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カップ麺・エピソード

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目次 (カップ麺・エピソード)

カップ麺のエピソード

街の隙間や路地裏で生きる少女。昔はあるバンドに参加していたが、人間関係を面倒くさいと思うようになり脱退。気まぐれでだらしない性格の持ち主。温泉が好き。ドラムを叩く時は、自分の気持ちを隠すために紙袋を被る。



Ⅰ.奇妙な少女

ミドガル、グルイラオの政治的中心であり、ノース大陸で最も豊かな都市。だけどこの都市で、あたしの目標となる物は見つからない。ドラムスティックを握る時だけ、この迷いを忘れられる。


「あの変な子また来てる……最近ここら辺によく出没してるみたいね」

「そうね。彼女、新しい袋に変えたみたい」

「良く気付いたね……っていうかそんな所を見てたの?」

「彼女の演奏は良く聞こえるけど、何かが足りない気がする」

「それにしても、その勇気は賞賛に値するわ」


あたしはドラムスティックを握って、見ず知らずの人達に自分のドラムさばきを披露する。

親指、人差し指、中指でドラムスティックの三分の一にあたる部分を握り、薬指と小指は添えて、手のひら同士を向かい合わせる。

こうする事で、両手はドラムスティックと一体になれる。ドラムスティックを自在に使いこなし、軽快で自由。


あたしの技は完全無欠、パーフェクト。


ドン――ドンドン――


一曲が終わって、額から汗が滲み出た。今回の演奏はとても良かったと思う。あたしは目を軽く閉じ、息を整え、周りから聞こえるまばらな拍手……そして話し声を感じていた。


これは賛賞に値するのか?


どうして、施しのように聴こえるの?


あたしの技が完全無欠なら、どうして演奏を聴いてくれる人はこんなにも少ないの?


あたしは自分に言い聞かせてきた、こんな事を気にするな、自分らしくいれば良い。でも、この疑問は悪夢のように、あたしの喉を締め付け、息が苦しくなる。しばらくの間、空っぽな魂だけが残る。


あたしは知っている、これは演奏を終える度に発作が起きる「病状」だ。


御侍と別れた後、あたしは新しいバンドに加入した事は一度もない。一人で、このドラムで稼いで生きてきた。あたしは虚ろなまま、箱の中に入ってる金を数えた。いつも通り少ないけど、数日分の食事代にはなる。余ったら自分の好きな事に――温泉入るのに使える。


それでも、あたしはまだ心の中のわだかまりを忘れられない。

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タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
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  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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