罪と罰・ストーリー・序章
神秘の部族
ある日
シャンパンのオフィスにて
トン。
シャンパン:……
キビヤック:……
ポロンカリストゥス:…ドアは三回ノックするものだって言っただろう。それじゃあ、場を荒らしに来たように見えるよ。
キビヤック:わかった。次は必ずそうする。
シャンパン:…少し遅いとはいえ、お前もここに随分慣れてきたようだな。ノックするのも知っているとは…安心した。
ポロンカリストゥス:陛下のそのお言葉は、まさか…
シャンパン:ああ。「イテノ」の件は、お前とキビヤックに任せようと思う。
ポロンカリストゥスの表情が少し厳しくなったのに気づき、キビヤックは思わずその名前を呟く。
キビヤック:イテノ…
ポロンカリストゥス:とても古い部族だ…三十年前から、イテノ部族はグルイラオ最大の金属工場から金属を少しずつ調達し始めた。最初の購買量はさほど多くなかったため、特に注目はされなかった。
ポロンカリストゥス:だが、購買量は年々増加し、今年になって、イテノは工場の第五位の購買相手となった。工場側が自ら上へ報告し、イテノにそんな大金の出所があるのか、そしてあれほどの金属を何に使うのか疑問を抱いている…
キビヤック:機械とか、を作るのか?
ポロンカリストゥス:木や竹でさえ家を建てる原始的な部族が、どんな先進的な機械を作れるっていうんだ?
ポロンカリストゥス:現時点の推測では、何らかの勢力がイテノを利用しての密輸、または武器製造の可能性も排除できない…イテノはグルイラオとパラータの境界にある。もし予期せぬ出来事が起これば、大きな戦争を引き起こす可能性もある。
シャンパン:その通りだ。だから、この件はグルイラオの勢力も直接動きづらい。昔の知人が俺に頼んできた…まあ、友好国でもあるし、断る必要もない。
ポロンカリストゥス:そうだね。結局、振り回されるのは俺たちのような部下だけですから~
シャンパン:ふざけるな。キビヤックが来てからというもの、お前は彼の社会適応を助ける口実で、どれだけ休んでいたと思っているんだ?今回はちょうど、お前の「情報官」としての能力を発揮し、イテノが一体何を企んでいるのかしっかり調査するいい機会だ。
シャンパン:これも俺が信頼しているからこそ、こんな重要な任務をお前に任せるのだ。
ポロンカリストゥス:はいはい~陛下のご厚意に感謝します。ですが…
ポロンカリストゥス:本当にサンちゃんやシェリーちゃんではなく、キビヤックと一緒に?
シャンパン:イテノは蒸し暑い気候だ。お前もキビヤックも極寒の地の出身者…氷は火に勝る、ちょうどいいだろう。
ポロンカリストゥス:ふふっ、なんて天才的な理論なんでしょうね~
シャンパン:皮肉ってるのが聞こえないふりはするな。今は募集期間の真っ最中で、学校の者は皆忙しい。ホルスは既に多くの仕事を引き受けている。残っている暇人はお前たち二人だけだ。
キビヤック:陛下も。
シャンパン:ん?
キビヤック:あなたも、暇人だ。
シャンパン:え?俺は国王だぞ…
キビヤック:多くの仕事は、フォンダンショコラ(※恐らくフォンダントケーキの誤植)さんがやってる。だから…
ポロンカリストゥス:コホン。
シャンパンが最も気取らない国王だとはいえ、部下として多少の体面は立てなければならない。陛下の機嫌が悪そうなのを見て、ポロンカリストゥスはすぐに口を挟んだ。
ポロンカリストゥス:よしよし。国王の仕事とは元々、人に仕事を割り振ることだ。これ以上言ったら、この後の仕事が手いっぱいになるかもしれないよ?
シャンパン:おお?俺がケチな人に見えるのか?ならば、期待を裏切るわけにはいかないな…
ポロンカリストゥス:国王たるもの、他人の目で自分を変えることなどあってはなりませんよ?
お決まりの甘い笑顔を浮かべ、ポロンカリストゥスはわざと大袈裟にシャンパンにお辞儀をした。
ポロンカリストゥス:陛下、本日はご伝喚いただき、光栄の至りです…それでは、俺たちはこれで失礼します~
シャンパン:ふん、道中気をつけろ。
初回調査
パラータ国境
イテノ部族外周の荒漠
ポロンカリストゥス:……
キビヤック:あつい…
ポロンカリストゥス:何が氷が火に勝つだ……明らかに火が氷に勝つんだ……
キビヤック:俺が、氷を作ろうか?
