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SRバーエピソード①

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うな丼

うな丼「わっー!このかくしりはスッキリするでござるな!」

御侍「これはカクテルだ!テール、尻尾だ!」

うな丼「うっ、大体合ってるではないか!全部鳥の尻ではないか。」

うな丼「鳥の尻で作った酒がこんなにも美味いとは、聞いた事が無かったでござる!」

御侍「……全然違う!カクテルは鳥の尻で作った物じゃない!」

うな丼「鳥の尻でなければ……わかったでござる!その名の通り、鳥の尻尾で作ったんでござるな!」

御侍「……」

うな丼「帰ったら焼き鳥に教えてやらねば!あいつもきっと知らなかったであろう!あははっ……」

うな丼「おいっ、御侍どうして拙者を叩く!」

うな丼「御侍!さぁさぁ!千夜豆!」

御侍「???」

うな丼「どうしたでござるか?先日乾杯の時に「千夜豆」と言っていたのを聞いたでござるよ!」

御侍「……もしかして「チアーズ」って言いたかった?!」

うな丼「それそれでござる!格好いいとは思わぬか!」

うな丼「千夜豆、千っ……う、ぐふっ……」

うな丼「ゴホゴホッ、御侍どうして急に鶏ももを拙者の口にいれたでござるか!しかし美味でござる……へへっ……」

御侍「その鶏もものが似合うと思うよ。」

御侍「う、な、丼!昨日私が呼んだマジシャンを怒らせたって?!」

うな丼「まじしゃんとは?あぁ、昨日いた人を騙している奴の事でござるか?」

御侍「……騙すって!あれはショーの一種だ!」

御侍「で、何したの?」

うな丼「うっ、薔薇を出していたので、酒を出せとお願いしたら、断られたでござる。」

うな丼「その後、皆の衆に奴は薔薇を袖の中に隠していたと伝えたら、怒って帰ったでござる。」

御侍「……」

うな丼「しかし拙者は本当に薔薇を袖に入れていたのを見た!拙者でも出来る!」

うな丼「鶏ももとサツマイモを隠して、豚骨ラーメンにバレなかった事もあるでござる!」

御侍「……それとは話が違う!」

うな丼「御侍!屋根は修理できたでござる!何か褒美は……」

御侍「お疲れ様!あとあっちの壊れたテーブルもお願い!」

うな丼「お安い御用!」

うな丼「テーブルが直れば、何か食べ……」

御侍「厨房の機械もちょっと故障してるみたい、それもお願いできる?」

うな丼「……御侍!拙者は雑用係ではない!」

御侍「自分から手伝うって言いだしたんじゃん。」

御侍「しかも豚骨ラーメンが言ってた、こういうの得意だって。」

うな丼「……わかったでござる。では夕飯に鶏ももを一つ追加してくだされ!」

御侍「うな丼……また豚骨ラーメンに殴られたのか?」

御侍「殴られたのになんでそんなにヘラヘラしてんだ……本当に大丈夫か?」

うな丼「そうではない!殴られたわけではないし、「また」とは聞き捨てならぬな!」

御侍「心配してるんだ。そうじゃないならいい。」

うな丼「ただ先程誤って白髪で大きな剣をもった奴の酒を取ってしまったでござる。」

御侍「それって……ロンフォンフイ?」

うな丼「そうでござる!ロンフォンフイ!」

うな丼「あんなに凶暴な者に会った事がなかった、喧嘩をしたでござる。」

御侍「???」

うな丼「しかし勝負はつかずじまい、最終的に酒を分け合ったでござるよ。今は拙者の兄弟となった!」

うな丼「御侍、御侍!」

御侍「うな丼どうしたのこそこそして?」

うな丼「シーッ!静かに!豚骨ラーメンにバレてはならぬ!」

御侍「はぁーー正直に言って、また何かやらかしたの?」

うな丼「やらかしてなど……!ただ仕事中に酒をこっそり飲んだだけでござる、少しだけ!」

御侍「ジーッ、その様子じゃ少しだけじゃない気がーー」

うな丼「あぁ!その通りでござる、気付いたら……」

うな丼「御侍!豚骨ラーメンには言わないで頂きたい!一週間飯抜きにされてしまう!」

御侍「彼女が自分で気づいちゃったら、助けられないよ。」

うな丼「そんな事はーー気付かれてしまったら、焼き鳥がやったと言おう!へへっ!」

うな丼「よお、御侍!この酒美味しいでござる!」

御侍「気に入ってくれて良かったよ、また来てねー」

うな丼「勿論でござる!次は豚骨ラーメンも連れて、焼き鳥の奴は……いいや!」

御侍「良いよ、一緒に来てくれるなら大歓迎だ。」

うな丼「あー!ここで飲む酒は美味い!」

うな丼「御侍よ、人は足りているか?保証する、拙者がここにいれば、チンピラ共は来ないでござるよ!」

御侍「気持ちはありがたいけど、しばらくは護衛は必要ないかな。」

うな丼「そうでござるか。しかし何かあればいつでも拙者を呼ぶと良い、報酬はいらないのでーー」

うな丼「ーー酒を何杯か頂けると!」

御侍「わかったわかった。」

うな丼「御侍早く来てくだされ!この酒を飲むでござる!」

御侍「バーで見かけた事がないな……自分で持ってきたの?」

うな丼「へへっ、その通りでござる!」

うな丼「しかし、この酒は確かにここで手に入れた物でござる。」

うな丼「先日埋めた物だ、どうだ、思いつかなかったであろう?」

御侍「???」

うな丼「どういう表情だ?味わってみよ、味は保証するでござる!」

うな丼「これが気に入らなければ、また別のを掘れば良い。」

御侍「何本埋めたんだ?」

うな丼「あぁ、一、二、三、四……もう覚えておらぬ!」

うな丼「フンッ、酒を飲ませてくれぬのなら、店から家出してやる!」

御侍「店から?うな丼豚骨ラーメンの店の事を言ってるのか?」

御侍「え?なんか揺れてるけど……酔っぱらった?」

御侍「う!な!丼!店から迎えを呼んだ方がいい?」

うな丼「い、いらないでござる!家出しているのでござる!」

御侍「ぷはっーー今帰らないと夕飯には間に合わなくなるよーー」

うな丼「あああっーー夕飯ーー夕飯は置いて行ってくれーー」

御侍「ははっ、夕飯は食べたいんだ。」

うな丼「夕飯、夕飯はいいので……酒を残してくれ……へへへっ……」

御侍「……やはりお酒の方が大事か?!」

御侍「うな丼うな丼?」

うな丼「ふぅ……あの酒をこっそり飲んだのは拙者ではない!」

御侍「起きて、よだれが床に垂れちゃうーー」

うな丼「うっ、あれ、御侍……」

御侍「もう一日ここで寝てたよ、もうすぐ閉店だ。」

うな丼「うっ……帰りたくない……豚骨ラーメンがいじめるでござる……」

御侍「???」

うな丼「彼女が客に作るラーメンの麺は56本あるが、拙者のには46本しか入ってない……」

御侍「本気?!」

うな丼「本気ではない……嘘をついたら……追い出されてしまった……」


カッサータ

カッサータ「御侍、最近チーズがいつも来てるみたいだが、毎回ドリンクを持って帰ってくる。全部御侍が作った物なのか?」

御侍「そうだよ、最近新しい酒を作ったからカッサータもどう?」

カッサータ「うん?今日出来た新しい酒か?」

御侍「そうだよ、ここ何日いつもチーズとこのお酒を作ってた。」

御侍「チーズは独自の配合があるみたいで、それを試したいんだって。」

カッサータ「……チーズと作った酒は青いのか?」

御侍「うん、そうだ!冷たい青色、海みたいな、口当たりも良いぞ。」

カッサータチーズが持って帰ってきた時、その酒は赤になってたが?」

御侍「…………」

御侍「カッサータピザに宜しく伝えといて」

カッサータ「よぉ、御侍!このバーは良いな。」

御侍「そうでしょう、私の見る目を信じて。そうだ、今日は何しに来たんだ?」

カッサータ「バーがオープンするって聞いて、ピザチーズも来たいって騒いでたんだ。」

御侍「じゃあピザたちは?」

カッサータ「……あのバカはチーズと一緒に市場で遊んでる。」

御侍「あはは……相変わらずだね……」

御侍「だけど、二人だけ外にいるのも心配だね。」

カッサータ「あぁ、だから顔だけ出しに来た、もう帰る。」

御侍「早いね?」

カッサータ「仕方ない、俺はあのバカの護衛だからな。」

御侍「カッサータ……そんなに急いで……何かあったのか?」

カッサータ「御侍、ウイスキー来てなかったか?」

カッサータ「何かされてないか?」

御侍「安心して、何もしてなかったよ。」

御侍(彼が来て、リラックス出来るわけがない)

カッサータ「じゃあ、これから頻繁にここに来ないと。」

カッサータ「御侍、これからも宜しく。」

御侍「えっ?!待って、まだ承諾してない!」

御侍「あぁ、本当に、毎回ウイスキーの事になると、三人とも心配性なんだから。」

カッサータ(今回は、絶対守る)

