「刺込む荊棘牙」マーガレット

主人公「ターネスさんが用事をすませてる間、マーガレットを預かることになったのはいいけど……、」

マーガレット「……。」

メルク「まだ、心を開いてもらえていないようなのですよ～。なんとかマーガレットさんと仲良くなって、ターネスさんのいない不安をなくしてあげたいのです。」

主人公「ええと、マーガレットはかまってもらうことと抱きしめてもらうことが好きだってターネスさんが言ってたな。」

メルク「でも、まだ仲良くなってない段階でそんなことをすれば余計に警戒されそうなのですよ。」

主人公「たしかに……、って、ん?　何か足元に液体が……、」

マーガレット「じゅる……、」

主人公「うわっ!　マーガレット、よだれ!　大量のよだれがここまで流れてきている!」

マーガレット「みずあめ……、」

メルク「みゅっ!?　な、なぜ私をそんな目で見るのですよ!?」

主人公「そうか!　さっきからこっちをうかがってたのはメルクがおいしそうに見えたからだ……!」

メルク「みゅわーっ!　私は食べられません、なのですよーっ!」

主人公「ほ、ほら!　お腹すいてるならグミやるからさ。もう少しで昼時だし、ターネスさんが帰ってくるまでちょっとだけ我慢しようぜ。」

マーガレット「おかし……!　……うん、ありがとう。」

メルク「今のお菓子でちょっとは慣れてくれたかもなのですよ～。」

主人公「この調子で仲良くなれるといいけどなぁ……、」

――――――――――――――場面転換――――――――――――――

主人公「さて、マーガレットへのお土産も買えたし、そろそろ帰るか。」

メルク「なのですよ。これでもっとマーガレットさんと仲良くなれるといいのですよ～!」

マーガレット「……、」

メルク「みゅっ、マーガレットさん!?　け、気配がしなかったのですよ……!」

マーガレット「みずあめ……。」

主人公「そうか、気配がしなかったのは獲物を狙ってたから……!」

メルク「その獲物は私なのですよ!?」

マーガレット「あー……、」

メルク「みゅわーっ!　た、食べられるのですよー!」

マーガレット「……!　が、がまん……、」

メルク「ま、マーガレットさん……っ!　私を食べずにいてくれるのですね……っ!」

主人公「偉い、偉いぞ……っ!」

マーガレット「……、」

主人公「あっ、ごめん。　頭を撫でられるの、嫌だったか?」

マーガレット「……。」

メルク「頭を寄せてくれてるのです!　きっと、撫でられるのも好きなのですよ～!」

マーガレット「……?　これなあに?」

主人公「ああ、これは、マーガレットへのお土産。　せっかくだから一緒にターネスさんのところまで帰るか。　それからこの絵本、読んでやるから。」

マーガレット「……!　うん!」

メルク「って、主人公さん!　マーガレットさんが裸足なのですよ!」

主人公「うわっ、ほんとだ!　しょうがない、抱えてやるからじっとしてろよ。」

メルク「ふ、不安しかないのですよ!」

主人公「お、俺だってこのくらいなら抱き上げられるから!」

マーガレット「きゃー!　ぐらぐらー!」

メルク「みゅわーっ!　マーガレットさんと私を落とす前に誰かに助けをもとめるのですよーっ!」

――――――――――――――場面転換――――――――――――――

紹介所のお姉さん「あっ、主人公くんたち!　マーガレットちゃんがあなたたちにこの間の絵本のお礼をしたいって!」

マーガレット「ぷれぜんと!」

メルク「みゅっ、あ、あの初めて会ったときは私を水あめとしか見てなかったマーガレットさんが……!」

主人公「俺たちにプレゼントを……!」

マーガレット「これ!」

主人公＆メルク「……。」

主人公(なんだろう、これ。グミっぽくて、なぜかビチビチ跳ねてるんだけど……)

メルク(そしてマーガレットさんの髪の毛がなんとなく短くなったような……。ちょうどこのグミらしきものの長さほど……)

主人公＆メルク(ここまで懐いてくれたのは嬉しいけど……、どうしよう……!)