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Honor of Kings@人物百科事典

【HoK Wiki】ヒーローデータ:金蝉(-)

最終更新日時 :
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作成者: 上官激推しbot
最終更新者: 上官激推しbot

【掲載日:2026年1月22日(木)】
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Honor of Kingsに登場する金蝉(-)についてのデータを載せています。

ヒーローデータ


金蝉(-)

入手方法

ステラ×
バウチャー×
その他

プロフィール

種族身長
人類180cm
系統本拠地
魔法長安城
所属身分
長安西へ旅する修行者
好きなもの嫌いなもの
--
特技日本語CV
-(未実装)
ストーリー
前世、彼は生まれながらにして慈悲深き聖職の修行者であった。魔族の苦しみに深く心を痛め、ついには自ら神格を棄てて聖天坊(せいてんぼう)を離れた。「真理」を求める旅の途上、彼は孫悟空猪八戒らと共に幾多の苦難を分かち合い、やがて深き善縁を結ぶ。そしてついには、衆生を救うために自らを犠牲にし、命を賭して滅びゆく世界を救ったのである。今生──聖職が輪廻し、再び人として生まれた金蝉は、幼くしてすでに人生の無常と艱難を味わった。それでもなお、彼は衆生の苦を思い、歩みを止めることなく「真理」を探し求め続けた。やがてある夜、記憶の夢が彼を導く。彼は迷いを捨て、揺るがぬ決意を胸に未知なる西方の旅路へと、静かにその一歩を踏み出した。
※グローバルサーバーでは「猪八戒(チョハッカイ)」が「アタ」として実装されている関係上、一部ヒーローのバックストーリーや相関図などに齟齬が生じている場合がある。本Wikiでは、中国サーバーの情報を基に、独自の解釈を加えた上で掲載しているため、その点にご留意いただきたい。

バックストーリー(翻訳済み)

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簡略バージョン
前世、彼は生まれながらにして慈悲深き聖職の修行者であった。
魔族の苦しみに深く心を痛め、ついには自ら神格を棄てて聖天坊を離れた。
「真理」を求める旅の途上、彼は孫悟空猪八戒らと共に幾多の苦難を分かち合い、やがて深き善縁を結ぶ。
そしてついには、衆生を救うために自らを犠牲にし、命を賭して滅びゆく世界を救ったのである。

今生──聖職が輪廻し、再び人として生まれた金蝉は、幼くしてすでに人生の無常と艱難を味わった。
それでもなお、彼は衆生の苦を思い、歩みを止めることなく「真理」を探し求め続けた。
やがてある夜、記憶の夢が彼を導く。
彼は迷いを捨て、揺るがぬ決意を胸に未知なる西方の旅路へと、静かにその一歩を踏み出した。
※グローバルサーバーでは「猪八戒(チョハッカイ)」が「アタ」として実装されている関係上、一部ヒーローのバックストーリーや相関図などに齟齬が生じている場合がある。本Wikiでは、中国サーバーの情報を基に、独自の解釈を加えた上で掲載しているため、その点にご留意いただきたい。
詳細バージョン①


太古の昔、金蝉は聖職者のひとりであった。
彼は生まれつき慈悲と善良の心を持ち、一草一木すらも尊び愛した。
後に権力と力を追い求めるようになった多くの聖職者とは異なり、彼はただ「真理」の修行に身を捧げ続け、ついには聖職者の中で最も若き「修行者」として認められた。
そして、女媧から修行者に与えられる最高の伝承──「三種の神器」を授かったのである。

神々の欲望がもたらす苦しみ、そして魔族の運命に刻まれた悲哀を目の当たりにした金蝉は、その双方に同じ痛みを感じ取っていた。
彼は深く思い悩み、己の修行を通じてすべての衆生が苦海から脱する道を見出そうと望んだ。
それこそが「生命の真諦」であると信じ、日々、得た悟りを「神紋」として身に刻み、心身をもって参悟し続けた。

