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神隠し・ストーリー・神隠し

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「黄泉」

「黄泉」の生への望み。


薬園

百聞舘


 吹き荒ぶ寒風が薬園を吹き抜け、か弱い草葉が小さなつぼみを支えて舞う。時折、ほろ苦い香りを運んでくる。

 木車に積み上げられた大きい花草と比べて、薬園の中のものが一層弱々しく見えた。


ふぐ刺し:コホッ……コホッコホッ、皆さん、この度はありがとう……はい、お茶をどうぞ。

草加煎餅:……気にすることではありません。大事な薬草なのでしょう。私たちが力になれて、良かったです。

かき氷:せんべい先生の言う通りだよぉ。でも……ここには初めてきたんだけど、なんか、知ってる気がするぅ。

りんご飴:私も!さっき、せんべい先生と薬師さんがこの薬園の前で一緒にお茶を飲んでいる光景が頭の中にパッと出てきたんだよ……ホワイ?

かき氷:ふむふむ……これが噂の謎の既視感なのか。

ふぐ刺し:実は、皆さんは、初めてではないのだ、コホッコホッ……

ふぐ刺し:それなのに、皆さんが僕、そしてこの場所に関する記憶が、抹消されたみたいになっている。

草加煎餅:……抹消?

草加煎餅:うっすら……なにかを忘れたとはわかっています。しかし……あれは辛い思い出のはずでは?

りんご飴:そうだよ。「神国」のみんなもよく物事を忘れるわ……でも神子様が、よくないことを覚える必要はないって、いつもおっしゃってるもの。

ふぐ刺し:……「神国」の風土の特殊さと関係があるかもしれない。そこでは大きく育てる、この薬草みたいに……

草加煎餅:そう、かもしれませんね……

草加煎餅:「神国」で、この薬草は「黄泉」を救えると言いましたね……今、詳しく説明を聞かせてもらえないでしょうか?

ふぐ刺し:コホッコホッ……ご覧の通り、この場所は「神国」とまったく違う……戻ってくる途中も、何度か堕神に襲われたよね?

ふぐ刺し:それは……桜ヶ島がはるか昔に二分されたからだ。月が消えたあの夜から、ここは神に忘れられた地になった……

草加煎餅:……

ふぐ刺し:さらにひどいのは、そこから生まれた怪物、瘴気の毒、とこしえの夜が、少しずつ「黄泉」を食い荒らしている……

ふぐ刺し:でも幸い……コホッコホッ、神が我々に生きる可能性を残してくれた……

草加煎餅:それがこの薬草……?

ふぐ刺し:ええ。それと、僕が薬採りの時、「通路」に間違って入ってしまって、そしてあなた達に出会った偶然もだ……

ふぐ刺し:あなた達が不意に蒔いた種が、こんな立派に育って……こちらの緊急事態を解決してくれた。

かき氷:そうだったんだね……でも、不意に蒔いたと言っても、せんべい先生が毎日丁寧に世話したおかげだよ、害虫問題なんて一度もなかったから。

りんご飴:そうそう!せんべい先生はこれらの花草をとっても大事にしてるんだ。これも運命の導きかもしれないわね。

ふぐ刺し:せんべい……ありがとう。

草加煎餅:いいえ……いろいろ忘れていますが、この薬草たちが貴重なものだと知っているように、つい、大事に育ててしまっているんです。

草加煎餅:どうやら、勘が当たってるようで……良かったです。

かき氷:せんべい先生、もう日が暮れちゃう。「神国」への通路がいつ閉じちゃうかわからないから、急いで戻りましょう。

草加煎餅:ええ……

ふぐ刺し:道中、また堕神や瘴気に襲われるかもしれないから、コホッコホッ……僕が送ろう。


 揺れる提灯が百聞館の暗い小道を飾り、木製の車輪がキーキーと再び音を立てて、人の声とともに徐々に遠ざかっていく。

 闇の中、人影が静かに姿を現れた。彼は地面に落ちた紫色の花を拾い上げ、意味ありげに人が去った小道を見つめた。


呼子イカ:「神国」……?薬師が変なお友だちができたようだね。


「神国」

風土の異なる国。


和室

百聞館


 薄暗い和室に散らばった薬すり鉢や瓶が小山になっている。薬師はすり鉢の中のペースト状の物質を集中してすり潰している。数日の不眠不休で、本来青白い顔にさらに病的な色がかかった。


???:ふふ〜何日も我らが薬師様を見かけないと思ったら、閉じこもって修行しているのですね?

