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トムヤムクン・エピソード

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トムヤムクンのエピソード

熱血の青春少年。物事すべてに対して情熱的で、正義感が非常に強く、弱い者を守るのが使命だと思っている。単純すぎるせいでときには利用されてしまうが、幸運の持ち主なのでいつも円満に万事解決できる。確かな実力を兼ね備え、当たって砕けろ精神で行動するのが好き。



Ⅰ 偶然の出会い

炎天下の地面は熱い。賑わう町はより顕著だ。

建物に囲まれた土地はまるで蒸し器のようで、立ち上る熱気が見えそうなくらいだ。


街中を往来する人はほとんどなく、陰があるところに扇子を仰いで涼を求める人がいるくらいだ。

しかし、このように涼を求めても無駄のようだ。

いつも元気一杯の俺も、煉獄のような高温のせいでだるくなった。


道の両側にある建物の影に沿って、俺は根性で一歩一歩前進している。

突然、喧嘩する声が聞こえてきた。

「ここを通りたいのにルールも知らないのか?」

「ザコめ、死にたいのか?」


「真昼なのに弱者をいじめるなんて!これは見過ごせない!早く助けに行かなくちゃ!」

そう思うと、元気があっという間に回復し、すぐ飛び込んでいった。


この角を曲がればそこは戦場だ。興奮が止まらない。

しかし角を曲がってまず見えたのは、美しく描かれたカーブだ。


何かがカーブを描いて俺にぶつかってきた。


ボン――――

鈍い音がし、俺はめまいを感じた。


意識が回復した時、俺は気を失った人に押し倒され、動けない体勢だった。

一生懸命見ようとしたが、その人の背後からの眩しい陽光のせいで、顔がはっきり見えない。

しかし、あのスレンダーな体付き、凛とした銀の長い髪とともに、燃え盛る炎のような服が動いている。


「あ!なんてさわやかな天気だ!」

それを聞いた次の瞬間、頭が強く打たれ、俺は意識を失った。


なんだ!俺の出番なんて必要ないじゃないか。

世界には強者がたくさんいるんだな!





