食霊スター誕生!・ストーリー
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目次 (食霊スター誕生!・ストーリー)
食霊スター誕生!
オープニング
とある日の晩
イベント会場
イベント会場は人や食霊たちで溢れかえっていた。
普段から多く人が集まる場所だが、今日はいつも以上に熱気が溢れている。会場は、これから始まる番組を、今か今かと待ち構える者たちでいっぱいであった。
そんな彼らが注目するステージでは、二人の少女の姿が見える。彼女たちは、会場の観客に大きく手を振っていた。
ゼリー「ドドン! ハジオハ! みんなのゼリッチだよ~! おっ待たせしましたー!!」
マンゴープリン「おはようございます、マンゴープリンです! 今日も盛り上がっていきましょう!」
ゼリーファン1:イェー! ゼリッチ、可愛いっ! 天下一品!
マンゴープリンファン1:マンゴープリンちゃん、大好きだよー!
二人のファンは、舞台の上に立つゼリッチとマンゴープリンに気合を入れた掛け声を投げかける。
マンゴープリンファン2:マンゴープリンー! 大好きー! 付き合いたいよー!
ゼリーファン2:ゼリッチはぁっ、オレの嫁ぇっ!!
ゼリーファン3:誰だ!? 今叫んだヤツっ! ゼリッチは『オレの嫁』だぞーっ!
マンゴープリンファン4:マンゴープリンちゃんはボクと付き合うんだっ! 誰にも渡さない!!
口笛の音、喧騒の声……二人のアイドルを応援する熱気は、会場を激しく揺らす。その音は会場の外まで漏れていた。
通りすがりの女性「何があったんですか? すごい人ですね!」
通りすがりの女性「――あれは……ゼリッチとマンゴープリン? 人気アイドルの二人が何故ここに?」
ファン「もしや、知らないのですか? 今日ここで第一回『食霊スター誕生!』決勝戦進出者が発表されるのですよ。ちょうど今始まったところです。」
通りすがりの女性「何でしょうか、それは……。」
ファン「ゼリッチとマンゴープリンが司会を務める番組です。」
通りすがりの女性「し、知らないです……有名な番組なんでしょうか?」
ファン「当然ですっ! 大人気アイドル二人の冠番組ですからね!」
ファン「彼女たちの所属事務所が、新たなスターを発掘するために作った番組です!! 視聴者の投票で優勝者が決まるシステムなんですよ!!」
通りすがりの女性「そ、そうなんですか。すみません、あまりアイドルには詳しくなくて……。」
ファン「では、教えてあげましょう! 私の推しはね、ウォッカさんです! とても麗しく美しい女性なのですっ!」
ファン「だが、彼女は準決勝を勝ち抜けなかった……!」
ファン「私の可愛いウォッカ……みんな見る目がなさすぎるっ! うゎああぁぁあああっ!!」
通りすがりの女性「わ、わわわっ!! ちょっと!? 泣かないでくださいー!?」
そんな阿鼻叫喚な様相を見せる観客席を余所に、ステージでは二人のアイドルが番組を盛り上げている。
ゼリー「ハァーイ! みんなの熱意、たーくさん伝わってるよー!! みんなの大好きなあの子は勝ち抜いたかなー!?」
マンゴープリン「さーて! みなさんの熱い情熱のこもった一票がどうなっているか……?」
ゼリー「決勝戦に進むのはいったい誰かな? ゼリッチ、ドッキドキだよー!?」
ゼリー(えへへ♪ またゼリッチたちの仲間が増えちゃうよ、すごいなー!)
マンゴープリン「ふふっ、結果が楽しみですね♪ さぁ、心の準備はできましたか? 発表しちゃいますよー!」
マンゴープリン(あーあ……みんなが好きなのは、あたしだけでいいのに!)
マンゴープリン(ま、別にいいけどさ。どうせ誰が選ばれたって、あたしには敵わないんだから!)