カッサータ「過去は過ぎ去った……今が新たな始まりだ……」

御侍「あれ……カッサータ……寝ちゃった?」

カッサータ「どこ……どかだ……ピ…。。」

御侍「……カッサータ、大丈夫?」

カッサータ「お前を……騙したくない……」

御侍「(悪夢でも見てるのか?)」

カッサータ「行くな……」

御侍「?!手が掴まれた……」

御侍「上着を掛けようとしただけなんだけど……」

カッサータ「俺がずっと……守ってやる……」

カッサータ「変な夢を見た……」

御侍「変な夢?」

カッサータ「自分は呪われた狐になって、チーズは薔薇に、ピザは王子に、おれたちは城に住んでいた。」

カッサータピザチーズを拾って、水晶の瓶に隠した。」

御侍「気付かない内に夜鶯によぅって薔薇が盗まれた……」

カッサータ「だけど人魚王子の元で薔薇を見つけ出した。」

御侍「最終的に本当の友達になり、城で幸せに暮らした。」

カッサータ「意外に、本当の夢かも……」

御侍「今も一緒に幸せに暮らしているじゃない?」

カッサータ「そうだな、じゃあ御侍、先にどうして俺の夢を知っているか教えてくれ。」

御侍「カッサータチーズピザの保護者みたいだね。君がいなかったら、二人は困るだろうな。」

カッサータ「そうか?俺に出会わない方が、アイツらにとっては幸せだったかもしれない……」

御侍「えっ、カッサータ?」

カッサータ「俺の言葉を本気にした?」

カッサータ「心配するな、彼らと出会った事を俺は一度も後悔した事はない。」

御侍「(わかってる、君たちは今の生活を壊したくないんだって)」

御侍「いや、本気にしてないよ。君は、ピザたちに影響されて私の反応を見たいだけだよな?」

カッサータ「やはり御侍にはかなわない。」

御侍「それなら、罰として三杯飲んでいきな。」

カッサータ「ああ、ありがとう。」

御侍「???」

カッサータ「本当に、ありがとう、御侍。」

カッサータ「どうしてか、御侍を見てると悩みを忘れられる。」

御侍「褒められてる気はしないな。」

カッサータ「本当に褒めてる、心が優しい人じゃないと出来ない事だ。」

カッサータ「だから、俺もかつては優しい人になりたかった。」

御侍「うん?何か言った?聞こえなかった……」

カッサータ「何でもない、ただ俺は幸運だなと……」

御侍「幸運?」

カッサータ「あぁ……お前らに出会えて幸運だなと……」

カッサータ「御侍、申し訳ないけど……」

御侍「ピザ……?どうしたの?」

カッサータ「酒飲めないくせに、少しだけで酔っぱらってしまった。」

御侍「酔い覚ましを用意してくる。」

カッサータ「待ってくれ……出来れば、ここに寝かせてやってくれないか?」

御侍「うん?」

カッサータ「後で一緒に片づけてやる。」

カッサータ「明日折角の休みだろ、ピザはお前と一緒に出掛けたいんだと。」

御侍(明日朝一に私に会うために、ここにいるつもり?)

