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青灯魍影・ストーリー・サブ1~7

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作成者: 時雨
最終更新者: ういっす

庭の一隅

竹の庭。

 豪雨が止んだ後の晴れ、鹿威しの音が飛び石の間に響く。夕方は一日中最も清閑な時のはずだが、この庭は大変忙しい。

 少し暗い赤の雲が風とともに遠いところへ行く。月見団子は温かいお茶を持っている。そばでみたらし団子がいくつか並べられている。

 他の人たちは忙しく何かを準備しているが、彼だけは離れた所で別のことをしていた。

 手持ち無沙汰な自分が気になったのか、月見団子は三色団子を持って労働中の者たちの傍に行った。

月見団子「根詰めすぎですよ、少し休憩してはいかがでしょうか?」

舎弟「月見さんこそ、座っていてくださいよ!今回の花火大会絶対勝ってみせます!ボスの顔を潰したくないんです!」

月見団子(……ただ花火を上げるだけでしょう、顔を潰すことと何の関係があるのでしょう?)

月見団子「……わかりました。では頑張って下さいね。」

舎弟「ご安心ください!!!おい!お前ら、サボるな!絶対に最高の花火を作ってあの壺に入り込んでいるタコ野郎に目に物見せてやる!」

月見団子(……誰もが貴方たちのボスみたいにおバカだと思っているのでしょうか?)

 月見団子は長いため息をつくと、部屋に戻って最近の報告をまとめ始めた。


 桜の島の昼が非常に短い。瞬く間に空は真っ暗になった。

 月見団子は机の上に置いた蝋燭を灯した。蝋燭の明かりを使って、雲の中に隠れてい月の姿を描こうとした。

 月見団子はこの光の中で絵を描いていると、突然誰かが駆け込んで来た。

舎弟「月見さん!大変です!」

 その声を聞いてびっくりした月見団子は、月が懸かる場所に黒い墨のかたまりをこぼした。

月見団子「……はぁ。何を騒いでいるのですか?」

舎弟「月見さん――あの、またボスがあの壺に引き込もっている奴と喧嘩し始めました!」

月見団子「……」

舎弟「ものすごい剣幕です!」

月見団子「やれやれ、相手に致命傷を負わせた事なんてないですし、そんなに急ぐ事はないでしょう。」

舎弟「何?月見さん何か言いましたか?」

 つい本音を吐いてしまった月見団子は口を噤み、咳払いでどうにか誤魔化した。

月見団子「コホンッ!いいえ、何でもないです、案内してください。」

舎弟「はい、こちらです!!!」


逢魔之时

赤い夜、いざ逢魔の刻。

 魑魅魍魎が百鬼夜行を行う時、それはつまり逢魔が刻だ。

 全ての人間は部屋の扉を閉じる。微かに明かりのある部屋から、たまに好奇心を持つ子どもが外のことを盗み見ることがある。

 桜の島の夜が長くなるにつれて、夜の帳が下りると、たまに怪しい煙が歌舞伎町に蔓延する。

 ここに集まるのは、闇に潜んで魂を食らう目の持ち主だ。彼らは普通の人とは違う姿姿を持ち、歌舞伎町を神秘的な色を染める。昔の賑やかだった花魁道中に取って代わったのだ。

 伝説によると、逢魔が刻に煙と共に現れる「人」は、「人」が持たない力をもっているとされる。

子ども「お兄さん!逢魔が刻に出かけると、「あいつら」に喰われるよ!」

 まだ何歩も出ていないのに、月見団子の袖は扉の隙間から出てきた小さな手によって掴まれた。

月見団子「……おや?」

 頷いた子どもの表情は、月見団子への心配でいっぱいだ。

 コツ――コツ――

 遠くないところから下駄の音が聞こえて来る、町から最後の灯の消えた。扉の隙から盗み見る人も扉をしっかりと閉じた。

 月見団子は振り返って、扉の後ろに隠れて、怖くて丸くなっている子どもを見る。

月見団子「そんなに怖がってるのに、どうして私に声をかけたんですか?」

子ども「「あいつら」にお兄さんを食べられたくない!お兄さんは弱そうだから!」

月見団子「あいつら?」

子ども「うん!母さんが「あいつら」の名前を直接呼んじゃダメだと言ってた!そうじゃないと声に合わせて探して来るって!お兄さん早く入って。」

 月見団子は子どもの好意を拒まない、彼に引きずられて部屋に入りしっかりと扉を閉めた。そして、彼は子どもの頭を撫でた。

月見団子「どうして「あいつら」が怖いんですか?」

子ども「お母さんが、言う事を聞かないと「あいつら」は僕を捕まえて食べるって!あいつらは子どもを食べるのが大好きだから!」

月見団子「こんな小さな子どもを食べてどうするんですか?」

子ども「美味しくない子どもはもっと悲惨だよ!法術を掛けられて、毎日働かされてご飯も食べられないらしいんだ!」

 痩せ細った青年がこの様な言葉を聞いたら、人形に肝を与える手が止まって固まるだろうな……こう考えた月見団子は思わず笑い出してしまった。子どもはそんな彼を見て、心配した様子で言葉を続けた。

