶は突然彼に動かないよう言った。
次の瞬間、彼がこの二十年間で最も危険な体験をした。
名前も知らない化け物が、彼に向かって大きく口を開いていた。
そしてその化け物は、引っ張ったらすぐにも切れそうな細い糸によってバラバラにされた。
あの偽僧侶は軽々と彼を自分の傍まで引き上げた。
次に、彼はこの二十年間で最も憤りを、悲しみを感じた光景を見た……
先程のようにバラバラにされた化け物は、まだまだたくさんいたのだ……
化け物は巨大な口で全ての生物を呑み込んでいた。
その瞬間、彼が感じたのは、恐怖ではなく、無力でもなく、怒りだった。
もし自分がもう少し早くここに来れたなら……
もし自分がもっと強かったら……
「それ以上は考えないでください。これは彼らの天命です……あなたの罪ではない」
偽僧侶の声は、聞いた事もないような真剣なものだった。
文思豆腐は城壁の上に立って、両手を合わせ、呪文を唱え始めた。
彼は往生や安息などの言葉しか聞き取る事が出来なかった……
呪文を唱えた後、偽僧侶が見た事のない顔をして町の中に飛び込んでいった。
全ての銀糸は意識を持ったように、文思豆腐に操られ化け物を切り刻んでいった。
しかし化け物の数が多すぎて、銀糸すら赤く染まった。
彼はこの偽僧侶の動きを呆然と見ていた。
偽僧侶の顔を見ると、仏のような慈悲深い表情をしていた。
まるで、目の前の化け物を憐れんでいたようだった。
彼の理性と感性は同時に、あの化け物たちを憐れむべきではないと訴えていた。
しかし、彼はこの偽僧侶に対して怒りの感情を持つ事はなかった。
この時、彼は文思が真面目な僧侶である事を信じた。
何故なら、血の海に立ち血に染まった僧侶の表情は、仏像のそれと同じ物だったのだ。
文思は全ての化け物を殺してしまった。彼は文思が泣くと、悲しむと思った。
彼は知っていた、僧侶は殺生してはいけない事を。戒律を破った事となるから。
「……なぁ、お前……大丈夫か?」
文思は彼の憂いに気付いたようで、優しく微笑んだ。
「仏曰く、我が地獄に行かず、誰が地獄に行くのかと。衆生(しゅじょう)が地獄に行くなら、我が地獄に行く。我が地獄に行ったのなら、他の誰も地獄に行く必要がなくなる」
何二宝は両目を見開いて、全てを受け入れている僧侶を見た。
彼は突然、文思が普段ぶつぶつと言っていた仏法は嘘ではないと気付いた。そして自分が今までやってきた事を悔やんだ。
突然、彼は目が醒めたような気がした。
この二十年にも渡る長い夢から醒めたのだ。
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302020年07月12日 19:30 ID:m5k84jlsⅤ 文思豆腐⑩
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212020年07月12日 16:38 ID:m5k84jlsⅤ 分思豆腐①
(Ⅳ 佛性は未翻訳のため割愛)