「天降る焔の雨」オルコ

メルク「オルコさん！私たちの仲間になってほしいのですよ！」

オルコ「あは、あはは……、……ん、……うだよね。ゴミ……、……しく……、捨て……、」

メルク「オ、オルコさん……？」

オルコ「……、」

メルク「気づいてくれたのですよ！？それにしても、さっきから何をつぶやいてたのです？何か心配事でも……、」

オルコ「あの、えと……、あたしに用なの……？」

メルク「そうなのですよ！仲間になってほしくて……。」

オルコ「仲間……、」

オルコ「……嘘だ。」

メルク「えっ。」

オルコ「嘘だ、絶対に嘘だ。あたしをだまして、笑いものにするつもりだ。だって、あたしみたいなゴミを仲間にするわけねーもん。」

メルク「ゴミ！？」

オルコ「ほら！やっぱりあたしのことをゴミだって思ってるんだ。わかってる、やっぱりこの世はゴミだ。」

メルク「みゅっ、それはオルコさんが自分のことをゴミだなんて言うからなので……、って、オルコさん……？」

オルコ「ゴミゴミゴミ……、あは、あははは。こんなゴミばっかりの世界なら、あたしにも居場所くらいあるよね。」

オルコ「……って、そんなわけねー……。何を夢見てるんだ、あたしは。みんな、あたしだけがゴミだって思ってるんだ。」

メルク「そ、そんなことないのですよ！だいたい、どうしてゴミだなんて思うのですよ？」

メルク「（たしかに黒い翼なんて珍しいのですが……、死者の国は文化や外見の違いにはかなり寛容らしいと聞くのですよ）」

オルコ「……なんとなく。」

メルク「なんとなく？」

オルコ「う、ううっ、あたし、あたしだって好きでこんなに人を疑ってるわけじゃないもん～っ！」

オルコ「ひっく、ぐすっ、ほんとは友だちだってほしいし、恋人も作りたいしぃ～っ！」

オルコ「でも、信じられないんだもん。」

オルコ「どーせ、心の中ではあたしのことをゴミだって思ってるって思えるんだもん～っ！あたしだってこんなあたしやだ～っ！」

メルク「オルコさん……、」

オルコ「……！ご、ごめんね、ごめんね……！初対面でこんなウザいこと言っちゃって……、」

メルク「大丈夫なのです、悩んでるならいくらでもお話ししてほしいのですよ！」

オルコ「嘘だ……、ほんとはこいつ面倒クセーって思ってるんでしょ！」

メルク「みゅ～っ、どうしたら信じてくれるのですよ？」

オルコ「……、じゃあ、あなたと旅をする。それで見極めてやるんだから……！」

メルク「みゅっ！？」

オルコ「……、真実の愛が見つかるといいなあ。あたしが信頼できる誰か……、」

メルク「……そのひとりになれるよう、頑張るのですよ！」

オルコ「うっ、ううっ、頑張らないとだめってことは……、うえええっ、やっぱりこの世はゴミだぁあ～っ！」

メルク「みゅわーっ、そういう意味じゃないのですよ～っ！」

メルク「（みゅ～っ、オルコさんに友だちと思ってもらえる日はまだ遠そうなのですよ……）」