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オレンジジュース・エピソード

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オレンジジュースのエピソード

一挙一動が魅力的な少女。人と関わるのが得意で、男性にかなりモテる。わけあって一度も海に行ったことがないため、いつか本物の海を見てみたいと願っている。


Ⅰ 紺青の館

「紺青の海面、踊る波、海風に揺れる帆」

「海鳥が飛び回る港、磯で奏でられる音楽、砂浜で遊ぶ人々」

「沈む夕日、灯台の灯と夕方の鐘、波音とともに響く焚火の爆ぜる音」

お客さんは目を閉じ、まるで思い出に浸っているかのよう。そして目を開け、私に笑顔を向けた。


「どう?オレンジジュースちゃん」

「いいですね。」

私はうなずいて我に返り、容器に調合したオレンジジュースを置いた。

「とても綺麗な海。はい、謝礼」

お客さんは喜んで受け取り、礼を言った。


これは紺青の館のメニュー外サービス。

ここで食事をしたお客さんは、みんな私に海の話をして、私を満足させられたら、謝礼がもらえる。

みんなはそれが洒落た遊びだと思っているけれど。

実はある偶然で始めて、今まで続いているものなのだ。


お盆を抱えて立ち去ろうとする私の耳元に、他のお客さんの声が。

オレンジジュースちゃん、ならいっそ、自分で海を見に行けば?」

「グルイラオは海から近いでしょ?」

「……」

毎日聞かれることだ。

私の答えはいつも同じ。


パチパチと瞬きをし、可愛い声色を作ってこう言う。

「いや~見たことがないから憧れるんじゃないですかぁ」

お客さんたちは笑う。

その実、こんな答えは適当でいい。

お客さんたちはただ、美少女と話がしたいだけなのだ。

もちろん、私は海が好き、大好きだ。御侍様が海の話をする時のあの興奮した顔を見ると、私も嬉しくなってしまったものだ。


その話を何度も聞くうちに、私の中に海に対する憧れが芽生えた。

思い出すと無意識に口角が上がってしまうが、すぐに元に戻る。

別のことをまたすぐに思い出すからだ。

「だから……行きたくないの」

扉を背にして、私の心は黙り込む。

「絶対に」


Ⅱ 夢の続きの追憶

オレンジジュース!海辺の土地を手に入れたよ。」

御侍様はまるで子供のように私の前で拳を振り上げた。

「おめでとう!御侍様」


私も心から嬉しかった。

ずっと前から、御侍様は海の素晴らしさを語り、その美しい海のそばでレストランを開くことを夢見ていた。

「ありがとう!出発は明日だ!オレンジジュース、ここは頼んだぞ」

「え?」

御侍様の言葉に秘められた意味に、私は不安を感じた。

手を伸ばして服の袖を捕まえ、何か言おうとしたその時。

突然、ものすごい頭痛に襲われた。

体がガクリと揺れ、目の前の景色がぼやけた。

「うーー」


地面に倒れこむ。布団をぎゅっと抱き寄せ、顔をうずめる。

「海なんて……大嫌い……」

夢が終わっても、まだ目覚めたくない。

「一緒に連れて行って」夢の続きは、私の追憶。

「え?」

御侍様は少し驚き、直ちにきっぱりと答えた。

「だめだ。オレンジジュース。君は……とにかく……海に向く女じゃない」

そこから先、景色は一面の闇。

「海に向く女って、どういくこと……」


次に目を開けた時、時計の針は九時五十分を過ぎていた。

寝坊した!

