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バー・エピソード

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レストラン機能の1つ「バー」で一定確率で読むことができる、食霊とのストーリーをまとめたページです。

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情報が不足しているため、ページコメントに解放したエピソードのスクリーンショットやテキストを打ち込んでいただけると幸いです。

常連客(アイコンクリックで各エピソードにジャンプ)

※本来プレイヤー名が表示される所を、ここでは「御侍」と書いています。


UR食霊ストーリー

B-52

B-52ブラウニーは、睡眠不足は人々の思考を遅らせ、発達を妨げ、エネルギー不足を引き起こし、免疫力を低下させ、さらには体を弱める可能性があると語っていた。」

B-52「夜は遅い、あなたはもう休まないといけません。」

御侍「私……今日だけだよ、これが終われば絶対寝るから!」

B-52「あなたの手にある小説はまだ446ページあります。」

B-52「1ページあたり110秒の頻度に基づくと、読み終えるまでに14時間掛かります。」

御侍「……」

御侍「わかったよ!も、もう読まないから。」

B-52「君が向かっている方向に寝室はありません。」

御侍「…………ブラウニーは君に何を教えたんだ!」

御侍「B-52……次から……」

御侍「窓から飛んで入らないで!」

B-52「じゃあ……」

御侍「屋根もダメ!」

B-52「……わかった。」

B-52「ではバイクで来ます。」

御侍「???」

御侍「B-52!君もここにいたんだ。」

B-52「たまたまバーを見つけたので……」

御侍「うーん、席がないみたいね。」

B-52「ここに。」

御侍「えっ、良いの?」

B-52「うん。」

御侍「ありがとう!ちなみに、この酒の味はどう?」

B-52「甘い……」

御侍「えっと……それだけです……」

B-52「もっと欲しいです……」

御侍「へへっ!それは良い!今日は私が奢るよ!」

御侍「あれ……どうして厨房はこんなに暑いんだ……誰かが物を燃やしているのか?」

御侍「B-52、厨房で何をしてるの?」

B-52「消毒をしています。」

御侍「……???」

B-52ブラウニーが、キッチンは消毒する必要があると言った……そうしなければ、病気になると。」

御侍「その通りだけど……だけど……」

御侍「誰も燃やして消毒してって言ってないよ!」

B-52「パーツが熱くなっています……冷却する必要があります……クッ……」

御侍「B-52?どうした?気分が悪いの?」

B-52「パーツが損傷し……身体機能が低下しました……」

B-52「原因不明な波動要因を検測しました。」

御侍「え?!深刻そうだけど?!」

B-52「原因不明の……眩暈が……」

御侍「B、B-52……君……酔ってる?」

御侍「ねぇちょっと!どどど、どうして私に寄り掛かってるの……」

B-52「力が足りません……着陸をしました……」

御侍「まっ……!まぁ、いいや、少しだけ肩を貸してあげる。」

御侍「B-52ーー!」

B-52「出前ですか、それとも機械修理ですか?」

御侍「……いや、前にロボットをくれた事で礼を言いに来たんだ!」

御侍「ロボットのおかげで、料理の提供が更に便利になったよ!」

B-52「……」

B-52「それ用ではないです。」

御侍「えっ?!じゃあ何に使う用なの……」

B-52「それは……忘れてください……あなたの好きなように使ってください。」

御侍「話し方も君にそっくり!まぁ、お客さんと話が続かない時もあるけど……」

B-52「僕がいない時に……あなたの傍に居てくれればいい……」

御侍「大きな問題はないよ!うん?なんか言った?」

B-52「……何でもありません。」

B-52「温度上昇……眩暈が酷くなっています……」

御侍「B、B-52……?また酔ったの?!」

B-52「セーフティ機能が作動しています……攻撃を開始できません……」

御侍「えっ、私の事?……いや、B-52どこに行くんだ!」

B-52「すぐに冷却する必要があります……すぐに冷却する必要があります……」

御侍「ねぇ!自分の体に氷をぶつけないで!」

B-52「すぐに冷却する必要があります……すぐに冷却する必要があります……」

御侍「待って……!氷が入ったバケツに体ごと突っ込むなーー!」

御侍「B-52どうして……アンドレを抱きしめてるの……」

B-52「……酔っているから。」

御侍「???」

B-52「……ウォッカに飲まされました。」

御侍「???酔っぱらってアンドレにまで手を出したの?!」

御侍「B-52は大丈夫?!待って……翼はどうしたの?!」

B-52「……ない。」

B-52「転びました……」

御侍「B-52……一つだけお願いできるかな……」

B-52「勿論です。」

御侍「テイクアウトの注文があって……君にお願いするかもしれない……」

B-52「承知。」

御侍「話を全部聞いてから答えて。桜の島に届けなきゃいけないんだ……もし面倒なら……他の方法を考えるよ。」

B-52「……」

B-52「問題ない。」

御侍「でも……」

B-52「……どこでも構いません。」

御侍「良かった!君が帰ってきたら、君の翼の修繕費用を負担するよ!」

B-52「……」

B-52「どう……されましたか?」

御侍「あぁ、実は厨房の機械が止まっちゃって……」

B-52「……状況を確認して来ます。」

御侍「君が修理できる事を忘れていたよ……ありがとう、B-52!」

B-52「……修理が完了しました。」

御侍「流石!君がいてよかったよ……あれ、君の髪にクモの巣がついてる……」

B-52「……」

御侍「動かないで、私が取ってあげるから。」

B-52「近……過ぎます……」

御侍「よし!もういいよ……」

御侍「B-52!ど、どうして煙が出てるの?!どうかした?!」

シャンパン

シャンパン「どうして機嫌が悪いんだ?」

御侍「さっきどこからか堕神が出てきて、お客さんが逃げちゃった……今日のお酒はまだ全然売れてない……はぁ……」

御侍「この調子だと今日はもう売れないな……はぁ……」

シャンパン「怪我はしなかったか?」

御侍「大丈夫だよ……通りすがりのローストターキーエッグノッグが倒してくれたから。」

シャンパン「明日から、一番良い守衛をよこす。」

御侍「?!いいえそこまでしなくても!めったに起きない事だから、本当に大丈夫!」

シャンパン「お前に拒否権はない、あとーー」

シャンパン「残りの酒は全部買い取ろう。」

シャンパン「御侍、この酒を味わってみよ。」

御侍「わぁ、美味しい!シャンパンが作ったの?」

シャンパン「流石に見る目はあるようだな、あいつよりはましのようだ。」

御侍「あいつって……もしかしてフォンダントケーキ?」

御侍「ちゃんと仕事をしてないって彼女が言ってたけど……まさか……あっ、何も言ってません!」

シャンパン「……そんな事を言ってたのか?」

御侍「そ、そう言ってたけど……決して否定している訳じゃないですよ!」

シャンパン「ハッ、なら認めさせてやるまでだ。」

シャンパン「数日ここに滞在する、異論はないな。」

御侍「いえいえ!どうぞどうぞ……!(なんか違う気がする……)」

シャンパン「マスター、一番良い酒を出してくれ。」

御侍「シャンパン?また来てたの?」

シャンパン「御侍、お前か。」

御侍「もうそんなに飲んだの?!」

シャンパン「喜ばしい事があってな。」

御侍「喜ばしい事?聞かせてくれない?」

シャンパン「勿論。提携が決まってな、相手も協力的だ。」

御侍「それは確かに喜ばしいね。」

シャンパン「そうだ、近い将来完全に俺たちの物になる。」

御侍「それは提携とは言えないんじゃ?!」

御侍「このテーブルとイス……どうしたの……」

シャンパン「やっと気付いたか。」

御侍「これは……シャンパンの仕業……?」

御侍「これ……いつの間に金になったの?!」

シャンパン「昨日酒を飲みに来た時、壊れてるのを見てな。」

シャンパン「人を呼んで取り換えてやった、何か問題でも?」

御侍「…………」

シャンパン「それとも……ダイヤモンドの方が好きか?なら次は……」

御侍「???!!!いや結構です!今のままで良いです……とても好きです……」

シャンパン「ここがお前のバーか、悪くはない。」

御侍「ヘヘッ、お褒めの言葉感謝します陛下。」

シャンパン「俺の所にも……こんなバーがあればな。」

御侍「だけど陛下の国には……バーは足りてるよね……」

シャンパン「ここには及ばない。」

御侍「えっ……」

シャンパン「しかし……隣国には良い土地があるらしい。」

シャンパン「買い取ってやるから、もう一つバーを開くのはどうだ?」

御侍「?」

シャンパン「素敵な休日だというのに、どうしてここで働いている?」

シャンパン「俺と一緒に来い、忘れられない旅をさせてやる。」

御侍「……ダメ、私をここに留まらせているのはキラキラと光る金貨だ。」

御侍「ついていったら……それとすれ違ってしまう……!」

シャンパン「そこまでして手に入れたいのか?」

御侍「……」

御侍「どうして君に話さなければならないんだ……」

シャンパン「いくら欲しいんだ?プレゼントしてやる。」

シャンパン「それなら、俺と共に行けるだろう?」

シャンパン「レベルの低い酒は、ここにあってはいけない。」

御侍「えっ……じゃあ他のを持ってくるよ!」

シャンパン「お前は普段……こういった物を飲んでいるのか。」

御侍「私は……こだわりはないから……あはは……」

シャンパン「はい……」

御侍「陛下手を止めてください!美味しくはないけど、私が自分のお金で買ってきたんです!それらにはそれらの独特の良さがあります!お願いですから叩き潰さないでください!」