再び意識が戻ると、すでに涼しい夜になっていた。自分がどこにいるのかも分からない。

それより、今深い挫折感を感じている。


ずっと生活していた土地から離れ、世界の反対側にまでたどり着いた。

目的はただ一つ、自分をより強くするための術を見つけることだ。


しかし、長い時間を経ても、何の手がかりも見つけられなかった。

これだけの人と手合わせしても、相変わらず弱いままだ。


「目が覚めたか?」

扉がゆっくりと開いた。

黒い服の男が入ってきた。


「あなたは?」

「私は亀苓膏だ。」

「え?さっきは街道にいたのに。」

「ここは旅館だ。オーナーは私の友人だから、しばらくここで休めばいい。」

「あなたが俺を助けてくれた?」

「そうではない。ただここまで運んだだけだ。」

「じゃ、あなたは俺の恩人だ!」

俺は一礼をした。

「恩人様、何かお手伝いできることは?」


「うん…」

亀苓膏の表情は変わらないが、もともと厳しい顔は顰めらた眉のせいで少し怖くなった。

「ない。」


Ⅱ 憧れる心

「レモンを摘んだよ、食べてみて!」

摘んだばかりのレモンをあの人に渡そうとしたが、受け取ってくれなかった。


「もう私についてくるのをやめてくれないか?」

亀苓膏の口調は冷たい。こんな炎天下でも彼の冷たさを感じる。


「借りがあるなら絶対返す。それが俺のルール。だから、恩返しするまでずっとあなたについていく。」

俺は興奮しながらレモンをかじって答えた。亀苓膏はただため息をついた。


山の樹木は茂り、陽光に照らされた山道は緑に染まっている。


しかし、険しい山道を渡るのは想像以上に難しく、炎天下のせいで、精神力の消耗も激しい。


呼吸は段々辛くなり、目の前の人影は徐々に遠くなる。


最初はただの直感に過ぎなかったが、しばらく共にいて確信した。この亀苓膏という食霊は本当に強い。


なるべく意識を維持しようとしたが、徐々に闇へ陥った。

体が軽くなったような気がした。再び目が覚めると、巨大な黒岩の上で横になっている。


「だめだ、ここで終わっていけない。もっと強くならなくちゃ…」

意識が朦朧としていても、俺は自分を励ましている。


「あーーどいつもこいつも面倒なやつだ。」

聞きなれた声はそれだけ言って黙り込んだ。


もう捨てられたかな?

畜生、まだ何もしていないのに、もう終わったのか!

御侍様のために強くなろうとしているのに。これじゃ前の俺とまったく変わっていない!

目を覚ませ!覚めろ!


「あーーーー」

俺は叫びながら夢から覚めた。


「どうした?悪夢を見たのか?」

相変わらず関心度ゼロの口調だが、妙に安心感を覚えた。


「何バカな顔で笑ってるんだ?」

「あ!いや、捨てられなくてよかったなと思っただけ…」

「そう言われると、確かにその手があったよな。」

亀苓膏は突然俺の言葉を遮った。

「とにかく今晩はゆっくり休んで、明日ここから離れよう」


「だめだ!男に二言はない。恩返しは絶対だ。」

俺は胸を叩き、揺るがぬ態度で言った。

「これぐらいのこともできずに、強くなれるはずがない!」


「強くなる?どうして?」

「もちろん御侍様を守るためだ!」

「そうか。御侍がまだいるなら、帰るのは当然だろう。」

亀苓膏はそう言いながら行こうとした。


亀苓膏、俺の師匠になってください!」

思考より言葉のほうが早かった。

しかし、これは冗談ではない。亀苓膏から俺にはない強さを感じたからだ。


「断る。」

亀苓膏は呆れた口調で俺を拒絶し、扉を閉めて出て行った。


Ⅲ 勝負の約束

それでも俺は諦めなかった。

諦めなければまだチャンスはある。


強くなるということは一朝一夕のことではない。

長期にわたって努力する決心が必要だ。


ここは忘憂舎と呼ばれ、高い山の上に位置するため、めったに人が来ない。

そして、ここの主に一度も会ったことがない。


毎日、俺は亀苓膏に学んでこの屋敷で修行する。

彼は規則正しい生活を送っている。毎日庭の中の落ち葉を掃除し、花と雑草の整理、部屋の掃除もする。床もぴかぴかになるまで掃除する。

残りの時間に、彼は山林から薬草を収集し、干してから薬にし、人類に販売する。


これが強者の世界?

こんなに穏やかで、また忙しい生活を見たことはない。


山林の中。

亀苓膏は薬草を収集している。俺はついてきただけだ。

「ここに留まるつもり?」

「いえ、修行に来たんだ。」

「別に修行ができるところじゃない。」

「ならば手合わせしよう!拳の交流が一番効率的だ!」

俺はまた元気が出た。


「変わった食霊だ。何を考えているか理解できない」

「何も考えていない。あなたは強者だ、そして俺は強くなりたい。それだけだ。」

俺は当たり前のように言った。


亀苓膏は一年分のため息を使ったかのように長くため息をもらしてから、また薬草の収集に戻った。

何も反応を得られなかった俺は、自ら話題を振りだそうとした。

亀苓膏、あなたはどうしてここにいるのか?」

「別に、こういう生活がしたいだけだ。」

「あなたの御侍様はどんな人なの?」

「普通の人だ。」


普通の人か…俺の御侍様も普通の人か?

堕神に襲われなかったら、御侍様もずっと幸せな生活を送っていただろう。

あ!いけないいけない!

御侍様の幸せな生活を取り戻すために強くなろうとしているんだ!