カッサータ「明日何も知らないフリして欲しい。このバカは彼なりに頑張ったんだ。」

御侍「カッサータ、本当に大変だ。」

カッサータ「うん?いや、これは俺の楽しみと言える。」

御侍「カッサータ?それは……誰かと喧嘩でもした?!」

カッサータ「……いや。」

カッサータ「たまたまバーの近くで堕神を見かけたから、ついでに倒しといた。」

御侍「だけど黒蛇の影が見えたような……」

御侍「カッサータ、本当に大丈夫?」

カッサータ「大丈夫だ、少し休めばいい。心配するな、ピザみたいな表情をしないでくれ。」

御侍「こういう時に冗談は言わないで。」

カッサータ「じゃあ、笑ってくれ、御侍。」

カッサータ「御侍、どうしてずっと俺を見てるんだ?」

御侍「見た事無い姿をしてるから。」

カッサータ「意識ははっきりしてる、酔ってるって言いたいのか?」

御侍「酔っ払いは大体そう言う。」

カッサータ「ははっ……お前らが傍に居る時は、酔っぱらわない……」

御侍「ピザの護衛だから?」

カッサータピザチーズを守る……御侍も勿論守る……」

御侍「無理しないで、たまに休むのも大事だ……」

カッサータ「無理はしてない、お前らのそばにいれるだけで……十分だ……」

エッグノッグ

エッグノッグ「御侍様、こちらに来てくださいませんか?」

御侍「どうした?」

エッグノッグ「先程作ったお酒を味見してみてください――安心してください、酔いませんよ。」

御侍「ん……甘い!美味しい――」

エッグノッグ「先程お酒には甘さが足りなかったんですが、貴方が来たら丁度良くなりました。」

御侍「……さっきの言葉を撤回する。」

エッグノッグ「もう二分経ちましたので、撤回は出来ませんよ。」

御侍「……」

エッグノッグ「あれ、ビールが持ってきた本は面白いな。色んな話が載ってる、聞きたい?」

エッグノッグ「御侍様、ローストターキーはこっそり来てませんよね?」

御侍「来てないよ、どうしたの。彼から逃げてるの。」

エッグノッグ「……いつもながら変わった発想をお持ちですね。」

御侍「一緒に居る時間は一番長いでしょ、どうして私に聞くの?ローストターキーの行方は君の方が詳しいでしょう?」

エッグノッグ「……」

御侍「ふふん、言ってご覧、また何か怒らせたの?」

エッグノッグ「いえ……ビールが帰って来ていまして……彼がローストターキーに話をしている時……」

エッグノッグ「ついでに自分が創作した詩歌をですね……ローストターキーに更なる薫陶を受けさせるため、自分を犠牲にして逃げ出すしかありませんでした……」

御侍「…………」

御侍「ローストターキーには申し訳ないけど……少し気持ちは理解出来る気がする……」

御侍「ゴホッゴホッ、エッグノッグ。考えてみない……このバーで働く事?」

エッグノッグ「ん?御侍様は僕と離れがたいという意味として捉えても良いでしょうか?」

御侍「エッグノッグが来てから、客足がグングンと伸びたからね――特に女性客。」

御侍「(まるで客寄せパンダだ!)」

エッグノッグ「……」

エッグノッグ「しかしローストターキーは恐らく……」

御侍「ローストターキーはいくら出してるんだ!三倍出す!」

エッグノッグ「???」

エッグノッグ「御侍様、深夜まで営業するのは良くないですよ。」

エッグノッグ「早めに休まないと、体に障ります。」

御侍「大丈夫、毛根には自信あるから。」

エッグノッグローストターキーは何日も続けて自分を書斎にこもっていましたがーー」

エッグノッグ「翼から結構な量の羽が抜け落ちたそうですよ……」

御侍「それは君にいじめられた事が原因じゃなくて?」

エッグノッグ「……そんな事はしませんよ。」

エッグノッグ「この事は絶対彼に言うなよ、更に抜け落ちちゃいそうだ。」

エッグノッグ「だからーーお休みして頂けますか?」

御侍「最近、君とビールなんか変じゃない?」

エッグノッグ「うん?どこがでしょうか……」

御侍「ジーッ、もしかして何かから逃げてるーー」

エッグノッグ「御侍様、何を仰ってるんですか、意味が分かりませんよ……」

御侍「ジーッ、あっ!わかった!ローストターキーから逃げてるんでしょ!」

エッグノッグ「……どうしてわかったんですか?」

御侍「いつもならこの時間は、ローストターキーと一緒に書斎で公文書を読んでる時間でしょう?」

エッグノッグ「それは最近王宮の事情が少し変わったからで……」

御侍「本当に?でもローストターキーはそんな事言ってなかったなーー」

エッグノッグローストターキーは何を?大した事ではないのに……」

御侍「だから何をしたんだ?」

エッグノッグ「僕たちはただ彼に、ここは子どもが来る場所じゃないと言っただけです。」