シャンパン「……倉庫にある物を全て持ってこよう。」

御侍「……???」

シャンパン「気に入らないか?」

御侍「いいえ!ただここには……本当に……そんなに貴重な物を置けないです……」

御侍「シャンパン来たんだ、さっきまでフォンダントケーキが探してたよ。」

御侍「急用みたいだったから、伝えてこようか……」

シャンパン「……必要ない。」

御侍「えっ……でも……」

シャンパン「わかるだろう、俺は忙しいんだ。」

シャンパン「彼女に会う暇はない。」

御侍「だけど……彼女はもうこっちをみてるよ……」

シャンパン「……御侍、あそこに向かって歩けーーそう、その通りだ。」

御侍「……」

御侍「逃げる姿勢も堂々としているなんて、流石は陛下だ。」

シャンパン「ん?この酒の味は……独特だな。」

シャンパン「俺が味わった事のない酒か?」

御侍「へへっーーこれは独自に配合したお酒だよ、ここにしかないよー」

シャンパン「確かに才能はあるようだなーー」

シャンパン「ーー俺も……作れるのか?」

御侍「えっ……お酒を調合したいって事?」

御侍「こういう事は私に任せれば……」

シャンパン「お前は俺が自ら酒を調合するに値する。」

シャンパン「この理由では足りないのか?」

お屠蘇

お屠蘇「御侍!いつもの酒を頼む!」

御侍「いらっしゃい……あれ……お屠蘇、手に持っている黒い物は何?」

お屠蘇「あぁ、これはよもぎ団子から貰った丸薬だ。」

お屠蘇「酒に加えて飲むと少しは健康的になるそうだ、試して欲しいと頼まれた。」

御侍「君が素直に了承するとはね、だけど……この丸薬……本当に食べられるの?」

お屠蘇「御侍が味見してみたらわかるだろうーー」

御侍「待って!言いながらそれを私の酒に入れるな!」

御侍「お屠蘇、遠くからでも楽しそうに笑ってるのが見えたよ。」

御侍「楽しい事があったんなら良かったら教えて?」

お屠蘇「楽しそう?そうか?!」

御侍「まぁ……机が揺れているしね。」

お屠蘇「御侍にもワンタンの顔を見せたかったハハハッーー!」

御侍「彼はどうかしたの……」

お屠蘇ワンタンは今日、私に庭の雑草を抜くように頼んできた、だけどまさかーー」

お屠蘇「それは全部亀苓膏の薬草だったんだ!奴が私たちを見た時、顔は奴の服よりも黒くなってた。」

お屠蘇ワンタン亀苓膏にこっぴどく叱られたさハハハッ!やっと怒られるのは私だけじゃなくなった!」

御侍「合ってるけど、なんか違うような……」

お屠蘇「御侍!なんでも良いから酒を貰えるか?」

お屠蘇「もう三日は酒を飲んでない……」

御侍「三日?らしくないね……」

御侍「どうしたの、酒を控えようと思ったの?」

お屠蘇ワンタンの奴が、私は絶対三日も禁酒出来ないと賭けてきてな。」

お屠蘇廬山雲霧茶と二日茶を飲んできたが、今日はもう我慢出来ずに出てきてしまった。」

御侍「ぷはっ!流石はお屠蘇。」

お屠蘇「茶を飲むのはつまらない。」

お屠蘇ワンタンに今日ここに来た事を言わないでくれ、そうすれば私の勝ちだ!」

御侍「そうなんだーー聞こえた?ワンタン?」

お屠蘇「?!先に失礼する!」

御侍「ぷははっ!嘘だよ!」

お屠蘇「御侍、酒をくれ!」

御侍「お屠蘇、ご機嫌だね?」

お屠蘇「なんでもない、たださっきまた堕神を倒してきただけだ。」

御侍「確かに、それは喜ばしい事だ。」

御侍「今日は私の奢りだよ!」

お屠蘇「じゃあ遠慮せず頂こう!まぁ本当はこの件だけじゃないが。」

御侍「じゃあ……誰かがお礼として君に酒を奢ったとか?」

お屠蘇「ヤンチャな子どもたちが、私が堕神を退治しているのを見て、師匠になってくれと頼んできた。」

御侍「ぷっーーそして?」

お屠蘇「彼らに、基礎が出来てからまた出直して来てと伝えた。」

御侍「子どもたちを拒否したの?」

お屠蘇「やかましいのがまた増えるのが嫌だったから。」

御侍「ちょっと彼らがかわいそうになってきた……」

お屠蘇「御侍!御侍!御侍!」

御侍「お屠蘇?どうした、そんなに慌てて?」

お屠蘇「シーッ!静かに!」

御侍「どうして……?」

お屠蘇亀苓膏がもし追ってきたら、見えなかったと伝えて欲しい!」

御侍「亀苓膏?君は……また彼を怒らせたのか?」

お屠蘇「ただ堕神を追っている時に間違えて他人の酒場を……」

お屠蘇「しかし、店はもう修理したのに、奴はまだうだうだと……」

お屠蘇「とにかく、誤魔化してくれると!」

御侍「逃げ足は速いな……」

お屠蘇「あれ?その目と口は……御侍のようだなっ!」

御侍「……お屠蘇酔ってるね……」

お屠蘇「私が酔う訳ないだろう……」

御侍「帰って休もう、ね?」

お屠蘇「ダメだ!私はまだ飲める!もう一本持ってこいーー!」

御侍「そこはバーカウンター!乗っちゃダメ!」

お屠蘇「おい、どうして亀苓膏みたいにくどくどと……」

お屠蘇「奴といえば、またワンタンと何か忙しくやっているみたいだ……私の酒にも付き合ってくれない……ヒクッ……」

御侍「お屠蘇?何を言ってるの?」

お屠蘇「ヒクッ……御侍も……年末になると捕まらなくなる、年末は忙しいからか……」

御侍「だから一人でここに来たの?確かに最近は少し忙しくて、君のことを蔑ろにしていたかも……」

お屠蘇「奴らに時間が出来たら絶対酒に付き合ってもらう!ヒクッ――」

御侍「……」

お屠蘇「御侍、今日何を発見したと思う?」

御侍「今日は機嫌がいいみたいね、何があったの?」

お屠蘇ワンタンが居ない隙に、飥魂に酒を飲ませた。」

御侍「で?!」

お屠蘇「御侍どうした急に興奮して。」

御侍「私……ただ気になっただけで……」

御侍「その後、何が起きたの?」

お屠蘇「結果、飥魂を捕まえた瞬間、ワンタンは慌てながら急に現れた。」

御侍「見つかっちゃったの?彼は飥魂と通じ合ってるの?」

お屠蘇「それはわからない。あっ!そうだ、次は御侍が飥魂に酒を飲ませな。」

御侍「え?!」

お屠蘇「安心しろ、私が見張っておくから、ワンタンの奴は絶対に入って来れない。」

御侍「えぇ、私はまだやるって言ってないけど!」

お屠蘇「うぅ……柔らかい……温かい……」

お屠蘇「御侍の手みたい……」

御侍「私の手だよ……落ちそうになってたよ……」

お屠蘇「ヒクッ……御侍来たのか。」

御侍「ごめん……こんなに待たせて、店が忙しくて……」

お屠蘇「仕事してる時の御侍も……ヒクッ……可愛い……」

お屠蘇「いや!し、仕事していない時の御侍も……ヒクッ……可愛らしい……」

御侍「ゴホッ……ありがとうお屠蘇……」

お屠蘇「頬を染めて更に可愛くなったな!ヒクッーー」

お屠蘇「御侍!こっちだ!」

御侍「ごめん!遅れちゃって……」

お屠蘇「いや、私が早く来すぎただけだ。」

御侍「お屠蘇は本当にお酒が好きなんだね。」

お屠蘇「酒は良い物だ、さぁ、一杯やろう!」

御侍「うっーー苦くて辛い!」

お屠蘇「悪い!水を出そう!」

お屠蘇「少し良くなったか……?こんなに酒が弱いとは思わなかった……」

御侍「こんなに強いお酒、お屠蘇しか飲めないでしょう。」

お屠蘇「大丈夫だ、何杯か飲めば慣れる、もう一杯試して……うん?御侍、どうしてそんな所に座ってるんだ?」

御侍「……」

お屠蘇「御侍!酒を十本くれ!」

御侍「ごめん、いつも飲んでるお酒はもう売り切れちゃった……。」

お屠蘇「他のでもいい、多めにくれ!」

御侍「お屠蘇、今日はどうしたの……」

御侍「なんか……怒ってる?」

お屠蘇「次は絶対奴に勝つ!」

御侍「奴?」

お屠蘇「酒豪大会に参加したんだが、人間に負けてしまった。」

お屠蘇「次の勝負を取り付けた、今度こそ絶対に負けない。」

御侍「……」

お屠蘇「だから色んな酒を全部くれ!」


ロンフォンフイ

ロンフォンフイ「御侍御侍ーー質問がある!」

御侍「急にどうした?」

ロンフォンフイ「そんな目をすんな、オレは真剣だ。」

ロンフォンフイ北京ダックと酔っ払いアヒルの作り方を」※醉鸡(酔っ払い鶏、酒漬け料理)のことかと思われる

御侍「?」

ロンフォンフイ「どうしたんだ?普段売ってるもんだろ?」

ロンフォンフイ「あーっ、醤油煮もそのまま蒸すだけでもいいな……へへっ……」

御侍「よだれを一旦拭いて、これ聞いてどうするつもりなの……?」

ロンフォンフイ「勿論、あいつが飼ってるアヒルをどう食ってやろうか考えてんだ。」

御侍「アヒル……?も、もしかして北京ダックの?!」

ロンフォンフイ「……俺は誰かなんて言ってねぇぞ!」

ロンフォンフイ「御侍ーー一杯付き合ってくれねぇか!最近暇すぎてよぉ!」

御侍「だから毎日ここに来てるんだ。どうしたの、龍井の手伝いは?」

ロンフォンフイ「あいつのせいで、町はどんどん平和になっていく。」

ロンフォンフイ「オレはガキ共と一緒にドジョウをすくうみてぇな雑事はごめんだ、せめてチンピラ退治ぐれぇ手ごたえがねぇと。」

御侍「それは良い事じゃない、みんなの生活が良くなった証拠だ。」

ロンフォンフイ「そうだがーーオレはどんどん暇になる。」

御侍「なんかしたいなら、ここの手伝いなんかどうだ?」

ロンフォンフイ「酒と肉くれんのか!あるなら、考えてやってもいい!」

ロンフォンフイ「わっはっはっは!この酒は強い!気に入った!」

ロンフォンフイ「御侍、こっちだ!」

御侍「あれ?一人なの?」

ロンフォンフイ「そうだ。雄黄酒と龍井はここがうるさいってよ、だから一人で来た。」

御侍「光耀大陸以外の酒を飲んだのはもしかして初めて?」

ロンフォンフイ「そうだ。まさか外にはこんな酒もあるとはな!あいつら来ねぇなんて勿体ねぇ事したな。」

ロンフォンフイ「だが誰も飲み過ぎだとくどくど言ってこねぇのはいいもんだ!ははっ!」

御侍「ははっ、なんだか楽しそうだね。」

ロンフォンフイ「そりゃそうだ!ただ自分で来るのは面倒だ……次は佛跳牆の船に乗せてってもらおうか!最近あいついつもこっちに来てるだろ?」

御侍「あーもしかしたら今後光耀大陸でも飲めるようになるかも。」

ロンフォンフイ「おっ?本当か?」

ロンフォンフイ「御侍!いつもの酒を頼む!」

御侍「ロンフォンフイいらっしゃい、なんだか楽しそうね。」

ロンフォンフイ「ははははっ!それは今日ある事が起きてよぉ!」

御侍「なんか良い事でもあったの?」

ロンフォンフイ「今日、龍井は男の子の願いを受け取ったんだ。家の食べ物が『フラーケン』に取られたから、龍井様に取り戻して欲しいそうだ。」

御侍「フ、フラーケン?!」

ロンフォンフイ「ははっ!御侍はオレよりも良い反応をするな!」

御侍「……そこは重要じゃないでしょ、それから?」

ロンフォンフイ「オレらが辿り着いた時はーーはははっ!何を見たと思う?」

ロンフォンフイ「野良猫たちが袋に入った煮干しを分け合ってたんだ!はははっーー!」

御侍「…………」

ロンフォンフイ「凶暴だった、まるで……怒った雄黄酒みてぇだ!煮干しを二袋買ってあいつらに与えてやっとどっかに行ってくれた。あれは化け猫だな!」

御侍「子どもたちの想像力は豊かだね……」

ロンフォンフイ「御侍!バーにいたチンピラ供を追い出してやった!」

ロンフォンフイ「次また同じ事があったら、直接俺に言いな!」

御侍「ありがとう、ロンフォンフイ。君が居て助かったよ、そうじゃないとお客さんが逃げちゃってた。」

ロンフォンフイ「あはははっ!安心しろ、もう二度と来る事ねぇよ!」

御侍「うん……まぁ、テーブル二つとイス四つを壊したけど……まぁ……」

ロンフォンフイ「御侍、怒らねぇでくれ!」

御侍「怒ったりしないよ、今日の酒を私の奢りだ!」

ロンフォンフイ「ははははっ!だよな!今度またこういう事があったら、またタダ酒が飲めるな!」

御侍「?」

ロンフォンフイ「御侍!面白れぇもん拾った!」

ロンフォンフイ「早く一本引いてみろ!」

御侍「おっ、大吉だ!良かった……じゃなくて、その籤筒見覚えがあるな……どこで拾ったんだ?」

ロンフォンフイ「バーの近くだ。落ちてたから拾った。」

御侍「どっかの道士が落としたのか……」

ロンフォンフイ「心配すんな、持ち主は探しにくるだろ。」

ロンフォンフイ「オレも一本引いてみるかへへっ!あっ?!なんで凶なんだ!」

ロンフォンフイ「ダメだ、もっかい引いてやるーー大凶?!」

御侍「ぶっははははは!」

ロンフォンフイ「チッ、やめだやめ!つまんねぇ!」

御侍「大人しく受け入れろ。でも、これ本当に誰のだろう……思い出せない……」

ロンフォンフイ「ヒクッーーおっ!御侍ーーここにいたのかーー!」

御侍「……私の頭を撫でないで!禿げる!」

ロンフォンフイ「ヘヘヘッーーオレを叩いてるのは誰だ!ヒクッーー」

御侍「……見た感じ、相当酔っぱらってるな。」

ロンフォンフイ「御侍!あの悪徳商人のアヒルを盗みに行こうかへへっーー!」

御侍「???」

ロンフォンフイ「焼きアヒルはうまいぞーーヒクッーー!」

御侍「?!」

ロンフォンフイ「あと子推饅のウサギもヘヘッーー焼きウサギーー!」

御侍「……他に誰も聞いてないよね。」

ロンフォンフイ「御侍!見ろ!プレゼント持ってきた!」

御侍「これは……木?!」

ロンフォンフイ「良いだろ!小舎から運んでくんの大変だったぜ!」

御侍「どうして木なの?」

ロンフォンフイ「綺麗だから!バーに合ってるし!」

御侍「……」

御侍「でも、土が無いと生きられないって事は考えなかったの?」

ロンフォンフイ「えっと……」

御侍「あと、まずその果物を食べ終わってから話そうか!」

ロンフォンフイ「あー食べるか?甘いぞ?」

御侍「ロンフォンフイーー」

ロンフォンフイ「あっ!御侍か、ビビった。」

御侍「そのリアクションからーーまたなんかやらかしたんでしょ、言ってご覧?」

ロンフォンフイ「……やらかしてねぇ!」

御侍「じゃあ次に言う事を怖がらずに聞いてね。」

ロンフォンフイ「オレは食霊だ、怖いもんはねぇ!」

御侍「雄黄酒、近くにいるみたいなんだ……」

ロンフォンフイ「オレが悪かった、こっそり薬草取って遊んで申し訳ねぇ!」

御侍「そういう姿勢は誠実さが見えて良い。君には二つの選択肢があるーー」

御侍「一つ、泣きながら謝る;二つ、土下座して謝る。」

ロンフォンフイ「三つ目はねぇのか……」

御侍「あー倒れて運ばれるとか?」

ロンフォンフイ「御侍、あと酒十本くれ!」

御侍「ロンフォンフイ?飲み過ぎだ。」

ロンフォンフイ「関係ねぇ!あと十本くれ!」

御侍「ロンフォンフイ……どうしたんだ?」

ロンフォンフイ「なんでもねぇよ!オレの酒はまだか!」

御侍「君……また雄黄酒に怒られたの?」

ロンフォンフイ「フンッ、あいつが俺に怒られたんだ!」

御侍「……また喧嘩したのか。」

ロンフォンフイ「あいつが新薬の開発だとか言って、また飲まず食わず部屋に閉じこもってやがったんだ。オレがあいつを気絶させて引っ張り出したら、薬を作る最適なタイミングを逃したとかなんとかで逆ギレさせた。」