「うん!もっと強い者と戦い、彼らを打ち負かさなくちゃ!」

反射的に自分を励ます言葉を口にした。


「ずっと強くなるって言っているんだな、どうしてそこまでこだわるのか?」

「御侍様を守りたいから。」

「じゃ、君にとって、強さとはいったい何なんだ?」

「もちろん誰でも負けない力だ!」

「ならば、手合わせをしてあげてもいい。」

「本当!よかった!」

「条件は…私より早く忘憂舎に戻ることだ。」

「え?!」

うーん、訳が分からない。


Ⅳ 本当の強さ

「言っておくが、俺は帰るための近道を知っている。」

次の瞬間、亀苓膏は消えた。


やはりスピードでは負けている。

近道のことも考えると、勝てるはずがない。

しかしこの間、忘憂舎の後ろは険しい崖だということを発見した。

この近道は俺に最も相応しい。


男なら挑戦するべきだ。

下から見上げると、崖はより一層険しく見える。

少しも躊躇せずに、私は登り始めた。


眩しい日の光を浴び、風からも涼しさは感じられない。

山腹についた時、岩は想像以上に険しいことに今更気づいた。

進むのも退くのも厳しい状況に陥った。

しかし、険しい崖を登っている最中は、休憩を取れる場所などない。止まっていたらただ体力を消耗するだけだ。


汗が滲み出して流れてきた。

体も重い。

俺は汗を拭き、まだ遠い山頂を眺めた。

すると、上空に漂っている魚の形をした白い雲が目に入った。それは俺を見ている気がした。


いや、雲と言うより、本物の魚に近い。

揺れる尾、丸い頭にある黒い眉。

明らかに俺を見ている。

疲れすぎて幻覚でも見ているのか?


力を振り絞って高いところにある突き出した石を掴もうとした。

しかし、やっと掴んだ石が動くとは思わなかった。

底まで落ちると思ったが、突然現れた黒い巨岩が俺を山頂まで運んだのだ。


「飩魂に見守りを頼んでよかった。」

聞き慣れた声は珍しく優し気な口調だ。

「また助けられたな。」

目の前の亀苓膏を見つめると、汗が目に入ったせいか、目も心も辛く感じる。


結局、もっと強くなれる方法など見つからなかった。


「まだ分からないのか?」

「え?」

「毎回危険を冒して、自分を強くすると思っていることが、結局自分を傷つけることになっているのだ。」

亀苓膏はまたいつもの冷たい口調に戻った。

「自分さえも守れない者に、他人を守れるはずがない。」


何も返す言葉はなかった。

これまで真の強さはすべての人を打ち負かすことだと思っていた。

強くなれば、御侍様と彼女が生活している場所を守れると思った。


「御侍を守りたいなら、彼女のそばにいてあげるべきだろう?」

聞き慣れた言葉が俺の記憶の扉を開いた。


今日は晴れた日だ。俺が御侍から離れた日と同じぐらい眩しい。

御侍様は国が滅ぼされた王女。小さな国だが、平和なところだった。

すべてを壊す堕神を阻止するため、強くなりたかった。

誰よりも強くなれば、失ったすべてを取り戻すことができると思ったから。

俺は間違っていたのか?

強くなるだけではまだ不十分なのか?


