「光弓の測定士」レンディス

レンディス「おや……？」

メルク「みゅ……？」

レンディス「君は……、うん。非常にほど良い長さをしているね。」

レンディス「是非ともこの私に計測させてくれ。よろしく頼むよ。」

メルク「ち、近いのですっ！？それに何の話をしているのですよ！ほどよい長さって何なのですよー！」

主人公「あ、あの、いったい何を……？というか、どなた様で……！？」

レンディス「ふむ。これは失礼したね。私はレンディス。さあ早く、その身を私に委ねて。」

主人公「そういう問題じゃないんですけど……！？」

レンディス「安心したまえ。君の長さに敬意を払い、細心の注意を払おう。それに、乙女はデリケートな生き物だからね。」

メルク「何を安心するのですよ！？乙女の扱いがまるでなってないのです！」

レンディス「お待たせ。さあ、消毒は済ませたよ。あとは私の定規で優しく触れるだけ。」

メルク「誰も待ってないのですよー！？」

レンディス「ふふ、小生意気なお嬢さんだ。」

メルク「みゅわあああ～っ！」

「に、逃げよう！」

レンディス「おわっ！」

(場面切り替え・平原)

メルク「主人公さん……！助かったのですよ～！」

主人公「あ、ああ……。それにしても、何だったんだあの人は……。」

メルク「みゅうう……。かつてないほどの身の危険を感じたのです。」

レンディス「……ふふ、なかなかいい逃げ足だ。」

主人公「ぎゃあああ！」

メルク「追いかけてきたのですよー！」

レンディス「いや、すまない。お詫びをしたくて追ってきたんだ。君たちにはとても失礼な真似をしたね……。」

主人公「は、はい……？」

レンディス「彼女があまりに魅力的なサイズをしていたから、つい我を忘れてしまったんだ。本当にすまなかった。」

メルク「みゅ……？」

レンディス「今度はきちんと名乗らせてもらおう。私はレンディス。科学の国で看護師をやっている。」

主人公「……看護師、ですか？」

レンディス「ああ、身体計測に興味を覚えていてね。本当はずっとそれだけをやっていたいのだが……、無論、人の身長を測るだけで食べてはいけないからね。」

主人公「それはまあ、そうですよね……。」

レンディス「特に成長期の子供は素晴らしいよ。日々変化し続ける肉体の、かけがえのない美しさ。」

レンディス「その瞬間を、絶えず計測し続けていたい。１分１秒たりとも、逃したくはない。君もそうは思わないか？」

主人公＆メルク「……。」

レンディス「私からそう距離をとろうとしないでくれ。」

主人公「す、すみません。何か体が自然に……。」

レンディス「……。」

レンディス「まあいい。ともかくお詫びをさせていただきたい。その風貌、君たちは旅をしているんだろう？」

主人公「そうですけど……。」

レンディス「ならば是非とも私に協力をさせてほしい。必ず君たちの役に立ってみせよう。」

主人公「……。」

主人公「(ああ言ってるみたいだけど、どうする、メルク……？)」

メルク「(根はいい人そうなのですよ……。主人公さんがいいのなら、構わないのですよ)」

レンディス「どうかな？」

主人公「……わかりました。」

主人公「ただ、勝手に人の長さを測るのは禁止です！」

レンディス「ああ、理解した。これからよろしく頼むよ。」

主人公「はい、こちらこそよろしくお願いします。」

レンディス「ただもし気が変わったのなら言ってくれ。私はいつでも待っているからね。特にそこの君。」

メルク「絶対にお断りなのですよ……！」