エッグノッグ「まさか僕たちに付いて来ようとするとは、なのでこっそり来るしかなくなりました。」

御侍「ぷっ、ははははっ!そういう事か。」

エッグノッグローストターキーは何を言ったんですか?」

御侍「ローストターキーはねーー何も言ってないよ、嘘だよー」

エッグノッグ「……それはビールの影響ですか?」

御侍「エッグノッグ、今日もお酒作り手伝ってくれてありがとう!」

エッグノッグ「御侍様のお役に立てているのなら、苦ではありませんよ。」

御侍「お酒を飲みに来たのに、逆に手伝わせちゃって……」

御侍「だけど君のおかげでお客さんは増えた!みんな君のお酒を褒めちぎってるよ!」

エッグノッグ「貴方もそう思いますか?」

御侍「勿論!ただどうやってお礼をしたらいいか……じゃあ……今後君が飲むお酒は全部私の奢りでどうだ!」

エッグノッグ「あぁーーそれより一日の時間が欲しいです。」

御侍「一日の時間?」

エッグノッグ「一日空けて、僕に付き合って欲しいです。」

御侍「あれ……?」

エッグノッグ「二日でも良いですよ?」

エッグノッグ「ここがビールが言っていたバーですか。あぁ、センスは良さそうですね。」

御侍「ビールに進められて来たんだね。」

エッグノッグ「御侍様もいらしてたんですか、良かったです。では先程貴方の為に作ったお酒を味見して頂けませんか?」

御侍「いいよ、前作ってくれた酒美味しかった記憶がある。」

エッグノッグ「覚えててくださったのですね、嬉しいです。あれは貴方のために作ったものですから――」

エッグノッグ「あぁ、貴方が酔った姿も可愛らしかったですよ。」

御侍「……何も言ってない事にして!」

エッグノッグ「わかってます、僕しか見てませんから。」

エッグノッグ「今日はどんなお酒が良いですか?新しいお酒を作る事も可能ですよ?」

御侍「わ、私今日はもういいかな!」

御侍「エッグ!ノッグ!私の食べ物の中に酒を入れて百七回目だ!」

エッグノッグ「御侍様、よく覚えてらっしゃいますね、感動致しました……」

御侍「そりゃそうだ、五十八回はチョコレートに……あと三十四回はビスケットに……違う、そこは大事じゃない!」

エッグノッグ「では、次回からはお酒の中に食べ物を入れてみるというのはどうでしょう?」

御侍「エッグ!ノッグ!」

エッグノッグ「クッ、すまない。御侍様の姿があまりにも可愛らしいのでつい。」

御侍「…………」

エッグノッグ「申し訳ございません、怒らないでください、今回は本当に酒は入れてませんよ。」

エッグノッグ「試して見てください、これはビールが光耀大陸から持ち帰った茶葉です。少し苦いですが、健康に良いそうですよ!」

御侍「……じゃあ百六回にしておく。」

御侍「エッグノッグ、こんな所で寝てたら風邪引くよ。」

エッグノッグ「ふぅ……ふぅ……」

エッグノッグ「残った公文書は……僕に任せてください……休んでください……休んでください……殿下……ふぅ……」

御侍「事務作業が忙しいみたいだな……」

エッグノッグ「ふぅ……御侍の所も手伝わなければ……」

御侍「私の事まで……」

エッグノッグ「バーを潰してはいけない……ふぅ……」

御侍「???」

エッグノッグ「そうしないと……御侍は悲しむ……ふぅ……ふぅ……」

御侍「はぁーー泣けばいいのか、笑えばいいのかわからないよ……」

エッグノッグ「御侍、どうして顔を顰めているんですか?笑ってた方が良いですよーー」

エッグノッグ「眉間に皺を寄せている姿も可愛らしいですけど。」

御侍「……あっちを見て。」

エッグノッグ「おや、花束とチョコレートがたくさんですね、今日は何か特別な日でしょうか?」

御侍「全部君宛てだって。」

エッグノッグ「僕宛てですか……?御侍様のお気持ちだったのですね!でしたらありがたく……」

御侍「いや、バーの女の子のお客さんからのだよ。」

エッグノッグ「……つまり……」

御侍「君がバーに来てから、花とチョコレートが途切れた事は無い。」

エッグノッグ「……」

エッグノッグ「あぁ、そうですか……しかし僕の花はーーここにいます。」


スノースキン月餅

御侍「スノースキン月餅、お酒は好き?」

スノースキン月餅「お酒は……特別……他の物と味が違う……」

スノースキン月餅「嫌いじゃない……」

御侍「今後作った新商品の味見をお願いできないかな?」

スノースキン月餅「御侍さまが……必要としているなら……いいよ。」

御侍「ヘヘッ、これを飲んでみて。」

スノースキン月餅「うん……甘い……」

スノースキン月餅「これは……御侍さまの味……」

御侍「スノースキン月餅、絵を描いてるの?」

御侍「あれ、どうしてこのお酒を全部描いてるの?」

