「紅珠の陽照姫」シュルーラ_include
属性補正
炎属性
100%
水属性
74%
風属性
135%
光属性
100%
闇属性
100%
モデル
ストーリー
主人公「ええっと、シュルーラさんって。砂漠の国では王女さま、なんでしたっけ……?」
シュルーラ「ああ、うん。
けれど、王位継承権はもってない。
わたし、ほら。女として生まれたから。」
メルク「みゅ。
女性は跡継ぎになれなかったりするのです?」
シュルーラ「まあね。
王位を継ぐものは男児のみであると。
わたしの国ではそういう決まりになってるの。」
「とはいえ、私が男でも関係のないはなし。
わたしのうちは、今の王様と遠縁だから。
王位争いにまざることはないよ。」
メルク「なんだかややこしいのですね。
シュルーラさんはあまり気にしていないようですが。」
シュルーラ「気にするって、なにを?」
「ああいや、わかった。
私は王族の血筋にあって継承権を持たない。
だから不満をいだいてもおかしくないってことかな。」
「べつに興味ないよ。
王女なんてほんとうに肩書きだけ。
もちろん、捨てるつもりもないけれど。」
主人公「肩書きだけ……?
シュルーラさんみたいなひとはおおいんですか?」
シュルーラ「さあ、他家の事情は知らない。
でもやっぱり執着する人間は、すくなからずいるよ。」
「継承権は王との血縁の深い者から順位づけされるけれど。
下位のひとが王位をめざすこともめずらしくない。」
主人公「なるほど。
継承権をもって生まれたなら、
王となるべく教育されたりするのかもしれませんね。」
シュルーラ「ああ、うん。
だからわたしはめぐまれているの。」
メルク「みゅ?
シュルーラさんのところはちがったのですね~。」
シュルーラ「わたしはおばあちゃんとふたりで暮らしてきた。
だからそういう生きかたは、あまりよく知らないの。」
「ものごころがついてからずっと、
身のまわりのことはじぶんでやってきた。
わたしにはつかえる臣下もいないから。」
主人公「へえ。
だから肩書きだけといっていたんですか。」
シュルーラ「うん。
家事や洗濯、炊事はもちろん。
武器のあつかいだって、いちおう自信はあるよ。」
「おばあちゃんのおかげで、
身分にしばられることなく生きてこられた。
そのうえわたしに、たくさんの知識をあたえてくれた。」
主人公「さっきより顔つきがおだやになりましたけど。
シュルーラさんはおばあさんを尊敬してるんですね。」
シュルーラ「よくわからない。
じぶんがどんな顔をしているかなんて。」
「ちなみにおばあちゃん。
なんでもできるひとだけれど、とくに手先が器用なの。」
「わたしのアクセサリー。
ほとんどおばあちゃんの手づくりなんだよ。
ほら、みて。このブレスレット、いいよね。」
メルク「みゅふふ。
気にいっているのですね、シュルーラさん。」
「そういえば頭にはめているアクセサリー、
ずいぶんと精巧なアクセサリーにみえるのですが。
もしかしてそちらもおばあさんの手づくりなのです?」
シュルーラ「いや、サークレットはべつ。
おばあちゃんから譲り受けたものではあるけれど。」
「わたしの家につたわる王女のしるしなの。
わたしにとっては、おばあちゃんに認められた証。」
メルク「王女のしるし、なのですよ?」
シュルーラ「わたしの家では、王女の資格をもったひと、
つまり王族の血をひく女性がみにつけるものだから。
もとは祖母方の血筋から受け継がれてきたみたい。」
メルク「なるほど。
ただのアクセサリーではないのですね。」
シュルーラ「うん。
私の血族がまもりつづけてきた誇りだから、
わたしも後世にのこしていかなくてはならない。」
「王位に興味はないけれど、
わたしのなかにながれる血をたやすつもりはない。
ただの肩書きだとしても、わたしは守っていきたいの。」
メルク「みゅ。
でもそれならどうしてシュルーラさんは旅にでたのです?」
シュルーラ「わたしはこどもがほしい。」
メルク「こどもが……?」
シュルーラ「わたしには跡継ぎがいる。
だから生涯の伴侶となるひとをさがしにきたの。」
「そしてたくましいこどもをさずかり、このあたたかい大地で命をはぐくんでいきたい。
かけがえのない血のつながりを、たやさないために。」
「あとやっぱり、
おばあちゃんには曾孫の顔をみせてあげたい。」
主人公「生涯の伴侶、ですか。
うーん、なかなかむずかしいさがしものですね。」
シュルーラ「いいの。
躍起になってさがしてるわけでもないから。
ああそれとも、きみがわたしの伴侶になってみる?」
主人公「へっ!?
いや、いきなりいわれても……、」
シュルーラ「……。」
「いまのは冗談のつもりだったのに。
こういう反応をされると、思いのほか傷つく。」
主人公「ええっと、すみません……!
シュルーラさん、真顔だったので気づきませんでした。」
シュルーラ「とまあ、それはさておき。
伴侶なんてそうそうみつかるものではないから。
いきなり仕事をほおりだすような真似はしない。」
「だから安心して。
きみはわたしが守るよ。
この身にかえても、かならず守ってみせる。」
主人公「あ、ありがとうございます。
とはいえそこまでしてもらわなくても大丈夫ですので!」
「いつか生まれてくるこどものためにも、
あまり無茶なことはしないでくださいね……。」
シュルーラ「……。」
「うん。」
メルク「ええっと、ちなみになのですが。
シュルーラさんはどういうひとが理想なのです?」
シュルーラ「わたしもよくわかってない。
とくに相手に求めてるものはないんだけれど。
とりあえずわたしをちゃんとみてくれるひとなら……、」
「ああでも欲をいえば、オアシスで一緒にすずんだり。
寒い夜に体温をわけあいながら、星空をながめたりしたい。」
メルク「な、なるほど。
奥ゆかしいというかなんというか。
シュルーラさん、乙女なのですね……。」
シュルーラ「だめなの?」
メルク「みゅふふっ!
もちろんそんなことはないのですよ~!」
シュルーラ「そう、よかった。」
「それと、もうひとつ。」
「常夏の国にあるかき氷というものを食べてみたい。
そのときはおばあちゃんやこどもたち、みんなをつれて。」
主人公「家族そろって旅行ですか。
いいですね、きっとみんなよろこんでくれると思います。」
シュルーラ「ふふ。」
備考