しかし──いかに修行を重ねても、魔族の運命を己ひとりの力では変えられぬ現実に、金蝉は深く苦悩する。
彼は自らを責め、神格を自ら降し、ただひとり聖天坊を離れ、俗世の地へと下った。
そこでもなお「真諦」を求め、孫悟空猪八戒らと共に多くの苦難を乗り越え、深き善縁を結ぶこととなる。
そして最後には、神々と魔族の戦いの果てに衆生を救うため、自らの身を捧げて命を落とした。
それが、彼の前世の物語である。



幾千年の時が流れ、英雄の時代が訪れる。
金蝉の神識は輪廻を経て新たな生を受けた。
今生、彼はかつて栄華を誇った名門の家に生まれ落ちる。
その額には、聖職の修行者にのみ宿る金色の印が輝いていた。

しかし、幼少のころ名門の家は突如として没落し、両親を失った少年は身寄りをなくして河洛(からく)の辺境にある朽ちた寺院へと流れ着いた。
幼い身で人生の無常と艱難を味わい、さらに時折よみがえる前世の記憶と悟りが重なり、金蝉は幼くして常人離れした聡明さと天賦の才を示した。

やがて、天の時は移り変わり、絶え間ない災厄が世を覆った。
衆生は苦しみの中にあり、金蝉は懸命に人々を助けたが、すべてを救うことは叶わなかった。
彼は深い悲嘆に沈み、苦悩する衆生を救う術を求め、荒れた寺の小閣楼に籠っては書巻をひもとき、そこに啓示を探した。
しかし、いかに読み漁っても答えは見つからなかった。

彼はやがて河洛から長安へと渡り歩き、数多の蔵書の地を訪ね、太古の典籍をすべて読み尽くしたが、なおも「真理」は掴めなかった。



そのとき──夢の中で、前世の記憶のかけらが結晶となって彼を導いた。
希望の光がひらめいたその瞬間、彼はすべての困難を乗り越え、西への旅路に踏み出す決意を固めた。

長安の繁栄と栄華を後にし、宝が溢れる市を抜け、黄砂の果て──「雲中(うんちゅう)」の廃墟へと向かう。
かつて大明宮(たいめいきゅう)の外で七日七夜、揺るがぬ心で女帝・武則天を待った日々。
そして大砂漠にて東西に別れた達磨との邂逅。
さらには、戦を和に変えて悟りを得た蘭陵王との出会い……。

今度こそ、彼は世の者たちを苦海から救う「真諦」を見つけることができるのだろうか──。


※グローバルサーバーでは「猪八戒(チョハッカイ)」が「アタ」として実装されている関係上、一部ヒーローのバックストーリーや相関図などに齟齬が生じている場合がある。本Wikiでは、中国サーバーの情報を基に、独自の解釈を加えた上で掲載しているため、その点にご留意いただきたい。
詳細バージョン②「石段を登る道」
二月。冷たい雨が孤寺の山林にしとしとと降り注ぎ、あたりには薄い霧が立ちこめていた。
古びた石段に雨粒が弾け、緑の苔が春の雨に潤いながら、石と石の隙間から競うように中央へと広がっていく。

崩れかけた寺の門前で、金蝉は前方の石段を静かに見つめ、しばし足を止めた。
草が生い茂る石段は高低差をつけながら山の麓へと続き、その数は九つの九九八十一段。

金蝉の脳裏に蘇るのは、何年も前のこと──同じように春先の冷たい雨が降る朝、刺すような風が幼き頬を切り裂くように吹きつけていた。
薄衣一枚の孤児が川辺をさまよい、せせらぎの中に浮かぶ一つの石を見つめていた。行くあてもなく、ただじっと立ち尽くしていた。

