【白猫】イロメロ(正月)・思い出
イロメロ・リヴィエール CV: 明るく元気な紋章画家の女の子。 新年も、ババンとモンショー! |
メインストーリー
思い出1
ボナネー!
明けましておめでとうごさいます!
明けましておめでとうございます、イロメロさん♪
ボナネー……って、なに?
花の都の島での、新年のごあいさつです!
ボナネー♪
ボナネ~♪
紋章画家になってから、初めて迎えるお正月ですよね。
最近はどう? バリバリ描いてる?
毎日げんきにモンショーしてますよ!
最近のお気にいりは、自分探しの旅に出たミントグリーンさんです!
ウネウネまがり道を一人で歩くと、過去の思い出がよみかえって泣いちゃうんですね~。
それがまたいいんですけど!
そうね。あいかわらず、さっぱりわからないわ……
あとは、画商さんとセンゾク契約をしました!
おっ、プロっぽい!プロだけど!
買取だけじゃなくて、オークションとか、美術館への寄付とか、ムツカシイことを全部やってくれます!
名前はアナベルさんです! 趣味は魔獣退治っていってました!
アナベルさん、何者なの……
ともかく、順調そうで何よりです。
はい! 今年もいっぱいかきかきしますよ~!
そういえば、アタシ気になってたんだけど。……それ、筆よね?
アンタ、指で描くんじゃなかったっけ? 色を感じやすいって理由でさ。
実は最近、たま~に使うようになりまして。
あら、そうなの?
モンショーによっては、感じすぎてウナウナする時があるんです。色んな色が頭でふくれてハジけちゃって。
そんな時は、筆を使うとイイ具合に落ちつくことに気づきまして!
ユキムラさんは、『彩感の調整』とかなんとかムツカシイことをいってました。
テクニックというやつね。無意識に身につけてたんだ。
それに、いまはお正月ですしね~。
なんかこう、フデ~! ってカンジ、しません? おめでたいカンジです。
……そうかもしれません。
そうなの?
服装も、いつもの感じと違いますね。とっても似合ってますよ♪!
旅先で見つけて、カワイイなって、つい買ってしまいました!
……わかります。
そうね。
思い出2
お正月には、書き初めという文化があるらしいですね!
やりましょう。
あら、まだ描いてなかったんだ?
いえ、描きました。ですか、バビュン島ではまだです!
<イロメロは大きな紋章紙を地面に広げる。
みんなで一緒に描きたいなって、もってきたんです!
モンショーの共作ね!
う、うまく描けるかな……!
描けなくても大丈夫です! 楽しくユカイにいきましょう!
――はぁっ!
おおっ!
あえてまっすぐな線にしてみました……!
おっきな木のようなドッシリ感、素敵です~!
なんとなく形になってきたわね!
花の都の島にもこういう木があったな~。
あっちじゃそろそろ、ケーキを食べてるころかな~?
ケーキ? 新年に?
花の都の島では、新年に特別なケーキを食べるんです!
外はサクサク、中はトロ~リ。……んん~! 思い出したらジュルリときました。
じゅるり……
(けど、太りそう……!)
ほかにはどんな習慣があるの?
大みそかにはみんなで大さわぎします!
それはもう、ドンチャッチャ、ドンチャヅチャと!
にぎやかに祝うのね。イロメロもさわいだ?
さわぎました! パステルちゃんとスーちゃんっていうお友だちと!
あ~、楽しかったな~! みんなでごちそう食べて、ゲームをして……
…………
ケーキとかごちそうとか聞いてたら、お腹がへってきちゃった。
じゃあ、休憩しましょうか。
ウフフ、とっておきのおかしがあるのよ。まってて、いま取ってくるから。
ああっ!!
<キャトラのにくきゅうがたくさん……!>
ゲゲッ!? アタシ、絵の具のルーンをふんじゃってた!?
きれいに紋章を横断してるわね……
ご、ごめん……せっかくの書き初めが……
……いえ、キャトラさん。
虹みたいでとってもカワイイです! にゃんにゃんレインボー!
そうね。うん。じつは計算してた。
思い出3
ふぬぬぬぬぬ……
――ぬ~ん!ぬぬぬぬ~ん……
ぬんぬん言ってどうしたのよ。
新年のメッセージカードを書いています!
メッセージカード?