ロンフォンフイ「あんな薬なんざより体のが大事だろ、本当に意味わかんねぇ!」

御侍「ぷはっ、なるほど。」

ロンフォンフイ「何笑ってんだ、オレなんか変な事言ったか?あっーーやべぇ!雄黄酒に薬の材料を頼まれたんだった、忘れてた!」

ロンフォンフイ「悪い、早く行かねぇと!」

御侍「おいっ!お酒は!」

ロンフォンフイ「やるよ!」


佛跳牆

佛跳牆「御侍、あんたの帳簿は雑過ぎる。」

御侍「?!先に失礼する!どこで見つけたんだ……何日も見つからなかったのに……」

佛跳牆「……あそこの床にあった。」

御侍「なるほど……全部テキトーに書いたものだから、きにしないでハハッ……」

佛跳牆「抜けが多く、どこから指摘したら良いかわからない。」

御侍「…………」

佛跳牆「明日から、会計を何人か呼んでくるから勉強しておけ。」

佛跳牆「俺の御侍として、基本の素養を身に着けてもらわないと。」

御侍「あ?????」

御侍「えっ、今日は商会の人多いね……」

佛跳牆「ヤツらはここが気に入ったようだ。」

御侍「ヘヘッ、みんなに認められて嬉しいよ。」

佛跳牆「当たり前だ。」

御侍「それは君も私を認めているって事でいいのかな?今日は私の奢りだ、好きに飲んで良いよ!」

御侍「えっと、あと……さっきは商会の人たちの事しか言ってなかったけど……君は……どうなんだろう……」

御侍「えっと、つまり……色んな評価を頂いて……もっと良くしたい!」

佛跳牆「俺か?もちろんヤツらと同意見だ。」

佛跳牆「どうした?嬉しくないのか?」

御侍「いや、たださっきの笑顔は前に他の店舗を買い取った時の笑顔と似ていたから……」

佛跳牆「……獅子頭、どうしてここにいる?」

御侍「私は獅子頭じゃないよ……」

佛跳牆「うん……?あぁ、御侍か。すまない、目が眩んでいた。」

御侍「酔ったんじゃない……一人?商会の人を呼んでこようか?」

佛跳牆「いや……まだ意識ははっきりしている……」

御侍「だけどテーブルにある酒瓶、全部君が飲んだの……」

佛跳牆「違う、俺はまだ飲める、北京ダックは?」

御侍「北京ダック?さっき出て行ったよ。」

佛跳牆「ヤツの酒量もこの程度か、今回は俺の勝ちだ。」

御侍「……わかった……おい、まって?!ビジネスをやってる人はみんなお酒を飲むのもそんなに真剣なの?!」

佛跳牆「御侍、今日はバーを貸し切らせてもらう。」

御侍「えっーー???」

佛跳牆「俺の知る限り、バーの営業時間はまだだったな。」

佛跳牆「今日の営業は中止してくれ。」

御侍「どうして急に貸切るの?」

佛跳牆「取引を成功させたから、商会のヤツらを労おうと思ってな。」

御侍「だけど今夜はちょうどパーティーの予約が入ってて……」

佛跳牆「三倍、三倍の金を出してやろう。」

御侍「大丈夫!何が必要?任せて!」

佛跳牆「御侍、俺とビジネスの話をしないか。」

佛跳牆「あんたはきっと興味があると思う。」

御侍「うん?どんな?」

佛跳牆「ここ数日の観察に基づいて、俺らはあんたのバーはここだけだと勿体ないという結論に至った。」

御侍「佛跳牆冗談言わないで、チェーン店にする金も余裕もないよ……待って……俺ら?あと誰がいるの?」

佛跳牆「光耀大陸でのビジネスは俺が保証しよう、土瓶蒸しが桜の島での経営を保証してくれるそうだ。」

御侍「土瓶蒸し?どうして彼の名前が出てくるの?」

佛跳牆「もっと大きな収益を得たいなら、俺に任せろ。」

佛跳牆「これが契約書だ、もし問題がないようだったら、明日から着手する。」

御侍「反論の余地なんてないみたいだね???」

佛跳牆「このバーの立地は悪くない、 客も多いな……」

御侍「佛跳牆!君もここに来たんだ!」

佛跳牆「ああ、このバーは商売が繁盛しているらしいから、 見に来た。」

御侍「そうだね、ここは確かに良い所だ!」

佛跳牆「あぁ……ただ光耀大陸の酒が少ない、勧めてやると良い。」

御侍「なるほど……酒を飲みに来た訳じゃないんだね。」

佛跳牆「これらの酒は自分で手に入れられる、わざわざ高い金を払って飲まなくてもいい。」

御侍「……だけどやっぱりちょっと違うと思うよ、ここに来る人はただ酒を飲みに来るだけじゃないと思う。」

佛跳牆「あんたの言う通りかもしれない、 他の用途も考えられる。」

御侍「……流石商人だ。」

佛跳牆「御侍、今日はどこか上の空だな、それはビジネス的には危険だ。」

佛跳牆「ビジネスの問題なら、俺は何かしら役に立つだろう。」

御侍「うっ……バーの仕入れ先が倒産してしまって……次が見つからないんだ……」

佛跳牆「その程度の事か。」

御侍「その程度?!良い仕入れ先が見つからなければ……客足が鈍る……」

佛跳牆「御侍、目の前にいる人を忘れたようだな。」

御侍「それは……君?!」

佛跳牆「リアクションは悪くない、御侍よーーこのチャンスを掴んだ方が良いのではないか?」

御侍「じゃあ……値切ってもいいかな!」

佛跳牆「……」


SR食霊ストーリー

うな丼

うな丼「わっー!このかくしりはスッキリするでござるな!」

御侍「これはカクテルだ!テール、尻尾だ!」

うな丼「うっ、大体合ってるではないか!全部鳥の尻ではないか。」

うな丼「鳥の尻で作った酒がこんなにも美味いとは、聞いた事が無かったでござる!」

御侍「……全然違う!カクテルは鳥の尻で作った物じゃない!」

うな丼「鳥の尻でなければ……わかったでござる!その名の通り、鳥の尻尾で作ったんでござるな!」

御侍「……」

うな丼「帰ったら焼き鳥に教えてやらねば!あいつもきっと知らなかったであろう!あははっ……」

うな丼「おいっ、御侍どうして拙者を叩く!」

うな丼「御侍!さぁさぁ!千夜豆!」

御侍「???」

うな丼「どうしたでござるか?先日乾杯の時に「千夜豆」と言っていたのを聞いたでござるよ!」

御侍「……もしかして「チアーズ」って言いたかった?!」

うな丼「それそれでござる!格好いいとは思わぬか!」

うな丼「千夜豆、千っ……う、ぐふっ……」

うな丼「ゴホゴホッ、御侍どうして急に鶏ももを拙者の口にいれたでござるか!しかし美味でござる……へへっ……」

御侍「その鶏もものが似合うと思うよ。」

御侍「う、な、丼!昨日私が呼んだマジシャンを怒らせたって?!」

うな丼「まじしゃんとは?あぁ、昨日いた人を騙している奴の事でござるか?」

御侍「……騙すって!あれはショーの一種だ!」

御侍「で、何したの?」

うな丼「うっ、薔薇を出していたので、酒を出せとお願いしたら、断られたでござる。」

うな丼「その後、皆の衆に奴は薔薇を袖の中に隠していたと伝えたら、怒って帰ったでござる。」

御侍「……」

うな丼「しかし拙者は本当に薔薇を袖に入れていたのを見た!拙者でも出来る!」

うな丼「鶏ももとサツマイモを隠して、豚骨ラーメンにバレなかった事もあるでござる!」

御侍「……それとは話が違う!」

うな丼「御侍!屋根は修理できたでござる!何か褒美は……」

御侍「お疲れ様!あとあっちの壊れたテーブルもお願い!」

うな丼「お安い御用!」

うな丼「テーブルが直れば、何か食べ……」

御侍「厨房の機械もちょっと故障してるみたい、それもお願いできる?」

うな丼「……御侍!拙者は雑用係ではない!」

御侍「自分から手伝うって言いだしたんじゃん。」

御侍「しかも豚骨ラーメンが言ってた、こういうの得意だって。」

うな丼「……わかったでござる。では夕飯に鶏ももを一つ追加してくだされ!」

御侍「うな丼……また豚骨ラーメンに殴られたのか?」

御侍「殴られたのになんでそんなにヘラヘラしてんだ……本当に大丈夫か?」

うな丼「そうではない!殴られたわけではないし、「また」とは聞き捨てならぬな!」

御侍「心配してるんだ。そうじゃないならいい。」

うな丼「ただ先程誤って白髪で大きな剣をもった奴の酒を取ってしまったでござる。」

御侍「それって……ロンフォンフイ?」

うな丼「そうでござる!ロンフォンフイ!」

うな丼「あんなに凶暴な者に会った事がなかった、喧嘩をしたでござる。」

御侍「???」

うな丼「しかし勝負はつかずじまい、最終的に酒を分け合ったでござるよ。今は拙者の兄弟となった!」

うな丼「御侍、御侍!」

御侍「うな丼どうしたのこそこそして?」

うな丼「シーッ!静かに!豚骨ラーメンにバレてはならぬ!」

御侍「はぁーー正直に言って、また何かやらかしたの?」

うな丼「やらかしてなど……!ただ仕事中に酒をこっそり飲んだだけでござる、少しだけ!」

御侍「ジーッ、その様子じゃ少しだけじゃない気がーー」

うな丼「あぁ!その通りでござる、気付いたら……」

うな丼「御侍!豚骨ラーメンには言わないで頂きたい!一週間飯抜きにされてしまう!」

御侍「彼女が自分で気づいちゃったら、助けられないよ。」

うな丼「そんな事はーー気付かれてしまったら、焼き鳥がやったと言おう!へへっ!」

うな丼「よお、御侍!この酒美味しいでござる!」

御侍「気に入ってくれて良かったよ、また来てねー」

うな丼「勿論でござる!次は豚骨ラーメンも連れて、焼き鳥の奴は……いいや!」

御侍「良いよ、一緒に来てくれるなら大歓迎だ。」

うな丼「あー!ここで飲む酒は美味い!」

うな丼「御侍よ、人は足りているか?保証する、拙者がここにいれば、チンピラ共は来ないでござるよ!」

御侍「気持ちはありがたいけど、しばらくは護衛は必要ないかな。」

うな丼「そうでござるか。しかし何かあればいつでも拙者を呼ぶと良い、報酬はいらないのでーー」

うな丼「ーー酒を何杯か頂けると!」

御侍「わかったわかった。」

うな丼「御侍早く来てくだされ!この酒を飲むでござる!」

御侍「バーで見かけた事がないな……自分で持ってきたの?」

うな丼「へへっ、その通りでござる!」

うな丼「しかし、この酒は確かにここで手に入れた物でござる。」

うな丼「先日埋めた物だ、どうだ、思いつかなかったであろう?」

御侍「???」

うな丼「どういう表情だ?味わってみよ、味は保証するでござる!」

うな丼「これが気に入らなければ、また別のを掘れば良い。」

御侍「何本埋めたんだ?」

うな丼「あぁ、一、二、三、四……もう覚えておらぬ!」

うな丼「フンッ、酒を飲ませてくれぬのなら、店から家出してやる!」

御侍「店から?うな丼豚骨ラーメンの店の事を言ってるのか?」

御侍「え?なんか揺れてるけど……酔っぱらった?」

御侍「う!な!丼!店から迎えを呼んだ方がいい?」

うな丼「い、いらないでござる!家出しているのでござる!」

御侍「ぷはっーー今帰らないと夕飯には間に合わなくなるよーー」

うな丼「あああっーー夕飯ーー夕飯は置いて行ってくれーー」

御侍「ははっ、夕飯は食べたいんだ。」

うな丼「夕飯、夕飯はいいので……酒を残してくれ……へへへっ……」

御侍「……やはりお酒の方が大事か?!」

御侍「うな丼うな丼?」

うな丼「ふぅ……あの酒をこっそり飲んだのは拙者ではない!」

御侍「起きて、よだれが床に垂れちゃうーー」

うな丼「うっ、あれ、御侍……」

御侍「もう一日ここで寝てたよ、もうすぐ閉店だ。」

うな丼「うっ……帰りたくない……豚骨ラーメンがいじめるでござる……」

御侍「???」

うな丼「彼女が客に作るラーメンの麺は56本あるが、拙者のには46本しか入ってない……」

御侍「本気?!」

うな丼「本気ではない……嘘をついたら……追い出されてしまった……」


カッサータ

カッサータ「御侍、最近チーズがいつも来てるみたいだが、毎回ドリンクを持って帰ってくる。全部御侍が作った物なのか?」

御侍「そうだよ、最近新しい酒を作ったからカッサータもどう?」

カッサータ「うん?今日出来た新しい酒か?」

御侍「そうだよ、ここ何日いつもチーズとこのお酒を作ってた。」

御侍「チーズは独自の配合があるみたいで、それを試したいんだって。」

カッサータ「……チーズと作った酒は青いのか?」

御侍「うん、そうだ!冷たい青色、海みたいな、口当たりも良いぞ。」

カッサータチーズが持って帰ってきた時、その酒は赤になってたが?」

御侍「…………」

御侍「カッサータピザに宜しく伝えといて」

カッサータ「よぉ、御侍!このバーは良いな。」

御侍「そうでしょう、私の見る目を信じて。そうだ、今日は何しに来たんだ?」

カッサータ「バーがオープンするって聞いて、ピザチーズも来たいって騒いでたんだ。」

御侍「じゃあピザたちは?」

カッサータ「……あのバカはチーズと一緒に市場で遊んでる。」

御侍「あはは……相変わらずだね……」

御侍「だけど、二人だけ外にいるのも心配だね。」

カッサータ「あぁ、だから顔だけ出しに来た、もう帰る。」

御侍「早いね?」

カッサータ「仕方ない、俺はあのバカの護衛だからな。」

御侍「カッサータ……そんなに急いで……何かあったのか?」

カッサータ「御侍、ウイスキー来てなかったか?」

カッサータ「何かされてないか?」

御侍「安心して、何もしてなかったよ。」

御侍(彼が来て、リラックス出来るわけがない)

カッサータ「じゃあ、これから頻繁にここに来ないと。」

カッサータ「御侍、これからも宜しく。」

御侍「えっ?!待って、まだ承諾してない!」

御侍「あぁ、本当に、毎回ウイスキーの事になると、三人とも心配性なんだから。」

カッサータ(今回は、絶対守る)

カッサータ「過去は過ぎ去った……今が新たな始まりだ……」

御侍「あれ……カッサータ……寝ちゃった?」

カッサータ「どこ……どかだ……ピ…。。」

御侍「……カッサータ、大丈夫?」

カッサータ「お前を……騙したくない……」

御侍「(悪夢でも見てるのか?)」

カッサータ「行くな……」

御侍「?!手が掴まれた……」

御侍「上着を掛けようとしただけなんだけど……」

カッサータ「俺がずっと……守ってやる……」

カッサータ「変な夢を見た……」

御侍「変な夢?」

カッサータ「自分は呪われた狐になって、チーズは薔薇に、ピザは王子に、おれたちは城に住んでいた。」

カッサータピザチーズを拾って、水晶の瓶に隠した。」

御侍「気付かない内に夜鶯によぅって薔薇が盗まれた……」

カッサータ「だけど人魚王子の元で薔薇を見つけ出した。」

御侍「最終的に本当の友達になり、城で幸せに暮らした。」

カッサータ「意外に、本当の夢かも……」

御侍「今も一緒に幸せに暮らしているじゃない?」

カッサータ「そうだな、じゃあ御侍、先にどうして俺の夢を知っているか教えてくれ。」

御侍「カッサータチーズピザの保護者みたいだね。君がいなかったら、二人は困るだろうな。」

カッサータ「そうか?俺に出会わない方が、アイツらにとっては幸せだったかもしれない……」

御侍「えっ、カッサータ?」

カッサータ「俺の言葉を本気にした?」

カッサータ「心配するな、彼らと出会った事を俺は一度も後悔した事はない。」

御侍「(わかってる、君たちは今の生活を壊したくないんだって)」

御侍「いや、本気にしてないよ。君は、ピザたちに影響されて私の反応を見たいだけだよな?」

カッサータ「やはり御侍にはかなわない。」

御侍「それなら、罰として三杯飲んでいきな。」

カッサータ「ああ、ありがとう。」

御侍「???」

カッサータ「本当に、ありがとう、御侍。」

カッサータ「どうしてか、御侍を見てると悩みを忘れられる。」

御侍「褒められてる気はしないな。」

カッサータ「本当に褒めてる、心が優しい人じゃないと出来ない事だ。」

カッサータ「だから、俺もかつては優しい人になりたかった。」

御侍「うん?何か言った?聞こえなかった……」

カッサータ「何でもない、ただ俺は幸運だなと……」

御侍「幸運?」

カッサータ「あぁ……お前らに出会えて幸運だなと……」

カッサータ「御侍、申し訳ないけど……」

御侍「ピザ……?どうしたの?」

カッサータ「酒飲めないくせに、少しだけで酔っぱらってしまった。」

御侍「酔い覚ましを用意してくる。」

カッサータ「待ってくれ……出来れば、ここに寝かせてやってくれないか?」

御侍「うん?」

カッサータ「後で一緒に片づけてやる。」

カッサータ「明日折角の休みだろ、ピザはお前と一緒に出掛けたいんだと。」

御侍(明日朝一に私に会うために、ここにいるつもり?)