「人類の一生は限られている。御侍を守りたいなら、早く戻れ。」

亀苓膏は背中を見せた。

「意味のない喧嘩は傷を増やすだけだ。御侍を守るには役立たない。真の強さは、何を傷つけたのかではなく、何を守ったかなのだ。」


この言葉、今思い出しても、思わずため息がでてしまう。


Ⅴ トムヤムクン

ここは人口わずか数千人の弱い国だ。

トムヤムクンの御侍様はこの国の王女で、小さい頃から可愛がられてきたので、わがままな性格になった。


トムヤムクンはこの注目を一身に集める王女様の期待を受けて誕生したのだ。


「あなたは食霊なの?」

これが王女と食霊との初めての出会いだった。


「はい、御侍様!トムヤムクンは俺の名前です。」

トムヤムクンは嬉しそうに王女に答えた。


トムヤムクン?何よ!普通の人類と変わらないじゃない?」

王女は目を細め、疑いの目でトムヤムクンを見つめている。

「やっぱり変わらない!失望したわ。」


「あなた、飛べるの?」

「あ…それはできないが御侍様を守れる。」


それを聞いた王女は軽蔑の視線を投げてきた。

「守れる?わたくしを守れる人はいっぱいいるのよ~」

「御侍…様?」

まだ言葉を完全に理解できなかったが、トムヤムクンはあの視線に傷つけられたような気がした。


「あ!そうだ、御侍様という呼び方はやめなさい。わたくしはこの国の王女なのよ、王女殿下と呼びなさい!」

「はい、王女殿下。」

これがトムヤムクンと王女との初めての出会いだった。






初対面の印象が悪かったせいか、トムヤムクンはいつも王女から冷たい態度で扱われている。

ただなぜか、普段プレゼントされるのが大好きな王女は突然性格が変わり、プレゼントにうるさくなった。

「こんなものわたくしは全然欲しくないわ!」と言いながら、プレゼントをトムヤムクンに贈ったのだ。




この国は平和な国で、国民は幸せな生活を送っていた。

王国の屋根に設置された鐘が鳴らされたあの時まで、堕神という悪魔が、すでにこの平和な王国に侵入したことに、誰も気づかなかった。


堕神の襲来によって、青い空は赤色に染まった。

たった一瞬で、静かな王国は煉獄となり、人々の阿鼻叫喚に満ちるようになった。

トムヤムクンは王城の上に立ち、逃げ回っている人々を見つめている。


自分の意志を持っていない堕神は、ただひたすら建物を破壊していた。

剣と槍を手にした兵士たちが城門に並んだ。

まだ完全体に成長していない堕神だが、その狂暴な力の前には、人類という存在はあまりにも小さい。


御侍様がいる王城だけを守る。今は決して逃げてはいけない。トムヤムクンはそう思っていた。

恐怖に心を捉われた人々は城から逃げ出した。

まもなく兵士たちも鎧を捨てて城から逃げ出した。


たった一晩で、元々弱い王国は、廃墟だらけの無人城となった。

災難を免れたのは、王女と国王がいる王城だけだ。


しかし、民を失った王国は、もはや王という存在などない。

尊い王女はこうして幸福な生活を失ったのだ。


「どうして誰もわたくしの好きなスープを送ってくれないの!」

王女は相変わらずわがままに当たり散らし、怒る度に何かを投げ、物を壊す習慣も変わっていない。


彼女のために建てられた「楽園」はもはや形骸化してしまったことに、彼女はきっと気が付いていないのだろう。

トムヤムクンは自分の赤い手袋を見つめながらそう思った。

王女からもらったプレゼントの中で、これが一番のお気に入りだ。


はじめてつけたとき、王女はこういった。

「こんなもの、わたくしはいらない。」

しかし、王女が向きを変えてすぐに笑い出した姿を、トムヤムクンはずっと覚えている。

記憶を遡るうちに、彼は思わず拳を強く握った。


「御侍…様…」

トムヤムクンは心配そうに近づいて聞いた。

「無礼者!近づいていいとは言ってないわ!」

頑固な王女はトムヤムクンを押しのけた。


「ごめんなさい、王女殿下、あなたの国を守れなかった。」

トムヤムクンは大人しく下がって頭を下げた。


「知っているわよ!もう国が無くなっても、みんながいなくなっても、わたくしはまだ王女なのよ!わたくしは…まだ王女なのよ!」

わがままな王女は、はじめて泣き出しそうな表情を見せた。


その時、トムヤムクンは心の中で誓った。

絶対強くなる。次に守るのは王女だけではない。御侍様の国も守れるぐらいに強くならなくては。


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ゲーム概要 美食擬人化RPG物語+経営シミュレーションゲーム

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