暴虐のギーゼグール
Illustrator:創-taro
名前 | 暴虐のギーゼグール |
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年齢 | 45歳 |
職業 | 闇の音楽プロデューサー、KOBの主催者 |
特技 | ピアノ演奏、才能ある若者の援助 |
CV | 中田譲治※デュエルで入手可能なシステムボイス |
- 2018年3月8日追加
- STAR ep.IVマップ3完走で入手。<終了済>
- 入手方法:2020/3/5~4/15開催の「「太陽は燃えている ~愛のカンツォーネ~」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2020/8/6~9/2開催の「「夏だ! 水着だ! 夢のリア充生活だ!」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2021/6/10~7/7開催の「「幸せを願う、白のマリアージュ3」ガチャ」<終了済>
- 入手方法:2022/2/3~2022/3/2開催の「「最後の物語。約束はあなたと共に」ガチャ」<終了済>
- 対応楽曲は「Sparking Revolver」。
世界にその名を轟かせるピアニストにして音楽プロデューサー。
ギーゼグール【 通常 / オメガ 】
ある野望のため、世界中から音楽家たちを集めて『KOB(KING OF BAND)』を開催する。
悪役ポジション揃い(暴君・サ○コパス・外法の求道者・悪神)のSTAR ep.IVマップでは一番マシという説も。ちなみに課題曲のイントロが似ていることから、一部では「PP○Pおじさん」と呼ばれている。
KING OF BAND
ルガールが主催する格闘大会、および彼が登場するゲームのタイトルである『THE KING OF FIGHTERS』。
負けた対戦相手を銅像にする
ルガールが初登場した『KOF'94』での彼の趣味と目的。
ジェノサイドビート、ゴッドボイス、ダークハウリング
ルガールの必殺技「ジェノサイドカッター」「ゴッドプレス」「ダークバリア」。
なお、ジョニーのSTORYで使っている「カタストロフィ・オメガ」もオメガ・ルガールの技「デストラクション・オメガ」が元ネタである。
自爆ボタン
ルガールがボスとして登場する作品では、プレイヤーに敗れた後にエンディングで自爆ボタンを押して自分の船ごと対戦相手を葬ろうとするのがお約束になっている。
- デュエル進行中(状況:KOB?)
登場 | これより、音の祭典『KING OF BAND』を開催するッ! |
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攻撃 | どうした、君の実力はこんなものかねッ!? |
あの時手放したのが、少々惜しく思えてくるね | |
何だね? それで、私は何を喰らえばよいのかな? | |
撃破 | 馬鹿な……私が、ただの人間に負けたというのかッ!? |
- リザルト
SSS | どうかな? 君のプロデュース、是非私にやらせてくれないかね? |
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SS | そう、君が一皮剥けるために必要なのは出会いだ。 それこそ、悪魔的に衝撃のある出会いが必要なのだ |
S | ほほう、これはこれは…今から考えるだけでも楽しみだ |
A-AAA | ふん…なまじ才能のあるプレイヤーだけに、ここで捨てるのは惜しい |
B-BBB | ……その自信、好意に値するよ……。しかし、あまりにも若いなッ! |
C | 本人は自らを『強い』と本気で信じているのかもしれんが…… まだ青い穂のような子だ |
D | これでは余興にもならない。出直してきたまえ |
- スタンダードコース拡張分
モード選択 | モードを選択したまえ |
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マップ選択 | マップを選択したまえ |
チケット選択 | チケットを選択したまえ |
コース選択 | コースを選択したまえ |
クラスエンブレム更新 | クラスエンブレムを更新しようじゃないか |
ソート変更 | 〇〇順でソートしてやろう |
クエストクリア | |
限界突破 | 煉獄の神よ! 私を縛しようとしても無駄だッ! 私は貴方を超える『暴虐』の名を持つ者ッ! |