カッサータ「明日何も知らないフリして欲しい。このバカは彼なりに頑張ったんだ。」

御侍「カッサータ、本当に大変だ。」

カッサータ「うん?いや、これは俺の楽しみと言える。」

御侍「カッサータ?それは……誰かと喧嘩でもした?!」

カッサータ「……いや。」

カッサータ「たまたまバーの近くで堕神を見かけたから、ついでに倒しといた。」

御侍「だけど黒蛇の影が見えたような……」

御侍「カッサータ、本当に大丈夫?」

カッサータ「大丈夫だ、少し休めばいい。心配するな、ピザみたいな表情をしないでくれ。」

御侍「こういう時に冗談は言わないで。」

カッサータ「じゃあ、笑ってくれ、御侍。」

カッサータ「御侍、どうしてずっと俺を見てるんだ?」

御侍「見た事無い姿をしてるから。」

カッサータ「意識ははっきりしてる、酔ってるって言いたいのか?」

御侍「酔っ払いは大体そう言う。」

カッサータ「ははっ……お前らが傍に居る時は、酔っぱらわない……」

御侍「ピザの護衛だから?」

カッサータピザチーズを守る……御侍も勿論守る……」

御侍「無理しないで、たまに休むのも大事だ……」

カッサータ「無理はしてない、お前らのそばにいれるだけで……十分だ……」

エッグノッグ

エッグノッグ「御侍様、こちらに来てくださいませんか?」

御侍「どうした?」

エッグノッグ「先程作ったお酒を味見してみてください――安心してください、酔いませんよ。」

御侍「ん……甘い!美味しい――」

エッグノッグ「先程お酒には甘さが足りなかったんですが、貴方が来たら丁度良くなりました。」

御侍「……さっきの言葉を撤回する。」

エッグノッグ「もう二分経ちましたので、撤回は出来ませんよ。」

御侍「……」

エッグノッグ「あれ、ビールが持ってきた本は面白いな。色んな話が載ってる、聞きたい?」

エッグノッグ「御侍様、ローストターキーはこっそり来てませんよね?」

御侍「来てないよ、どうしたの。彼から逃げてるの。」

エッグノッグ「……いつもながら変わった発想をお持ちですね。」

御侍「一緒に居る時間は一番長いでしょ、どうして私に聞くの?ローストターキーの行方は君の方が詳しいでしょう?」

エッグノッグ「……」

御侍「ふふん、言ってご覧、また何か怒らせたの?」

エッグノッグ「いえ……ビールが帰って来ていまして……彼がローストターキーに話をしている時……」

エッグノッグ「ついでに自分が創作した詩歌をですね……ローストターキーに更なる薫陶を受けさせるため、自分を犠牲にして逃げ出すしかありませんでした……」

御侍「…………」

御侍「ローストターキーには申し訳ないけど……少し気持ちは理解出来る気がする……」

御侍「ゴホッゴホッ、エッグノッグ。考えてみない……このバーで働く事?」

エッグノッグ「ん?御侍様は僕と離れがたいという意味として捉えても良いでしょうか?」

御侍「エッグノッグが来てから、客足がグングンと伸びたからね――特に女性客。」

御侍「(まるで客寄せパンダだ!)」

エッグノッグ「……」

エッグノッグ「しかしローストターキーは恐らく……」

御侍「ローストターキーはいくら出してるんだ!三倍出す!」

エッグノッグ「???」

エッグノッグ「御侍様、深夜まで営業するのは良くないですよ。」

エッグノッグ「早めに休まないと、体に障ります。」

御侍「大丈夫、毛根には自信あるから。」

エッグノッグローストターキーは何日も続けて自分を書斎にこもっていましたがーー」

エッグノッグ「翼から結構な量の羽が抜け落ちたそうですよ……」

御侍「それは君にいじめられた事が原因じゃなくて?」

エッグノッグ「……そんな事はしませんよ。」

エッグノッグ「この事は絶対彼に言うなよ、更に抜け落ちちゃいそうだ。」

エッグノッグ「だからーーお休みして頂けますか?」

御侍「最近、君とビールなんか変じゃない?」

エッグノッグ「うん?どこがでしょうか……」

御侍「ジーッ、もしかして何かから逃げてるーー」

エッグノッグ「御侍様、何を仰ってるんですか、意味が分かりませんよ……」

御侍「ジーッ、あっ!わかった!ローストターキーから逃げてるんでしょ!」

エッグノッグ「……どうしてわかったんですか?」

御侍「いつもならこの時間は、ローストターキーと一緒に書斎で公文書を読んでる時間でしょう?」

エッグノッグ「それは最近王宮の事情が少し変わったからで……」

御侍「本当に?でもローストターキーはそんな事言ってなかったなーー」

エッグノッグローストターキーは何を?大した事ではないのに……」

御侍「だから何をしたんだ?」

エッグノッグ「僕たちはただ彼に、ここは子どもが来る場所じゃないと言っただけです。」

エッグノッグ「まさか僕たちに付いて来ようとするとは、なのでこっそり来るしかなくなりました。」

御侍「ぷっ、ははははっ!そういう事か。」

エッグノッグローストターキーは何を言ったんですか?」

御侍「ローストターキーはねーー何も言ってないよ、嘘だよー」

エッグノッグ「……それはビールの影響ですか?」

御侍「エッグノッグ、今日もお酒作り手伝ってくれてありがとう!」

エッグノッグ「御侍様のお役に立てているのなら、苦ではありませんよ。」

御侍「お酒を飲みに来たのに、逆に手伝わせちゃって……」

御侍「だけど君のおかげでお客さんは増えた!みんな君のお酒を褒めちぎってるよ!」

エッグノッグ「貴方もそう思いますか?」

御侍「勿論!ただどうやってお礼をしたらいいか……じゃあ……今後君が飲むお酒は全部私の奢りでどうだ!」

エッグノッグ「あぁーーそれより一日の時間が欲しいです。」

御侍「一日の時間?」

エッグノッグ「一日空けて、僕に付き合って欲しいです。」

御侍「あれ……?」

エッグノッグ「二日でも良いですよ?」

エッグノッグ「ここがビールが言っていたバーですか。あぁ、センスは良さそうですね。」

御侍「ビールに進められて来たんだね。」

エッグノッグ「御侍様もいらしてたんですか、良かったです。では先程貴方の為に作ったお酒を味見して頂けませんか?」

御侍「いいよ、前作ってくれた酒美味しかった記憶がある。」

エッグノッグ「覚えててくださったのですね、嬉しいです。あれは貴方のために作ったものですから――」

エッグノッグ「あぁ、貴方が酔った姿も可愛らしかったですよ。」

御侍「……何も言ってない事にして!」

エッグノッグ「わかってます、僕しか見てませんから。」

エッグノッグ「今日はどんなお酒が良いですか?新しいお酒を作る事も可能ですよ?」

御侍「わ、私今日はもういいかな!」

御侍「エッグ!ノッグ!私の食べ物の中に酒を入れて百七回目だ!」

エッグノッグ「御侍様、よく覚えてらっしゃいますね、感動致しました……」

御侍「そりゃそうだ、五十八回はチョコレートに……あと三十四回はビスケットに……違う、そこは大事じゃない!」

エッグノッグ「では、次回からはお酒の中に食べ物を入れてみるというのはどうでしょう?」

御侍「エッグ!ノッグ!」

エッグノッグ「クッ、すまない。御侍様の姿があまりにも可愛らしいのでつい。」

御侍「…………」

エッグノッグ「申し訳ございません、怒らないでください、今回は本当に酒は入れてませんよ。」

エッグノッグ「試して見てください、これはビールが光耀大陸から持ち帰った茶葉です。少し苦いですが、健康に良いそうですよ!」

御侍「……じゃあ百六回にしておく。」

御侍「エッグノッグ、こんな所で寝てたら風邪引くよ。」

エッグノッグ「ふぅ……ふぅ……」

エッグノッグ「残った公文書は……僕に任せてください……休んでください……休んでください……殿下……ふぅ……」

御侍「事務作業が忙しいみたいだな……」

エッグノッグ「ふぅ……御侍の所も手伝わなければ……」

御侍「私の事まで……」

エッグノッグ「バーを潰してはいけない……ふぅ……」

御侍「???」

エッグノッグ「そうしないと……御侍は悲しむ……ふぅ……ふぅ……」

御侍「はぁーー泣けばいいのか、笑えばいいのかわからないよ……」

エッグノッグ「御侍、どうして顔を顰めているんですか?笑ってた方が良いですよーー」

エッグノッグ「眉間に皺を寄せている姿も可愛らしいですけど。」

御侍「……あっちを見て。」

エッグノッグ「おや、花束とチョコレートがたくさんですね、今日は何か特別な日でしょうか?」

御侍「全部君宛てだって。」

エッグノッグ「僕宛てですか……?御侍様のお気持ちだったのですね!でしたらありがたく……」

御侍「いや、バーの女の子のお客さんからのだよ。」

エッグノッグ「……つまり……」

御侍「君がバーに来てから、花とチョコレートが途切れた事は無い。」

エッグノッグ「……」

エッグノッグ「あぁ、そうですか……しかし僕の花はーーここにいます。」


スノースキン月餅

御侍「スノースキン月餅、お酒は好き?」

スノースキン月餅「お酒は……特別……他の物と味が違う……」

スノースキン月餅「嫌いじゃない……」

御侍「今後作った新商品の味見をお願いできないかな?」

スノースキン月餅「御侍さまが……必要としているなら……いいよ。」

御侍「ヘヘッ、これを飲んでみて。」

スノースキン月餅「うん……甘い……」

スノースキン月餅「これは……御侍さまの味……」

御侍「スノースキン月餅、絵を描いてるの?」

御侍「あれ、どうしてこのお酒を全部描いてるの?」

スノースキン月餅「とても……綺麗だから……御待さまから貰ったから……」

御侍「いっぱい描いたね……!スノースキン月餅凄いよ!」

スノースキン月餅「はい……」

御侍「これを印刷してバーの宣伝冊子を作っても良い?絶対お客さんいっぱい呼べるよ!」

スノースキン月餅「御侍さま……好き?」

御侍「大好き!あれ、最後のページは……」

スノースキン月餅「なんでもない……!」

御侍「スノースキン月餅どうして隠しちゃうの?人が二人いたような……」

御侍「わかった、きっと新しい本の表紙を描いてるんだね、だから見て欲しくないのかな?」

スノースキン月餅「……」

御侍「なるほどね……あれ……顔赤いよ……?」

御侍「スノースキン月餅、手紙を書いてるのか……ごめん、邪魔しちゃった?」

スノースキン月餅「いえ……御侍さまに会えて……嬉しい……」

御侍「邪魔してなくて良かった。これは……納豆たちに……?」

スノースキン月餅「うん……この面白い場所を……教えようと。」

御侍「ヘヘッ、褒めてくれてありがとう。」

御侍「もし本の中で勧めてくれなかったら、こんなにお客さんは来なかったかもしれないよ。」

スノースキン月餅「御侍さまの……お役に立てて……良かった……」

御侍「スノースキン月餅ー君の本を店に置いたら、お客さんは更に増えたよ!」

スノースキン月餅「御侍さまの役に立てているなら……良かった……」

御侍「でも彼らはきっと気付かないんでしょうね。自分が好きな作家はもしかしたら隣に座っているかもしれないという事に。」

御侍「今度君が私にくれたサイン本を見せびらかしてくるー!」

スノースキン月餅「御侍さま……」

御侍「分かってるよ、安心して。作者の事を勝手に他人に教えたりしないから!」

スノースキン月餅「うん……これは……わたしと御侍さまだけの……秘密……」

スノースキン月餅「御侍さま……冊子が……見つからない……」

御侍「まずい!さっき何かをこそこそと懐に隠していた人を見た……まさか?!」

御侍「スノースキン月餅安心して!まだ遠くに行っていないはず、絶対取り返してあげる!」

スノースキン月餅「御侍さま……違う……」

御侍「あの泥棒はきっと君の原稿を使って偽の本を出版するつもりだ!」

御侍「ダメだ!君の本を守るために!絶対取り返してやる!」

スノースキン月餅「持って行かれたのは……わたしの本じゃない……」

御侍「えっ?君のじゃない?」

スノースキン月餅「バーの……メニュー冊子が……なくなった……」

御侍「?!」

スノースキン月餅「御侍さま……機嫌悪い……?どうしたの……」

御侍「冰の在庫が足りなくなってきた……」

スノースキン月餅「冰……うっ……」

スノースキン月餅「御侍さま……あげる……」

御侍「どこから出したの?!」

スノースキン月餅「わたしの蓮から……もっと出せる……全部御侍さまに……」

御侍「えっ?!待って?!多過ぎる!」

スノースキン月餅「御侍さま……わたしが作ったお酒……飲んでみて……」

御侍「私に!?これは、冷たくて……スノースキン月餅みたいだ。」

スノースキン月餅「御侍さま……気に入ってくれると……」

御侍「勿論気に入ったよ!すごく良く出来てる!」

スノースキン月餅「じゃあ……御侍さまに……もっと作る……」

御侍「でも……冷たい物を飲み過ぎても……良くないかも。」

スノースキン月餅「冷たいの……ダメ……?」

御侍「そういう意味じゃなくて……ただ……もしかして今は冬って気付いていない……?」

スノースキン月餅「特別な……味……」

御侍「ジャジャーン!お客様、おめでとうございます!こちらは今シーズン最新のカクテルでございます!」

スノースキン月餅「御侍さま……?」

御侍「まさかスノースキン月餅もお酒を飲みにここに来るとは思わなかった。」

スノースキン月餅「うん……旅行の途中……偶然見つけた……」

御侍「ここ悪くないでしょ?」

スノースキン月餅「たくさんの人……たくさんのお話があって……面白い……」

御侍「そうだね、確かにここにいると色んな面白い事に出会えるね。」

スノースキン月餅「インスピレーションを……探すには……良い……」

御侍「新しい作品を期待してても良いのかな!」


テキーラ

テキーラ「あぁ!気分が良い、こんなにお酒を嗜むのは久しぶりだ!」

御侍「そんなに飲んで、なんかいい事でもあった?」

テキーラ「いえ……近頃法王庁は猫の手も借りたい程に忙しく、やっとクロワッサンの目を盗んで出てこれたんです……」

テキーラ「待ってください、クロワッサンはここに来てませんよね?」

御侍「クロワッサンは君みたいにサボったりしないよ。」

テキーラ「ふぅ、良かったです。サボってなんかいません、堂々と休憩をしているのです。」

テキーラ「どこからか堕神が大量発生して、倒しても倒してもきりがないんです……」

御侍「もしかしたら、年末だから決算で忙しいんじゃない?」

テキーラ「どういう事でしょうか?」

御侍「テキーラ、慌ててどうしたの?また何かやらかしたの?」

テキーラ「違います、クロワッサンが報酬を払わなくてもいい僕たちみたいな労働力を酷使しているんです。」

御侍「あら、クロワッサン、ちょうど良い時に……」

テキーラ「さ、さっき言った事は冗談です!一か月も法王庁の掃除をするのはごめんだ!」

テキーラ「サボってないです!酒が飲みたかっただけなんです……」

御侍「ぷははっーーまさかクロワッサンがウソ発見器になるとは。」

テキーラ「……御侍、サマ!」

御侍「えぇ、そんな目で見ないでよ。」

御侍「全部マティーニが教えてくれたんだ。」

御侍「テキーラテキーラ?」

テキーラ「あぁ、御侍サマでしたか。」

御侍「ボーっとしてたから、何回も呼んだよ、何見てるの?」

御侍「あれ、マルガリータ?」

テキーラ「何を言ってるんですか、ダーツを投げている人を見ていただけです……あの人よりフィッシュアンドチップスの方が上手く投げられます。」

御侍「そ、そうか。マルガリータは良く手伝いに来てくれるよ、もし……」

テキーラ「思い出しました、クロワッサンからの任務はまだ終わってないんでした……お先に失礼致します……」

御侍「彼女は普通に生活しているよ、何の異常もないよ。」

テキーラ「……」

テキーラ「わかりました……ありがとうございます、御侍サマ。」

テキーラ「御侍サマ、一緒に一杯飲みませんか?」

御侍「いいよ、今日は一人だけ?」

テキーラ「そうですね。クロワッサンはバーの騒がしさを嫌って、マティーニどこに行ったかわかりません。フィッシュアンドチップスはーー彼の酒量は信用できないので。」

テキーラ「だから僕一人しかいませんよ。どうしたんです?失望しましたか?」

御侍「なんかつまらなそうに見えたから。」

テキーラ「だから、御侍サマ、アナタを探しに来たのですよ。」

テキーラ「僕を歓迎してくださらないのですか?それは悲しいですね……」

御侍「ま、待って!近いよ。」

テキーラ「ふふっ、何を緊張されてるのですか?」

テキーラ「御侍サマー早く僕が焼いた手作りクッキーを食べてくださいー」

御侍「わっ、甘い。」

テキーラ「ははっ、僕のクッキーを食べたなら、アナタは今から僕の物になりましたね!」

御侍「今吐いたらチャラにならない……?」

テキーラ「……ダメです、ダメですよ。」

御侍「またどこからそんな話を聞いて来たんだ?」

テキーラマティーニの言ってた事と違うじゃないですか。」

御侍「何ブツブツ言ってるの?」

テキーラ「いえ……!マティーニにまたからかわれました……」

御侍「えっと、このクッキーを食べないと、私は君の者にはなれないのかな?」

テキーラ「御侍様、彼をどこかに閉じ込める事は出来ないでしょうか?」

御侍「フィッシュアンドチップス寝ちゃったの?」

テキーラ「僕に飲み比べを挑んできたのですが、何杯も飲まない内に倒れてしまいました。つまらないですねー」

テキーラ「寝るだけならまだいいのですが、いびきの音がだれよりもうるさく、よだれも僕の銃に跳ねそうになってましたよ。」

御侍「ぷっ、ハハハッ。流石フィッシュアンドチップス。」

テキーラ「そうですね、連れてくるんじゃありませんでした。しかし、」

テキーラ「御侍サマが楽しそうに笑っているので、許してあげてもいいでしょう。」

テキーラ「御侍サマ、こちらを見てください。」

御侍「綺麗な花!」

テキーラ「あぁ、やはり御侍サマには似合いますね。」

御侍「マティーニから教わったんでしょう?」

テキーラ「彼から教わる訳ないじゃないですか。今日来る途中、あるお嬢さんが困っていたので、チンピラ退治を助けたところ、お礼に頂きました。」

テキーラ「魅力的すぎるのも、時には悩みの種になりますね。」

御侍「見くびっていたみたいだね。ナルシスト度合いは、彼とそう変わらないみたいだ。」

テキーラ「御侍サマ――独りぼっちの僕を見て、何かしてくださらないのですか?」

御侍「グラスが二つ置いてあるじゃないか。」

テキーラマティーニがここを出てからもう一時間が経ちましたよ。」

テキーラ「もしかしたら、お手洗いに行く最中、またはお手洗いから帰ってきた時に迷ってしまったのでしょうね。」

御侍「???」

テキーラ「あぁ、しかしこのような素敵な夜を無下に出来ませんね。そうですよね、御侍サマ?」

御侍「マティーニは?」

テキーラ「僕と一緒にいる時に、他の人の事を考えるのですか?安心してください、流石の彼も法王庁までの道を忘れたりしませんよ。」

テキーラ「だから、今は僕たち二人だけの時間です。」

御侍「えっと……マティーニが戻ってきたって……言いたかったんだけど……後ろにいるよ。」

テキーラ「……タイミングが悪いですね、次はもっと遠い場所まで追っ払わないといけませんね。」

テキーラ「御侍サマ、マティーニとフイッシュアンドチップスは見かけませんでしたか?丸一日疾走してるんです。」

御侍「あの二人なら、昨日の夜来てたよ、ぷはっ!」

御侍「ゴホゴホッ、いや笑ってない、よ、ぷっ!」

テキーラ「それはどういうリアクションですか?」

御侍「もしかしたら、恥ずかしくて隠れてるんじゃないかな。」

テキーラ「???」

御侍「ふっ、聞いてない?昨日夜、二人はみんなに素敵なダンスを披露したんだ。」

テキーラ「?」

御侍「酔っぱらったフィシュアンドチップスがマティーニを引っ張って、ステージに上ってバレエを踊ってた。」

御侍「止めたんだけど、二人ともノリノリだったから。私は……写真を撮るしかなかった。」

テキーラ「はははははっ!」

テキーラ「まさかマティーニもこんな事をするなんて!ははははっ!持って帰ってクロワッサンたちに見せなければ!」

テキーラ「……」

テキーラ「待ってください……御侍サマ……何か視線を感じませんか……」

御侍「うん……私も感じてる……二つの視線を……」

テキーラクロワッサンの羽……柔らかい……」

御侍「?」

御侍「あぁ、テキーラの寝言か……」

テキーラ「食べられないのが残念……手羽先の方が良い……」

御侍「?」

テキーラマティーニの耳は……尖ってる……」

テキーラ「でも触らせてくれない……」

御侍「…………。」

テキーラ「フィシュアンドチップス……ポテトチップスの方が美味しい……」

御侍「ヤバい……わ、私殺されるんじゃ……」


ビール

ビール「たまに新鮮なカクテルを試してみるのも、悪くない体験だ。」

ビール「カラフルな色どりで、味もそれぞれ違う。」

御侍「ヘヘッ、今飲んでいるのは私が作った物だ。」

ビール「しばらく会わない内に、また腕を上げたな。頻繁に通わなければ。」

御侍「本当は、みんなに助けられて出来たんだ、私だけの力じゃない。」

ビール「御侍の進歩を見られて、僕は嬉しい。」

ビール「今後旅する時、きっとこのバーを人々に紹介するよ。」

ビール「そうすれば、僕も力になれるのでは?」

御侍「ん……良い匂いがする、まるで……クコの実のような……」

御侍「あれ……でもなんでバーにこんな匂いが?!」

ビール「あぁ、御侍も良い匂いだと思うか?」

御侍「ビール……?手に持っているのは……保温瓶?!」

御侍「もしかして……ビールの中にクコの実を入れたの?!」

ビール「御侍は賢いな、どうだ味わってみるか?」

御侍「……それ誰から聞いたんだ?」

ビール「あぁ……グルイラオで若者に教わった。」

ビール「こうすれば養生できると。僕も変わってる方法だとは思ったが、御侍も普段からこうするのか?」

御侍「……」

ビール「バーの若者たちを見ていると、自分も若くなったような錯覚を感じる。」

御侍「ビールも見た目は若いよ。」

ビール「それは僕の容姿を褒めているのか?それは嬉しい。」

御侍「……その表情をしなければもっと良いけどね。」

ビール「そうか、なら御侍ももっと笑わなければ。」

ビール「あと運動もしないと。踊っている若者見ていると、青春は良い物だなと感じる。」

御侍「また……」

ビール「やっぱり仕事の後に飲む冷えたビールは最高だな!」

御侍「そうだなーー気持ちが良いーー!」

ビール「この提案悪くなかったでしょ?」

ビール「この休憩時間に、一曲歌ってやろう……」

御侍「待って!君も一日疲れただろ、ちゃんと休まなきゃ。」

ビール「だが、歌を歌うというのもリラックスする方法の一つだ。」

ビール「しかも最近新しい曲を作った、御侍もきっとまだ聴いた事がない。」

ビール「パラータで旅をしていた時、現地の伝説を元に作ったんだ。」

ビール「美しい黄砂ーー純白の雪花ーーあれ?御侍はどこに行ったんだ?」

ビール「酒もまだ飲み終わってない、もったいないな。」

ビール「ここでお酒を飲んでると、旅の疲れが忘れられる。」

ビール「やはり御侍が居る所で飲む酒はこういう魔力が宿る。」

御侍「それはきっと、私が作る酒が美味しいからだ。」

ビール「僕が言いたい事を言ってくれるなんて、相性抜群のようだ。」

御侍「客観的な事実だからね。」

ビール「では僕の主観で感じた事を伝えよう。この酒を飲んだ時、僕はティアラで旅した日々を思い出す。目くるめく毎日、そよ風で揺れる髪先、潮騒に抱かれる海岸、星の光がまぶされた空……」

