「賭遊戯の女帝」フラヴィア

メルク「そういえば、ガルディさんとフラヴィアさんは腐れ縁と聞いたのですが、長いお付き合いなのですよ?」

フラヴィア「ええ、もう何年になるかしら……。ガルディとは、わたくしが今の仕事に手を出し始めた時に出会ったの。」

フラヴィア「知り合ったばかりのガルディは、ロレンツォやアスターみたいな初心で……、それから純粋で、それはそれは可愛かったのよ。」

フラヴィア「あの時はギャンブルもしてなかったし、お酒にも興味がないみたいだったわ。」

メルク「……それは本当にガルディさんなのですよ?」

主人公「初心で純粋で、ギャンブルもしてなくて、お酒も飲まないガルディさん……、うっ、頭が……。」

フラヴィア「んふふ、今からじゃ想像もできないわよね。あの頃のガルディは本当に可愛くて、それでわたくしも、ついつい構いすぎてしまったのよ。」

フラヴィア「そうしたら、いつのまにか慣れてしまって、それどころかあんな風にわたくしを毛嫌いするように……。ひどいわよねえ、人の顔を見るなり青ざめるなんて……。」

主人公(いったいどんな構い方をしたんだろう……)

フラヴィア「もう、そんな顔しないで?　ちょっと構いすぎちゃっただけなんだから。」

主人公「はあ……、」

フラヴィア「だけど、実は、弟の1人にも怖がられるようになってしまったのよねえ。それで構いすぎても駄目なのね、って気づいたのだけど……。」

フラヴィア「時すでに遅しで、ガルディもチェイス……、弟もすっかりわたくしを苦手に思うようになってしまって。」

フラヴィア「だから今は、あなたたちや、アスターにも構いすぎないよう気をつけているのよ。」

主人公「それなら、俺の真横ぴったりじゃなくて、ちょっと距離を置いて座ってもらっても……?」

フラヴィア「いいじゃない、これくらい。これでも我慢してるのよ?」

主人公「これで……!?」

フラヴィア「そうねえ、たとえば……、」

フラヴィア「ガルディの時は、根を詰めすぎていたから気分転換をさせてあげようと思って」

フラヴィア「サプライズで寝てる間に簀巻きにして、知り合いの別荘に連れて行ったし。」

主人公(なんて心臓に悪い気分転換だ……)

フラヴィア「弟の時は、好きな女の子に振り向いてもらうために、ビッグな男になりたいって言ってたから、わたくしのお友達に片っ端から会ってもらったわ。」

フラヴィア「ああでも、その後から女の子が怖いって言いだして、結局、その子に告白することもできなかったのだけれど……。」

メルク(フラヴィアさんの交友関係が逆効果に……!)

フラヴィア「だから、本当はあなたたちにもそうしたいところをこうやって一緒に座っておしゃべりするだけで我慢しているのよ。」

フラヴィア「まあ、ああやって怖がられるのも小動物みたいで可愛くて好きなのだけれど……。」

主人公「このままで大変結構です!」