スノースキン月餅「とても……綺麗だから……御待さまから貰ったから……」

御侍「いっぱい描いたね……!スノースキン月餅凄いよ!」

スノースキン月餅「はい……」

御侍「これを印刷してバーの宣伝冊子を作っても良い?絶対お客さんいっぱい呼べるよ!」

スノースキン月餅「御侍さま……好き?」

御侍「大好き!あれ、最後のページは……」

スノースキン月餅「なんでもない……!」

御侍「スノースキン月餅どうして隠しちゃうの?人が二人いたような……」

御侍「わかった、きっと新しい本の表紙を描いてるんだね、だから見て欲しくないのかな?」

スノースキン月餅「……」

御侍「なるほどね……あれ……顔赤いよ……?」

御侍「スノースキン月餅、手紙を書いてるのか……ごめん、邪魔しちゃった?」

スノースキン月餅「いえ……御侍さまに会えて……嬉しい……」

御侍「邪魔してなくて良かった。これは……納豆たちに……?」

スノースキン月餅「うん……この面白い場所を……教えようと。」

御侍「ヘヘッ、褒めてくれてありがとう。」

御侍「もし本の中で勧めてくれなかったら、こんなにお客さんは来なかったかもしれないよ。」

スノースキン月餅「御侍さまの……お役に立てて……良かった……」

御侍「スノースキン月餅ー君の本を店に置いたら、お客さんは更に増えたよ!」

スノースキン月餅「御侍さまの役に立てているなら……良かった……」

御侍「でも彼らはきっと気付かないんでしょうね。自分が好きな作家はもしかしたら隣に座っているかもしれないという事に。」

御侍「今度君が私にくれたサイン本を見せびらかしてくるー!」

スノースキン月餅「御侍さま……」

御侍「分かってるよ、安心して。作者の事を勝手に他人に教えたりしないから!」

スノースキン月餅「うん……これは……わたしと御侍さまだけの……秘密……」

スノースキン月餅「御侍さま……冊子が……見つからない……」

御侍「まずい!さっき何かをこそこそと懐に隠していた人を見た……まさか?!」

御侍「スノースキン月餅安心して!まだ遠くに行っていないはず、絶対取り返してあげる!」

スノースキン月餅「御侍さま……違う……」

御侍「あの泥棒はきっと君の原稿を使って偽の本を出版するつもりだ!」

御侍「ダメだ!君の本を守るために!絶対取り返してやる!」

スノースキン月餅「持って行かれたのは……わたしの本じゃない……」

御侍「えっ?君のじゃない?」

スノースキン月餅「バーの……メニュー冊子が……なくなった……」

御侍「?!」

スノースキン月餅「御侍さま……機嫌悪い……?どうしたの……」

御侍「冰の在庫が足りなくなってきた……」

スノースキン月餅「冰……うっ……」

スノースキン月餅「御侍さま……あげる……」

御侍「どこから出したの?!」

スノースキン月餅「わたしの蓮から……もっと出せる……全部御侍さまに……」

御侍「えっ?!待って?!多過ぎる!」

スノースキン月餅「御侍さま……わたしが作ったお酒……飲んでみて……」

御侍「私に!?これは、冷たくて……スノースキン月餅みたいだ。」

スノースキン月餅「御侍さま……気に入ってくれると……」

御侍「勿論気に入ったよ!すごく良く出来てる!」

スノースキン月餅「じゃあ……御侍さまに……もっと作る……」

御侍「でも……冷たい物を飲み過ぎても……良くないかも。」

スノースキン月餅「冷たいの……ダメ……?」

御侍「そういう意味じゃなくて……ただ……もしかして今は冬って気付いていない……?」

スノースキン月餅「特別な……味……」

御侍「ジャジャーン!お客様、おめでとうございます!こちらは今シーズン最新のカクテルでございます!」

スノースキン月餅「御侍さま……?」

御侍「まさかスノースキン月餅もお酒を飲みにここに来るとは思わなかった。」

スノースキン月餅「うん……旅行の途中……偶然見つけた……」

御侍「ここ悪くないでしょ?」

スノースキン月餅「たくさんの人……たくさんのお話があって……面白い……」

御侍「そうだね、確かにここにいると色んな面白い事に出会えるね。」

スノースキン月餅「インスピレーションを……探すには……良い……」

御侍「新しい作品を期待してても良いのかな!」


テキーラ

テキーラ「あぁ!気分が良い、こんなにお酒を嗜むのは久しぶりだ!」

御侍「そんなに飲んで、なんかいい事でもあった?」

テキーラ「いえ……近頃法王庁は猫の手も借りたい程に忙しく、やっとクロワッサンの目を盗んで出てこれたんです……」

テキーラ「待ってください、クロワッサンはここに来てませんよね?」

御侍「クロワッサンは君みたいにサボったりしないよ。」

テキーラ「ふぅ、良かったです。サボってなんかいません、堂々と休憩をしているのです。」