コンティニュー? | コンティニューするかね? |
コンティニュー | ご苦労様 |
終了 | See you next play. |
スキル
RANK | スキル |
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1 | 判定掌握・弐式 |
5 | |
10 | |
15 |
include:共通スキル
スキルinclude:判定掌握・弐式
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル | |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル | |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル | |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | |
スキル | |||||
~50 | |||||
スキル | |||||
~100 | |||||
スキル |
STORY
『ギーゼグール』。この名を知らぬ者は現代の音楽業界にはいないだろう。
『彗星の如く現れた天才ピアニスト』。……ギーゼグールが現れた時はそう評価されていた。
一見でたらめにも見える指の運びだが、彼の演奏するピアノを聞いたほぼ全ての人間が心を掻き乱された。
まるで魂を握られるような圧迫感。そしてその後に待つ解放感は生きながらにして天上に登るような心地を観客に味わせるという。
ギーゼグールは瞬く間に世界最高峰のピアニストと呼ばれる称賛を手にした。
だがその一方で、演奏し終わったピアノが彼の音圧に耐え切れず崩壊するという荒々しいプレイスタイルなどから色々と黒い噂の絶えない人物でもあった。
噂の中には、参加した非合法な音楽祭で、負けた対戦相手を銅像にするという悪趣味なものもある。
真実は闇の中だが、1つだけ確かなのはギーゼグールは音楽の神に愛されているということだ。
特に彼がその寵愛の結果を惜しげなく発揮するのは、プロデュース業に手を染めてからだ。
ある日を境にギーゼグールは自分以外の音楽家のプロデュースや若手音楽家の育成に努めるようになる。
彼に見出されたプレイヤーは『TAZAWA』、『キノコヘアー』、『DJ RYU』などと実力派揃いであり、若き日の『バーニッシュ』もまた、ギーゼグールによってメジャーデビューのきっかけを掴んだ人物であった。
……もっとも音楽性の違いからか、バーニッシュはすぐにギーゼグールの元を離れ、自分のBANG道を突き進むようになったのだが。
富、栄誉、そして無類の強さを得て、音楽界の頂点に君臨したギーゼグールは、ある日集めた報道陣の前で宣言する。
「私はさらなる至高の音を求める。そのために世界中の奏者を集めた音の祭典『KING OF BAND』を開催するッ!」
私の名は『ギーゼグール』。ピアニストにして音楽プロデューサーだ。まあ、口さがない連中は『暴虐』などと呼ぶがね。
私は自らの持てる力の全てを駆使し、音楽界の頂点に立った。
それは偏にある目的のため。
『G.O.Dのため、才ある音楽家を煉獄に導く』
……私という存在が産み出されたのは、全て煉獄に鎮座するG.O.Dのためなのだ。
私はG.O.Dが人間から神へと昇華……。いや、この場合堕落というべきかもしれないが、とにかくG.O.Dが煉獄の悪神になる際に、切り捨てたいくつかの感情の内の1つ『強さへの渇望』を核としている存在だ。
私のような存在は無数にいて、時空を超え、世界を渡り、日夜G.O.Dのために強き魂の人間たちを煉獄に導いている。
私たち煉獄の使徒は、言わばG.O.Dを父とする兄弟のようなものだが、お互いに通じ合うものがあるという訳ではない。
私たちは『G.O.Dの命を果たす』という絶対的なレゾンデートルが同じだけで、基本的には別人であり、それぞれ異なった自我を有している。
……中には、義賊を気取る男もいると聞くね。
この世に産み落とされ、私も最初はG.O.Dのために、才ある音楽家を煉獄に導いていた。
だが私の中の渇望は日を追うごとに強くなる一方だった。
(もっと強くなりたい……。そう、G.O.Dよりも!)
父であるG.O.Dを超える。そう決心した私は、己の力を磨き、さらにまだ芽吹いていない才能を拾い上げ、自分の力に変換してきた。
しかし、これだけではまだ足りない。……では、私がさらなるステージに上がるためにはどうすればよいのか?