年賀状のことかしらね。
<イロメロの目の前には、カードが山のように積まれている>
こんなに出すんですか?
お世話になっている人がふえましたからね~。
そういうトコはマメというか、しっかりしてるのね。
いえ、画商のアナベルさんが『これも仕事よ、書きなさい』って。
へえ、一枚一枚に紋章を描いてるんですね。
はい!すごくすごく大変です!
そりゃ、こんだけの枚数があったらねえ。
文字通り、メッセージだけじゃダメなの?
絵も描いた方が、気持ちがギュっとこもると思うんです。
あたしはモンショー画家ですからね~!
…………
……
ムムム……隣人のグレーさんが迷子になってしまいました。
ウ~~~~~ン……
まだ半分ぐらい残ってるわね。
イロメロさん、少し休みませんか?お茶でもいれますから。
そうですね~……ありがとうごさいます。
ま~、あせってもなんだし、コツコツとやるしかないわよ。
描き終えるまでにお正月が終わってないといいんですけど……
はあ……
あたしも、ユキムラさんみたいにいっぱい描けたらなあ。
アンタでも、そういうのってあるのね。なんか安心したわ。
そういうのってなんです??
ううん、こっちの話。
そういうの……そーゆーの……ソーユーノ……ソゥユゥノゥ?
ああっ、きましたきました!すみません、あたしもうちょっと描きます!
……それに、悩んでても、やっぱり楽しそうだよね、イロメロさん。
思い出4
<関係者への挨拶まわりのために、花の都の島へ戻ったイロメロ>
イロメロは、ここでプロデビューを飾ったのよね。
<いまは、世界でも名高い紋章美術館<ミュゼ・デュ・アンブレーム>を訪れていた>
あの時は、すごい騒ぎでしたね。
あれ、みなさんもいたんでしたっけ?
警備中だったから、デビュー会見は見れなかったけどね。
「イロメロ先生!こちらからお伺いしましたのに!
館長さん!ボナネ~♪
「ボナネー!今年もよろしくお願いいたします。
はい!今年もいっぱい描さますよ~!
あ、ところで。いま飾ってる『オレンジ夫婦さんのあしあと』なんですけど。
いつ拝見しても素晴らしい作品です。先生の代表作の一つになると私は確信しておりますよ。
お友だちに見せたいので、はがしていいですか?
「えぇっ、またですかあ!?これで何度目ですか、先生!!
……まあ、勝手に持ってかれるよりはマシか……
「イロメロ。」
はい?
お前も来てたのか。
ユキムラさんっ!
明けましておめでとう。
…………
……
なるほど、ユキムラさんはずっとアトリエに……
このところ、ずっと旅に出ていたからな。正月くらいはここで過ごそうと思ったんだ。
やっぱり、正月も描いてるんだ……
イロメロはどうなんだ?
いっぱい遊んで、いっぱい描いてます!
ハハ、お前らしいな。
ユキムラも少しは遊べばいいのに。
息抜きをしようとは思うんだが、気がつくと筆を持ってイーゼルの前に立ってるんだ。
ユキムラさんにとっては、やっぱりそれがー番なのかもしれませんね。
だが、やはり少しは遊ぶ事を覚えた方がいいのだろうな。イロメロやアイザックのように。
にいちゃん、遊ぶ時は遊びますからね~。
じゃあ、お正月はぜんぜん会ってなかったんだ?
いや、年が明けるとアトリエに顔を出しに来た。
『明けましてボナネーユキムラ君』『新年早々創作とはご苦労な事だ』『正月なんたから遊ぶぞ』……こんな具合でな。
忙しいんだと断ると、ひとしきりバカンスの自慢をしてから俺にお年玉を押しつけたのち、腹の立つ高笑いとともに帰って行った。
あはは、にいちゃんらしいですね!
思い出5
俺達の正月の思い出は、いつもそんな感じだったよ。
お前はどうだったんだ?イロメロ。
にいちゃんと暮らした時期が本当に短くて、一緒の思い出は数えるほどしかないんですけど……
あいつも、お前のように幼い頃から世界中で絵を描いてたからな。
でも、今でもハッキリと覚えているぐらい、楽しかったなあ……
***
「さあ、これが花の都の島の正月名物、<王さまのケーキ>だぞ、イロメロ。」
「わーい!ケーキケーキ!はやく食べたい!」
「慌てるな。もうー度、おさらいしておくぞ。
この切り分けられたケーキのどれかに、小さな指輪が入っている。」
「そのケーキをえらんだ人が、王さまになるんだよね!
