「藍矛の槍術士」オシェル_include

メルク　　「みゅーっみゅっみゅっみゅっ！

　　　　　　また私の勝ちなのですよ、オシェルさん！」

オシェル　「クッ……、

　　　　　　このフォースートのスペード、

　　　　　　オシェルがトランプで敗れるなど……！」

主人公　　「なにしてるんだ？」

メルク　　「みゅ、主人公さん！

　　　　　　実はオシェルさんがトランプが得意だというので、

　　　　　　トランプで勝負していたのですよ！」

オシェル　「フフ……、

　　　　　　君の仲間はなかなか強いな……。」

オシェル　「フォースートの中で

　　　　　　下から２番目に強い私を、

　　　　　　こうもあっさり負かすとは……、」

主人公　　「下からって、

　　　　　　メルクもオシェルも全然強くなさそうだけども……。」

メルク　　「みゅっ、

　　　　　　これでも私はもう３０回も買っているのですよ！」

主人公　　「３０回！？

　　　　　　それはさすがに……、」

オシェル　「うう……、

　　　　　　こんなざまでは

　　　　　　ジョーカーたる班長に顔向けできない……。」

主人公　　「じゃあ、もう１回やってみて、

　　　　　　俺がどうしてオシェルがそんなに負けてるのか見てみるよ。」

オシェル　「本当か！？

　　　　　　よし、ならばもうひと勝負だ！

　　　　　　ゲームは今までと同じババ抜き！」

主人公　　（ババ抜き……、

　　　　　　運の要素と表情によるミスリードが

　　　　　　複雑に絡み合ったゲーム……）

主人公　　（そんなゲームで

　　　　　　さすがに３０回も負け続けるなんて、

　　　　　　なにか理由があるに違いない）

主人公　　（それはいったいなんあんだ……。）

（場面切替）

メルク　　「みゅ……、

　　　　　　こっちなのですよ！」

オシェル　「……。」

メルク　　「よし、これで２枚そろったのです！」

オシェル　「……！」

主人公　　（なるほど、これだ……！）

主人公　　「オシェル、負けてる理由がわかった！」

オシェル　「なんだって！？」

主人公　　「それは顔だ！」

オシェル　「えっ……、

　　　　　　確かにメルク君は可愛いな。」

主人公　　「って、そうじゃなくて！」

主人公　　「顔に出てるんだよ。

　　　　　　今、手札にジョーカーがあるだろ？」

主人公　　「メルクがジョーカーを選ぼうとした時だけ

　　　　　　顔が険しくなる。

　　　　　　それでジョーカー以外の札を取られてるんだ。」

オシェル　「なるほどな……。

　　　　　　ではジョーカーの時も顔色を変えなければ

　　　　　　相手にジョーカーがわたって……、」

（画面が揺れる）

オシェル　「いや、無理だ……！」

主人公　　「な、なんで……！？」

オシェル　「そもそも班長の象徴であるジョーカーを手放すなど、

　　　　　　私にはできない……！」

主人公　　「……。」

主人公　　『それでなんでババ抜きで勝負してるんだよ……！』