大急ぎで着替えて化粧をし、カウンターに入る。

まずいことにならなければいいなー。

唇を噛んで密かにそう思う。

御侍様との約束なのだ、この店を守り続けなければ。


カーテンが開いて、カウンターにいる私の目の前に現れたのは、思ってもみなかった人だった。

「よう、オレンジジュース。おはよう」

スーツを着て余裕のある声で私に声をかけたのは、御侍様。

「や、お前……」

御侍様の言葉は、懐に飛び込んだ私によって遮られた。

「戻ってきてくれたのね」

「え?」


Ⅲ 彷徨う

御侍様は来たばかりで行ってしまった。

彼は昼から夕方までの時間だけここにいた。

時間はだんだん短くなってきた。

最初、帰ってきた時三、四日いてくれるのに。

私は自分の思いと……長い間私を悩ませた問題を言う暇すらなかった。

貴方様は……私のことが嫌いだから、そばに居させてくれないのかな?

「海はそんなに良いものなのかな?」

そう考えて、私は無意識に呟いた。


「海はもちろん良いものございますよ」

答えたのは軽やかな男性の声だった。

目を凝らして眺めると、目の前に座ってるのは白いヘッドバンドをしている食霊だった。

今は勤務時間だと、私はようやく気づいた。

私が何か言って誤魔化そうとする前に、目の前の食霊はペラペラ話し始めた。


「海とアイドルは最高のコンビでございます」

「この前、ゼリーちゃんが海辺でコンサートをやったのですが……」

長い時間ペラペラ喋ったら、まだ話し足りないようなその食霊はようやく口を止めた。


「これは謝礼です。面白い話でしたよ」

私は複雑な表情で一杯の飲み物を差し上げ、彼は礼を言って離れた。

いいな。そんな風に好きなものがあるって。

海に対する好き、それと憧れる人に対する好き。

私は?

私は海が好きなのか?

わからない。

再び御侍様の笑顔が目に浮かんだ、違う表情の顔も付いてきた。

楽しい、つらい、適当、真面目。

そして……

侘び。

まるで魔の呪いみたいで。


「ごめんなさい、駄目……」

いつまでも耳元を離れない。

唇をかんで、私は自分しか聞こえない声で。

「海なんて……大嫌い!」


日の出から日の入り、休み時間になった。

私が部屋に戻ろうとした時、レストランの従業員が私を呼び止めた。

オレンジジュースさん、あなたに会いたいお客さんがいます」

「え?」


少し意外だったけど、私は従業員が指す方向に向かった。

またあのわけのわからない連中だろう。

最初は迷惑だったけど、今はもう追求者の存在に慣れた。

多分またどこの頭に血が上った男だろう。

そう思って、私はカーテンを捲り上げた。

私に挨拶してきたのは、予想の中の傾慕者ではなく、午後のあの、私を変な気持ちにさせた食霊だった。


「あ、あの、お邪魔してます。オレンジジュースさん」

彼は気まずそうに頭を掻いて、申し訳なさそうに挨拶してきた。

「小生は名前はオムライス、あなたと話したいことがありまして」


Ⅳ 内省

頭が痛くなるようなお誘いじゃなかった。

オムライスが話したいのは、私がまったく予想していなかったことだった。


オレンジジュースさん、何かお悩みでもあるのですか?」

「え?」

「海のことを言ってる時、オレンジジュースさんの目は寂しそうだったので」

オムライスはどう言えばいいのかしばらく思案し、

「なんか、オレンジジュースさん何か困っているようです」

「……」

私はしばらく沈黙したら、小さな声で。

「どうしてオムライスさんはその事を?」

あなたは人付き合いが得意なわけではないでしょう?と、私は内心で少し失礼な評価をした。

オレンジジュースさんが小生の好きな話を聞いてくれましたから」

オムライスは迷わずに答えた。

オレンジジュースさんは真面目に小生のゼリーちゃんの話を聞いてくれましたから、小生もあなたの悩みを聞いてあげたいのです」


「どうして好きな物のことを話してるとき、オレンジジュースさんは寂しそうにしてるんですか?」

ここまで言って、オムライスの顔はますます真剣になった。

言い表せない情緒は胸から湧き上がってきた。簡単に心を話さない私は、今この時、なぜか偽装を解きたくなった。

今まで蓄積してきたストレスが重すぎたのかしら?