スッとマンゴープリンが手を挙げると、会場の歓声は静まった。太鼓の音が高まり、みな息を呑んで大人しく結果発表を待っていた。
ゼリー「では、発表しますっ! 第一回『食霊スター誕生!』決勝戦に進出するスター食霊の名は――」
マンゴープリン「みなさんには、決勝進出者のどちらを支持するかを決めていただき、投票していただきます。その結果で優勝者が決まります! 推し食霊は一度決めたら変更できません! 慎重に選んでくださいね!」
――マンゴープリンの言葉に、ファンの熱気と歓声が沸き上がって天を衝く。そうして最高の盛り上がりを見せて、決勝参戦者発表会はゆっくりと幕を閉じた。
インタビュー:ダブルアイス
翌日の午後
会議室
スタッフC「失礼します。お二人は、ダブルアイスのバニラさんとイチゴさんですよね?」
バニラ「は、はい、そうです! あ、あなたは『食スタ!』のスタッフでしょうか!?」
イチゴ「バニラ、落ち着いて。」
スタッフC「ああ、そうだよ。君たちも『食スタ!』を見てくれてるの?」
バニラ「だって、面白いからさ! 毎回、すっごい楽しんでるよ!」
イチゴ「昨日はすっごい緊張してたけどね。」
バニラ「ちょっ……! 言うなよ! うぅ~! 選ばれるかどうか心配だったんだよぉ~!」
スタッフC「ありがとう。君たちが当番組に興味を持っていてくれたなんて、とてもうれしいよ。」
スタッフC「昨日の番組で、君たちが決勝戦進出を決めたことが発表されました。ですので、今日は決勝戦に参加する気持ちがあるかどうか聞きに来ました。」
バニラ「は、はい! 参加したいです! 是非とも! 絶対!!」
イチゴ「まぁ……兄さんが出るなら。」
スタッフC「ありがとうございます! お二人の参加の意思、しっかりと確認しました。」
スタッフC「では、これを。この紙には、明日の大会について詳細が記載されています。決勝戦の会場は、発表会場と同じところです。大丈夫ですか?」
バニラ「大丈夫です! 行きます……きっと行けます……。」
イチゴ「小さな声だね、バニラ。大丈夫だよ、僕が一緒なんだから。」
スタッフC「二人とも仲良しでいいですね。微笑ましい。」
スタッフC「それにしても、私はここに来られてラッキーでした。」
バニラ「え? どういう意味ですか?」
イチゴ「どうしてラッキーなの?」
スタッフC「ああ、すみません。実は、別のスタッフがもう一人の参戦者のところに行ってるんですけどね。あっちは大変みたいで……。」
スタッフC「なにやら、命の危険にさらされているようです。」
バニラ「俺たちの相手は……麻辣ザリガニだったよね?」
イチゴ「うん、そうだよ。」
バニラ「まぁ、彼はとっても強いからね。でも、負けられない!」
イチゴ「慎重に挑もうね。出るからには勝ちたいし。」
バニラ「心配しないで! イチゴの命は俺の命に代えても守るよ!」
イチゴ「バニラ、あの番組は命の危険を感じなきゃいけないような番組じゃないよ。」
バニラ「あ! そ、そうだったね。つ、つい……。」
バニラ「でも! 何が起こるかわからないし! 俺がイチゴのこと守るから! これは絶対だ!!」
イチゴ「……。」
スタッフC「さすがにお二人の命に関しては、我々スタッフが守りますよ。」
スタッフC「さておき……決勝参戦者に選ばれたということは、君たちには大スターになる素質があるということです。決勝戦での君たちの活躍に、期待しています!」
スタッフC「では、最後に。対戦者である麻辣ザリガニ氏に、何かコメントはありますか?」
スタッフC「個人的なコメントでもOKです。」
バニラ「うーん……何を伝えようか?」
イチゴ「バニラに任せるよ。」
バニラ「わかった! では……コホン! 俺たちは、どんな強い相手にだって、決して怯まない! カッコいい俺と可愛い弟がボコボコにしてやるぜ!」
イチゴ「ポーズまでつけて恥ずかしいよ、バニラ……。」
スタッフC「うん、なんとも可愛い双子のアイスくんたち! 私は君たちが勝つと信じてますよ! 頑張ってくださいね!」
インタビュー:麻辣ザリガニ
翌日の午後
道のほとり
スタッフA「警備! 警備を強化してください! 目標、まもなく到着!」
スタッフB「あのー、誰をインタビューするんですか? 詳しい話聞かないで来ちゃったんですが……。」
スタッフA「ああ、麻辣ザリガニだよ。」
スタッフB「マー……麻辣ザリガニ!? な、なんで彼を!?」
スタッフA「『食スタ!』の決勝戦進出者だからだろ。そうじゃなきゃ、なんであんな危険な男をこんな道端で待っていなくちゃならない?」
そのときだった。二人の後ろから、低い男の声が響いたのは――驚いたスタッフは、慌てて振り返る。
麻辣ザリガニ「俺様の名前を呼んだな? 何か用か?」
スタッフA「ぎゃあ!! マ、麻辣ザリガニ!!!」
スタッフA「そ、その……! 貴方にインタビューをしたくてですね……!」
麻辣ザリガニ「は? ジャマだ、どけ!」
スタッフA「そ、それはできないのです! 威風堂々としてカッコいい麻辣ザリガニさん!! 数分だけでいいのです!! 私たちに時間をください!」スタッフA「数分だけっ!! どうか、どうかどうかどうかっ!! お願いします!!!」