かつて彼の一族は栄華を誇る名門であった。
遠い先祖も曾祖父も国の要職にあり、祖父も高官の位に就き、父は長安で重職を務めていた。
生まれたばかりの彼の額には光を宿す特異な印があり、人々は皆「神童の再来」と囁いた。
聡明な彼は、母がいつも語っていた夢を覚えている──夢の中で、白衣をまとった若き息子が、美しい白馬にまたがり、西の方へ駆けていく姿を。
だが、その夢は五歳の春を境に二度と語られることはなかった。母は病に倒れ、十歳になると父もまた病に侵され、母を想う心を胸にこの世を去った。

相次ぐ不幸により、長安の賑わいに満ちていた屋敷は人影を失い、仕えていた家人たちも散り散りとなった。
少年は忠義深い老執事に連れられ河洛の辺境へと落ち延びたが、やがてその老執事も世を去る。
元宵節を過ぎて間もなく、預けられていた家からも追い出された。
六人もの子を抱えたその家が、動乱の河洛で貧窮に喘ぐ中で彼を養うことができなくなったのだ。

雨の川辺で、十歳の孤児は膝を抱え、冷たい雨の中でじっと何かを考えていた。
その時、一人の老僧が古びた傘を差して現れた。

「子よ、寒くはないのか? なぜこんな所で独り立ち尽くしておる?」
「……考えごとをしていました」
「何を考えておるのだね?」
「木の葉は川に落ちると流れに従って遠くへ流され、二度と戻らないのに、なぜあの石はあの場所から動かないのか……。それが不思議で」
「小さな身でそんなことを思うとは……。ところで、お前の家族は?」
「もう……いません」
少年は澄んだ瞳を上げ、静かに答えた。
「そうか。ならば、このわしと共に来るか? 山上の庵は貧しくとも、壁と屋根はあり、粥の一椀くらいはある」
「……はい」
「日を重ねれば、きっと落葉と磐石の違いの答えも見つかるだろう」
「分かりました」

二人は長い時間を歩き、ようやく孤山の麓に辿り着いた。
その時、少年は初めてこの九九八十一段の石段を見た。
それは古び、崩れ、苔むしながらも、山の奥深くへと蜿蜒と続いていた。

雨に濡れた石段は滑りやすく、幼い少年は転びながらも、一段ずつ必死に登った。
小さな体は急勾配の箇所では手と足を使い、這うように進む。
老僧は語った──この長い石段の各九九八十一段目には一つの石があり、そこには善男善女の願いが刻まれているのだと。
ある者は平安を、ある者は富貴を、ある者は名声を、ある者は子孫繁栄を。
だが、その願いを記した者たちは、もうこの世にいないかもしれない。
時の流れに磨かれた石には、今もなおその文字が刻まれているが、青苔が覆い隠している──まるで、長年の祈りを封じるように。

そして石段の果て、細雨に煙る密林の中に、二人の目的地があった。
それはすでに朽ち果て、香煙も絶えた小さな寺──この世に忘れられた孤寺である。

この孤児は、早くも人生の無常を悟り、人並み外れた才を示した。
老僧はそれを見て、「縁と慧根を持つ者」と感じた。

庭の木々は一夜にして芽吹き、緑に満ちた。
夏の日差しの下、老僧は少年の髪を剃り落とした。
額の金印はいっそう鮮やかに輝き、少年は静かで従順、年齢に似つかわしくない落ち着きを見せていた。
まるでその印のように、永遠に変わらぬ静謐を宿していた。
「これからは、わしを師匠と呼ぶがよい」
老僧は優しく微笑んだ。
「……師匠……弟子……」
少年はその言葉を口にし、どこか懐かしい響きを感じた。
それは夢の中で何度も耳にした声だった。
夢の中には、毛むくじゃらの猿の頭、九尺の鉄の熊手……そして、白衣をまとい白馬に乗って西へ進む、自らの姿があった。



