「艶美なる惑晶」ボースハイト

メルク「ここで待ち合わせしてるのはどんな人なのですよ？」

主人公「ええと、警察の人らしい。エレキの国で治安維持の仕事をしてるっていう。」

メルク「みゅ、王国でいう騎士のような仕事なのですね～。そんな人が仲間になってくれるなんて心強いのですよ！」

主人公「なんでも癒術士に協力するよう、警察の中でも偉い人が手配してくれたらしい。それで……、」

「君のためなら全財産をなげうったってかまわないの！」

メルク「な、何事なのですよ。」

ボースハイト「ンー、悪ィんだけどさァ。オレサマ、今は本業のオシゴト中なのよ。また別の機会ならヨロシクしてやれるから、またネ。」

町のお姉さん「そんなあ！甘いものが好きって聞いたから たくさん買ってきたのに～！」

ボースハイト「好きっつーか、必要だから食ってるだけなんだけどな。ま、イイや、ご褒美でもらってやるよ。おねーサン、アリガトネー。」

町のお姉さん「ああっ、ボースハイトくんが私にお礼を！」

ボースハイト「んじゃな。運が良けりゃ、ディベールテスマーで会えるかもな。オレサマを愛してるっていうなら、探し出してみろよ。」

ボースハイト「さて、と。ココだったよなァ、ユジュツシとやらと落ち合う場所ってェのは。」

ボースハイト「ったく、署長のヤツ、職権乱用しやがって。なんだってオレサマがユジュツシのお守なんつー、しち面倒くせェことをしなきゃなんねェんだ。」

ボースハイト「つーか、どこだよ、ユジュツシってェのは。万が一、このオレサマより遅く来やがったら……、」

主人公「ここです、ここ！」

ボースハイト「オイオイ、いるならさっさと出て来いよ。オレサマを焦らすとは、イイ度胸してるじゃねェか。」

ボースハイト「ってか……、マジでお前？こんなやる気なさそうなツラしてるヤツのお守？ハァー、やる気失せたわー。」

主人公「いや、もともとなさそうだったけど……。」

ボースハイト「そうなんだよなァ。……今はあいつもいねェし、バックレるか。じゃ。」

メルク「みゅわーっ、待つのですよ！仕事でここに来てるのではないのですよ！？」

ボースハイト「ハァー？聞こえませェん、見えませェん。オレサマちゃん、なァんにも見ませんでしたァ。」

主人公「おい、エレキの国の警察どうなってんだ！」

ボースハイト「こ～んな美少年にタイホされるんだ。光栄の極みだろ？」

主人公「見た目の話じゃない！」

ボースハイト「……。」

主人公「すごいかわいそうなものを見る目！」

ボースハイト「そうかそうか、カワイソーに。よーしよし、オレサマのこの美貌がわからなくてもまだまだ人生に悲観するんじゃないぞ？」

主人公「いや、確かにものすごく整った顔してるけど！」

ボースハイト「当たり前のことを言うやつってつまらねェよなァ。このオレサマが美少年、美青年、そして美老人となる男であることはあきらかすぎる。」

ボースハイト「将来有望どころか今が最高、常に最高。美しさの象徴と呼ばれるべき輝き失せぬ石(エヴァ・スパークル)だぜ。」

主人公「それ以上に中身のインパクトが強すぎる……。」

ボースハイト「アッチのオシゴト中ならお前好みの性格にサービスしてやってもイイけど……、いや、やっぱお前にはやる気起きねーわ。」

主人公「俺も別に望んでないよ！」

ボースハイト「人の好みはそれぞれだからなァ。じゃ。」

メルク「ほ、ほんとに帰っちゃいそうなのですよ。」

主人公「なんか釈然としないけど、本人が嫌がってるならしょうがない……、というか、引き止めるべきが悩んでる。」

「そういえば聞いたー？和の国にとんでもなく綺麗な妓女さんがいるんだって！」

「知ってる知ってる、傾城って呼ばれるほどなんでしょ？あの人に貢いだ人は数知れず、その美しさにまさるものはいないとも言われる……、」

ボースハイト「ンだとォ……？」

ボースハイト「気が変わった。オイ、ユージュ。お前、世界を旅してるなら行くよなァ？」

主人公「シレっとユージュいうな！っていうか、行くってまさか！」

ボースハイト「決まってンだろ、和の国だ。その傾城とやらがオレサマより美人かどうか、ツラを拝みに行ってやろうぜ。」

主人公「女と男じゃ比べられないんじゃ……、」

ボースハイト「関係ねェ、興味がわいたんだよ。オレサマと張り合えるのはディー弟だけかと思ってたが、なかなか世界は広くて、面白そーじゃねェの。」

ボースハイト「じゃ、これからよろしくネ。おにーサンたち。」

(場面切り替え・岩肌)

主人公「はあっ、はあっ！モンスターが暴れてるっていうのはっ、このっ、むこうなのか……っ！？」

メルク「このさらにさらに向こうなのですよ。」

主人公「うう、くっそ～……、ボースハイトのやつ、協力する気ゼロじゃん！今回だって後ろに乗せてくれたらすぐなのに！」

メルク「言っててもしょうがないのです！とにかく急ぐのですよ！」

主人公「そうだな、とにかく急いで現場に向かわないと……、」

「って、うわあっ！」

メルク「主人公さん！」

主人公「……あれ。」

ボースハイト「オイオイ、崖から落ちたなんてツマンナイことでオレサマを減給処分にする気か？まァ、金には困ってないけどネ。」

メルク「ボースハイトさん！」

ボースハイト「乗ってな、かっ飛ばしてやるよ。酔ってゲロるんじゃねェぞ。」

主人公「えっ。」

ボースハイト「自信なさそーなツラだなァ。……やっぱり降ろそーかなァ。あと、汗でオレサマのエレキを汚さないでネ。」

主人公「が、頑張るから！」

メルク「でもどうしていきなり、協力する気になってくれたのです？」

ボースハイト「どこかのエレキファイターも言ってたデショ。秘密は女のアクセサリーってさァ。男だってミステリアスな方がステキなのよ、ベイビィ。」

ボースハイト「……まァ。汗水たらして必死になれるやつは、なかなかオレサマ好みだぜ。」

（場面切り替え・平原）

ノーズホーン「グルルルッ！」

主人公「おかげで間に合ったよ、ボースハイト！ありがとう、俺、お前のことを誤解してたかもな。一緒にモンスターを癒してくれな……、」

ボースハイト「糖分切れたし、エレキ動かす気失せたわ。ガンバッテー、オレサマ、応援してるゥー。ぐう……。」

メルク＆主人公「……。」

主人公「ボースハイトは予期せぬお助けキャラだと思おう。」

メルク「それがいいのですよ。」

ノーズホーン「グルルルルゥッ！」