ポロンカリストゥス:まあいい。こんな極端な環境では、お前の能力は暴走するかもしれない…俺が慣れるまで我慢するよ。
キビヤック:……
ポロンカリストゥス:どうした?
キビヤック:また、俺を叱るのかと思った。
ポロンカリストゥス:…何を叱るっていうんだ?
キビヤック:あの国王への、態度…とか。
ポロンカリストゥス:つまり、あの態度が問題があるとわかっていながら、わざとそうした…エクティスにいた時と同じで、何を言っても聞かないんだから、無駄に叱るのも疲れるよ。
キビヤック:すまない……
ポロンカリストゥス:そんなに悲しそうな顔をするなよ…たまにはあいつがへこんだ様子を見るのも、なかなか面白い。度を越さなければ、俺に迷惑さえかけなければ、多少はね。
キビヤック:うん!
二言三言でご機嫌になった相手を放っておき、ポロンカリストゥスはコンパスを真剣に見つめ、この煩わしい荒漠を一刻も早く脱出できることを願った。
幸い、二人とも体力には自信があり、一度も休まずに歩き続け、ようやく夕暮れ前に部族の姿が見えてきた。
部族の外には見張りもおらず、周囲にもっと人目につかない道は見当たらない。二人は少し相談すると、まっすぐに中へと歩き出した。
***
ポロンカリストゥス:さすがはとても古い部族だ…なぜか、まずい予感がしないな…
キビヤック:それに、ここは…そんなに暑くないみたい…
ポロンカリストゥス:とにかく気をつけよう。
キビヤック:うん。
???:¥#*!¥#*!!
ポロンカリストゥス:???
突然飛び出してきた人物は風変わりな格好で、発する声も予想外だった。豊富な言語知識を持つポロンカリストゥスでも、これが何語なのか見当がつかない。
ポロンカリストゥス:資料に言語が通じない問題があるとは書いてなかったはずだが…
???:#*!!#¥%&*?¥#*&%!!!
キビヤック:俺たちは悪い人じゃない!悪い人じゃないんだ!
???:¥#!
キビヤックが懸命にボディランゲージで意思を伝えようとするも、その蛮族は全く相手にせず、罵声のような何かを叫ぶと、口笛を吹いた。
???:ピュ――ピュ――!!
甲高い口笛の音は一瞬で部族中に響き渡ったようだ。ポロンカリストゥスの瞳が暗くなり、そっとギフトボックスを取り出した。
ポロンカリストゥス:いきなり包囲されたら厄介だ…仕方ない、まずこいつを箱に詰めてしまおう…
バーボンウイスキー:すまないすまない、この二人は僕の友人です。敵だと思わないでくださいませんか。
文明社会らしい声に、ポロンカリストゥスは思わずぎょっとした。慌てて駆けつけてきたらしき青年を驚いて見つめる。さらに驚くことはその後だった――
部族青年:…分かりました。
キビヤック:え?
貴族のような青年に対し、「蛮族」はあっという間に彼らと同じ言語を話しだした。さっきまでの「わけのわからない言葉」は、全て演技だったかのように…
バーボンウイスキー:前もって伝えなくて申し訳ない、迷惑をかけてしまいましたね。
部族青年:いえ、これは私の職務です。お気になさらずに。
キビヤック:……
ポロンカリストゥス:どういう状況だ…?
その時、部族の青年は既にポロンカリストゥスたち二人に全く興味を失っており、軽く一礼すると、去っていった。
ポロンカリストゥスはようやく我に返り、貴族のような青年に対し、珍しくどの「社交用仮面」を被るべきかわからずにいた。
ポロンカリストゥス:君…まさかこの部族の族長なのか?
青年はその言葉を聞いて一瞬きょとんとしたが、すぐに軽やかで、しかも礼儀を失わない笑みを浮かべた。
バーボンウイスキー:ははは、とんでもない。冗談がお上手ですね~ユーモアのセンスがある方は好きですよ!
キビヤック:……
バーボンウイスキー:バーボンウイスキーと申します。僕の身分については…ここでは詳しく話せません。場所を変えましょうか~
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