子ども「本当だよ!お母さんは月と昼はあいつらに食べられたって言ってた!あいつらはまず月を食べて、そして少しつず昼を食べたんだって、だから昼が短くなったの。あの……月がどんなものかは知らないけど……でもおばあちゃんは月はとっても綺麗だったと言ってたよ!」

 月見団子は子供の真剣な表情を見て呆けた、子どもが彼の袖を引っ張ってやっと我に返る。

 コツ――コツ――

 ただ彼が口を開く前に、近づく足音が彼を止めた。穏やかな笑顔を見せて、子供の髪を再び撫でた。

月見団子「月は本当に綺麗ですよ。」

子ども「え?」

 子どもは月見団子の話の意味が理解出来ないでいた。そして突然子どもの目の前で扉を開けたため、子どもは驚いた。

子ども「おっ、お兄さん!何をしてるの!早く閉じて!」

 月見団子は子どもの手を振り払い、仮面を被る。濃霧の中揺れている灯火によって、この簡単な兎の仮面は妖しく見えた。そんな彼を見た子どもは驚いて、後ずさりながら地面に座り込んでしまった。

 月見団子の後ろに見える赤い目を、子どもは扉の隙間から盗み見たことがある。たった一目しか見ていないのに、彼は大いに驚いて、一ヶ月もの間ちゃんと眠れなかった。月見団子は地面に座っている子どもに優しい笑顔を見せる。しかし今の彼にとっては、この笑顔からは恐怖しか感じられない。