「さて、お前の法号を決めねばな」
老僧がそう言ったとき、外では蝉の声が鳴き響いていた。
夏の午後、山にこだまするその声に導かれるように老僧は言葉を続けた。
「蝉は汚濁の中から脱し、塵を離れて羽化する。土に潜り、また地上に出て羽ばたく。生まれ変わり、絶えず命をつなぐ。永遠の循環、それはお前の額の金印と同じ理を示しておる……。これより、お前の名は『金蝉』とする」
「はい! 弟子・金蝉、師匠に感謝いたします!」
「よいか、修行の道は常に慈悲をもって歩むのだ」
「師匠、慈悲とは何ですか?」
「衆生を愛し、喜びを与え、彼らの苦を取り除くこと──それが慈悲である」
老僧は静かに唱えるように言った。
「分かりました。師匠の教え、心に刻みます!」
小さな金蝉は真っ直ぐに答えた。

春は去り秋が来、寒暑が巡る。
金蝉と老僧は互いに支え合いながら、質素な日々を送った。
寺は古く衣は薄くとも、金蝉の修行は止まらなかった。
彼の悟りは時に、老僧さえも及ばぬほど深かった。

運命は常に厳しく、金蝉は老僧と共にこの九九八十一段の石段を幾度も登り降りした。
山下の町へ赴いては、乏しい食を困窮する人々に分け与え、見知らぬ者をも助けた。
また、山を登って寺を訪ねてくる者もいた。
家から追われた老人、戦で傷ついた兵士、病に倒れた婦人──彼らにとって、この破寺こそが最後の「帰り処」だった。
彼らは生の希望を失い、ただ来世を願った。
老僧と金蝉は彼らを弔い、寺の裏の小丘に葬った。
墓標もなく、名も知られぬ塚の上に、金蝉は野菊を植えた──せめて、孤独でないようにと願いを込めて。

だが、それらすべてが、幼き金蝉の心に深い悲しみと慈悲を刻んだ。
夜更け。人々が眠りにつく頃、金蝉は一人、朽ちた小閣楼に籠り、黄ばんだ書を開いた。
太古の文字に秘められた力が、苦難を解く鍵であると信じた。
彼はその奥義の中に、未だ解けぬ疑問の答えがあると信じていた。

無常を経た人々の姿は、十歳の彼が見た川面の落葉を思い起こさせた。
流れに身を任せ、運命に流されてゆく……その行方を誰も知らない。

歳月は過ぎ、日々は巡る。
書巻の言葉はすでにすべて記憶していたが、それでも答えは見つからなかった。
一方で老僧の体は衰えていった。
そして彼は言った。
「金蝉よ。お前はここを出て、より広き天地を求めるのだ。お前の才ならば多くの人を救える。いつの日か、真の答えに辿り着くはずだ」

その冬。最後の雪が降り、寺の裏の丘に新たな墓が加わった。
青年となった金蝉はその傍らに一本の菩提樹を植えた。
やがて枝葉は茂り、夏には涼を、冬には暖をもたらすだろう。

そして今──。
金蝉は再び、老い朽ちた寺門の前に立つ。
壊れた扉を静かに閉め、両手を合わせて深く一礼する。
細雨は冷たく、石段は苔で滑りやすい。
だが、その九九八十一段の道を、彼は師匠と幾度も登り降りしたのだ。
もはや幼き日の苦難は過去のもの。
彼の前にあるのは、真の修行への道であった。

金蝉は背の包を締め直し、ゆっくりと石段を降り始める。
師が導いた修行の始まり──その続きを歩むのは、己の意志である。
そして、答えはきっとこの歩みの果てにあるのだ。



「心を誠にしてこれを求むれば、たとえ中らずといへども、遠からず」
詳細バージョン③「七日」


冬の風が長安の街路を吹き抜け、鋭い寒気が空を裂いた。
冬至はまだ先だというのに、人々はすでに厚い衣をまとい、吐く息は白く凍る。
それでも、長安の坊市は変わらぬ喧騒に包まれていた。
ただ一つ──その中心・大明宮の高くそびえる宮壁の下だけは、静寂と荘厳に支配されていた。