「お前の場合は、お姫さまかな?
もし選ばれたなら、今日―日、俺が何でも願いをかなえてやろう。」
「ほんとにー!?」
「本当だ。何でも好きなものを買ってやるし、どこへだって連れてってやる。」
「やった~!じゃあねえ、絵の具のルーンとモンショ-紙と、あと新しいイーゼルが欲しい!
あとね、あとね、行きたいところもいっぱいあるの!」
「わかったわかった。ただし、選ばれたら、だぞ?」
***
「ウハハハハ!見事に選びよった!」
「王さまになりよったー!」
「では早速、買い物に行くとしよう。その後は……」
「にいちゃんといっぱいかきかきして、そのあと、遊園地にいく!」
「大好きだもんなあ、観覧車。」
「じゃあ、出かける前の、さいしょのおねがい!」
「なんでございましょう。」
「あたしの頭を、いっぱいなでてー!」
「仰せのままに。――お姫さま。」
***
にいちゃんは、あたしをいっぱい甘やかしてくれました。
またすぐどこかへ行っちゃうから。あたしが泣いて嫌がるから、少しでも……
にぎやかで楽しい思い出を、作ってくれたんだと思います。
……そうか。
<二人は、小さな家の前で歩みを止める。
話しながら自然とイロメロが向かっていた、そこは――>
……変わってないな。
たまに、掃除しに来るんですよ。
ここは……?
にいちゃんのアトリエです。
あれだけの画家だったから、ここも残しておいた方がいいのかなって。
……それだけか?
…………
<イロメロは、鍵のついた引き出しを開けた>
それは……
子どものころにプレゼントした、あたしのモンショーです。
……ここへ来るたびに、胸に刻むことにしているんです。
あたしが見て、感じたこと、学んだもの。描いたモンショー。ぜんぶ。
…………
思い出6 (友情覚醒)
そうやって、少しずつ大人になってくことを、かみしめるといいますか。
イロメロ……
ユキムラさん。新しい年になって、あたし達は、またーつ、歳をかさねていくんですね。
そうしてあたしは大人になって、いつかは、にいちゃんよりも、大人になっていくんですね。
…………
えヘヘ、すみません。新年からしみじみとしちゃいましたね。
描こう、イロメロ。
えっ?
今から、ここで。
あいつが悔しがるぐらい、描いて描いて描きまくってやろう。
ユキムラさん……
……おっ。さすがあいつだ。最高級の羊皮紋章紙なんて蓄えてたぞ。
残しておくのももったいない。めでたい正月だ、使わせてもらおうじゃないか。
……そうですね!描きましょう、ユキムラさん!
そして、その後は――
遊ぶぞ!
わあ、やったぜっ!ユキムラさん、あたし、行きたいところがいっぱいあるんです!
どこへでもお供しようじゃないか。
(私たちは、行きましょうか)
(うん。二人にしてあげましょ)
<そうして二人は、絵を描き始める。
とても、楽しそうに――>
***
「わー、すごいすごい!上がってくよー!高くなってくよ一!」
「ハッハッハッ。5周目なのにこの喜びよう。お前は本当に観覧車が好きだなあ。」
「だいすきー!
にいちゃんも、だいすきー!」
「…………
なあ、イロメロ。」
「なあにー?」
「俺は、世界中のどこにいたって、お前の事を想っているからな。」
「にいちゃん?」
「これから、忙しくなる。
天才アイザックの名を、そろそろ世界に知らしめなくてはならん。」
「……もう、会えないの?」
「会えない時もあるかもしれない。だが、心配するな。
俺は……あれだ。
夕暮れの空へ向かって、細く美しい指が伸びた。」
「……おひさま?」
「紋章面の天才は、この世界を瞬く問に照らしてゆくだろう。
だが何よりも、イロメロ。かわいいお前を、俺は照らそう。
約束だ。にいちゃんはいつだって、お前とともにいる。」
「うん……わかった……
頭、なでて……」
「いい子だ――」
***
…………ユキムラさん。
ん?
今年もよろしくお願いします!
空前絶後のモンショー画家 イロメロ・リヴィエール
その他