月見団子「私は月を取り返す。」

 月見団子は触れていないのに、扉は自動的に閉じた。地面に座っている子供が大きく口を開けて、ぼんやりと彼が離れた方向を見ていると、屋内から女の声が聞こえた。

住民「次郎――また盗み見ていたのか!悪夢を見たいのかい?早く寝な!」

子ども「……お母さん、僕、彼らが見えた……」

住民「バカなことを言ってないで、早く寝な!あれは見てはいけないものだ!」


歌舞伎町

歌舞伎町の昼

 伝説の「百鬼夜行」の日を覗けば、歌舞伎町は至って普通な町だ。

 外界が想像しているような事はない。昼が短いといっても、人々は昼のうちに用事を済ませたいため、町に出る人は多い。

 子どもは友だちと遊び戯れ、隣人同士は世間話をする、そして……

うな丼「えええ!!!おい――やめてくれ!水を撒くだなんて酷すぎるでござろう!豚骨ラーメン!!!おいっ――」

 外に逃げたばかりのうな丼は水を避けて、店内の豚骨ラーメンを見る。

豚骨ラーメン「ただ食いばっかりじゃなく、皿洗いすらまと出来んなんて、酷かとはどっちだ?今日こそ金ば払うてもらう、そうやなかと飯抜きだ!」

うな丼「おいっ!お主のために拙者が何人のチンピラを追い払ったと思う?うわっ!水を撒くな!あああああ、申し訳ないでござる……えっ?」

 水を避けていたうな丼は後ろの人の足を踏んでしまった。綺麗な靴に足跡が残されたのを見て、急いで振り返ると、月見団子だと気づいた。

うな丼「あっ!お主は!軍師殿か!!!!!お主もこの町に住んでいるのか!!!!!」

月見団子「……うっ、うな丼ですか。どうして貴方がここに……将軍は……」

 「将軍」と聞いたうな丼の表情は少し固くなったが、すぐ笑顔になって月見団子の肩に腕を回した。

月見団子「そう言えば、本当に久しぶりですね。しかし貴方がここにいるなら、先程の懐かしい声はもしかして……」

 豚骨ラーメンうな丼が肩を組んでいる者を見ると、同じく驚いて目を丸くした。

豚骨ラーメン「……軍師?!アンタもここにおったんか?!」

月見団子「気のせいだと思いましたが、本当に豚骨ラーメンだとは思いませんでした。」

 旧友に会った豚骨ラーメンは珍しく嬉しそうにしていた、表情も少し柔らかくなっている。

豚骨ラーメン「元気にしとったか?あそこば離れて以来、誰ん消息も掴めとらん……」

月見団子「まあまあですね、小さな居場所を見つけて、静かに暮らしていますよ。」

豚骨ラーメン「それは何よりたいっ!さあ、ウチで一杯どうだ?」

月見団子「また今度にします、他の友人と一緒に花見をする約束があるので。豚骨ラーメンも一緒に来るなら大歓迎です。」

豚骨ラーメン「……ウチは店番しなくちゃ。また今度な、良い酒ば用意しとく。」

月見団子「わかりました。では、お先に失礼します。」

 しかし、豚骨ラーメンの笑顔は長続きしなかった。ひょいっと店に潜り込もうとしたいたうな丼を引っ掴んだのだ。

豚骨ラーメン「アンタ、いつ入ってよかって言うたー?!」


ラーメン屋

小さいなラーメン屋

うな丼「いった……あの女はどうしてあんなにも暴力的でござるか!」

 店への進入に失敗したうな丼豚骨ラーメンによって店外に放り出された。地面に座る彼は少々きまりが悪そうに月見団子を見る。

月見団子「……大丈夫ですか?お二人は……どうしたのですか……」

うな丼「あまり大したことではない。ただ茶碗を洗う時に、茶碗6個、皿3枚を壊しただけだ。後で新しいのを買ってやるつもりでござったのに。」

月見団子「なるほど。」

うな丼「まあ、そんな事どうでもいい。誰かと酒を飲みに行くのか?拙者を連れて行ってくれ。」

 月見団子はまた肩に腕を回され、そしてうな丼の笑顔を見ると、首を縦に振って同意した。


 「極楽」、歌舞伎町で最も有名な店にして、最も良い酒がある店だ。

 値段も最も高い。

 いつでも金欠なうな丼は少し不安になった。

 恐る恐る他の客を観察して、再び月見団子を見る。

 月見団子は質素な格好をしている。億万長者のように財力があるようには見えない。

うな丼「軍師よ、今逃げればまだ間に合う!この店は値段が高いので有名でござる!何枚の皿を洗ったら払えるのだろうか!」

月見団子「大丈夫ですよ、今日は飲み放題です。おごってくれる方がいますから。」

うな丼「飲み放題?ここの酒一本で、豚骨ラーメンの店の半年分もの給料が掛かるだろう!」

月見団子「大丈夫です、今日は……」

 月見団子の話はまだ終わっていなかったが、外の声に邪魔された。二人が振り向くと、あまり姿を見せない「極楽」の店主が見えた。

 外套が彼の腕にまでずり落ちていて、息を吐くと、薄い煙が彼の体のそばをゆらゆらと巻き、彼の艶やかな外見に朧な美感を纏わせた。

 彼は人をからかうような笑顔を浮かべたある男の側に近づき、店の入り口まで見送った。

純米大吟醸「では、また今度~」

 その男の馬車が出発した後、純米大吟醸は振り返って、店内の人を無視して、月見団子を見つけた。

うな丼「えっ!あの方は軍師殿を見ているようです!確かこの「極楽」の店主でござろう!えええ!なんと!!!」


旧友

旧友との飲み会

 うな丼の驚いた視線を浴びて、純米大吟醸は彼らのそばに近づいた。顔には眩しいほどの笑みが浮かんでいる。

純米大吟醸「アラアラ、今日は何か御用ですか?もしかしてあちきの事が恋しくなった~」

うな丼「拙者?ん?んんん?!!!軍師?!!!!」

 純米大吟醸月見団子の間に挟まれたうな丼は驚いた目で両者を見渡した。月見団子は少しも恥ずかし気なく、普通の友人と話すように答える。


 他の客に見せたくないため、大吟醸は二人を連れて、「極楽」の裏庭に案内した。「極楽」の裏庭には一本の巨大な桜がある。大吟醸にとってはどう使えば良いかわからないものだが、月見団子が来る度に、いつも満開になっている。