堂々たる朱塗りの宮門の前、白衣に赤の袈裟を纏うひとりの修行者が、烈風の中に静かに立っていた。
その名は──金蝉法師。
彼は長安でもっとも名高く、まるで「人間国宝」と称えられる存在であった。
若くして天賦の才に恵まれ、すでに女帝の勅命により、長安最大の経院を司る身となっていた。

彼の目は静かに、しかし揺るぎなく前を見据えていた。
その先に広がるのは、まるで鳳凰が翼を広げたかのような壮麗なる宮殿。
至高の威厳を放つその門の前で、彼はただ一人、女帝の許しを待っていた。

やがて、厳しく閉ざされていた宮門がわずかに開き、青衣の侍官が現れた。
彼は小さく首を振り、短い嘆息だけを残して立ち去った。

翌朝。
霜の白が石畳に広がり、冬枯れの枝には氷の花が咲いた。
城楼の上で警備にあたる金吾衛(きんごえい)たちは、寒さに身を震わせて襟を正す。
しかし、宮門前の金蝉は依然として動かない。
白衣に赤衣、その姿は霜風の中でも揺るがなかった。



この長安の寒暑を、彼は誰よりも知っていた。
この地で生まれ、そして運命により離れた。
河洛の辺境の寺で過ごした孤独な歳月を経て、再び長安へと戻ったのだ。
彼が求める「真諦」は、きっとこの経院の経巻の中にある──そう信じて。

昼は施しを行い、人々の悩みを解き、夜は灯火のもとで経を読み続けた。
だが三年が過ぎても、答えは見つからなかった。
夢の中、彼はいつも西の地に光を見る。
それは遠く、しかし確かに呼んでいた。
金蝉は悟った──再び旅立つときが来たのだと。



夜が降り、霜の気配が肌を刺す。
宮門の奥から灯りが漏れ、青衣の侍官が再び現れる。
「金蝉法師……お戻りください」
「お気になさらず。もう少し待ちます」
金蝉は掌を合わせ、深く一礼した。

三日目。
雨が降り出した。
冷たく細い雨が風に混じり、長安の空を煙らせた。
人々は外を避け、宮外は静寂に包まれる。
ただ一人、冬雨の中で金蝉は微動だにせず立ち尽くす。

三年前の長安も、こんな雨の夜だった。
修行者と道士たちの間で行われた、辯道をめぐる「頂上決戦」──その戦いにおいて、若き金蝉は名だたる牡丹道士(ぼたんどうし)と渡り合い、勝利を分け合った。
その姿を見て、女帝は彼を「御弟」として召し抱え、経院の主としたのだった。

法師・金蝉は説法のたびに多くの民を導いた。
彼の声を聞けば、人の心は安らぎに満ちる。
貴族も庶民も皆、彼のもとを訪れ、黄金や宝を供えた。
だが金蝉は一文も受け取らず、それをすべて貧者へと施した。

その慈悲と悟りは女帝の心をも動かした。
彼は帝に、この世の「無常」と「有常」を説いた──栄華の陰にある苦悩、見えぬところで泣く者たちの存在を。
女帝はそれを聴き、悟った──この賢き修行者こそ、「天の恩寵」なのだ──そう感じた。

冷たい雨が再び降りしきり、青衣の侍官がまた現れる。
しかし、その口から告げられるのは同じ言葉だった。

四日目。
雨は雪へと変わった。
長安にこの冬初めての雪が降る。
子供たちは街で歓声を上げ、雪を踏みしめ遊んでいた。
だが宮外は静寂そのもの。
風も声もなく、ただ雪が音もなく降り積もる。

金蝉は白き雪の中に立ち、眼を閉じて空を仰いだ。
夢の中の光景がよみがえる。
吹雪の荒野を歩む自分。
金の錫杖を杖に、赤衣を翻し、猿のような頭を持つ者と、九尺の鉄鉤を担う大力士と共に西を目指す。
その姿が何度も、何度も夢に現れた。
彼はその意味を知らぬまま、ただそれを信じた。