父なるG.O.Dを超え、彼を制する強さを手に入れる儀式。それが『KING OF BAND』略して『KOB』だ。
この時代の世界中に散らばる有力なプレイヤーたちを一堂に集め、相争わせる。
そしてその勝者の力を私のものにするという疑似煉獄とも言うべき大儀式だ。
この『KOB』を実現させるために、私は莫大な私財を投じて若き音楽家たちをプロデュースしてきたのだ。
言わば種もみを自分で選定し、丁寧に育成してきたという訳だね。
そうしてついに収穫のときは訪れた!私は特別な術式を施した豪華客船を用意し、報道陣に向けて『KOB』開催の宣言をした。
「……オーナー、『KOB』参加者のリストが出揃いました」
私が豪華客船のオーナールームでワインを楽しんでいると、配下のものが恭しくリストを手渡してきた。
「ふむ。ご苦労様……ほほう、これはこれは」
リスト上層部に名を連ねる者たちは、現在音楽業界のトップを走る者たちが多い。
だがそれ以外にも私が把握していない者もいた。
『KOB』参加者は、私が直接声を掛けた者もいるが各地で行われている『KOB』参加選手権というフェスを勝ち抜いてきた者も多くいる。
私はわざと、全ての参加の権限を私がコントロールできないようにしていた。その方が面白いからだ。
未だ芽が出ていない選手が集まる地方大会。そこで勝ち抜いてきた者たちは名誉への強い飢餓感を
抱いているだろう。
彼らは野生の狼だ。きっと『KOB』を盛り上げてくれるに違いない。
……今から考えるだけでも楽しみだ。
大勢の観客が見守る中で華々しく始まった『KOB』。
初日に行われた予選を私はVIP席から観戦していたが、結果はほぼ予想通りだった。
(やはり本命はあの『ROCKの帝王』バーニッシュ君か……)
昔、彼がメジャーデビューする際、手助けをしたことがあるが、別に私が手を貸さなくとも彼は世界中から崇められる存在となっていただろう。その気迫が、当時から彼にはあった。
事実、彼はより強く、天駆ける稲妻のような気高さを持つプレイヤーへと成長していた。
(……彼がこうなるというのは分かっていたことではあるが、あの時彼を手放したのが、少々惜しく思えてくるね)
しかしながら、バーニッシュ君は、私の手の内に抱えていない方が伸びる男だ。
そう感じた私は彼の自由を許したのだった。
(バーニッシュ君以外の選手で見込みがあるのは……)
『KOB』は、対戦中の選手たちから溢れたエネルギーを私の力に変換したり、勝者の魂を私が喰らうための大規模な儀式である。
だがそれとは別に、私は私の手足となる優秀な人材を必要としていた。
この『KOB』が成功した後、私はいずれG.O.Dと闘わなければならない。その時に私の手駒となる者は、ある程度確保しておきたいと思ったのだ。
予選後、私は特に見込みがある人材をオーナールームに呼び出した。
「――アンタの元へ戻れだって? 御免だな。……俺とアンタの道は交わらねぇよ。……それはアンタだって、分かってんだろう?」
「まあ、ね。しかしあの時とでは、お互いに状況も立場も違うだろう? 『ROCKの帝王』と謳われるバーニッシュ君のプロデュース、是非私にやらせてくれないかね?」
「あんまりウゼェこと言わないでくれ……じゃあな」
かなりの好条件を提示したのだが、バーニッシュ君はけんもほろろだった。まあ、分かっていたことだがね。
むしろ安心したくらいだ。バーニッシュという男はそうでなくてはならない。
その後で私の印象に残ったのは『白川 虎之助』という青年だ。
「――オレをプロデュース? はッ! いらねーよそんなもん! 俺は1人で十分だ!」
「ほう……?」
虎之助君もバーニッシュ君と同じように私の誘いを拒絶した。
けれど、数多のプレイヤーを観察してきた私にはすぐに分かった。
(虎之助君の強さは虚勢だね。いや、本人は自らを『強い』と本気で信じているのかもしれないが……。それはすぐに剥がれてしまうメッキの鎧だ。バーニッシュ君とは違う。まだ青い穂のような子だ)