「私は海が好き。でも今……海は私の御侍様を奪った」

脳内の考えを集めて、私はしばらく考慮して、内心でもつれ合ってた悩みを話した。


「だから私もよくわからない。今の私の海に対する気持ちが」

「……オレンジジュースさんの好きな物に、好きな人が奪われた。だからあなたは今でもその物が好きかどうかよくわからない、ということですね?」

オムライスは眉をひそめて考えたら、彼の感覚を話した。

そして何かに気付いたように突然。

「あなたは好きな人と話し合いをしましたか?」

「え?」

私はぽかんとした。思い返すと、私は一度も御侍様にこの問題を話したことがなかった。


「好きな人には言うべきです。簡単な一言でもいいです。あなたのことが好きだから、そばにいてくださいと」

私の反応を見て、オムライスは簡単に私の問題に気付いた。

「それは小生がゼリーちゃんのことが好きなのと同じです。まあ小生はただの普通の食霊で、ゼリーちゃんはたくさんの人のアイドルですけどね」


「たとえそうだとしても、小生はゼリーちゃんの前に立って大きな声で好きだ握手してください、と言えます」

「余計なことを恐れないでください」

「彼に好きと言えばいいです。一人にしないでくださいと言えばいいです」

「結果はどうあれ、言わなければ何も始まらないのです!」

……………

オムライスを見送ったら、私はレストランの入口に立って深く考えこんだ。

私はどうすればいいのか分かった気がした。


翌日の早朝、私は内心の固執を破って、休みをとって駅に向かった。

私は海岸に向かう。ずっと憧れてきたと同時に、困惑し逃避してきた海の前で、御侍様を見つけて気持ちを伝える。

だけど、とある意外によって、計画は中止された。

私は駅で疲れきった顔の御侍様を見た。


「御侍様?」

何かを聞く前に、私は御侍様に抱きしめられた。

「俺は聞いた」

御侍様の声は往復奔走し続けて休めなかったせいで衰弱していた。

「蔚藍の館の"決まり"をな」

「え?」

「俺は知らなかった……お前がこうも海が好きだったとは」御侍様は私の背中を叩いて、自責しているような口調で嘆いた。

「すまない全部俺の配慮不足だ。俺はずっとお前が海があまり好きではないと思ってた」


「違う……海は、あの……」

頭が混乱して、私は御侍様を押し返して、やりきれない気持ちで、

「問題はそこじゃないの」

「え?」御侍様は困惑した。

「私も、実際海をどう思ってたかよく分からない」

もう一度頭を彼の懐に埋めて、私は考えを整理して、ゆっくり告白した。

「最初は、好きかもしれない。あなたは海が好きで、よく私に話してくれるから、私が嫌いなわけないでしょう?」


「あんなに長く一緒に頑張って、やっと海辺で土地を買ったのに、あなたは私を残していった」

「私を信頼しているからと、頭ではわかってるけど、気持ちは悲しかった」

「辛かった……捨てられたみたいで」

「あんまり帰ってこないし、帰っても長く留まらないし」

「私はみんなから海の話を聞くのが好きなのは、これが唯一あなたとより多く繋げられるものだから」

「私はただ、あなたのことが好きなだけ……」

「ただ、あなたのそばにいたいだけ……」


駅の中で、私は御侍様を抱きしめて、泣き叫んだ。

心の中で蓄積してきた気持ちを全部ぶちまけた。

「……オレンジジュース

御侍様は私の背に置いてあった手を挙げて、しばらくためらったら、再び落ちて、より強く私を抱きしめた。

「すまなかった」


Ⅴ オレンジジュース

グルイラオは海に囲まれた臨海国家である。ここで、海洋風のレストランは特色のないレストランとしてよく見かける。

グルイラオ内陸に位置している蔚藍の館は、それらとは、かなりの違いがあった。

それは内陸での、海洋風の装飾を施した、シーフードを扱っていないレストランだ。


レストランのウェイトレスは一人のとんでもない美少女。

これらの特徴だけでもかなり目立ってるが、それ以外もまだまだ他の特徴がある。