御侍「……」

ビール「あぁすまない、劇を見たからか、気付いたら気持ちが溢れ出てしまった。」

御侍「……」

ビール「その表情……このポエムは良くなかったのか?もう一度読もうか?」

ビール「えっ、なんでぶつんだ?」

ビール「冷えた酒も良いが、冬に飲む熱い酒も気持ちが良い。」

御侍「外で雪が降っていれば、尚素晴らしいーー!」

ビール「はははっ、同じ考えみたいだな。」

ビール「うん?御侍、どうして窓を開けているんだ?室内は暖かいが、風を引いてしまったらよくない。」

御侍「わかったよ……今日雪降るか見てたんだ。」

ビール「ぷっ、相変わらず可愛らしいな。」

御侍「あれ……?窓の外に見える人影、ローストターキーみたいだけど……」

ビール「……本当に来たんだな。」

御侍「うん?ビールなんか言った?ローストターキーがどうしたって?」

ビール「あーなんでもない、ここは子どもが来る場所じゃないと言っただけだ。」

ビール「今日、バーで流れている曲はなんだか聴き覚えがあるような。」

御侍「えっ、知らないの?これはティアラで今一番売れてる曲だよ。」

ビール「少し前に旅していた時、聴いたかもしれない……紹介してくれるか?」

御侍「この曲は『Baby Baby☆私たちは君のハニー』と言って、『一緒にミドラド シドラド ソドラドソ~♪』。あはは……歌っちゃった……聞かなかった事にして!」

ビール「なるほど……可愛らしい曲名と特別な曲調……今まで聴いて来た曲と違うな。」

ビール「あぁ、もう若者たちの流行りについていけてないのか……」

御侍「ビールの曲も良いよ、それぞれの良さがあるから。」

ビール「御侍が認めてくれるなら、僕の歌も捨てた物じゃないな。」

ビール「その気持ちに応えて、是非一曲聴いてくれ……」

御侍「?!え、えっとまだやる事があるから!残念だけど、またね!」

ビール「……歌を歌う代わりにおやつを頂いた……」

ビール「あぁ、御侍はいつも慌ただしいな。」

ビール「外の雪が融け始めた、御侍、どういう事を意味しているかわかるか?」

御侍「それは……春がやってくるって事?」

ビール「そうだ、太陽が僕らを照らしているという事。」

ビール「かつてある国を訪れた事がある。そこの人々は強くて素敵だが、ある冬に彼らは大自然からの罰を受けた。」

ビール「最初は、病気を患ったのは一人だけだった、しかし気付けば国全体がその病気に侵された。」

ビール「しかし人々の揺るぎない善良の心によって、最終的に国は救われた。」

ビール「最後、雪が融け、春陽によってその国は照らされた。」

御侍「これは考えさせるような話だ、大自然の力は計り知れない……」

ビール「もし……僕らが尊重を覚えなければ、この話は僕らの身に降りかかるだろう……」

ビール「脅かしているだけだ、そんなにビビるな。」

御侍「……」

ビール「御侍、どうして僕はこの詩歌を飽きもせず歌い続けていると思う?」

御侍「好き……だから?」

御侍「ビールは今まで色んな所に行って、その場所全てを愛しているから。」

ビール「流石御侍は僕の事をよくわかってる。」

ビール「そうだ、歌う価値があるから。どんな場所の景色も、歴史も、美しい歌に乗せて歌う価値がある。」

御侍「僕は自分の力を使って少しでも貢献できるなら、それはとても良い事だとは思わないか?」

ビール「こんな場所でこのような真面目な話をするものではないな。」

ビール「ではーー御侍のバーのためにも新しい歌を作ったんだ、聴いてくれるか?」

御侍「…………」

御侍「これが君が何も言わず歌う理由か!」

ビール「バーは僕のような流浪してる旅人にお似合いだ。お酒をありがとう、御侍。」

ビール「あぁ、出来る事なら、ここに残って離れたくない。」

御侍「ビール……ここに残ろうと思わないのか?」

ビール「ここに残ったとしても行く場所がない、法王庁は……クロワッサンがきちんと管理している。」

ビール「僕は彼を信じている、彼が僕を信じているのと同じように。」

ビールローストターキーの傍にもエッグノッグがいるし、彼らもちゃんとしている。」

ビール「あぁ、あとは僕のような年寄りしかいない。」

ビール「だからまだ生きている内に好きに世界を回っているんだ。それがいいだろ、御侍?」

御侍「……そういう事を気軽に言うな!」


ブラッディマリー

ブラッディマリー「御侍様、僕と一曲踊らない?」

ブラッディマリー「適度の運動は血液の流れを加速させ、味わいも……良くなる。」

御侍「……」

ブラッディマリー「このダンスフロアは宮殿より劣るが、及第点かな。」

御侍「私踊れない……」

ブラッディマリー「御侍様は嫌?大丈夫、ゆっくり教えてあげる──」

ブラッディマリー「──覚えるまでね。」

ブラッディマリー「うーん、ビーフステーキの気配を感じる、今夜運命の出会いを果たせるだろうね。」

ブラッディマリー「気配はここから感じ取れる……あら、御侍様どうしてここに?」

御侍「ビーフステーキたちなら、もう帰ったよ。」

ブラッディマリー「たち?チッ……また赤ワインの奴か。」

御侍「そう、ビーフステーキ赤ワインがお会計で揉めて、ジンジャーブレッドに追い返されてたよ。」

御侍「確かあっちに向かっていったよ。」

ブラッディマリー「……まぁいい、ビーフステーキの分は僕が予め払っておくよーー」

ブラッディマリー「勿論、あいつの分はナシで。」

ブラッディマリー「ついでに、彼の為にブラッディマリーを頼んでおく。」

ブラッディマリー「まさかここに新鮮な血液がこんなにあるとはーー」

ブラッディマリー「ーーでも、彼女たちのより君のが美味しいみたい。」

御侍「えっと……他の表現はないのかな……」

ブラッディマリー「じゃあどういうのがいい?絶品……それとも味わい深い?」

御侍「美食評論家になった方が良いと思う……」

ブラッディマリー「それならまず目の前の美味を味わってみないと、評論できない、でしょう?」

御侍「?!」

ブラッディマリー「ちっ、またあいつを見かけた。」

ブラッディマリー「もう少しビーフステーキの傍から離れられないのか?」

御侍「えっと……ブラッディマリー……気を付けて……グラスが割れそう……」

ブラッディマリー「あぁ、御侍様。」

ブラッディマリー「ここ最近、いつもあいつがバーにいる、御侍様も気を付けて。」

ブラッディマリー「あいつに言いがかり付けられたらすぐに僕を呼んで、退治してあげる。」

御侍「赤ワインは……ビーフステーキと喧嘩した時に皿を割ったから、代わりに働いてるんだ。」

ブラッディマリー「御侍様、それって……?」

御侍「あと一か月はここに居るかな……」

ブラッディマリー「……安心して、御侍様に免じて、このバーで手は出さない。」

御侍「でも……もう私のグラスに手を出してるよ……」

ブラッディマリー「フン、まさかあの真面目そうな神父もここに来るとは。」

御侍「まるでここは不真面目な所みたいに言わないで……」

御侍「そんな堂々としてて大丈夫?プレッツェルにバレたらどうするの?」

ブラッディマリー「どうして怖がる必要がある?」

御侍「常連のよしみで、彼はこちらに気付いて近づいてきてるよ……」

ブラッディマリー「……今日の所は勘弁してやる。」

御侍「逃げ足……早いな……」

ブラッディマリー「御侍様が本当に試したいのなら、次は作ってあげる。」

御侍「……結構だ!飲みたくない!」

ブラッディマリー「あら、僕の可愛くて温かい御侍様じゃないか。」

ブラッディマリー「僕が居ない間、つまんなかったんじゃない?」

御侍「昨日来たばかりじゃ……」

ブラッディマリー「だけど、君がいない毎分毎秒は、僕は冷たく感じた。」

ブラッディマリー「見て、無情にも夜の帳が下ろされる、温もりを渇望したりしないの?」

御侍「私は……」

ブラッディマリー「今の僕は冷気に囲まれ、御侍様にしか救えない。」

御侍「えっと……氷バケツの傍で話さなければいいかなと……そこは確かにちょっと寒い……」

ブラッディマリー「……」

ブラッディマリー「御侍様、僕が用意したプレゼントを見て、もう待ちきれないでしょう?」

御侍「また何か入れてないよね……」

ブラッディマリー「そういう目で見ないで、普通のブラッディマリーだ。」

御侍「……」

ブラッディマリー「御侍様、恥をかかせないで欲しい……」

御侍「じゃあ信じよう……うっ……」

ブラッディマリー「どうだ、味は悪くないだろう?」

御侍「うん、味は良いけど……」

ブラッディマリー「僕の独自の配合を加えたからねーー何かって?——それは秘密。」

御侍「???」

ブラッディマリー「御侍様、ようやく帰って来たね。」

ブラッディマリー「早く君の為に作った酒を召し上がれ。」

御侍「うん、甘い……まるで……」

ブラッディマリー「血みたい、って言いたいのか?」

御侍「ブラッディマリー?!」

ブラッディマリー「フフ、御侍様お味はいかが?」

御侍「ペッ!本当に入れてないよね……?!」

ブラッディマリー「御侍様怖がり過ぎ、もちろんーー」

ブラッディマリー「嘘だよ、フフ。」

御侍「…………」

ブラッディマリー「血……温かい……少女の血……どこに……」

御侍「ブ、ブラッディマリー?大丈夫?」

ブラッディマリー「うっ……この温もり、御侍様か……」

御侍「うん……私だ……」

ブラッディマリー「この熱い感触……あいつの言葉を借りるとーー『神に遣わされ、救済しに来てくれたのか?』」

御侍「……ま、まず手を放して!」

ブラッディマリー「温かいうちに頂かないと。」

御侍「うわ―――!」

御侍「プレッツェル!ちょうど良かった!」

ブラッディマリー「……またあの邪魔者、こんな所まで追って来て。」

ブラッディマリー「……フン、出てくるのが怖いのか?」

ブラッディマリー「チッ、あいつは放っておこう。お……御侍様は?」

ブラッディマリー「御侍様、このお酒に何か足りない物があるとは思わないか?」

御侍「あれ……美味しくなかった?」

ブラッディマリー「そうじゃない、もう少し……甘美で……温かい……少女の血が入っていれば、素晴らしい作品になっただろう。」

ブラッディマリー「そうでしょう、御侍様?」

御侍「……ブラッディ……マリー!」

ブラッディマリー「御侍様、怒ると老けるよ?」

ブラッディマリー「そんなに慌てて拒否しなくても、信じて……味わったら……もう二度と抜け出せなくなるよ……」

御侍「……誰がそんな物飲むか!」


ペッパーシャコ

ペッパーシャコ「ここは思っていたより騒がしい……」

御侍「まぁ、バーだから、ちょっと騒がしい方が良いよ。」

ペッパーシャコ「兄貴が好きな場所だから……嫌いになれない……」

御侍「じゃあ君自身は?麻辣ザリガニが好きだからここにいるの……」

ペッパーシャコ「……」

ペッパーシャコ「嫌いじゃない……お前がいるから……」

御侍「本当にー!そう言うと思ったへへっ!」

ペッパーシャコ「お前が作った酒は美味しい……」

御侍「……私の酒にしか興味ないのか!」

ペッパーシャコ「……?」

御侍「ペッパーシャコ、こんな所に座っていたのか。毎回端っこの隅にすわるね。」

ペッパーシャコ「ここは……静かだ……人間は騒がしい。」

御侍「えっ……もしかして私も……」

ペッパーシャコ「お前は違う……お前は……うるさくない……」

御侍「ありがとうペッパーシャコ……今後この席は、君のために残してあげるよ。」

御侍「えっ?ペッパーシャコ、もう遅いのにまだいるのー」‬

ペッパーシャコ「お前を守るために残ってる……」‬

‪御侍「ぷっ、どうしてそうしてくれるのかわからないけど、ありがとう。」‬

ペッパーシャコ「銃を持ってる奴がお前に話しかけてた。」‬

‪御侍「銃……テキーラの事?彼は何もしてこないよ。」‬

ペッパーシャコ「あと大きな剣を持った奴。」‬

‪御侍「あれはロンフォンフイだ。」‬

ペッパーシャコ「刀を持ってた奴。」‬

‪御侍「あれは鰻丼。」‬

ペッパーシャコ「…………」‬

‪御侍「なるほど、彼らに傷つけられるか心配してくれたんだ。安心して、彼らは君と同じ食霊だよ。」‬

ペッパーシャコ「わかった……」‬

御侍「ペッパーシャコ、ずっと座ってるけど、誰か待ってるの?」

ペッパーシャコ「兄貴を待ってる……」

御侍「なるほど……今日はまだ見てないな……」

ペッパーシャコ「兄貴は来る。」

御侍「もし見かけたら、すぐに知らせるよ!」

ペッパーシャコ「……要らない。」

御侍「えっ?」

ペッパーシャコ「明日の夜の約束だ……俺は早めに来ただけだ。」

御侍「流石に早すぎるでしょ!」

ペッパーシャコ「ここか……兄貴が好きなバーは……」

御侍「麻辣ザリガニの事か?確かに良く来てるな。」

御侍「とにかく、ここに来た人はみんなお目が高いよ!」

ペッパーシャコ「兄貴の見る目は……良いに決まってる……」

御侍「ここは色んな人が来るから、もし気に入ったんなら、ちょくちょく寄ってってよ。」

ペッパーシャコ「気に入らない……人間が多過ぎる……」

御侍「……そればかりはしょうがないよ。」

御侍「でも、人が少ない時間帯は教えられるよ!」

ペッパーシャコ「さっき言った事に……お前は含まれてない……」

御侍「えっ?本当に!なんか嬉しいな!」

ペッパーシャコ「……」

ペッパーシャコ「マスクを触るな。」

御侍「ご、ごめん!わざとじゃないよ……酒が跳ねてたから……」

御侍「ほ、本当に触ってない……」

ペッパーシャコ「……」

ペッパーシャコ「ごめん……」

御侍「クッ……大丈夫だ。」

ペッパーシャコ「怖がらせた。」

御侍「いやいや、全然怖がってないよあははー」

ペッパーシャコ「……グラスが震えてるみたいだが。」

御侍「……グラスが勝手に動いてるだけ!」

御侍「ペッパーシャコー新しく調合したお酒を味見してみない?」

ペッパーシャコ「うん……」

御侍「いつもウォッカばかり飲んでるから、たまには味を変えてみないとー」

御侍「どう?悪くないだろ?」

ペッパーシャコ「あぁ……美味しい。」

御侍「へへっ、気に入ってもらえて良かった!」

ペッパーシャコ「あの……」

御侍「うん?」

ペッパーシャコ「ありがとう……」

御侍「認めてくれて嬉しいよ!」

御侍「あ、ペッパーシャコまた寝ちゃった……」

御侍(髪柔らかそう……)

御侍(触ってみようかな……)

