「砥斧の重戦士」ロデリック_include

メルク「さっきは危ないところを助けてもらって、ありがとうなのですよ～！」

ロデリック「ホント、オレの仕事を増やさないでくんない？次からは、気をつけてほしいもんだねェ。」

メルク「は、はい、なのですよ！」

ロデリック「ったく、ようやくしばらくは子守から解放されると思ったら、これだ。いや、そもそもあの２人を探しに王国に来てんだから、もともとこの旅は子守の旅か……？」

メルク「みゅ、ロデリックさん、パピルさんに協力してるのは、その探してる人の情報が欲しくてなのですよ？」

ロデリック「へェ、ビンのお嬢ちゃんには、あの新聞屋の子が、オレの求めてる情報を見つけられれるように見えるワケね。」

メルク「ち、違うのですよ？」

ロデリック「あのお嬢ちゃんに頼むくらいなら、自分で情報を集めたほうが早いってもんだ。あのお嬢ちゃんはモンスターが専門みたいだしねェ。」

メルク「た、たしかに畑違いかもなのですが……、そこまで言わずとも……。一応、聞いてみてもいいと思うのですよ。」

ロデリック「やーだねェ。そんなくだらないことで時間とるなら、お互いにやるべきことやってたほうが有意義ってもんでしょ。」

メルク「みゅ……、（な、なんだか少し棘のある人なのですよ……）」

ロデリック「ん？」

メルク「どうしたのですよ？」

ロデリック「あー、また仕事が増えた……。モンスターを怒らせちまったみたいだな。ホント勘弁してほしいもんだよ、あの暴走お嬢ちゃんには。」

メルク「みゅ、パピルさんはパピルさんなりに頑張ってるのですよ！」

ロデリック「その頑張りが空回ってちゃ、世話ないさ。さァて、またひと仕事待ってやがらァ。ちょっくら、働いてくるかね。あーあー、おじさん、もう年なんだけどなァ。楽させてほしいよ、どいつもこいつも。」

メルク「ロデリックさん、そんなに言うくらいなのに、どうしてパピルさんを放っておかずにお手伝いしてるのです？」

ロデリック「そりゃあー……、アレだ。あのお嬢ちゃんが新聞をちゃんと発行できなきゃ、オマケの謎解きクイズコーナーがなくなっちまうだろ？ま、単にオレの趣味のためってだけさ。」

メルク「……、」

ロデリック「おい、お嬢ちゃん？ぼーっとしてて、足引っ張られると困るんだが？」

メルク「な、なんでもないのです！」

ロデリック「なんだ、そのにやけ顔は……。不気味だなあ……。」

メルク「お、女の子の可愛い笑顔に向かって、不気味とはなんなのですよ！？」

ロデリック「自分で言うかね。」

メルク「みゅ～、ロデリックさんはやっぱり、ちょっと皮肉屋さんなのですよ～。」

メルク（でも……、本当はきっと、パピルさんが困っているのを放っておけない面倒見の良い人なのですよ。

だって……、パピルさんの新聞には、謎解きコーナーなんかないのですよ）