蔚藍の館には一つの決まりがある。客は全員注文前に食霊のウェイトレスに海の話を話すことができる。簡単で短い陳述でもいい。面白かったらプレゼントをもらえる。


曰く、この決まりの由来は、かつて一人グルイラオに来たばかりで海を見たことがない旅人が、蔚藍の館の装飾に感激して、長々と海を初見する気持ちを話した。その時彼に引き止められたウェイトレスは、嫌がってなかった上に、特別なプレゼントまで贈ったことだった。

それから注文の前に海を話すことが習慣として残った。


聞くと、蔚藍の館のオーナーは海岸でスタイルは蔚藍の館と真逆の兄弟レストランを開いて、かなり受けたとのことだった。

長い航海を経た旅人は、最も見たくないものは海だから。

もちろん、これは後の話だ。


「お姉さんお姉ちゃん、これは何」

蔚藍の館で、かわいい小さな男の子が巨大な彫像に対して疑問を発した。

「これはホホジロザメの彫像よ」

セーラー服を着た食霊がしゃがんで、根気よく男の子に彫像に纏わるさまざまな物語を教えた。


オレンジジュースは相変わらず海が好きだな」

馴染み客のおじさんがこの光景を見て、思わず好意的に微笑んだ。

「へへ~」

それを聞いたオレンジジュースは頭を上げて、おじさんにいたずらっぽく笑いかけた。

「気のせいかな?なんかオレンジジュースは明るくなったような感じがする」

レストランには他にもこっちを見てひそひそしている客がいる。

「どうだろうな?」


そんな時、来て間もない男性の客が蔚藍の館で最もよく聞く質問を投げた。

オレンジジュースさんはなぜ自分で海に行かないの?」

しかし今回、馴染みの客たちにとって意外なことに、オレンジジュースの答えは前の決まった答えじゃなかった。

「私はすでに、それを見つけたから」


オレンジジュースと彼女の御侍様との静かな生活は長く続いた。

ある日に至って、体は次第に老いていき、体力がますます衰えてきた御侍様がオレンジジュースをそばに呼んだ。

「お前もそろそろここを離れる時が来た」

「……私はまだあなたのそばで世話をしていきたい」

「このじじいに付き添っても面白くないだろうに」

「いいえ……」

「もう何も言わんでいい」

御侍様は手を振って、

「わかってるだろ?俺は海が好きで、たくさんの美しいものや美景が好きだ」

「だから……俺の代わりに行ってこい。もっと遠い場所を見に行け。それらは海と比べて面白いかどうか見てこい」

「そして……帰ったら俺に教えてくれ、良いか?」


オレンジジュースは御侍から離れたあと、すぐ旅は容易ではないことに気づいた、美しい場所を探すのは特に難しい。

オレンジジュースはできる娘だけど、遠出したことがない彼女は、想像だけでグルイラオの外で、どんな場所が御侍様の期待に応えるかわからなかった。

幸いなことに、オレンジジュースにまったく打つ手がないわけではない。


「星芒芸能人事務所……」

目の前の建物の上に掛けている巨大なポスターを眺める。ポスターの上には一人、黄色のツインテールの少女が踊っている。それを見てオレンジジュースは何かを考えながら呟いた。

「芸能人なら、いろんな美しい場所にロケを取りに行けるんでしょうか?」



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コメント (オレンジジュース・エピソード)
  • 総コメント数1
  • 最終投稿日時 2018年12月15日 10:11
    • ななしの投稿者
    1
    2018年12月15日 10:11 ID:flavkvev

    オレンジジュースのエピソードを更新させていただきました。

    明らかに誤字であろう部分は修正しています。(多言語のものと照らし合わせていないため、間違っているかもしれません。)

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