ペッパーシャコ「……」

御侍「うあっーー!ペッパーシャコ起きちゃった?な、何もしてないよ!」

ペッパーシャコ「……」

御侍「ペッパーシャコ……?」

ペッパーシャコ「……」

御侍「ふぅ、起きてないか、ビックリした……」

ペッパーシャコ「気持ちいい……」

御侍「えっ?!聞き間違え?!」

御侍「ペッパーシャコペッパーシャコ?寝ちゃったか……飲んだな……」

ペッパーシャコ「マスクに……触るな……」

ペッパーシャコ「御侍しか……外しちゃいけない……」

御侍「この前は触らせてくれなかったのに……」

ペッパーシャコ「武器に触るな……怪我する……」

ペッパーシャコ「御侍に……怪我させられない……」

御侍「わかったよ。」

ペッパーシャコ「御侍と……兄貴の……話を聞かなければ……」

御侍「……ゆっくり寝て。」

ペッパーシャコ「眩暈が……倒れちゃダメだ……」

御侍「ペッパーシャコ?大丈夫?」

ペッパーシャコ「敵か?うっ……敵じゃない……」

御侍「酔っぱらってるな……」

ペッパーシャコ「兄貴が好きな……ウォッカを……飲む……」

御侍「そういうの事はちゃんと覚えてるんだな……」

ペッパーシャコウォッカ……御侍が……作った……」

御侍「えっ?」

ペッパーシャコ「美味しい……」

御侍「へへっ、こういう時は素直だな。」


マルガリータ

マルガリータ「御侍様、これは自分のやり方で作ったお酒です、味わって……頂けないでしょうか?」

御侍「いいよーー!うっ……?!」

マルガリータ「御侍様、味は……どうでしょう?」

御侍「初めてで……ここまで出来るのは凄い……」

マルガリータ「それは……褒め言葉でしょうか?しかし……どうして顔を顰めてらっしゃるのですか?」

御侍「……それは……美味しすぎるから……!味わっているのさ!」

マルガリータ「本当に……本当に認められたのですか?ならもっと精進いたします!」

御侍「ただ……次からは……レモンを丸ごと入れないように……」

マルガリータ「えっ?」

御侍「マルガリータ?どうして隅っこにいるの……?!」

御侍「新しいお酒を造ったから、飲んでもらおうと……?!」

御侍「マルガリータどうして泣いてるの?!誰かにいじめられた?!私がやっつけてくる!」

マルガリータ「違います……誰もいじめてないです……」

マルガリータ「全部私のせいです……御侍様お気に入りのグラスを割ってしまいました……罰を受けなければいけません……!」

マルガリータ「御侍様……申し訳ございません……わたしがとろいから……うううっ……」

御侍「なるほど……大丈夫だよ、そんなに自分を責めないで!」

御侍「私もグラス一杯割ってるし、大丈夫だよ!」

マルガリータ「しかし……割ってしまったのは創世日祭典の限定グラス…」

御侍「?!」

御侍「だ……大丈夫だ……たかが……創世日祭典の……限定……全ティアラで……唯一の……宝石で作られた……グラスだとしても……」

御侍「全然……大丈夫……問題ない……」

マルガリータ「お、御侍様……涙が……零れてます……全部私のせいだ……うううっ!」

マルガリータ「御侍様……ヒクッ……片づけ終わりました……」

御侍「マルガリータ、そんなに飲んでどうした?」

マルガリータ「ヒクッ……今日のお酒は……まだ一杯残ってます……」

マルガリータ「も、もったいないので!ヒクッ……御侍様が……悲しみます……」

御侍「だから残りのお酒を全部飲んだと……」

マルガリータ「シーッーー御侍様に言ってはいけません……ダメです……御侍様に知られては……」

御侍「はいはい、御侍様には言わない。」

マルガリータ「へhっ…御侍様のお酒は……一番美味しいです……!」

マルガリータ「御侍様……ここで……かつての神様を見かけたような……」

御侍「かつての神様……それって……」

マルガリータ「彼は依然と同じく……温かかった……」

御侍「テキーラは……」

マルガリータ「しかし今のわたしには……彼を神様と呼ぶ資格はありません……」

御侍「いや……テキーラは君より立場が上だと思った事は一度もないよ……」

御侍「君はよくやってる……誰も責めたりしないよ……」

マルガリータ「ありがとうございます……御侍様……」

マルガリータ「とにかく……もう二度とわたしの神様に傷一つ付けさせません……」

マルガリータ「御侍様、入口のカーペット……竹鼠に噛まれてしまいました……」

御侍「なんだって?!」

マルガリータ「うっ、わたしが見た時はもう……半分しか残ってませんでした……その後緑色の髪の人についていって……御侍様どうされました!」

御侍「…………」

御侍「あのカーペットは……大金を叩いて……佛跳牆から買ってきたんだ……」

マルガリータ「えぇ……ではわたしが直しましょう……お、御侍様?」

御侍「半分しか……残ってない……私の……金……」

マルガリータ「御侍様……?あああっ、倒れてしまいました!た、助けてください!」

マルガリータ「御侍様ー」

御侍「マルガリータか、いつからそこに座ってたんだ?」

マルガリータ「えっと……御侍様が入って来てから、ずっといました。」

マルガリータ「静かに御侍様を眺めているだけで幸せです……あっ、もしかしてお邪魔でしたか?」

御侍「いやいや!そこまでして、付き合ってくれなくても……」

マルガリータ「わたしは全然大丈夫です!御侍様がそう仰るのは……きっと邪魔になっているんでしょう……」

御侍「そういう意味じゃないよ!」

マルガリータ「わかりました、今度から隅っこに隠れています、御侍様が見えない所にいれば、迷惑じゃなくなりますね!」

御侍「もっとおかしいでしょう!」

マルガリータ「へへっ、御侍様……へへっ、ヒクッ、何かお手伝いは必要ないですか?」

御侍「マルガリータ?どうしたんだ……」

マルガリータ「御侍様は忙しくしていたので、賑やかな方を覗いてみたら、皆親切にお酒を奢ってくださいました……ヒクッ……へへへっ……」

御侍「マルガリータ……どんだけ飲んだの……」

マルガリータ「御侍様が作ったお酒だから……お、美味しいです……」

御侍「だとしてもそんなに飲むのはよくない。」

マルガリータ「し、しかし御侍様が喜ぶので……お、多めに飲まなくては……ヒクッ……」

御侍「ありがとう、マルガリータ。」

御侍「そこまでしなくても大丈夫だよ……」

マルガリータ「お、御侍様が喜ぶので……ふぅ……ふぅ……」

御侍「寝ちゃった……まぁいい、ゆっくりお休み。」

マルガリータ「御侍様、ある秘密に気付いちゃいました!」

御侍「どんな秘密だ?」

マルガリータ「見てください、テーブルにーーグラスがいっぱい生えてます!」

御侍「マルガリータ……それは生えてきた物じゃないよ……」

マルガリータ「生えてきていないのですか……わかりました!わたしが植えたんです!へへへっ……」

御侍「……」

マルガリータ「御侍様、わたし凄いですよね!」

御侍「あはは……凄いよ……」

マルガリータ「グラスからお酒も生えてきますね……これもわたしが植えたんです……ヘヘッ……」

御侍「……」

マルガリータ「あっ!じゃあもしかして……わたしはわたし自身をいっぱい生やせるのでは……」

御侍「待ってーー!それは酒瓶だ!頭から被っちゃダメーー!」

マルガリータ「御侍様、バーカウンターの片づけ終わりました!」

御侍「えっ?お客さんなのに。」

マルガリータ「御侍様に誘って頂いただけで嬉しいです……どうかお手伝いさせてください……」

御侍「君の任務は席に座ってドリンクを味わう事だ。」

マルガリータ「し、しかし……御侍様に苦労をかけたくありません……」

御侍「君たちのために美味しいお酒を作るのは苦じゃないよー」

御侍「来てくれるだけで、大助かりだ!」

マルガリータ「本当ですか?わたしは、御侍様のお役に立てていますか?」

マルガリータ「御侍様お待ちください!わたしも御侍様のためにお酒を作らせてください!」

御侍「マルガリータ、待って……はやっ……だけどバーカウンターはここじゃ……」

マルガリータ「ヒクッ――御侍様……わたしたち……ダンスを踊りましょう?」

御侍「どうして急にダンスなんか……」

マルガリータ「だって……見てください……ヒクッーーステージがいっぱいあります……」

マルガリータ「あと……綺麗な照明が……ヒクッ……」

マルガリータ「あと……人も……みんな揺れてます……へへっ……」

御侍「マルガリータ……そのステージとやらは……バーのテーブルだね……」

御侍「しかも……みんなは揺れてないし……揺れてるのは君だ……」

マルガリータ「うっ……御侍様はわたしと踊りたくないんですか……」

御侍「違うよ……」

マルガリータ「じゃあ一人で行きます……!へへっ……!」

御侍「テーブルに乗るな――危ないっーー!」

マルガリータ「うぅ……痛い……」


マッシュポテト

マッシュポテト「御侍様、これらのドリンクを味わうと、大自然の味を感じられます。」

御侍「もっともな事を言っているようだけど……」

御侍「今飲んでるのは白湯だよ?!」

マッシュポテト「この透き通った水を見ていると、山の麓の湯水を思い出します。」

マッシュポテト「御侍様が言いたい事はわかります。」

マッシュポテト「しかし御侍様、忘れてはいけませんよ。大自然にあるのは植物だけではありません。」

御侍「君の心には植物以外もあったんだね。」

マッシュポテト「勿論、大自然の中で一番かわいいのは植物ですよー」

御侍「マッシュポテト、どうして顔を顰めているの?」

マッシュポテト「御侍様、今の学生たちはみんな言う事を聞いてくれないのでしょうか……」

御侍「そんなに悩ませるなんて、カプチーノくらいしかいないでしょう?」

御侍「また何かしでかしたの?もし良ければ話聞くよ。」

マッシュポテト「本当は……そこまでの話ではないのですが……彼は毎回僕を困らせるような事を言ってくるんです。」

御侍「まぁ、マッシュポテトは優し過ぎるから。ミネストローネだったら、もう少しうまくやれたかもしれないね。」

マッシュポテトミネストローネ……まあいいでしょう……悩みの種をもう一人増やしたくありません。」

マッシュポテト「思いつきました!もし今度カプチーノが言う事を聞かなかったら、御侍様のバーに連れてきてもいいでしょうか?」

御侍「待て、うちは子供は採用してないよ。」

マッシュポテト「ずばり、校外学習という事です。こういった職業体験も勉強には欠かせない事ですよ。」

マッシュポテト「あぁ、このライムが付いたミントのモヒートは、夏の味がしますねー」

マッシュポテト「御侍様、この感覚は最高ですねー!」

御侍「『いいね』は受け取ったよー引き続き味わってねー」

マッシュポテト「やはり植物が添えられたお酒は、こういった意外な効果が発揮されますね。」

御侍「そうだね、お酒は本当に不思議だね。」

マッシュポテト「御侍様、最近新しい植物を育てているんです、これらを使ってみてはいかがでしょうか!」

御侍「この草の色……なんか危険そう……この花……動いた?!」

マッシュポテト「このお酒から様々な植物の香りがします、嗅ぐだけでリラックス出来ますね。」

マッシュポテト「御侍様、もしかしてさくらんぼと葡萄が入ってるのではないでしょうか?」

御侍「その通り、さくらんぼのブランデーが入ってる!」

マッシュポテト「ただこの葡萄は、発酵する前に十分な陽の光を浴びていないためか、果肉の味は存分に発揮されていないようですね……」

御侍「こんな事までわかるの?!」

マッシュポテト「忘れないでください、僕は詳しいんです。」

御侍「じゃあ……と、隣のバーに行ってみてくれない?今大人気のお酒を売っているらしい!配合さえわかれば……」

マッシュポテト「……御侍様、そういう事はよくありませんよ。」

マッシュポテト「もし新たなレシピが欲しいのなら、「エデン」で調べて、現場調査にまで連れて行ってあげられますよ。」

御侍「あはは……そこまでしなくても……冗談だよ……」

マッシュポテト「御侍様、植物への理解が更に深まりました。」

マッシュポテト「こんなにも多くの植物がお酒に使われているなんて、やはり植物の価値は無限大ですね。」

御侍「その角度で見ると、確かに特別だね。」

マッシュポテト「このバーを僕の研究資料に加えておきますね。」

御侍「そう言われると、急に高級バーになった気分だ。」

マッシュポテト「もし可能なら、ここを新たな研究所にする事はできませんか?そうすれば学生たちはより多くの実験に携われるようになると思います。」

御侍「???」

マッシュポテト「良いアイデアですよね、御侍様?」

御侍「どこが?!」

マッシュポテト「そして、御侍様もですー」

マッシュポテト「御侍様、見てください!」

御侍「可愛い苗!私にくれるの……?」

マッシュポテト「近頃浮かない顔をしていたので、わざわざ持ってきました。」

マッシュポテト「先日この苗を見つけた時、もう枯れかけていました……でも今はもう元気になりましたよ。」

マッシュポテト「この子はとても強い子です、今ものすごく成長しています。」

御侍「だけど……どうして私にくれるの?」

マッシュポテト「僕はこの子を見ていると元気になります、御侍様にも元気になって欲しいからです。」

御侍「ありがとう、マッシュポテト……」

マッシュポテト「もう少ししたら、花が咲きます。その時になれば、全ての悩みは消え去っていくでしょう。」

御侍「うん……だけど……水やりとか必要でしょう?」

マッシュポテト「……御待様、それは常識ですよ!」

マッシュポテト「御侍様、機嫌が良くないみたいですね?何か手伝える事はありますか?」

マッシュポテト「それとも、植物園で散歩でもしませんか?可愛い草花を見れば気分は良くなるかもしれません。」

御侍「マッシュポテトありがとう。機嫌は悪くないよ、ただ酒造りの原料が足りなくて……」

マッシュポテト「そうなんですね……御侍様は何をお求めですか?もしかしたら、僕のシードライブラリが役に立つかもしれません。」

御侍「えっ?!本当に良いの?!」

マッシュポテト「勿論です。御侍様のお役に立てるのなら。」

御侍「やったー!ちょっと待ってて!」

御侍「こんなもんかな!これからこの店のお酒は好きに飲んで良いよ!」

マッシュポテト「……」

マッシュポテト「御侍様……この本に書かれた物……全てですか……?」

御侍「そうだよ!もう一冊ある!」

御侍「マッシュポテト?なんで植物を自分の体に植え付けているの……?」

マッシュポテト「すみません、驚かせてしまって……」

御侍「まさか……「エデン」の植物が暴走した?それとも……カプチーノがまたなんかやらかした……?」

マッシュポテト「いえ、違います……」

御侍「ま、まさか……カプチーノミネストローネとばったり会って喧嘩でも始めた――?!」

マッシュポテト「違います……僕自身の問題です……」

マッシュポテト「今日は御侍様の昼休憩の時間に合わせて、早く出掛けたのですが。」

御侍「昼休憩?もうすぐ夕方だけど……」

マッシュポテト「午前中有名な植物学の教授のもとを訪ねまして、教授の家から向かっている最中に……」

御侍「まさか、迷子になったの?」

マッシュポテト「はい、そうです。御侍様、二人には絶対に言わないでくださいね……」

御侍「わかった、わかった、言わないよ。ただ先にどうして迷子になっただけで、そんな姿になったのかだけ先に教えてくれない?」

マッシュポテト「ここが学生のみんなが最近よく通っているバーですか、思っていたより良い場所ですね。」

マッシュポテト「やぁ、御侍様!何か手伝える事はありませんか?」

御侍「学生さんを連れてきてくれると助かるかも。」

マッシュポテト「良い物は、もちろんみんなに広めなければいけませんね。」

マッシュポテト「ただ……何か足りない気がします……」

御侍「足りない?」

マッシュポテト「あっ、わかりましたーー植物です!」

マッシュポテト「小さな観葉植物などを置くべきではないでしょうか?」

マッシュポテト「緑の植物は人を癒やします、もちろんそれ以外の植物もそうです。もしご迷惑でなければ、いくつかお贈りしましょうか?こんなに美味しいお酒を出してくださったお礼として。」

