「罪と歩む聖女」エリザベス

＜紹介所＞

主人公「あれ？　エリザベスやホークは？」

メルク「一緒に買い出しに行こうと思ったのですが、どうやらいないみたいなのです……。」

紹介所のお姉さん「あら、エリザベスちゃんたちなら、〈豚の帽子〉亭に行ってるわよ。」

主人公「……〈豚の帽子〉亭ですか？」

紹介所のお姉さん「気になるなら行ってみたらどう？　場所は町を出てすぐよ。」

＜森＞

メルク「言われるがままに町の外まで来てみたのですが、〈豚の帽子〉亭とは、一体何なのです？」

主人公「……うーん、ブタも帽子も見当たらないけど、見たことのない酒場なら見つけたぞ。」

メルク「みゅっ！？　本当なのです！　ですが、昨日まで、ここには何もなかったはず……。」

主人公「明らかに怪しいな……。」

メルク「主人公さん！　中を覗いて調査するのですよ！」

〈豚の帽子〉亭

主人公「……お邪魔します。」

メルク「……なのですよ。」

エリザベス「〈豚の帽子〉亭へようこそー！」

主人公「あっ、エリザベス！　それにみんなも……。」

メリオダス「おいーっス、よくきたな。」

バン「あン？　客かと思ったら主人公とメルクかよ～♪」

ホーク「おいおい、ちょっとはやる気を出せや！　このブタ野郎共っ！」

バン「うい〜♪」

主人公「バンさん、すでに酔ってます？」

ホーク「マーリンに頼んで〈豚の帽子〉亭をメフテルハーネ仕様に改装してもらったのはいいけどよ……、」

バン「団ちょ～も、飲もうぜ♪」

メリオダス「おうよ！」

ホーク「こりゃ、〈豚の帽子〉亭メフテルハーネ店の存亡は、俺の肩（ロース）にかかってるな。」

メルク「みゅうう……。どうやらここが〈豚の帽子〉亭で間違いないようなのです。」

主人公「でも、どうしてエリザベスやメリオダスたちが酒場で働いているんだ？」

エリザベス「ふふっ、そういえば、主人公さんとメルクちゃんは、店に来るのは初めてでしたね。」

エリザベス「ここ〈豚の帽子〉亭は〈七つの大罪〉の拠点にして、メリオダスが店主を務める移動酒場なんです。」

エリザベス「私はウェイトレスをしていて、〈七つの大罪〉のみんなにもそれぞれ担当があるんですよ。例えばディアンヌは看板娘で……、」

ホーク「この俺さまは、残飯処理騎士団団長として活躍してるっつーわけよ！」

メルク「なるほど！　ようやく事情が飲み込めてきたのですよ〜！　ですが移動酒場というのは……、」

メリオダス「ま、細かい話は追々な。」

メリオダス「それより、せっかく来たんだし、特製ミートパイでも食えよ。」

エリザベス「メリオダス、料理なら私が……、」

「きゃーっ！」

メルク「みゅわわっ！　盛大に転んだのですが、大丈夫なのです！？」

エリザベス「ご、ごめんなさい……。私は平気ですが、せっかくのパイが……。」

ホーク「落ちたパイのことなら心配すんなって。舐め残しなーし！」

主人公「こ、これが……残飯処理騎士団団長の実力！」

主人公「って、全部食べる必要はなかったんじゃないのか？　だって、まだ食べられる部分もあっただろ？」

バン「カッカッカ♪　団長の謎飯なんか、やめとけっての。それより肉を焼いてやったから、こっちにしとけよ〜♪」

主人公「わっ！　すごく豪華な肉料理ですね！」

「にゃっ？　お肉！？　ねぇ、キング！　ボクたちも行こうよ！」

メルク「上から声がしたのですよ？」

主人公「どうやら店の上にも部屋があるみたいだな。」

ディアンヌ「お肉、お肉っ！　わ～っ！　やったぁ、ブタ肉だ～！」

ホーク「ぶごぉ！」

キング「ええっと、何だかごめんよ……。」

ホーク「ったくよ～！　おめーらはブタの気持ちが１フィートもわかっちゃいねぇ！」

メルク「みゅふふっ！　何だかあっという間に、賑やかになったのですよ～！」

主人公「みんな、言い合いながらも楽しそうにしていて、雰囲気があったかいよな。」

エリザベス「ええ、本当に素敵な店で、私にとって掛け替えのない場所なんです。」

エリザベス「だって、ここに来て私の旅が始まったので……。」

主人公「へぇ、この〈豚の帽子〉亭から……。」

主人公「って、あれ？　でも、この店はブリタニアにある店とは違うんじゃ……。」

「ブゴッ！」

主人公「何だっ！？」

メルク「みゅっ！？　主人公さん、見るのです！　〈豚の帽子〉亭が動いているのですよ！」

エリザベス「大丈夫、ホークママが移動を始めただけですよ。」

主人公「ホークママ？　えっと、その……。もしかして、この店は動けるのか？」

エリザベス「はい！　〈豚の帽子〉亭はホークママという巨大なブタの上に乗っていて、移動することができるんです！」

「プゴォッ！」

主人公「だから〈豚の帽子〉亭なのか……。」

メルク「……みゅうう。〈七つの大罪〉のみなさんだけじゃなく、店までもが規格外なのですよー！」

エリザベス「ふふっ！　さぁ、改めて冒険の旅を始めましょうか。」