なまじ才能のあるプレイヤーだけに、虎之助君をここで捨てるのは惜しいと思った私は、もう一度勧誘してみた。
「虎之助君、君はまだ狭い世界しか知らないのだよ。私なら君にもっと違う世界を見せてあげられる。……そう、君が一皮剥けるために必要なのは出会いだ。それこそ、悪魔的に衝撃のある出会いが必要なのだ」
虎之助君はようやくここで私の言葉に興味を示した。
「……どうかな? 悪魔に魂を売るよりは、簡単なことだよ。ここで君は首を縦に振り『Yes』と言えばいいだけだ」
ところが虎之助君は、それでもちっぽけな自分の矜持を優先したようだった。
「……さっきも言っただろう。俺は1人で十分だ。1人で全てを屈服させてやるッ!」
「そうか……」
虎之助君を手に入れられなかったのは残念だが、そういう運命なのだろう。私はそう納得した。
『KOB』も本戦となり、着実に私が望む強者たちは勝ち進んでいった。
(フフフ……このままいけば、十分な力を得ることができそうだな)
私はオーナールームで愛用の葉巻を燻らせながら、満足の笑みを浮かべていた。
……だが。
(!? ……この気配は!?)
背骨を抜かれ氷を突き入れられたような寒気。熱に浮かされたような悪寒。圧倒的な捕食者から睨まれたような恐怖……。
そう、それは紛れもなく『死』の気配だった。
「……いったいどこからこれほどまでに強大な死の鼓動が?」
私は船内に密やかな死の気配が拡がっているのには気が付いていた。
それは選手たちを狙ったものではなく、有象無象の観客たちを狙っているものであるし、この船には予め負の力を外に漏らさぬような術や常人が負の力に鈍くなるような術が仕掛けられているので、特に気にせず放っておくことにした。
『KOB』の運行に支障がなければ、どこで誰が命を散らそうと私の関与することではない。
しかし、今私の感じた死の気配は、そんな微々たるものではない。
世界中の忌むべき嘆き……そしてこの世全てを焼き尽くす憎悪は……。
(この悍ましくも懐かしい感覚は……G.O.D! ……まずい、彼に察知されてしまったか)
G.O.Dは煉獄にいても私の目を通じて、この世の全てを把握することが可能だ。
優秀なプレイヤーを集めた『KOB』は、彼にさらなる力を与える絶好の機会だろう。
(このまま私が育てた実りを彼に収穫させるわけにはいかないッ! 絶対にだッ!)
私は煉獄の使徒。G.O.Dの分身。私たちは彼の望みを叶えるのが存在意義であり、その命に逆らうことなどできない。
それでも……。
「私は『強さへの渇望』を核とする者。G.O.Dを超えて力の象徴、破壊の体現者にならねばならないッ!」
「……ギーゼグールよ、そんなことが本当に可能だと思っているのか?」
「……誰だ?」
私しかいなかったはずのオーナールームの隅に、まるで闇を固めてできたような男が立っている。
「貴様は……」
「我らが父、G.O.Dはお怒りだ。ギーゼグールよ、お前の仕事は父への供物を見繕い捧げることであろう」
「『我らが』だと?……フン、一緒にしないでもらいたいね」
この男はあくまでG.O.Dの影。私のような確立された自我もなければ、力もない。
(しかし……その分、繋がりが強固なところが厄介だ)
私の考えを読んだかのように影は嗤う。
「今までお前の自由を許してきたが、少々目に余るものがある……今一度、お前の主は誰なのか、その身体に教え込む必要がありそうだな」
「ぐっ……!?」
影の言葉と共に、私の身体を鋭い痛みが襲う。朦朧とする意識の中で私は私を縛り付ける者の声を聴いた。
「ギーゼグール……汝は我の使徒。我の命に従うのだ……」
「うっ……くっ……!」
憤怒の炎が私の自我を焼き尽くそうとする。そして煉獄の闇は全てを放棄する快楽で私を包もうとした。
だが……。
「……退けッ! 煉獄の神よッ! 私の自我、私の渇望は私だけの物だッ! 私は貴方を超える『暴虐』の名を持つ者ッ!」
「なんだとッ!?」
私はG.O.Dの呪縛を破壊し、そのまま影の男をダークハウリングで吹き飛ばした!
