「穿弾の兄虎」ティーグル_include
属性補正
炎属性
90%
水属性
90%
風属性
90%
光属性
100%
闇属性
145%
モデル
ストーリー
主人公「うーん、いろんな人に頼んでみたけどなかなか仲間になってくれる人は見つからないな。」
メルク「紹介所で出会った人にはだいたい声をかけたのです。まだ話してない人はもう……、みゅ?」
ティーグル「……。」
メルク「あそこで机に向かっている人は見かけたことがないのです。きっと最近、ここに来た方なのですよ!」
主人公「そうみたいだな。仲間になってくれるか聞いてみるか……!」
主人公「あの、すみません!」
ティーグル「……。」
主人公「あのー……?」
ティーグル「……。」
主人公「尻尾を振るばかりで、顔をあげてもくれない……。」
メルク「な、なにやら真剣に紙を見ているようなのです。今は忙しいのかもしれないのですよ。」
主人公「それもそうだな……。またあとで声をかけてみるか。邪魔して申し訳なか・・・・・・・、」
主人公「ひえっ!」
メルク「どうしたのですよ!?」
主人公「いや、いまふさふさした何かが手を触って……、」
ティーグル「すまん、オレだ。」
メルク「みゅ、あなたの尻尾だったのですね!」
主人公「す、すみません。さっきは集中してたみたいなのに邪魔しちゃってましたよね……。」
ティーグル「かまわない。オレの方こそ、口で返事をしなくて悪かった。」
ティーグル「さっきは、後で用件を聞くから少しだけ待ってくれと尻尾を振って返事をしていたつもりだったんだが、こちらだとそれでは伝わらないのを失念していた。」
主人公「あっ、そうだったんですか!それで今は尻尾で引き止めてくれたんですね。」
ティーグル「それでオレに何の用だ?」
メルク「それなのですが、私たちの仲間になってほしいと頼もうと思ってたのです。」
ティーグル「仲間?」
主人公「俺たち、ある目的があってあちこちを旅してるんですけど、もしよかったら一緒に旅してくれないかと思って。」
ティーグル「そういうことか。それならちょうどいい。オレも行きたいところがある。」
メルク「そうなのです?では……!」
ティーグル「ティーグルだ、よろしく頼む。」
主人公「ありがとうございます、ティーグルさん!えっと、俺は主人公です。それからこっちは……、」
メルク「メルクなのです!こちらこそよろしくなのですよ~!」
ティーグル「そういえば、ティーグルさんには行きたいところがあるってことでしたよね。」
ティーグル「ああ。サバとアジが手に入る海へ行きたい。」
主人公「サバとアジ?あれ、よく見たら机にある紙にもその絵がかいてありますね。」
ティーグル「妹が食べたがっていてな。探しているんだ。」
メルク「妹さんがいるのですね~!でも、どうしてサバとアジなのです?」
ティーグル「前に外の国からの旅人がオレたちの縄張りへ来た時に、干したサバとアジをくれたんだ。海というとことでしか手に入らない魚らしい。」
ティーグル「妹はそれはたいそう気に入ったようで、夢にまで見るほど食べたがっていた。それでどうにかまた食べさせてやりたいと旅に出たんだ。」
主人公「なるほど、それでサバとアジを……。でも、それで旅に出るなんて妹さん想いなんですね。」
ティーグル「妹は水が苦手なのに魚を見ると川へ飛び込むような子なんだ。」
ティーグル「海というのは川よりももっと広く深いところだと聞くし、それならばオレが代わりにとってきてやった方がいいだろう。」
主人公「それはたしかに心配になるかも……。」
ティーグル「オレは泳ぎが得意だしな。妹が魚をとりに行くときも、いつも一緒に行っている。」
メルク「みゅ、仲がいいのですね~!」
ティーグル「ときどきやんちゃさについていけないこともあるが、年が離れているせいか、はらはらさせられてもかわいく思える。」
主人公「今は何歳なんですか?」
ティーグル「13だ。オレが5歳の時に生まれた。」
メルク「では、5歳差なのですね~。年が近いとケンカも多いと聞くのですが、それだけ離れていればそういうこともないのです?」
ティーグル「そうだな……、ケンカはしたことがない。妹がひとりでにスネて機嫌を悪くしていることは多い。」
主人公「な、なるほど……。そういう時はどうするんですか?」
ティーグル「こうだ。」
メルク「みゅ、尻尾がゆらゆらしてるのですよ!」
ティーグル「だいたいこれで尻尾に飛びついてきて遊びはじめる。そしてしばらくするといつのまにか機嫌がなおっている。」
主人公「おお……。尻尾で機嫌取りなんて動物の国ならではって感じがしますね。」
ティーグル「尻尾はなかなか便利だ。毛並みの手入れは大変だが……、さっきの小技がダメならこういうこともできる。」
主人公「うわっ!」
主人公「うおお、モフモフが!モフモフが顔をくすぐってくる!」
メルク「主人公さん、顔がとろけてるのですよ。」
主人公「なんてフカフカな毛並みなんだ……。人をダメにする……、俺はダメになる……。」
ティーグル「これで寝かしつければ、起きた時にはどうして拗ねていたのかすっかり忘れ去っている。」
メルク「ダメになりかけてた主人公さんを見た後なのです。ものすごく説得力を感じるのですよ……。」
メルク「実際にモフモフされてた主人公さんならもっと感じ……、」
主人公「くかー。」
メルク「……13歳と同じくあっさり寝かしつけられてるのですよ。」
ティーグル「寝かしつけた責任をもって、横になれるところまで運んでおこう。」
メルク「ちなみにそうやって尻尾で主人公さんを持ち上げるのも……?」
ティーグル「妹を運ぶときと同じだ。」
ティーグル「……筋肉量は妹の方が多いな。」
メルク「それは触れないであげてほしいのですよ。」
備考