マッシュポテト「御侍様!見てください!」

御侍「わぁ、草花がいっぱい。」

マッシュポテト「綺麗でしょう?「エデン」から選りすぐりの物を持ってきました。」

御侍「綺麗は綺麗だけど、ただ……植物園全部を持ってこようとしてない?」

マッシュポテト「はい?これは「エデン」のほんの一部に過ぎませんよ。」

御侍「ほんの一部と言う意味をちゃんと理解しているのかな……」

マッシュポテト「「エデン」に行ってみたいですか?可愛らしい植物がたくさんありますよ。」

御侍「待って、お酒を飲みに来たんじゃないの?!」

マッシュポテト「はい??植物に囲まれれば、御侍様はもっと楽しく仕事出来ると思いますー」


ポーローパーウ

ポーローパーウ「御侍ーおやつを取って欲しいっすー」

御侍「ダメ、もう今日の分は終わり。」

ポーローパーウ「えぇ……なんで……」

御侍「ポーローパーウ、量をちゃんとコントロールして!」

ポーローパーウ「どれだけ食べても、関係ないっすよ……うちは気にしないっす!」

御侍「食べても大丈夫だとしても……少しは運動しなければ、バーに来てから全然動いてないだろ!」

ポーローパーウ「うっ、そんな事ないっすよ……本を読んでる時は指を動かしてるっす、物を食べてる時は口を動かしてるっすよ!」

御侍「……とにかく今日の分のおやつはおしまい!」

ポーローパーウ「じゃあ……ミルクティーちょうだい、ミルクティーはおやつに入らないっすよね!」

ポーローパーウ「あぁ、どうしてみんな外に出たがるんっすか……」

御侍「外には楽しい物事がたくさんあるからね。」

ポーローパーウタピオカミルクティー先生の本にこのバーが書いてなかったら、絶対出なかったっす……」

ポーローパーウ「確かにここの酒は美味しいっすけど、出かけるのは面倒……」

御侍「考えてご覧?もしかしたらタピオカミルクティーに出会えるかもよ?」

ポーローパーウ「うっ、まじっすか?」

御侍「へへっ、もし先生に会えたんなら、もっと宣伝してもらいたいっすー」

ポーローパーウ「……タピオカミルクティーの本はそういう物じゃないんだけど!」

ポーローパーウ「ここは賑やかだけど、帰りたくなってきた……出掛けるの疲れる……」

御侍「ポーローパーウ?出掛けてるなんて珍しいね!」

ポーローパーウ「うん……御侍っすか……」

御侍「落ち込んでる?楽しくないの?」

ポーローパーウ「ううん、違うっす……ただ少し眠いっす……」

御侍「そう言えば、どうして出掛けてるの?」

ポーローパーウ「はぁ……罰ゲームっす……」

御侍「こう見ると、君のためにそうしたんだろうね。」

ポーローパーウ「違うっす……そうっす!御侍いるなら、家まで送って欲しいっすーもう動けない……」

御侍「ポーローパーウ?まさか自分から出掛けるなんて!」

御侍「でもーーどうしてそんなに本を持ってきてるの?!」

ポーローパーウ「それは、ここにしばらく住むからっすよ。」

御侍「ポーローパーウ?なんか間違えてない?」

ポーローパーウ「気付いたんっす。ここには食べ物も、飲み物もあって、ソファーもある。自分で動かなくても、家にいるより快適だってー」

御侍「でも……」

ポーローパーウ「ダメっすか?もしかして御侍はうちの顔見たくないの……?せっかく出てきたのに……」

御侍「そういう意味じゃないよ……わかった。」

ポーローパーウ「ヘヘッ、絶対許してくれるってわかってたっすーじゃあ御侍、おやつちょうだいー」

御侍「はぁ……何も言えない……」

ポーローパーウ「あぁ、出かけるだけで大変なのに、よくそんなぴょんぴょんはねてられるっすね……」

御侍「適度の運動はリラックス効果があるからね。」

ポーローパーウ「リラックスの一番の方法は、家にこもって寝ておやつを食べることじゃないっすか?」

御侍「どっちも間違ってないけど、自分が落ち着く方を選ぶといいよ。」

ポーローパーウ「じゃあ御侍、もう帰って良い?」

御侍「……ダメだ!せっかく呼び出したのに、無駄になる。」

ポーローパーウ「えぇ……なんで……じゃあ御侍おやつちょうだい、もう動きたくない……」

ポーローパーウ「御侍が呼び出したんだから、責任取って貰わないと困るっす。」

ポーローパーウ「3472秒……3473秒……3474秒……」

御侍「ポーローパーウ、何数えてるの?」

ポーローパーウ「3475秒……御侍っすか……」

ポーローパーウ「出掛ける前に賭けをしたんっす、もし外で1時間以上居れたら、来週のおやつを彼が用意してくれえうんすよー」

御侍「そういう賭けの仕方もあるんだ……」

ポーローパーウ「見てて欲しいっす、もうすぐ勝つからーあれ……どこまで数えた?!」

御侍「3、3475秒……」

ポーローパーウ「ダメ、また頭からっすーうぅーー!」

御侍「……」

御侍「そのまま続けて数えればいいじゃん!」

ポーローパーウ「冷たいーーここは海っすか?」

ポーローパーウ「あれ……大きいアイス……甘くない……」

御侍「?!ポーローパーウどうして氷バケツを抱えてるの?!早く氷を吐き出せ!」

ポーローパーウ「この声は……思い出したっすーへへっ……おやつを買ってくれる人っす!」

御侍「ある意味正解だけど……」

ポーローパーウ「お、お礼をしないとっすね!……光る鳥を取ってあげるっす!へいっー!」

御侍「待って!それはバーの照明だ!鳥なんかじゃないー!」

御侍「ポーローパーウポーローパーウ!」

ポーローパーウ「ん、御侍?どうかしたっすか?」

御侍「もう何回も呼んだよ、またタピオカミルクティーの本を読んでるの?」

御侍「私が知る限り、タピオカミルクティーの本をもう八百回は読んでるでしょ。」

ポーローパーウスノースキン月餅の本も見つけて、読んでみたら面白かったっすー」

御侍「うん?「浮気」するなんて珍しい。」

ポーローパーウ「うぅ……それはタピオカミルクティー先生が新刊を出してないからっす……」

ポーローパーウ「でもまた読めるようになるっぽいっすー」

ポーローパーウ「御侍ー御侍ー早くスノースキン月餅の他の本も買ってきて欲しいっすー」

御侍「ポーローパーウ、もう半日もその花握ってるよ。」

ポーローパーウ「うっ、花占いで今日出かけるかどうか決めようと思ってたっす……」

御侍「ポーローパーウ、まさか出掛ける気があるのか?!」

ポーローパーウ「ここから遠くない場所で、タピオカミルクティーの新刊イベントがあるっす。」

ポーローパーウ「だけど出かけるのがめんどうで……」

御侍「なるほど……でもどうして花びらを取らないの?」

ポーローパーウ「だって、一枚ずつ取るのも、めんどうじゃないっすか……」

御侍「…………」

ポーローパーウ「御侍ーーポテトチップスを取って欲しいっすー」

御侍「ポテトチップスはないよ……」

ポーローパーウ「じゃあ、ゲームをお願いっすー」

御侍「ポーローパーウ、ここは家じゃないよ……」

ポーローパーウ「でも御侍は傍に居るっすよ?あれ?この腰かけ固い、うちのソファーじゃないっす……」

ポーローパーウ「うちの本もない……」

御侍「忘れたの?今はバーにいるよ。」

ポーローパーウ「バー……うっ、タピオカミルクティーの本で見た……」

御侍「本当に何も覚えてないんだな、まあいいか。」


叫化鶏

叫化鶏「ふぅ……ここで酒を飲むのは気持ちがいいな!」

叫化鶏「帰りたくなくなってきたぜ……」

御侍「気に入ったんならいつでもおいで!」

御侍「えっ?叫化鶏どうしたの?鼻がかゆいの?」

叫化鶏「あははっ!いや、御侍の見間違いだ……」

叫化鶏「ただ……前みたいな流浪の日々を思い出してたのさ……あの時は酒を一口飲めるだけで幸せだった……もう過ぎた事だけどな!」

御侍「そうだね。今が良ければいいよ。」

叫化鶏「あぁ!御侍ありがとよ!今日は大満足だ!帰ったらチビ助と竹飯に言わなきゃだな、今度一緒に飲みに来るぜ!」

叫化鶏「竹鼠は酒を飲めるかわからないけど……今度試してみよう!」


叫化鶏「ふぅーーあれ……誰もいない。」

御侍「叫化鶏?ど、どうしてテーブルの下から?!」

叫化鶏「おう!御侍!何か目が回る……」

御侍「気を付けて!」

叫化鶏「平気だぜ!あれーー天津煎餅たちがいない……」

御侍「景安商会の人たち?もうとっくに出てったよ……」

叫化鶏「なんでだ?オラを置いて先に帰ったのか?!」

御侍「えっと……さっきまで君を探してたんだけど、まさかテーブルの下で寝てるとは……」

叫化鶏「オラ……自分で帰るしかねぇな……御侍、また……あっ!いてぇーー!」

御侍「そこはドアじゃなくて窓だよ……」



塩辛い豆花

塩辛い豆花「あーここの音楽はつまんねー、オレのロックに変えちまおうぜ!」

塩辛い豆花「無限の力が湧いてくるぜ。」

御侍「だけど……ロックは他のお客さんの迷惑になるかも。」

塩辛い豆花「チッ、それもそうだ。てめぇ以外、ここにいる誰もオレのロックを楽しむ権利はねぇ。」

塩辛い豆花「それじゃあ、二人だけでこの素敵な音楽を楽しもうぜ。」

塩辛い豆花「どうした、こっち来いよ、ヒヒヒ。」

御侍「……」

塩辛い豆花「もう少し近づけ、こんな風にな……そうだ、それでこそオレの玩具だ、ヒヒヒ。」

塩辛い豆花「こっち来い、聴かせねぇもんがあるんだ。」

御侍「うっ!ヘッドフォンの音大きすぎる……!」

塩辛い豆花「シーッ、喋るな。」

塩辛い豆花「何か感じねぇか?」

御侍「この曲……なんだか懐かしい……君がいつも聴いてる物と違うね?」

御侍「でもなんか声に聴き覚えが……」

塩辛い豆花「ふふふ、これは流浪者から貰ってきた奴だ。」

御侍「その流浪者って……まさか緑の長い髪に長い服を着た毎日ニコニコしている人?!」

塩辛い豆花「多分そうだけど、そんなのどうでも良いー」

御侍「……どうやってビールと知り合ったんだ?!」

塩辛い豆花「……ビールって誰だ?」

塩辛い豆花「素敵な夜だな、今日はオレの事を想ってくれた?ふふ。」

御侍「甘い豆花?さっき麻辣ザリガニと一緒に帰ったんじゃ?」

御侍「あっ、まさかさっきのは……」

塩辛い豆花「まさか兄さんとオレを間違えるなんてな、あぁ、残念だ。」

塩辛い豆花「じゃあ、どうお仕置きしたらいいんだ?ヒヒヒ。」

御侍「ごめんなさい……わざとじゃなかった。」

塩辛い豆花「ふふふ、可愛いな。お仕置きできる訳ねぇだろ、そんな事出来ねぇ。」

御侍「……」

塩辛い豆花「だが、何か目印を残さねぇとな……」

塩辛い豆花「そうすればーー次はもう間違えねぇな、ヒヒヒ。」

塩辛い豆花「これはてめぇのために作った酒だ……ちゃんと全部飲めよ。」

御侍「美味しい……」

塩辛い豆花「兄さんも……同じの作ってやっただろ。」

御侍「……」

塩辛い豆花「どうしてわかったって?ふふふ、全部見てたから――兄さんはいつもそう。兄さんのとオレの……どっちが好き?」

御侍「私は……」

塩辛い豆花「わかった、答えなくてもいい。」

御侍「まだ何も言ってないのに……」

塩辛い豆花「ヘッドフォンをつけてても、てめぇの足音が聴こえてくるぜ。」

塩辛い豆花「チクタク、チクタク……おもちゃみてぇだ、だろ?」

御侍「……邪魔したかな?」

塩辛い豆花「ふふふ、そんな事ねぇよ。この素敵な旋律はこの時のために生まれたんだ。」

塩辛い豆花「どうだ、てめぇと一緒にこれを分け合おうと思ってる。」

御侍「……」

塩辛い豆花「あっ?どうしてそんなに遠くに立ってんだ、聴こえねぇだろ。」

塩辛い豆花「どうした、オレと一緒に聴くのはいやか?」

御侍「私は……」

塩辛い豆花「わかった、オレから近づいて欲しいんだなーーヒヒヒ、恥ずかしがんな。」

塩辛い豆花「ふぅ……兄さん……」

塩辛い豆花「兄さんはここにいる……ふぅ……」

御侍「甘い豆花の事?」

塩辛い豆花「違う……兄さんがいたから来た訳じゃねぇ……」

塩辛い豆花「兄さんがどうなろうと……オレと関係ねぇ……ふぅ……」

御侍「はぁ……」

塩辛い豆花「ふぅ……無理やり来させた……兄さんに……オレを見せるため……」

塩辛い豆花「こうすれば……兄さんは……オレを忘れない……ふぅ……ふぅ……」

御侍「ふぅ……やっと戸締まりが出来る。」

塩辛い豆花「おい、まだ客はいるぜ。」

御侍「塩辛い豆花、まだいたんだ……。」

塩辛い豆花「オレに気付いてなかったのか?ずっとここに座ってたぜ。」

御侍「私は……」

塩辛い豆花「悲しい……」

塩辛い豆花「だけど……今はオレとてめぇしかいねぇ、ヒヒヒ。」

塩辛い豆花「オレを元気づけてぇなら……何か……オレを楽しませるような事をしろ。」

御侍「???」

塩辛い豆花「可愛い玩具、こんな所にいたのか。」

御侍「……どうしたの?」

塩辛い豆花「ふふふ、一日会えてなかったから。」

塩辛い豆花「オレの事考えてくれた?」

御侍「酒の匂い……」

塩辛い豆花「シーッ、大人しくしろ、声出すな、兄さんに見つかる。」

御侍「……」

塩辛い豆花「もしかして、兄さんと一緒にいたいのか?オレの方が――お前を喜ばせられる――。」

御侍「塩辛い豆花、酔ってるよ……」

塩辛い豆花「酔ってねぇ、音楽はまだ止まってねぇ……」

御侍「塩辛い豆花、なんだか嬉しそうだな。」

塩辛い豆花「ふふふ、今日は兄さんが居ねぇからーー」

塩辛い豆花「てめぇに会いに来た。」

御侍「……」

塩辛い豆花「そのリアクション、オレに会いたくなかったのか?」

塩辛い豆花「大丈夫だ、怒んねぇよ。」

塩辛い豆花「それならオレの事を見ててもらおうか、ずっとーーオレの事を好きになるまで。」

塩辛い豆花「ふふふ、オレと一杯飲むか?」

塩辛い豆花「今日は兄さん居ねぇから、今はオレら二人だけの時間だ。」

御侍「だけど、もう遅いよ。」

塩辛い豆花「夜こそ一日の中で一番楽しみの時間じゃねぇか、ヒヒヒ。」

塩辛い豆花「音楽がありゃもっと良かったぜ。」

御侍「……そろそろ帰らないと、お兄さんが心配するんじゃ?」

塩辛い豆花「ふふふ、兄さんはそんな事しねぇよ。」


M食霊ストーリー

たこ焼き

たこ焼き「御侍はん!こんなとこでボーっとしてたんや!」

御侍「たこ焼きまだ半日しか来てないのに、仕事全部代わりにやってくれたから……」

御侍「お客さんもいないし、ここでボーっとするしか……」

たこ焼き「御侍はんのためにやってるんやから。」

たこ焼き「もう、お客はんがおらんくても、今は営業時間中やで、手を抜いたらあかん。」

御侍「へへっ……たこ焼きは優しいな。」

御侍「たこ焼きがいてくれれば、なんも心配いらないな。」

たこ焼き「フンッ……御侍はんがサボる口実が欲しいだけや。今回だけやからな……今回だけや!」

たこ焼き「御侍はん、早くウチが作ったお酒を飲んでみてくれへんか!」

たこ焼き「味悪くないやろー」

御侍「美味しい!爽やかで特別な味がする!」

たこ焼き「ほらな、たこ焼きを作る以外にも、ウチに料理の才能はあるんやで。」

御侍「これを売り出せば、きっと大人気になるよ!」

御侍「じゃあ……これを次の新しい目玉にしようか!たこ焼きはどう思……」

たこ焼き「御侍はんはほんまに……!」

御侍「私、また何か間違えた……?」

たこ焼き「これは売りもんとちゃう!これは、これは……」

たこ焼き「御侍はんのために特製した唯一無二のお酒や!」

御侍「たこ焼き……ご、ごめん……わざとじゃないよ……」

たこ焼き「フンッ……残りは全部飲まんと許さへん。」

たこ焼き「御侍はん、ここにある酒全部飲んだるで!」

御侍「たこ焼き……どうした……」

たこ焼きお好み焼きの奴が、ウチは酒が飲めへんってからかってきたんや!フンッ、証明してやる!」

御侍「だけどこの量、明日になっても飲み切れないでしょ。」

たこ焼き「ほ、ほないっちゃん強いお酒を出してくれへんか!」

御侍「うん、言っておくけど自分で言い出した事だからね。」

たこ焼き「ゴホッゴホッーー!辛っ!苦っ!ゴホッゴホッ!」

たこ焼き「うううーー水ーー水が欲しいーー」

御侍「……ちょっとは落ち着いた?実は一番強い酒じゃないんだ。」

たこ焼き「ゴホッ、よくなったで……ゴホッ……」

たこ焼き「ほんま……どないしてお好み焼きの奴の言う事を気にしたんや……ゴホッ……」

御侍「ぷはっ!わかればいいよ。」

御侍「たこ焼き……それって……たこ焼きの中にお酒を入れてるの?!」

御侍「だからこんなに酒を頼んでたのか!」

たこ焼き「御侍はん声が大きいねん、これは企業秘密なんやで。」

御侍「……もしかして、酒入りたこ焼きの開発を進めてるの?!」

たこ焼き「シーッ!まだ出来てないんやから、企業秘密を叫んだらあかん!」

御侍「……流石……天才……」

たこ焼き「そない褒めてもなんも出せへんよーあとちょっとで歓声やー!」

たこ焼き「見てみ!御侍はん、ウチの特製たこ焼きの完成や!」

たこ焼き「先に清酒味にするか?それともワインがええか?あと焼酎味もあるで!」

たこ焼き「お……あれ?御侍はんどこに行ったんや?」

たこ焼き「フンッ……ええわ!あのアホに何かして欲しい訳ではないねん……」

たこ焼き「アホ……アホ……ドアホー!」

御侍「た、たこ焼き……どうしたの…」

たこ焼き流しそうめんのドアホー!」