「おろ……か……我らが父に……逆らう……など」
「フン、煉獄に帰ったらG.O.Dに伝えておきたまえ。息子とは常に父を超える存在なのだよ」
もはや塵と化した影を見下し、私は再び葉巻を手に取った。
もはや一刻の猶予もない。G.O.Dの影は退けたものの、もしG.O.Dがそのことに気が付けば、すぐに新たな使者を私に差し向けてくるだろう。
(……その前に、何としても『KOB』を完遂させなければならないッ!)
私は配下の者に急遽『KOB』の進行を変更するように命じた。
「良いのですか? ギーゼグール様、そのようなプランでは貴方様へのご負担が……」
「構わないよ……それとも、君は私の実力を疑っているのかね?」
「い、いえっ! 決してそのようなっ!……分かりました。すぐに対応いたします」
――次の日、私は早々に用意させた特設ステージで宣言した。
「これより『KOB』決勝戦を開始するッ! ルールはシンプルだ。これまで勝ち進んできた選手諸君によるバトルロイヤルだよ!」
会場からどよめきの声が上がる。それもそのはずだろう。事前の発表では決勝戦まではトーナメント戦としていたからだ。しかも最終対戦の組み合わせを決めるには、まだいくつかの試合を残している状態なのだから、疑問に思わない方がどうかしているだろう。
だが、この船は私の王国。異を唱えるものは存在しない。
「……さあ、選手諸君! ステージに上がって来たまえ! 文字通り、血沸き肉躍る闘いを始めようじゃないか!」
「……おいおい、オーナー。もしかして、アンタも戦うつもりなのか? 年寄りの冷や水って言葉、知ってる?」
ステージから降りない私を見た、TAZAWAというプレイヤーが私に嘲笑を向ける。
「……その自信、好意に値するよ……。しかし、あまりにも若いなッ!」
「ぐわぁぁーーッ!?」
私が放ったダークハウリングはTAZAWAを吹き飛ばし、激しく壁に打ち付けた。
そしてその旋律は参加者の疑念や迷いも吹き飛ばしたようだ。
今までどうするか考えあぐねていた選手たちが、一斉に私の元に向かってくる!
「ははははーーッ!! いいぞッ!! もっと私を楽しませてくれッ!!」
TAZAWAを血祭に上げたことをきっかけに、私は次々と選手たちを葬っていった。
軽やかな身のこなしが売りのキノコヘアーをゴッドボイスで圧殺し、弾丸のような鋭い声を持つDJ RYUを海の藻屑に変えた。
もはや、私の前に立つ選手は数えるほどしかいない。
「……次は君か、虎之助君」
「テ、テメェ……!」
「こんな結果になって残念だよ。……ジェノサイドビートッ!」
「ぐわぁあああーーッ!!」
私の放った一撃で虎之助君は倒れてしまった。
「ククク……多少は使える音遣いだと思ったが……。所詮、音遣いを支配する私の前ではムシケラ同然だったな」
「うっ……ク、クソ……ッ!!」
哀れな虎之助君は消耗し、立ち上がることすらできず子猫のように震えていた。弱い者いじめは私の趣味ではない。早く終わりにしてやろう。
「……ジェノサイドビートッ!」
「っ!!」
私は虎之助君を吹き飛ばしその身体に日本刀のような切れ味を持つ蹴りを叩き込む。
……だが。