うな丼「さすが軍師!こんな凄い友人がいるとは!!!そして酒もうまい!!!」

純米大吟醸「ほら、これこそあちきの正しい扱い方でありんす。この月見団子は、「まあまあですね」としか言わない、つまらぬ奴だ!」

うな丼「アハハッ、店主は拙者と気が合うようだ!これからここいらで店主に迷惑をかける輩がいたら、拙者の名前を出せば良いでござる。」

純米大吟醸「では、これからもよろしくね~」

 うな丼純米大吟醸の「引き止め」を聞いても、お酒を飲み続けて月見団子との昔話を続けた。月見団子はため息をつくことしかできない。

 月見団子も一杯飲むと、顔が少し赤くなった。いっぱい喋ったうな丼は既に飲み潰れたため、彼も前より少し緊張が緩んでいた。

純米大吟醸「ぬしの友人は、面白いでありんす。」

月見団子「ええ。」

 月見団子のうわの空の返事を聞いた純米大吟醸は微かに口を尖らせた。彼は月見団子が真っ暗な空を仰ぎ見る様子を見ると、再び一杯を飲み干した。

 月見団子にとって芳醇な酒は水のようなものであり、手が止まらない。三人の中で彼が飲んだ量は最も多いが、酔いは最も浅い。彼は振り向いて、今日よく「物分かり浴」彼を邪魔しなかった純米大吟醸を見る。

月見団子「どうしましたか?何か良い事でもあったみたいですね。」

 純米大吟醸月見団子にずるい笑顔を見せた。目尻がかすかに曲がって頭を揺り動かす姿は少し子どもっぽさすら感じた。

純米大吟醸「そうね、この世にはいつでも艶かしい、けど脆く壊されやすい。だからあのような姿を見せたら、彼らはあちきのために全ての問題を解決してくれるものだ。お願いする事なくね~」

月見団子「……本当に、たちの悪い。」

純米大吟醸「ぬしの借金もそういう奴らの懐から出たものでありんす。」

月見団子「……」

純米大吟醸「はははっ、気にせず飲み続けよう!」


明月

分かた友。まだ望んでいる全て

 飲み続けると、月見団子もほろ酔いになり、ふらふらと立ち上がった。

純米大吟醸「え―っ、もう帰るのか?」

月見団子「これ以上は無理です。」

純米大吟醸「ではこの「極楽」で一泊するのはいかがでありんしょう?空き部屋はいっぱいあるからね〜」

 月見団子純米大吟醸のそばの影を見ると、優しい笑顔から皮肉的な表情に変わった。

月見団子「酔い潰れるのは別にいいのですが、しかしあの人魚の前で酔って眠ってしまったら、殺される可能性が高いので。」

純米大吟醸「あちきの鯖はそんなに乱暴な事はしないよ~」

月見団子「私は騙されやすい客ではありません、あの人魚には武器を収めるよう言ってください。帰ります、毎回こんな風に警戒されたら、疲れてしまいます。」

 純米大吟醸の笑顔が少し固くなった、そして無実な表情で月見団子を見る。声も少しつらそうなものになった。

純米大吟醸「あちきはただの弱い商売人でありんす。防衛手段を持つのは仕方ない事でありんしょう?」

 純米大吟醸の返事を無視して、月見団子は地面で寝ているうな丼を引っ張り起こして、一緒に「極楽」から出ていった。純米大吟醸は自分の影に潜んでいる者と対話を始める。

純米大吟醸「チッ……言ったでありんしょう、毎回そんなに警戒しないでいいと。」

鯖の一夜干し「……あいつは危険です。」

純米大吟醸「はぁ、言う事を聞きなさい、もういい、せっかくの酒を飲めるのに、出て来ないなんて。あちきは酔った、抱えて部屋に連れ戻せ!」

鯖の一夜干し「…………」

純米大吟醸「その顔、どういう意味?酔ったと言ったら、酔ったでありんす!」

鯖の一夜干し「はい。」


 豚骨ラーメンの店の外。

 ドンドンッ――

豚骨ラーメン「閉店した、また明日来てくれん。」

月見団子「私です。」

豚骨ラーメン「おや!来たんか!」

 慌ただしい足音と共に頭を洗ったばかりの豚骨ラーメンが店の扉を開いた。しかし強いお酒の匂いを嗅いだ彼女は少し眉をひそめた。

うな丼「ゲフッ――拙者……まだいける……」

豚骨ラーメン「…………どんだけ飲んだんや?」

月見団子「気付けば、飲みすぎていたみたいです。どこに住んでいるのかわからないので、こちらに来ました。」

豚骨ラーメン「……外で野垂れ死れば良かとに。ありがとう、軍師。」

 文句を言った豚骨ラーメン月見団子からうな丼を受け取った。月見団子豚骨ラーメンに別れを告げると、彼女は月見団子の名を呼んだ。

豚骨ラーメン「……月見団子。」

 先程とは異なる語り口が聞こえて、月見団子が振り向くと、冷ややかでなおかつよそよそしく警戒する豚骨ラーメンの顔が見えた。

豚骨ラーメン「アンタが「逢魔が刻、百鬼夜行」の噂ば立てる理由はわからんが、うちでもこんバカでも、ただ平和な日々ん中で暮らしたいだけや。ウチはアンタの争いに参加すつもりはなか。お願いだ、昔んよしみで、ウチらば巻き込まんでくれ。」

