「薬草追う銃士」オレガノ

＜町中＞

パン屋のおやじ「水色の髪と目をした男の人？　いや見てねぇな。」

主人公「そうですか……。」

＜森＞

村のお姉さん「いいえ、そういう人には会ってないわ。」

主人公「で、ですよね……。」

＜草原＞

主人公「オレガノさーん！　オレガノさんいませんかー！？」

主人公「……って、こんな人気のないところにいるわけ……、」

オレガノ「あれ？　主人公くん。こんなところで会うなんて奇遇だね。」

主人公「うわ、オレガノさん！？　こんなところにいたんですか！？」

オレガノ「あはは。驚かせちゃったね。ごめんごめん。」

主人公「俺、ずっとオレガノさんを探してたんですよ！　まさかこんな草原にいるとは……。」

オレガノ「いやあ迷っちゃってね。」

主人公「え？」

オレガノ「薬草を探してたらいつのまにか、ここにたどり着いてた。」

主人公「たどり着いてたって……。ここ、けっこう村から距離がありますよ！？」

オレガノ「あはは。僕、方向音痴みたいでね。」

オレガノ「今日みたいに薬草を探していて、気づいたら遭難してた、なんてことはしょっちゅうだよ。」

オレガノ「本当、自分でもびっくりしてしまうね。ははは。」

主人公「それ、笑えないです……。」

オレガノ「いやあ、何事も笑い飛ばしていかないとやっていけないって！」

主人公（オレガノさんって、だいぶ年上だからしっかりしてると思ってたんだけど、けっこう楽天家だな……）

主人公「えっと、手が泥だらけみたいですし、いったん紹介所に戻りましょうか……。」

オレガノ「そうだね。」

＜紹介所＞

オレガノ「ふう、主人公くんが探しに来てくれて助かったよ。じゃなきゃ、まだあの草原にいたはずだよ。」

主人公「そんな先行き不安になるようなこと言わないでください……。」

オレガノ「でも、いかにも良い薬草がありそうな草原だったろう？」

主人公「は、はあ……。」

オレガノ「ほら、これ。全部薬草なんだ。」

主人公「うわあ、すごい量ですね！？」

オレガノ「そうなんだ。色々な種類の薬草が生えていたから、嬉しくなってしまったよ。」

主人公「これ、全部効能が違うんですか？」

オレガノ「そうだよ。これが切り傷に効く薬草。これがやけどに効く薬草で、これが風邪に効く薬草。」

主人公「……オレガノさんって、実はお医者さんか何かなんですか？　ずいぶん薬草に詳しいですけど。」

オレガノ「いいや。友人は薬草に詳しい呪術医だけどね。」

オレガノ「その友人の手伝いで薬草集めをしていたら、いつのまにかのめりこんでいたんだ。」

主人公「へえ……！　そんなにハマるってことは、薬草収集って奥が深いんですね。」

オレガノ「そうだね。場所によって生える薬草も違うし……、」

オレガノ「効能がそれぞれ違っても、組み合わせることでまた新たな効果を発揮することもあるんだ。」

主人公「面白いですね、薬草って。俺、そういうこと、初めて知りました。」

オレガノ「僕も最初はそんなに興味がなかったんだけどね。ある時見つけた薬草がとてもめずらしいもので、なんだかテンションが上がっちゃったんだよ！」

オレガノ「それ以来、外に出るたびに薬草を探すようになったんだ。まあ、熱中しすぎて帰り道を忘れちゃうんだけど。」

主人公「いや、そこは覚えていてくださいよ……！」

オレガノ「よし、一息ついたし、また薬草探しに出かけるとしようかな。」

主人公「えっ。」

オレガノ「じゃあ、いってきま……、」

主人公「ま、待ってください！　俺も行きます……！」

オレガノ「……。」

主人公「あの、オレガノさん……？」

オレガノ「そうか！　主人公くんも薬草探しがしたいんだね！」

主人公「いや、オレガノさんがさっき道に迷ってたからついて行くんですよ！」

オレガノ「薬草収集仲間が増えるのは嬉しいなあ。このノリで薬草同好会でも作ろうか！」

主人公「って聞いてないし！」

オレガノ「よし、僕が同好会会長で、主人公くんが副会長だ！」

「それじゃあ、薬草の奥深さについて語りながら、山でも登りに行こうか！」

主人公「お、俺の話を聞いてください〜！」