麻辣ザリガニ「……ちっ。早く話せ、少しだけなら聞いてやる。」
スタッフA「あ、あああありがとうございます! あの、私たちの会社では、『食霊スター誕生!』という、アイドルのゼリッチとマンゴープリンが司会を務める番組を作っているんですけどね……!!」
麻辣ザリガニ「要点をまとめて話せ。」
スタッフA「ひっ!! すみません!! その番組に、是非麻辣ザリガニさんに参加していただきたくてですね……!!」
麻辣ザリガニ「……てめぇら、何を言っている?」
麻辣ザリガニ「俺様の忍耐力を試しているのか……? わざわざ足止めして、いったいどういう了見だ。」
スタッフA「こ、言葉通りです! 私たちは本気です!!」
スタッフA「どうか、私たちの制作している『食霊スター誕生!』に出ていただけませんか!? 貴方のファンが、貴方の参加を強く望んでいるのです!」
麻辣ザリガニ「は? 俺様のファン? 誰だ、そんな異常なことを言っているのは。」
スタッフA「……。」
スタッフA「いえ、異常なことではありません。皆、貴方を好きで応援しているのです。」
スタッフA「貴方に番組に出て欲しいと、多くのファンが望んでいます。それだけじゃない、当番組に出ていただけたら、更にファンが増えること間違いなし!」
麻辣ザリガニ「……興味ねぇな。何がファンだ、アホか。」
スタッフA「そ、その……麻辣ザリガニさんは、ダックさんを知っていますか?」
スタッフA「そうです! 彼も今回の出場者候補でしたが、ファン投票で貴方に敗れました!」スタッフA「貴方は、たくさんの食霊を押しのけて、決勝戦の出場者に選ばれたのです。これは、あのダックさんに勝った結果の話なんですよ!」
麻辣ザリガニ「……なるほど。少し興味が湧いた。」
麻辣ザリガニ「だが……俺様があんな奴に勝ったか負けたかなんて、気にすると思うのか?」
スタッフA「も、勿論貴方は、ザリガニさんは勝ち負けになんてこだわったりしないですよね! けれど、貴方がダックさんに勝ったことは、紛れもない事実です!」
麻辣ザリガニ「ハッ! どうでもいいことではあるが、悪くない気分だ。」
麻辣ザリガニ「いいだろう。時間と場所を教えろ。」
スタッフA「ああぁ! 良かったぁ! では、決勝戦で戦う相手に対して、コメントをいただけますか?」
麻辣ザリガニ「対戦者がいるのか?」
スタッフA「えぇっと……貴方はたくさんの食霊に勝ちました。けれどもう一回戦わなくてはなりません。次が、最後の戦いになります。」
麻辣ザリガニ「む……まぁいいだろう。出てやるよ、その番組に。」
麻辣ザリガニ「どうせ、俺様には誰も勝てないしな。誰が相手だって叩きのめしてやるぜ……棺桶に入る覚悟をしてきな!」
スタッフA「ありがとうございます!! 私も貴方には誰も勝てないと思っています! 麻辣ザリガニ イズ パーフェクトスター!!!!」
麻辣ザリガニは不敵な笑みを浮かべ、挑戦的なまなざしで眉を吊り上げる。そして、はち切れんばかりの拍手をする番組スタッフの前を通り過ぎていった。
スタッフB「いやぁ、すごい媚の売り方でしたね……なかなかあそこまで言えませんよ。」
スタッフA「うるさい! 行くぞっ!」
会場
決勝当日
イベント会場
――決勝戦の会場は、荒れ果てていた。
ネオン管は割れ、脚立は折れ、応援席は崩れ落ちている。
会場の中央には、青ざめた表情で立っている者がいた。
司会者「み、皆さん、こんにちは。私は『食霊スター誕生!』の臨時司会者です。」
司会者「司会者は、ゼリーとマンゴープリンじゃないのか……とお思いの方々、ここで残念なお知らせをお伝えします。」
司会者「今しがた、会場に堕神が現れました!」
司会者「その結果、会場はこのような状態に……!」
司会者「しかし、ここにはゼリーとマンゴープリンのお二人がいらっしゃいましたので、会場に現れた堕神は、お二人によって迎撃されました!」
司会者「『食スタ!』スタッフは、こんな状況になってしまいましたが、それでも決勝戦を開催したいと願っています。」
司会者「けれど……会場の周りには、まだまだたくさんの堕神が溢れていて……そこで、御侍様たちにお願いがあります!」
司会者「『食スタ』の決勝戦を開催するために、堕神討伐に協力していただけませんか?」
司会者「勿論『タダで』とは申しません。ご協力いただける御侍様には、『スターブーケ』や各スターの『人形』を手に入れられるよう、手配しました。」
司会者「こちらのアイテムは、貴方の推し食霊に投票できるアイテムとなっております。」
司会者「投票期間は、堕神討伐終了まで延長されることになりました。貴方の清き一票が、結果を大きく揺るがすことになるでしょう!」
司会者「堕神を討伐して、決勝戦を開催できるように……どうかご助力を! 御侍様、何卒よろしくお願いしますっ!」
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