ふぐ刺し:館主……コホッコホッ、またこうやって無言で人の部屋に入り込んで……

???:まあ〜そんな顔しないで、貴方の顔色と合わせたら怪物並みにこわいですよ〜

ふぐ刺し:……

???:ところで、薬師さんはなにか私に知られちゃまずい秘密でもお持ちなのですか?貴方の部屋に入るのに、ノックが必要?

ふぐ刺し:秘密は……ないけど、いきなり声を出してくるものだから、危うく薬をこぼしてしまうところだったよ。

???:おや……大事な薬のようですね、実験がようやく結果が出始めたのですか?

ふぐ刺しあん肝がもうじき第三段階の臨界点を突破する。コホッコホッ……例の薬草のおかげで、実験時間を数倍も短縮できた。

ふぐ刺し:7日以内で、最後の調合が完成する。

???:あれ?薬草って……机に置いてあったこれのことですか?


 そよ風が机上に積まれた紫色の花草をやさしく撫でる。特有の花の香りが時折濃くなったり、淡くなったり……


???:あれれ……見覚えがあるような気がしますけれど……

???:薬師が育てた花と似ているけど違うでしょう……どこで見つけてきたのですか?

ふぐ刺し:コホッコホッ……友達が植えたものだ。育った国の風土がここと異なって、とてもきれいな場所だから、僕の薬園で育った物と違うんだ……

???:……道理で純粋な願いの気配がするわけですね。お友だちのいる国はなんていうのですか?

ふぐ刺し:「神国」。

???:ふふ、そう……じゃあ、私はこれで帰りますわ。薬師は実験頑張って〜


 そよ風が静かに和室を抜け出し、日差しに満ちた中庭へ向かった。ゆるりと舞い降りる紅葉の中、カステラはそれを楽しみながら散歩をしていた。


カステラ:おはよう、館主……

???:おはよ〜カステラの「お散歩」の時間が朝に変えました?それともわざとルートを薬師の庭に変更しました?

カステラ:通り過ぎた際に、薬師の庭の紅葉がきれいだから、つい紅葉狩りをしたくなったのだ。

???:そうなのですね〜薬師の実験に大きな進展があったから、誰かさんがもうじっとしていられないと思いましたの〜

カステラ:いえいえ、そんなことないよ?薬師の実験は館主の意志で、百聞館の利益を示しているんだから……

???:そう〜貴方も、私も、そして薬師も、似たような目的があったから……百聞館に集まりましたものね。

???:ですが、私たちの目的って似ているようで似ていないのです……薬師が救いたいのは自分だけではありません、一方、貴方はたくさんの人が救われるのが嫌のようです。

カステラ:だとしたら……館主の目的は、なんだ?

???:私はそんなの、気にしていないですよ〜人間、もしくは他の食霊、助かるかどうか、私には関係ないですもの〜

カステラ:……

???:私はただ、一刻も早く「現世」へ行きたいだけです。黄泉の扉を通しても、他のどんな方法を通しても、薬師や貴方、もしくは他の誰かの力を借りても構いません。

???:しかし、薬師の方法がもうすぐ結果が出ると分かれば、他人の邪魔は許されませんよ〜わかって?

カステラ:ふふ、もちろん……

???:ならいいです〜あ、そうそう、「神国」っていう場所、聞いたことあります?

カステラ:「神国」……?私が知る限り、「黄泉」にはそんな場所がないようだが。

???:「黄泉」にはもちろんないですよ……あの気配は、「ここ」に属するものではないですからね。

???:まあいいでしょう、私が自分で散歩してきますわ〜もしかしたら噂の「神国」への通路が見つかるかもしれませんしね〜


 風の音が遠ざかり、カステラの穏やかな笑みも次第に消えていった。彼は身についた紅葉を払い落とし、庭を後にした。


策謀

密会者たちの囁き。


極楽


 夜が深まり、三味線のしとやかで美しい音が赤い高欄を包み込む。起伏する笑い声が囁きや秘密話を遮り、この場所を最も華やかで秘密な場所に変えた。


稲荷寿司:めずらしいね。こんな遅い時間にここで首座様に会えるだなんて。

鯛のお造り:久しぶり。貴方が極楽の新酒が好きだと聞いて、注文しておいた。一緒に飲むか?