テキーラ「どこからか堕神が大量発生して、倒しても倒してもきりがないんです……」

御侍「もしかしたら、年末だから決算で忙しいんじゃない?」

テキーラ「どういう事でしょうか?」

御侍「テキーラ、慌ててどうしたの?また何かやらかしたの?」

テキーラ「違います、クロワッサンが報酬を払わなくてもいい僕たちみたいな労働力を酷使しているんです。」

御侍「あら、クロワッサン、ちょうど良い時に……」

テキーラ「さ、さっき言った事は冗談です!一か月も法王庁の掃除をするのはごめんだ!」

テキーラ「サボってないです!酒が飲みたかっただけなんです……」

御侍「ぷははっーーまさかクロワッサンがウソ発見器になるとは。」

テキーラ「……御侍、サマ!」

御侍「えぇ、そんな目で見ないでよ。」

御侍「全部マティーニが教えてくれたんだ。」

御侍「テキーラテキーラ?」

テキーラ「あぁ、御侍サマでしたか。」

御侍「ボーっとしてたから、何回も呼んだよ、何見てるの?」

御侍「あれ、マルガリータ?」

テキーラ「何を言ってるんですか、ダーツを投げている人を見ていただけです……あの人よりフィッシュアンドチップスの方が上手く投げられます。」

御侍「そ、そうか。マルガリータは良く手伝いに来てくれるよ、もし……」

テキーラ「思い出しました、クロワッサンからの任務はまだ終わってないんでした……お先に失礼致します……」

御侍「彼女は普通に生活しているよ、何の異常もないよ。」

テキーラ「……」

テキーラ「わかりました……ありがとうございます、御侍サマ。」

テキーラ「御侍サマ、一緒に一杯飲みませんか?」

御侍「いいよ、今日は一人だけ?」

テキーラ「そうですね。クロワッサンはバーの騒がしさを嫌って、マティーニどこに行ったかわかりません。フィッシュアンドチップスはーー彼の酒量は信用できないので。」

テキーラ「だから僕一人しかいませんよ。どうしたんです?失望しましたか?」

御侍「なんかつまらなそうに見えたから。」

テキーラ「だから、御侍サマ、アナタを探しに来たのですよ。」

テキーラ「僕を歓迎してくださらないのですか?それは悲しいですね……」

御侍「ま、待って!近いよ。」

テキーラ「ふふっ、何を緊張されてるのですか?」

テキーラ「御侍サマー早く僕が焼いた手作りクッキーを食べてくださいー」

御侍「わっ、甘い。」

テキーラ「ははっ、僕のクッキーを食べたなら、アナタは今から僕の物になりましたね!」

御侍「今吐いたらチャラにならない……?」

テキーラ「……ダメです、ダメですよ。」

御侍「またどこからそんな話を聞いて来たんだ?」

テキーラマティーニの言ってた事と違うじゃないですか。」

御侍「何ブツブツ言ってるの?」

テキーラ「いえ……!マティーニにまたからかわれました……」

御侍「えっと、このクッキーを食べないと、私は君の者にはなれないのかな?」

テキーラ「御侍様、彼をどこかに閉じ込める事は出来ないでしょうか?」

御侍「フィッシュアンドチップス寝ちゃったの?」

テキーラ「僕に飲み比べを挑んできたのですが、何杯も飲まない内に倒れてしまいました。つまらないですねー」

テキーラ「寝るだけならまだいいのですが、いびきの音がだれよりもうるさく、よだれも僕の銃に跳ねそうになってましたよ。」

御侍「ぷっ、ハハハッ。流石フィッシュアンドチップス。」

テキーラ「そうですね、連れてくるんじゃありませんでした。しかし、」

テキーラ「御侍サマが楽しそうに笑っているので、許してあげてもいいでしょう。」

テキーラ「御侍サマ、こちらを見てください。」

御侍「綺麗な花!」

テキーラ「あぁ、やはり御侍サマには似合いますね。」

御侍「マティーニから教わったんでしょう?」

テキーラ「彼から教わる訳ないじゃないですか。今日来る途中、あるお嬢さんが困っていたので、チンピラ退治を助けたところ、お礼に頂きました。」

テキーラ「魅力的すぎるのも、時には悩みの種になりますね。」

御侍「見くびっていたみたいだね。ナルシスト度合いは、彼とそう変わらないみたいだ。」

テキーラ「御侍サマ――独りぼっちの僕を見て、何かしてくださらないのですか?」

御侍「グラスが二つ置いてあるじゃないか。」

テキーラマティーニがここを出てからもう一時間が経ちましたよ。」

テキーラ「もしかしたら、お手洗いに行く最中、またはお手洗いから帰ってきた時に迷ってしまったのでしょうね。」

御侍「???」

テキーラ「あぁ、しかしこのような素敵な夜を無下に出来ませんね。そうですよね、御侍サマ?」

御侍「マティーニは?」

テキーラ「僕と一緒にいる時に、他の人の事を考えるのですか?安心してください、流石の彼も法王庁までの道を忘れたりしませんよ。」