御侍「一旦落ち着こう……流しそうめんは悪いかもしれないけど……テーブルに罪はないから……」

たこ焼き「フンッ、もうその名前聞きたないねん!」

御侍「流しそうめんが聞いたら傷付くよ。」

御侍「で、流しそうめんは何して怒らせたの?」

たこ焼き「あのアホはいつも無理しかしてへん、重い怪我を負ったのに、他の人を守ろうとしたんや……」

たこ焼き「そんな状態で堕神を倒せると思ったんか、アホ……!」

たこ焼き「たまたまりんご飴ラムネに気付かれへんかったら、野垂れ死んどったわ……しかも黙ってようとしたなんて……ドアホ……!」

御侍「流しそうめんもわざとじゃないと思うよ。ただ心配を掛けさせたくなかったから。彼はちゃんとしてる人だと思う。」

たこ焼き「心配してへんわ、たこ焼きでツケられた分まだ返してもろてないねん。」

御侍「流しそうめんがわざとじゃないってわかってるから、怒ってるんでしょ。」

たこ焼き「そんな事あらへん……」

御侍「実は、流しそうめんに話は聞いてたよ、たこ焼きの気持ちは代わりに伝えておくね。」

たこ焼き「……御、侍、はん!」

たこ焼き「御侍はん、桜の島の桜もうすぐ咲くらしいなぁ、一緒にお花見に行かへん?」

御侍「えっ……こういう時はあいつを呼ばないと……」

たこ焼き「あんな脳天気な奴と一緒に行きたないわ!」

御侍「ゴホッ、まだ誰の事かは言ってないけど。」

たこ焼き「……御侍はん!」

御侍「わかったよ、冗談はもうやめる。桜は今後何回でも見れるけど、人は……一人しかいないよ。」

たこ焼き「ほんなら……お、御侍はんも一人しかおらん……」

御侍「それは光栄だなー誰かさんと違って、このチャンスを掴まないと!」

たこ焼き「……ウチもこのチャンスを逃さへん!」

たこ焼き「御侍はん!常連のウチに何かサービスとかしてくれへんの?」

御侍「ウッ、じゃあ一週間飲み放題とか?」

たこ焼き「そのサービスも悪くないんやけど……そういう事ではないねん……」

御侍「じゃあお酒を一ケース無料であげるとか?」

たこ焼き「……」

御侍「わかった!じゃあこれは?バーのメンバーズカード、一年間全てのドリンク一律で三割引きで!」

たこ焼き「……御侍はんのアホ!」

御侍「わかってるよ、たこ焼きが一番だよーさっきのは冗談だって。」

御侍「なでなで、もう怒らないで。」

御侍「あれ……たこ焼きは顔が赤くても可愛いなー」

たこ焼き「……あんさん!あんさんのドアホ!」

たこ焼き「御侍はん、今後はあんさんの所に住む!」

御侍「えっ?何があったの?」

たこ焼き「御侍はんの店は商売繁盛しとるから、ウチの手伝いを必要になるやろ!」

御侍「店で何かあったの?自分の店から勝手に出ちゃうのはよくないよ。」

たこ焼き「店やない……しばらくあいつに会いたくないだけや。」

御侍「あいつ?もしかして、流しそうめん?」

たこ焼き「ちゃ、ちゃうで!お、お好み焼きの事や!あいついっつもウチに新しいネイルを自慢しにくるんや……」

御侍「そーなんだーで、流しそうめんは何したの?」

たこ焼き「御侍はん……!フンッ、あのドアホ……他人にだけプレゼントを送ったんや……」

御侍「うっ……よもぎ団子の詰め合わせの事……?」

たこ焼き「御侍はんにもあげたん?やっぱりウチの考えすぎやったんやな……」

御侍「そのプレゼントがどうしたの?流しそうめんは光耀大陸のお土産だって言ってたけど……君にはあげなかったの?」

たこ焼き「うっ、よもぎ団子ぐらい……どうって事ないねん……」

たこ焼き「あのアホ……何人にあげたんや……」

御侍「たこ焼き何をぶつぶつ言ってるんだ?まぁ……言いたい事はわかるけど。」

御侍「流しそうめんはそういう人でしょ?彼は広い心を持ってる。」

御侍「多くの人にこのプレゼントを贈っているけど、それは彼の気持ちでもある、彼はその気持ちをみんなと分け合いたかったんだよ。」

たこ焼き「お、御侍はんの言いたい事は……わかってるんやけど!ただ……」

たこ焼き(ウチにだけくれたのかと思うた……)


おでん

おでん「一生懸命働く御侍さまを見てっと、安心する。」

御侍「自分がやるべき事をやっただけだよ……」

おでん「その情熱がある限り、御侍様はもっとうまく出来るはずだ。」

御侍「情熱を保ち続けるのは……大変な事だよね……」

おでん「このバーを経営する目的はなんでいっ?」

御侍「それは……来てくれたお客さんに満足してもらって、喜んでもらうため。」

おでん「それがお前さんの情熱ってもんだ。あたしだけじゃねぇ、みんなもよーくわかってらぁ。」

おでん「しかも、御侍様は今まで失望させた事はねぇだろ、今後もだ。」

御侍「わかった、ありがおうおでん!」

御侍「だけど……そうしてそんなに肯定してくれるの?」

おでん「それは……お前さんが御侍様だからでいっ。」

おでん「御侍様の商売が繁盛すんなら、あたしも心から嬉しい。」

御侍「へへっ……色んな人が手伝ってくれるけど!おでんが教えてくれた技が役に立ってる。」

おでん「どうって事ねぇさ、御侍様の役に立ってんならそれで良い。」

御侍「特に『お喋り』をするってのが良かった!」

おでん「すまねぇ、どういう意味だ?」

御侍「あっ、つまり『世間話』、いつも言ってるじゃん、お客さんの声を聞いて、話をしないとつて。」

御侍「この方法で、お客さんにより多く酒を買ってもらう事に成功してる!流石良い方法だ!」

おでん「……」

おでん「何か……誤解してるように感じるが……」

御侍「うん?何か問題でも?」

御侍「おでん、良い知らせがある!昨日残していってくれたおでんは売り切れたよ!」

御侍「しかも限定の奴が大人気で!一個も残らなかった!」

おでん「御侍様……それはお前さんに残したもんでいっ、売ってしまったのかい!?」

御侍「えっ、えっ?!私にくれたの?!」

御侍「ご、ごめん……あまりにも数が多くて…売り物だと思っちゃった……勝手な事して申し訳ない……」

おでん「謝る必要はねぇさ、あげた物は自由に処理して構わねぇ。」

おでん「あたしにも否はある、声かけずに帰ったからなぁ。しかし、御侍様も頭が良い、役に立てて良かった。」

御侍「ふぅ……怒ってなくて良かった……今思えば、あんなに美味しいおでんを食べてないなんて……残念……!」

おでん「ははっ、御侍様は何かお忘れで?欲しければ、いくらでもーー」

おでん「ーー供給してやらぁ。」

おでん「暖かくなってきた、清酒が飲みたくなるなぁ。」

御侍「春とお酒、心地よい響きだね。」

おでん「楽しそうに笑ってるなぁ、御侍様は春が好きかい?」

御侍「四季は全部好きだ、ただどうしてか……今の私は春の訪れを心待ちにしている。」

おでん「それは、雪風に埋まってない物が、春に復活するから。」

おでん「だから、春は希望と期待をもたらすんでいっ。」

御侍「その通りだ……春は良いものをもたらしてくれると信じてる。」

おでん「だから、御侍さまが気にかけてる、悩んでるこたぁ、全部良くなる。」

おでん「御侍様、何か悩んでるようだなぁ、言ってご覧?」

御侍「はぁ…最近売り上げが落ちてて…客足も減った…」

御侍「もしかして皆はもう私のお酒は飲みたくないのかな…」

おでん「御侍様は自分を否定しないでやって、あたしから見りゃ、十分出来てらぁ」

おでん「もしかすると…春がやって来たから、忙しくなって、客足が減っただけかもねぇ」

御侍「一理ある」

おでん「全ては順風満帆にはならねぇ、起伏があるもんだ。御侍様も気にしすぎっと、身体に障る」

御侍「お客さんを呼ぶ方法を思いついた…言って良いかわからないけど…」

おでん「何か良い案が浮かんだのかい、あたしを信用してくれんなら、言ってご覧」

御侍「実は…前売ったおでんが…反響がよくて…もし可能なら…」

おでん「…わかった。」

御侍「うん…じゃあ…折半で!どうかな!」

おでん「それは大した事じゃねぇ、お前さんのためならどうって事ねぇさ」

おでん「御侍様、今日は何か悩みがあるんかい、思いっきり言ってご覧なせぇ。」

御侍「悩みはないけど、気持ちは貰っとくよー」

おでん「そりゃあ良かった、何にも束縛されねぇで好きな事をすんのは幸せなこった。」

御侍「それは……お客さんが良い人ばかりだから、勿論君もね。」

おでん「そりゃあ、御侍様の人があったけぇからでいっ、だからこのバーに来た客はみな嬉しくなるんでい。」

御侍「へへっ……そう言われると、もう少し頑張らなきゃだな!」

おでん「自分を縛り付けんのもよくねぇ、あたしからすりゃ、お前さんはもうよく出来てらぁ。」

御侍「励ましてくれてありがとう!もっと美味しいお酒を作るよ!」

おでん「遠慮すんな、今後もなんか悩み事がありゃ、なんでも言ってご覧。」

おでん「御侍様、何か手伝える事はねぇか?」

御侍「大丈夫だよ、だけど……もう遅いのにまだ帰らないの?」

おでん「あぁ……御侍様のせいだ……」

御侍「???」

おでん「御侍様のバーには不思議な魔力があらぁ、時間を忘れさせる。」

おでん「特に御侍様がいる時。」

御侍「ゴホンッ……気に入ったんなら良かった……」

おでん「桜の島の桜は満開になってらぁ、御侍様、一緒に花見でもするか?」

おでん「お酒と食べ物を用意する、一緒に桜の木の下で頂こう。」

御侍「いいね、ワクワクする!」

おでん「春の新酒は、寒さを凌いだから、新鮮であっさりとして、御侍様はきっと気に入る。」

御侍「なるほど……お酒を作るのも簡単じゃないな。」

御侍「だけど……花見をしながらお酒を飲んだら……花びらが杯に入ってしまわない?」

おでん「御侍様の質問は可愛らしいなぁ。」

おでん「その花びらは、春からの小さな贈り物ってこったぁ。」

おでん「御侍様、お疲れさん、少しやすめぇ。」

御侍「ふぅ……ありがとうおでん、こんなに食べ物を用意してくれたんだ。」

おでん「あたしのやるべき事さ、御侍様に温もりを与えられたらいいが。」

御侍「わー!こんなに美味しいおでん久しぶりに食べた!」

おでん「御侍様が気に入ったんなら、いつでも持ってくるさ。」

御侍「幸せー!」

おでん「どうだ、ここに出店を出すのは。」

御侍「流石に迷惑じゃ……」

おでん「あたしがお前さんの商売の邪魔になると思ってるのかい?」

御侍「そういう意味じゃないよ!」

おでん「ははっ、冗談だよ。お前さん専用のおでんを作ってやらぁ。」



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  • 最終投稿日時 2022/01/03 23:26
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    2022/01/03 23:26 ID:d2e3za41

    たこ焼き2/2


    御侍「うっ……よもぎ団子の詰め合わせの事……?」

    たこ焼き「御侍はんにもあげたん?やっぱりウチの考えすぎやったんやな……」

    御侍「そのプレゼントがどうしたの?流しそうめんは光耀大陸のお土産だって言ってたけど……君にはあげなかったの?」

    たこ焼き「うっ、よもぎ団子ぐらい……どうって事ないねん……」

    たこ焼き「あのアホ……何人にあげたんや……」

    御侍「たこ焼き何をぶつぶつ言ってるんだ?まぁ……言いたい事はわかるけど。」

    御侍「流しそうめんはそういう人でしょ?彼は広い心を持ってる。」

    御侍「多くの人にこのプレゼントを贈っているけど、それは彼の気持ちでもある、彼はその気持ちをみんなと分け合いたかったんだよ。」

    たこ焼き「お、御侍はんの言いたい事は……わかってるんやけど!ただ……」

    たこ焼き「(ウチだけにくれたのかと思うた……)」

    • ななしの投稿者
    77
    2022/01/03 23:18 ID:d2e3za41

    たこ焼き1/2


    たこ焼き「御侍はん、今後はあんさんの所に住む!」

    御侍「えっ?何があったの?」

    たこ焼き「御侍はんの店は商売繁盛しとるから、ウチの手伝いを必要になるやろ!」

    御侍「店で何かあったの?自分の店から勝手に出ちゃうのはよくないよ。」

    たこ焼き「店やない……しばらくあいつに会いたくないだけや。」

    御侍「あいつ?もしかして、流しそうめん?」

    たこ焼き「ちゃ、ちゃうで!お、お好み焼きの事や!あいついっつもウチに新しいネイルを自慢しにくるんや……」

    御侍「そーなんだーで、流しそうめんは何したの?」

    たこ焼き「御侍はん…!フンッ、あのドアホ……他人にだけプレゼントを送ったんや……」

    • 黒豆@管理人
    76
    2020/09/14 22:27 ID:it1ryrvm

    情報ありがとうございます!↓まで反映しました。

    • ななしの投稿者
    75
    2020/09/13 21:24 ID:f9utui4q

    ブラッディー・マリー「御侍様、僕が用意したプレゼントを見て、もう待ちきれないでしょう?」

    御侍「また何か入れてないよね……」

    ブラッディー・マリー「そういう目で見ないで、普通のブラッディマリーだ。」

    御侍「……」

    ブラッディー・マリー「御侍様、恥をかかせないで欲しい……」

    御侍「じゃあ信じよう……うっ……」

    ブラッディー・マリー「どうだ、味は悪くないだろう?」

    御侍「うん、味は良いけど……」

    ブラッディー・マリー「僕の独自の配合を加えたからね——何かって——それは秘密。」

    御侍「???」

    • ななしの投稿者
    74
    2020/08/25 21:41 ID:f9utui4q

    ロンフォンフイ2/2

    ロンフォンフイ「御侍、怒らねぇでくれ!」

    御侍「怒ったりしないよ、今日の酒を私の奢りだ!」

    ロンフォンフイ「ははははっ!だよな!今度またこういう事があったら、またタダ酒が飲めるな!」

    御侍「?」

    • ななしの投稿者
    73
    2020/08/25 21:40 ID:f9utui4q

    ロンフォンフイ1/2


    ロンフォンフイ「御侍!バーにいたチンピラ供を追い出してやった!」

    ロンフォンフイ「次また同じ事があったら、直接俺に言いな!」

    御侍「ありがとう、ロンフォンフイ。君が居て助かったよ、そうじゃないとお客さんが逃げちゃってた。」

    ロンフォンフイ「あはははっ!安心しろ、もう二度と来る事ねぇよ!」

    御侍「うん……まぁ、テーブル二つとイス四つを壊したけど……まぁ……」

    • 黒豆@副管理人
    72
    2020/08/25 10:45 ID:nrmzb2ck

    ↓ここまで反映しました。

    • 黒豆@副管理人
    71
    2020/08/25 10:24 ID:nrmzb2ck

    いつも情報提供ありがとうございます。

    ページの文字数オーバーで編集が出来ないので、反映は少々お時間ください。なんとかします。

    • ななしの投稿者
    70
    2020/08/24 22:17 ID:f9utui4q

    ブラッディ・マリー2/2


    ブラッディー・マリー「見て、無情にも夜の帳が下される、温もりを渇望したりしないの?」

    御侍「私……」

    ブラッディー・マリー「今の僕は冷気に囲まれ、御侍様にしか救えない。」

    御侍「えっと……氷バケツの傍で話さなければいいかなと……そこは確かにちょっと寒い……」

    ブラッディー・マリー「……」

    • ななしの投稿者
    69
    2020/08/24 22:17 ID:f9utui4q

    ブラッディ・マリー1/2


    ブラッディー・マリー「御侍様が本当に試したいのなら、次は作ってあげる。」

    御侍「……結構だ!飲みたくない!」

    ブラッディー・マリー「あら、僕の可愛くて温かい御侍様じゃないか。」

    ブラッディー・マリー「僕が居ない間、つまんなかったんじゃない?」

    御侍「昨日来たばかりじゃ……」

    ブラッディー・マリー「だけど、君がいない毎分毎秒は、僕は冷たく感じた。」

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ゲーム情報
タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
対応OS
    • iOS
    • リリース日:2018/10/11
    • Android
    • リリース日:2018/10/11
カテゴリ
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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