稲荷寿司:ふふ、好きな酒が飲めるなら、断る理由がないよ〜

鯛のお造り:じゃあどうぞ。


 酒をしばらく嗜んで、冷徹な酒の香りが化粧品の匂いと混ざり、甘ったるくなってきた。稻荷寿司は微笑みながら盃を押さえ、神色自若たる目の前の青年を見つめた。


稲荷寿司:酒ももうすぐ尽きたよ、首座様、そろそろ別の話をしない?このままだと、夜が明けるよ。

鯛のお造り:そう言うなら、ズバリ言うね。貴方にお願いしたいことがある。

稲荷寿司:え?首座様自ら説得しにくるほどのこととは、何事なの?

鯛のお造り:とても重要な件なので、ゆっくり聞いてほしい……

稲荷寿司:珍しく首座様がかしこまったご様子なので、では、お聞かせましょう〜

鯛のお造り:「神国」という場所を、覚えているだろうか。

稲荷寿司:もちろん。あっちのお客さんが極楽に……

稲荷寿司:ちょっと待って……「神国」?まさか……

鯛のお造り:そのまさかだ。「黄泉」を救う計画が、新たな進展があった……

鯛のお造り:しかし、実行したければ、貴方の同意が必要だ……八咫鏡を、貸してほしい。

稲荷寿司:……


 秘密の会話の声が次第に小さくなり、木々の影が揺れ動き、たくさんの灯りが飾られた極楽はまるで昼のように明るく。そして、もっと辺鄙な暗い場所で、別の秘密の会合があった。彼らは酒を注いでは談笑している。


月見団子:……「神国」?また大きなことが起こりそうですね。

カステラ:それより……心配なのが館主だ。彼女は「神国」という場所に異常な興味を示している。

月見団子:……そうなんですか。

カステラ:毎日狂ったように例の「神国」への通路を探している。

月見団子:それはめずらしいですね。「神国」というとこにいったい……なにがそんなに魅力的でしょう。

カステラ:「気配」とか、「呼びかけ」とか、館主から何度も聞いたことはあるが。

月見団子:……

月見団子:気をつけないとね。我らの館主……特別なお方ですから、もし、「神国」とかでなにかをバレたら、厄介なことになりますよ。

カステラ:こっちもそう思っている。なのでここ数日は館主のことをちゃんと見ておこうと思う。

月見団子:それと……「神国」の「呼びかけ」が何なのかも、機会を見て探ってみないとですよ。

カステラ:ええ……しかし「そっち」への通路は見つけにくい。薬師が薬採りの際にたまたま見て、私が向かったときにはすでに消えていた。

月見団子:本当に、不思議な国ですね……「神国」って。


流れ星

現実にいる人達は当然、虚ろな影には気が行かない。


観星台


 夜空にきらめく星の川とオーロラが入り乱れ、ホタルの楽園のように鮮やかだった。

 高い観星台が庭の池の間にそびえ立ち、見下ろすと、碧い波の中に砕けられた建物の影が見える。


金平糖:今夜は流星群があるって星象が示していましたのに、なんでまだ何もないのでしょう……あれ、呼子お兄さん、なにを見てるのですか?

呼子イカ:湖の中の影だよ。

金平糖:影……?

呼子イカ:ほら、下の湖。観星台と星空の影が映っているでしょう……

呼子イカ:風が凪いだ時、水面の中と外の景色は変わりなく、ぱっと見ると、影か現実かが分かりづらいんだよね。

金平糖:えっ?ほんとですね……全然気づきませんでした。

呼子イカ:現実にいる人達は当然、虚ろな影には気が行かない。

金平糖:……呼子お兄さん、今日の言う事なんか難しくて、あたし、分かりませんよ……

呼子イカ:ふふ〜おチビちゃん、流星群がまだ来てないなら、暇つぶしにお話をしてやろうか?

金平糖:やったー!花びら餅お姉さんもよく読み聞かせをしてくれますよ、あたし、読み聞かせが大好きなんです!