「……ほう、私のジェノサイドビートを止めたか……流石はROCKの帝王だ……フッ、それにしても他の選手を助けるとは慈悲深いことだね」
「そんなんじゃねぇ。俺はテメーが気に入らねぇだけだ……暴虐の覇王ギーゼグール!」
虎之助君を庇ったのはバーニッシュ君だった。
見れば、すでにステージの上では彼以外の選手は立っていない。
「……こうなることは分かっていた。さあ、ROCKの帝王よッ! 決着をつけようじゃないかッ!」
ROCKの帝王と称されたバーニッシュ君。
かたや暴虐の覇王と謳われた私。
2人の激突は必然であり、運命だったが……。いざ蓋を開けてみれば、私の圧倒的優勢だった。
「くっ……!」
「はははッ! どうした、バーニッシュ君! 君の実力はこんなものかねッ!?」
バーニッシュ君は世界でもトップレベルのプレイヤーではあるが、如何せん私とは年期が違う。潜った修羅場の数が違うのだ。
私は相手に攻撃の暇を与えぬようジェノサイドビートとゴッドボイスの連続攻撃でバーニッシュ君をステージ間際まで追い詰める。
もはやバーニッシュ君に残されているのは、海の藻屑となり魚のエサとなるか、私の音圧に潰され、ミンチ肉になるかのどちらかだ。
「……悲しいよ、そして非常に惜しいッ! まだまだこれから成長するであろう若者の未来を手折るのは、とても残念だッ! しかし、それだからこそ美しいッ! ……さあッ! バーニッシュ君ッ! 君の破滅の音を私に聞かせてくれたまえッ!」
私は自らの最終奥義『ソウルジェノサイド』を振る舞い死出の旅へと向かうバーニッシュ君の手向けとしようとした。
止めの一撃を放つその時、私の視界に小さな欠片のようなギターピックが横切る――
「何のつもりかね、これは……」
「――今だッ!」
突如、バーニッシュ君の身体は稲妻の閃光のように加速した。
(まさかッ! この瞬間を待っていたというのかッ!?)
私のソウルジェノサイドは、威力が大きい分、発動までに時間が掛かる。
それでも今からバーニッシュ君の攻撃が間に合うとは考えられないッ!……私はそう確信していた。
だが驚くべきことにバーニッシュ君はさらに加速をした。もはや彼の姿を肉眼で捉えることは難しい。
「――ソウルジェノサイドッ!」
「うおぉぉーーッ!! チェインドライヴッ!!」
私の放った漆黒のソウルジェノサイドと、バーニッシュ君の放った青白いチェインドライヴの衝撃は、真っ正面からぶつかり、辺りは超新星爆発のような光に包まれる。
……そして光が収まった後、地に膝をつけていたのはあり得ないことに私の方だった。
「はぁ……はぁ……俺の勝ちだ。ギーゼグール」
「馬鹿な……私が、ただの人間に負けたというのかッ!? 煉獄の神を超えるこの私がッ!?」
私の肉体は、事実バーニッシュ君の攻撃で著しくダメージを受けている。
もはやこのまま闘いを続けるのは不可能だ。最もこの身は神の化身であり、常人とは異なる回復力を有しているので、すぐに復調するだろう。
だが、この身が神の化身であるが故に恐ろしい。
バーニッシュ君は、ただ人でありながら、私を一時的とはいえ再起不能まで追い込んだのだから。
(……ここでバーニッシュ君を逃せば、遠からず煉獄に……G.O.Dに飲み込まれてしまうだろう。……ならばいっそこの場でッ!)