ある日、女帝は三種の神器を彼に授けた。
古代より伝わる神器──それは長く国庫に眠っていたが、金蝉が長安に戻って以来、まるで呼応するかのように輝きを放っていた。
女帝は言った。
「これはそなたの『縁』の証であろう」
金蝉は拝して受け取り、誓った。
「この器をもって、世の苦を救い、衆生を護らん」
この旅は、その誓いを果たすためのものだった。

雪はさらに激しくなり、時が止まったかのように降り続く。
青衣の侍官が再び現れる。
鹿毛の外套を羽織り、凍える手を袖に隠しながら、小さく首を振るだけで、言葉も発しなかった。

五日目。
雪は夜を越えて降り積もり、長安を白銀の世界に変えた。
金蝉の赤衣は雪に染まり、ひときわ鮮やかに映える。
そのまなざしは静謐にして揺るがず、睫には雪が積もっても瞬き一つしなかった。

雪を見ながら、彼は河洛の寺で過ごした冬を思い出していた。
あの頃、老僧とともに小さな書楼で経を読み交わした日々。
破れた屋根の下でも、そこには温もりがあった。
あの小閣楼にはわずかな経典しかなく、それでも真理があった。
今、長安の経院には無量の書がある。
その最奥の「無量閣」には太古の秘巻が眠り、女帝と治安官、そして金蝉だけが鍵を持つ。
その信頼は、彼にとって何よりの恩であった。

雪は絶えず降りしきる。
青衣の侍官がまた現れる。
外套を深く被り、唇を震わせながら、ただ首を振るのみだった。

六日目。
雪は止まず、天と地が白に溶け合う。
金蝉は杖を手に、ただ立ち尽くしていた。
その姿は氷雪に覆われながらも、まるで仏像のように動かない。

彼の心はすでに静まり、経を唱えていた。
思念は雲中の石窟にある古経へと通じる。
夢の中で見た光──それは河洛の西、砂塵の彼方から射すもの。
その地には孤城があり、遺跡があり、風砂の迷宮があるという。
そして玉や翡翠で築かれた都、千の庫を持つ古王朝の遺跡、そして未知なる凶地が眠るという。
そここそが、金蝉が向かうべき「西行の道」だった。



雪の帳の向こうに、青衣の侍官がまた姿を見せた。
だがこの日、彼は寒さに耐えかね、遠くから手を振るだけで近づかなかった。
金蝉の心経の響きは、雪に溶けて静寂に消えていった。

七日目。
雪は七日七夜降り続け、地を厚く覆った。
金蝉は相変わらず風雪の中に立ち、眉に白を積もらせたまま、ただ待ち続けた。

やがて──。
轟音とともに朱の宮門が開く。
凛とした足音が雪を踏みしめ、女帝が姿を現した。
彼女の声は風雪を裂くように響いた。
「朕の心はすでに決した。御弟よ、なにゆえそこまで己を苦しめる」

金蝉は掌を合わせ、深く頭を垂れる。
「陛下、この一行は遠く、水も山も果てしなき道。されど、真理を求めるこの心、滅することはございません。陛下のご許可を賜りたく存じます」
女帝は眉を寄せた。
「ならば三つ、問うてみよう」
「第一に。御弟よ、そなたは民を救い、心を癒やす希有の才を持つ。長安には、そなたが必要だ。それでも去るか?」
「天地は広く、道は長安に止まらず。我が行いは衆生のためにあり、真の根源を求めて歩むものです」
「第二に。そなたの求むるもの、朕が兵を遣わせ、千の軍をもって探させよう。なぜ自ら行くのだ?」
「万里を歩くは身の修行、万事を経るは心の修行。己の足で歩き、己の心で見ねば、真の相は得られませぬ」
「第三に。もしその道が山深く、水悪く、異国の風土が異なり、獣と盗賊に満ちても、それでも行くのか?」
「山海を越えようとも、千の危難を越えようとも、この金蝉の心は磐のごとく揺るがず──」
いつの間にか、雪は止んでいた。
風も凪ぎ、ただ二人の声だけが静寂を満たしていた。
女帝は頷かず、首も振らず、背を向けて宮へと戻っていく。
その歩みは終始、威厳と孤高に満ちていた。
巨門が閉じる直前、彼女は振り返り、一言──「允す」と告げた。