テキーラ「だから、今は僕たち二人だけの時間です。」

御侍「えっと……マティーニが戻ってきたって……言いたかったんだけど……後ろにいるよ。」

テキーラ「……タイミングが悪いですね、次はもっと遠い場所まで追っ払わないといけませんね。」

テキーラ「御侍サマ、マティーニとフイッシュアンドチップスは見かけませんでしたか?丸一日疾走してるんです。」

御侍「あの二人なら、昨日の夜来てたよ、ぷはっ!」

御侍「ゴホゴホッ、いや笑ってない、よ、ぷっ!」

テキーラ「それはどういうリアクションですか?」

御侍「もしかしたら、恥ずかしくて隠れてるんじゃないかな。」

テキーラ「???」

御侍「ふっ、聞いてない?昨日夜、二人はみんなに素敵なダンスを披露したんだ。」

テキーラ「?」

御侍「酔っぱらったフィシュアンドチップスがマティーニを引っ張って、ステージに上ってバレエを踊ってた。」

御侍「止めたんだけど、二人ともノリノリだったから。私は……写真を撮るしかなかった。」

テキーラ「はははははっ!」

テキーラ「まさかマティーニもこんな事をするなんて!ははははっ!持って帰ってクロワッサンたちに見せなければ!」

テキーラ「……」

テキーラ「待ってください……御侍サマ……何か視線を感じませんか……」

御侍「うん……私も感じてる……二つの視線を……」

テキーラクロワッサンの羽……柔らかい……」

御侍「?」

御侍「あぁ、テキーラの寝言か……」

テキーラ「食べられないのが残念……手羽先の方が良い……」

御侍「?」

テキーラマティーニの耳は……尖ってる……」

テキーラ「でも触らせてくれない……」

御侍「…………。」

テキーラ「フィシュアンドチップス……ポテトチップスの方が美味しい……」

御侍「ヤバい……わ、私殺されるんじゃ……」


ビール

ビール「たまに新鮮なカクテルを試してみるのも、悪くない体験だ。」

ビール「カラフルな色どりで、味もそれぞれ違う。」

御侍「ヘヘッ、今飲んでいるのは私が作った物だ。」

ビール「しばらく会わない内に、また腕を上げたな。頻繁に通わなければ。」

御侍「本当は、みんなに助けられて出来たんだ、私だけの力じゃない。」

ビール「御侍の進歩を見られて、僕は嬉しい。」

ビール「今後旅する時、きっとこのバーを人々に紹介するよ。」

ビール「そうすれば、僕も力になれるのでは?」

御侍「ん……良い匂いがする、まるで……クコの実のような……」

御侍「あれ……でもなんでバーにこんな匂いが?!」

ビール「あぁ、御侍も良い匂いだと思うか?」

御侍「ビール……?手に持っているのは……保温瓶?!」

御侍「もしかして……ビールの中にクコの実を入れたの?!」

ビール「御侍は賢いな、どうだ味わってみるか?」

御侍「……それ誰から聞いたんだ?」

ビール「あぁ……グルイラオで若者に教わった。」

ビール「こうすれば養生できると。僕も変わってる方法だとは思ったが、御侍も普段からこうするのか?」

御侍「……」

ビール「バーの若者たちを見ていると、自分も若くなったような錯覚を感じる。」

御侍「ビールも見た目は若いよ。」

ビール「それは僕の容姿を褒めているのか?それは嬉しい。」

御侍「……その表情をしなければもっと良いけどね。」

ビール「そうか、なら御侍ももっと笑わなければ。」

ビール「あと運動もしないと。踊っている若者見ていると、青春は良い物だなと感じる。」

御侍「また……」

ビール「やっぱり仕事の後に飲む冷えたビールは最高だな!」

御侍「そうだなーー気持ちが良いーー!」

ビール「この提案悪くなかったでしょ?」

ビール「この休憩時間に、一曲歌ってやろう……」

御侍「待って!君も一日疲れただろ、ちゃんと休まなきゃ。」

ビール「だが、歌を歌うというのもリラックスする方法の一つだ。」

ビール「しかも最近新しい曲を作った、御侍もきっとまだ聴いた事がない。」

ビール「パラータで旅をしていた時、現地の伝説を元に作ったんだ。」

ビール「美しい黄砂ーー純白の雪花ーーあれ?御侍はどこに行ったんだ?」

ビール「酒もまだ飲み終わってない、もったいないな。」

ビール「ここでお酒を飲んでると、旅の疲れが忘れられる。」

ビール「やはり御侍が居る所で飲む酒はこういう魔力が宿る。」

御侍「それはきっと、私が作る酒が美味しいからだ。」

ビール「僕が言いたい事を言ってくれるなんて、相性抜群のようだ。」

御侍「客観的な事実だからね。」

ビール「では僕の主観で感じた事を伝えよう。この酒を飲んだ時、僕はティアラで旅した日々を思い出す。目くるめく毎日、そよ風で揺れる髪先、潮騒に抱かれる海岸、星の光がまぶされた空……」