呼子イカ:昔むかし、豊かで神秘的な国があった。宮殿が金色に輝いていて、海の上に建てられていた。

呼子イカ:海面は静かで、鏡のように国と、国の中の人々を映していた。真偽の見分けがつかないほど、生き生きとした影だった……

金平糖:この湖に映ってる観星台の影みたいに?

呼子イカ:いいえ……みんなは知らないんだ。海の影は本当は幻ではなく、もう一つ実在している国だったってことを。

金平糖:えっと……影に閉じ込められちゃっている国ってことですか?

呼子イカ:そう。最初のときは、ほんの小さな目眩ましだった……

呼子イカ:二つの国は現実と影の間を行き来することによって、神々の罰から逃れ、二つの土地の生き物の生息し続ける権利を守っていた。

呼子イカ:しかし、「影」の中に縛られるのが嫌がる人が現れ、彼らが契約を破り、誓いを捨て……そして……

金平糖:そして……どうなりました?呼子お兄さん、続きは?

呼子イカ:今、湖の影からスッと過ぎてったものが見えた気がする。

金平糖:えーー流星群です!流星群が来ましたよ!

金平糖:呼子お兄さん、流れ星に願いをかけましょう!「神国」の流星群はご利益があるって有名なんですよ〜

呼子イカ:……


 興奮する女の子が、敬虔に目を閉じ、小声で星に対して願いをかけている。呼子イカは淡々と笑い、水面に映るぼんやりとした流れ星の影を見つめた。

 夜風が急に吹き始め、希望の輝きは建物と一緒に、揺れ動く波紋の中で一瞬で砕け散った。


迷いの境界

それぞれの思惑を抱える迷いし者。


百聞館付近


 夜は墨のように黒く、光のない大地を染まる。茂る密林の枝葉は、まるで悪霊の影のように歯向く。この地を彷徨う者は、最終的に果てしない迷いに陥ることだろう。


月見団子:……呼子、結構歩きましたよ。まだ例の「通路」に着きませんか?

呼子イカ:そんなに焦るなよ〜日が暮れてるし、森の道も複雑だから、時間が必要なんだ。

月見団子:……

月見団子:本当にこの森にあるんですか?

呼子イカ:おや?月兎は僕のことを信じてないの?だから、僕はここから百聞館に戻ったって言ったじゃないか〜

呼子イカ:あ、しまった……話してると、道がわからなくなってきた……

月見団子:……呼子、貴方の記憶力は衰えているようですね。

呼子イカ:まあ、心配するな、野外で迷子になったら、星を見上げれば方向がわかると、あるお友達から教わった……


 呼子イカはゆっくりと見上げると、空は真っ黒で、死の海のように波一つなかった。


呼子イカ:あちゃー、曇り空だったか、星一つ見当たらないね。

月見団子:呼子、正直に言います……

月見団子:今までの付き合いがなければ、貴方が私で遊んでるのを疑うところでした。

呼子イカ:ふふ〜そんなくだらない冗談を僕がするはずないじゃないか……月兎もよくわかっているでしょ?


 笑みを浮かべて見つめ合う二人の間は再び沈黙に包まれた。近くの森の陰から枯れ枝を踏む音が聞こえてくるまで。


月見団子:誰……?

カステラ:月見……呼子?こんな時間に、ここでなにしてた?

月見団子:……

呼子イカカステラ?こっちこそ聞きたいよ……あんな暗いとこから出てこられて。

カステラ:私は……館主を探しに行こうと思ったんだが、この近くで道に迷って、人が話す声が聞こえたからこっちに来たんだ。

呼子イカ:偶然だね〜こっちも迷子になってるとこだよ、一緒に道探ししようか。

月見団子:待ちなさい、呼子……忘れました、私たちは「通路」を探しに来ているんですよ?

カステラ:「通路」……?

月見団子:呼子が先日、「神国」に入り込んでしまったそうです。そして「神国」につながる通路がこの森にあると。

呼子イカ:あはは、月兎がカステラに知られたくないんだろうと思って、黙っておこうと思ったのに〜、仲が良かったんだね……なら僕も隠さない。

呼子イカ:そうだよ。僕は今日ようやく「神国」から逃げてこられた。あそこの「神子様」はやさしいやつじゃなかった。通路については……本当に見つからないみたい。

カステラ:「通路」なら探さなくていい、もう閉じたからね。

月見団子:……?