女帝の姿が消え、静寂が戻る。
青衣の侍官が駆け寄り、息を切らしながら言った。
「法師、どうかお許しください。陛下は、この七日に渡る風雪と霜雨こそ、御弟の志を試すものと仰せです。七日前、すでにこの『通関文牒(つうかんぶんちょう)』を御筆で認められておりました。どうか、この道中の無事を」

冬の雪が晴れ、陽光が文牒を照らす。
その表には、鳳の文様が刻まれ、六つの金文字が燦然と輝いていた──「長安駕下御賜」

金蝉はそれを胸に抱き、静かに微笑んだ。
彼の眼差しの先には、雪解けの光を受けてきらめく「西」の空があった。
その一歩が、すべての始まりであり、すべての悟りへと至る道だった。


他のヒーローとの関係

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ヒーロー名解説

猪八戒
・弟子
前世──聖天坊を去った金蝉は、彼らと善縁を結び、苦難を共にした。
ときに猪八戒のような「大食い」を満腹にさせるために、心を砕き、食を求めて奔走することもあった。
※グローバルサーバーでは「猪八戒(チョハッカイ)」が「アタ」として実装されている関係上、一部ヒーローのバックストーリーや相関図などに齟齬が生じている場合がある。本Wikiでは、中国サーバーの情報を基に、独自の解釈を加えた上で掲載しているため、その点にご留意いただきたい。

孫悟空
・弟子
前世──巨石の下で泥まみれになり、必死に牙をむく「猿」を見たとき、金蝉の胸に湧いたのは、ただひとつの声だった。
「助けよ」

明世隠
・理を説く者
修行者と道士が辯道の真理を競い合う「頂上決戦」──長安にその名を轟かせた牡丹道士は、各派の代表をことごとく打ち破ったが、年若き法師の一言によって、その驕りを砕かれることとなった。

蘭陵王
・干戈(かんか)を化して玉帛(ぎょくはく)となす
果てしない砂漠をさまよう行者は、偶然にも金苑城(きんえんじょう)の廃墟へと迷い込む。
その壮麗だった遺構に息を呑む彼を、暗闇の奥から一双の鋭い眼が、静かに見つめていた。

牛魔
・仲間
牛魔は、あの猿や「大食い」とは違っていた。
彼は前世の金蝉を「師匠」とは呼ばず、聖天坊から来た聖職者を、常に一歩引いた目で見つめていた。
※グローバルサーバーでは「牛魔(ギュウマ)」が「ラプール」として実装されている関係上、一部ヒーローのバックストーリーや相関図などに齟齬が生じている場合がある。本Wikiでは、中国サーバーの情報を基に、独自の解釈を加えた上で掲載しているため、その点にご留意いただきたい。

達磨
・救いの手
放浪の果て、飢えと渇きに瀕して倒れたとき、西方を目指す行者が手を差し伸べた。
乾いた大砂漠に流れた一滴の清水は、命と希望を同時に運んできた。

武則天
・主君
女帝は、至高にして唯一の存在。
その命により、金蝉は長安最大の経院を統べることとなり、「無量」の暗室に入って古書を読む特権を授けられた。

白龍
・前世の因縁
金蝉の神魂は長らく世をさまよい、群龍が空から舞い落ちる光景を目にした刹那に悟りを得て、輪廻へと歩み出した。
だが運命の糸はなお続き、滅んだはずの龍族は世に再び姿を現す。
今生の苦行の途上、金蝉は再び「龍」との邂逅を迎えることとなった。

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