御侍「……」

ビール「あぁすまない、劇を見たからか、気付いたら気持ちが溢れ出てしまった。」

御侍「……」

ビール「その表情……このポエムは良くなかったのか?もう一度読もうか?」

ビール「えっ、なんでぶつんだ?」

ビール「冷えた酒も良いが、冬に飲む熱い酒も気持ちが良い。」

御侍「外で雪が降っていれば、尚素晴らしいーー!」

ビール「はははっ、同じ考えみたいだな。」

ビール「うん?御侍、どうして窓を開けているんだ?室内は暖かいが、風を引いてしまったらよくない。」

御侍「わかったよ……今日雪降るか見てたんだ。」

ビール「ぷっ、相変わらず可愛らしいな。」

御侍「あれ……?窓の外に見える人影、ローストターキーみたいだけど……」

ビール「……本当に来たんだな。」

御侍「うん?ビールなんか言った?ローストターキーがどうしたって?」

ビール「あーなんでもない、ここは子どもが来る場所じゃないと言っただけだ。」

ビール「今日、バーで流れている曲はなんだか聴き覚えがあるような。」

御侍「えっ、知らないの?これはティアラで今一番売れてる曲だよ。」

ビール「少し前に旅していた時、聴いたかもしれない……紹介してくれるか?」

御侍「この曲は『Baby Baby☆私たちは君のハニー』と言って、『一緒にミドラド シドラド ソドラドソ~♪』。あはは……歌っちゃった……聞かなかった事にして!」

ビール「なるほど……可愛らしい曲名と特別な曲調……今まで聴いて来た曲と違うな。」

ビール「あぁ、もう若者たちの流行りについていけてないのか……」

御侍「ビールの曲も良いよ、それぞれの良さがあるから。」

ビール「御侍が認めてくれるなら、僕の歌も捨てた物じゃないな。」

ビール「その気持ちに応えて、是非一曲聴いてくれ……」

御侍「?!え、えっとまだやる事があるから!残念だけど、またね!」

ビール「……歌を歌う代わりにおやつを頂いた……」

ビール「あぁ、御侍はいつも慌ただしいな。」

ビール「外の雪が融け始めた、御侍、どういう事を意味しているかわかるか?」

御侍「それは……春がやってくるって事?」

ビール「そうだ、太陽が僕らを照らしているという事。」

ビール「かつてある国を訪れた事がある。そこの人々は強くて素敵だが、ある冬に彼らは大自然からの罰を受けた。」

ビール「最初は、病気を患ったのは一人だけだった、しかし気付けば国全体がその病気に侵された。」

ビール「しかし人々の揺るぎない善良の心によって、最終的に国は救われた。」

ビール「最後、雪が融け、春陽によってその国は照らされた。」

御侍「これは考えさせるような話だ、大自然の力は計り知れない……」

ビール「もし……僕らが尊重を覚えなければ、この話は僕らの身に降りかかるだろう……」

ビール「脅かしているだけだ、そんなにビビるな。」

御侍「……」

ビール「御侍、どうして僕はこの詩歌を飽きもせず歌い続けていると思う?」

御侍「好き……だから?」

御侍「ビールは今まで色んな所に行って、その場所全てを愛しているから。」

ビール「流石御侍は僕の事をよくわかってる。」

ビール「そうだ、歌う価値があるから。どんな場所の景色も、歴史も、美しい歌に乗せて歌う価値がある。」

御侍「僕は自分の力を使って少しでも貢献できるなら、それはとても良い事だとは思わないか?」

ビール「こんな場所でこのような真面目な話をするものではないな。」

ビール「ではーー御侍のバーのためにも新しい歌を作ったんだ、聴いてくれるか?」

御侍「…………」

御侍「これが君が何も言わず歌う理由か!」

ビール「バーは僕のような流浪してる旅人にお似合いだ。お酒をありがとう、御侍。」

ビール「あぁ、出来る事なら、ここに残って離れたくない。」

御侍「ビール……ここに残ろうと思わないのか?」

ビール「ここに残ったとしても行く場所がない、法王庁は……クロワッサンがきちんと管理している。」

ビール「僕は彼を信じている、彼が僕を信じているのと同じように。」

ビールローストターキーの傍にもエッグノッグがいるし、彼らもちゃんとしている。」

ビール「あぁ、あとは僕のような年寄りしかいない。」

ビール「だからまだ生きている内に好きに世界を回っているんだ。それがいいだろ、御侍?」

御侍「……そういう事を気軽に言うな!」


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