月見団子「……何の話でしょうか?噂とは?それは勝手に皆が噂し始めたものでしょう?」

豚骨ラーメン「それならよか。ただ、いつかこん手でアンタば殺める事にならん事だけば願うばい。」

月見団子「……」

豚骨ラーメン「軍師……前からアンタがわからん、一体何がしたかばい?」

月見団子「私の望みは、最初から最後まで、あの明月だけです。」


百鬼

百鬼招来

 また百鬼夜行の時がやって来た。扉を固く閉ざす事、これこそが全ての人間が自分の身を守る最善かつ、唯一の方法だ。

 人類が戦々恐々と夜明けを待っている時は、「怪物」と「妖怪」のような異類たちの感情が最も高い時だ。

明太子「てめぇ!タコわさび!!!!!誰がチビだって?!」

中華海草「あの……明太子様、怒らないでください!タコわさび様はわざとじゃないんです―!」

云丹「クソタコわさび!!!逃げるな!!!もう一回言ってみろ?!」

中華海草「……あの……雲丹兄さん……」

雲丹「あぁ?!」

中華海草雲丹姉さん、姉さんっ!落ち着いてください!!!ここは「極楽」です!歌舞伎町!休戦区ですよ!」

いなり寿司「ふふっ、相変わらず仲良しだね~」

雲丹「どこを見たらそう見えるんだ?!」

中華海草「……雲、雲丹姉さん、もう少しお淑やかに……」

明太子「んな事どうでもいいんだよ?!おいっ!タコわさび、止まれ!!!!!」

 正門から入ったばかりの月見団子明太子の一撃を食らって、顔が真っ黒になった。この瞬間、全員が死んだように黙った。さっきからずっとイライラしていた雲丹でさえもその勢いを失った。

月見団子「……」

明太子「つ、月見……きっ……来たのか……」

月見団子「ボス、この「極楽」は休戦区でしょう?」

明太子「……」

月見団子雲丹!」

雲丹「は、はいっ!」

月見団子「少し相談したい事があります。」

雲丹「は、はい……」

純米大吟醸「ごめんなさいね、鯖が少し怪我したから、彼に薬を飲ませていたら遅くなりんした、お待たせ……」

 馴染みのある声と共に、全員の視線が月見団子から純米大吟醸に移った。

純米大吟醸「教えて……あちきの正門は何があったでありんす?」

 一瞬で、全員が無意識的に、こっそり逃げ出そうとしていた明太子を指さした。

明太子「!!!!!てめぇら――!!!」

純米大吟醸明太子様、前回、崇月に貸したお金もまだ返金していないようでありんす……」

明太子「オレ一人のせいじゃねよ!!!タコわさび!!!あいつが……えっ?あいつはどこだ?クソタコわさび、また壺に入ってんのか!!!出てきやがれ!」

???「Zzz……」

明太子「また寝たフリかよ?!」

純米大吟醸「では、明太子様、弁償代と返金の話をしようか……」


 悲鳴と共に、純米大吟醸は清々しい気分で鯖の一夜干しがいる部屋に戻った。

鯖の一夜干し「…………何かありましたか?」

純米大吟醸「何でもない、少し金を稼いだだけでありんす。ほら、薬を飲みなさい、あーん。」

鯖の一夜干し「…………やめてください!自分で出来ます!!!」

 その時、外で盗み見している雲丹いなり寿司たちは柱に縛り付けられてる鯖の一夜干しの様子を見て、同情して首を横に振った。

いなり寿司「……ふふっ、人魚ちゃんも大変だね。」

油揚げきつねうどんは羨ましそうにしているけど?」

きつねうどん「そっ、そんな事ない!いなり様、このクソガキの言う事を聞かないでくれ!」

油揚げ「違うなら、なんでそんなに顔が赤いんだ?おいっ!クソギツネ!度胸があるなら直接オレ様に言えよ、東を投げんな!!!」

きつねうどん「わっ、わざとじゃねーし!どれが東かわかんねーよ、なんで投げられてるのに起きねーんだ?!」

油揚げ「東ー!!!」

きつねうどん「何叫んでるんだ、早く追い掛けろ!!!」

 凸凹なキツネたちが飛びはねながら出て行く様子を見て、雲丹は思わず笑ってしまった。

雲丹「ふっ、キツネくんたち仲が良さそうだね。」

いなり寿司「……はぁ……」


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タイトル FOOD FANTASY フードファンタジー
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  • RPG(ロールプレイング)
ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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