カステラ:さっき、館主を追ってたら変なとこに行ったんだ。あそこの景色は「黄泉」とはまったく違う。

カステラ:館主は私の目の前であの景色へ踏み入れたのだが、私が入ろうとすると、すべてが消えてしまった……まるで蜃気楼のように一瞬で消えたんだ。

呼子イカ:てことは……「通路」はまた閉じたか。

月見団子:じゃあ館主は……

カステラ:ええ、「神国」に閉じ込められただろう……なんとか館主を救い出さないと。

月見団子:……

呼子イカカステラの言う通りだね〜、とりあえず、百聞館に帰る道を探そう。


 それぞれ心に思いを抱く三人が再び帰路につく。暗闇の中で、カステラは服に隠している何かを握りしめ、鋭い破片がくれた痛みが不思議にも安心感をもたらした。


寝言

最も純粋な願いも、影を反射する。


???:最中……

???:最中最中……まだ目覚めたくないのですか……

最中:ぐうっ、頭が、いたい……貴方は……誰だ?

???:幻に浸るのは……非常に危険なことですよ……

最中:どういう意味だ……

???:私が教えたことをまだ覚えていますか……

???:意は散る花のように、流れる水のように、気まぐれな雲のように、星月のように……


***


 静寂な闇に騒音が突如刺し込み、混沌が潮のように引いていく。そして最中は畳の上でハッと目覚めた。


最中:……!!!

最中:変な……夢、なのか?


 やさしいオーロラの光は外から紙の引き戸を染まり、金平糖の陽気な声が時折遠く、時折近くに聞こえてくる。しばらくすると、やはり練切に厳しく止められた。

 星象館で聞き慣れた声たちが耳に入って、最中の心の中の異変が徐々に薄れていく。彼は微笑みながら軽く息を吐き、立ち上がった。そしたら、光るものが地面に落ちた。


最中:ん?なんだこれ……?

最中:勾玉……?砕けた後またくっつけたようだが、あと一欠片をかけている……

最中:私のものなのか?まったく印象がないな……

最中:いや、待て!意は散る花のように、流れる水のように、気まぐれな雲のように、星月のように……風雷雨雪のように……?

最中:なんだ……なぜ夢の中の言葉が急に思い浮かんだんだ?続きは……なんだったんだ……

金平糖最中兄さん!起きましたー?「浄化の儀」がもうすぐ始まりますよ。


 引き戸の外から元気な少女の声が聞こえ、さっきの叱責の影響は少しも受けていないようだ。

 これはまるで神国の住人に与えられた天賦。あらゆる感情、記憶、思考は一定の時間が経つと謎のように消え、リセットされる。


最中:ああ、わかった!すぐ行く。


 最中は少し服を整理し、しばらく考えた後、その奇妙な勾玉を戸棚の一番下にしまった。


――その頃。


 薄暗い和室にろうそくが灯り、埃一つない神龕の中央に居座る人形は精巧で青白くて、目の前の羊かんと見つめ合っていた。


羊かん:貴方の言う通り……私が「神国」を創った時から破滅の種が埋めてあった。

羊かん:しかし、それは「神国」最後の運命ではない……神はまだこの浄土を愛している。

羊かん:だから……勾玉が壊れた後、「貴方」がまた私のそばに訪れた……「神国」の運命の歯車は、止まらない。

羊かん:いいえ、勾玉より、「貴方」の方こそ、私に相応しい……一番純粋な願いも、影を反射する……

羊かん:いらないものの処理は、貴方以外に助けてくれる人はいないんだから……


 正座している羊かんはとても穏やかだ。彼は手を伸ばし、人形の頭に優しく置いた。しばらくすると、黒い霧が彼の手のひらから静かに人形の中へ入り込んだ。

 羊かんは手を下ろし、穏やかな表情にほんのりと安堵が見えた。彼は無言の人形を見つめ、独り言を続けた。


羊かん:……しかし、こんなことをする貴方の目的は、何なんだ?

羊かん:貴方にも、「願い」があるのか……?

羊かん:もしかすると……貴方がもう一度私と会話を交わすときしか、知る由がない。


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ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018年10月11日
    • Android
    • リリース日:2018年10月11日
カテゴリ
  • カテゴリー
  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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