私は万が一の事態に備えておいた、自爆ボタンを押した。
するとすぐに機関室が爆発し、誘爆を引き起こした豪華客船は地震のような揺れに包まれる。
「テメェ……ギーゼグールッ! 何をしやがったッ!」
「ククク……バーニッシュ君ッ! この船は君の棺桶としてくれてやろうッ! ……このまま大海に沈むがいいッ!!」
「……クッ!!」
バーニッシュ君は気絶していた虎之助君を担ぎ上げるとそのまま甲板に向かって走っていった。
(……フッ、もう遅い。この船は、もう数分も持たないだろう)
大火に包まれる私の船。
断続的に響く爆発音、瓦礫の倒壊音、人々の悲鳴。……崩壊のアンサンブルを聞きながら、私は独り笑みを浮かべた。
(これはこれで、中々得難い音色だ……美しい)
私は瞳を閉じ暫しこのアンサンブルに身を任せた。
……すでに船体の半分以上が海に沈む豪華客船に近付くヘリコプターの音で私は目を開けた。
「ギーゼグール様、お迎えに上がりました」
「……ご苦労様」
私は部下が投げた縄梯子を手に取った。身体はすでに60%まで回復しているようだ。
そのままヘリコプター内に入り、部下が差し出した新しいスーツに着替えると、愛用の葉巻を咥える。
遥か下の海上では私の愛した船が最後の灯を揺らめかせながら沈んでいた。
最期まで私を楽しませようとする様子はなんとも健気であり、哀れで一層愛おしさが増す。
「……ギーゼグール様、お耳に入れたい情報が」
「なんだね?」
「はっ! その、バーニッシュの生存が確認されました」
「ほう……バーニッシュ君が?」
「はい。白川という青年を背負い、そのまま近くの警備艇に辿り着いたようです。如何なさいますか?」
「ふむ……」
バーニッシュ君はよほど音楽の女神から寵愛を受けているようだ。つくづく恐ろしい男だよ。
……ここで弱った彼を仕留めるのは簡単だ。
だが……。
「……今は捨て置け。ここまで入念な準備をした私の手を逃れたのだ。今回は褒美として見逃してやろう」
「承知いたしました」
……ここで音楽の女神がバーニッシュ君の命を召し上げなかったのは、きっと何かの意味があるのだろう。
私はそう考えることにした。
……それに、やはりバーニッシュ君の力は惜しい。必ずや我が物にしてみせよう。
「……そのためにも、来年の『KOB』の準備を進めないとな。フフフ……」
私はこれから始まる新たな宴に心を躍らせながら、炎に照らされる夜空にヘリコプターを走らせたのだった。
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
---|---|---|---|
スキル名/効果/備考 | |||
◆ジェネ | MASTER | 0 / 470 / 940 | |
スーパーリセット(上限点数1100) | |||
自分の場にCOMBOが4枚以上で発動。 全プレイヤーは上限点数が「1100」になる。 |
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チュウニズムな名無し
412020年07月29日 15:46 ID:q9rr09c8何を喰らえばいいのかね?を永遠に聞きたいから永遠にデュエルしてたい
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チュウニズムな名無し
402020年07月21日 21:47 ID:kkzie7bmすごく……ラスボス声です
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チュウニズムな名無し
392020年07月16日 12:59 ID:a3t3b3n8cvジョージは最高すぎる…
ありがとう運営一生大事に使います…!!!!!
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チュウニズムな名無し
382019年09月07日 15:39 ID:sj2a0348AMAZONにて判明したギーゼタワー。まさかの不動産王でもあった…?
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チュウニズムな名無し
372019年04月29日 23:14 ID:le7uhv6xよく見ると意外と腕の筋肉逞しくて好き
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
352018年11月30日 22:50 ID:f5i69zpe半端な腕前でも7〜8マス安定して稼げるのは美味しい。
スコアやレートの低下を気にしないなら下手にデススキル使うより気楽に多量マス稼ぎ出来てGoodではなかろうか。
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チュウニズムな名無し
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チュウニズムな名無し
332018年10月27日 12:01 ID:oifg2m5cゴッドボイス→G.O.DにCVをつけるというフラグだった…?
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チュウニズムな名無し
322018年09月11日 19:46 ID:lri17pee僕の場合こういう激しいと綺麗が共存した曲だとむしろ爽やかキャラがイメージできない
初見のギャップは大きいけどよく聴いて、見てみると今は非常にしっくりきてる