「神々の義眼」レオナルド

レオナルド＆主人公「ただいま戻りましたぁ……。」

紹介所のお姉さん「おかえりなさーい。モンスターは無事癒せたかしら？」

紹介所のお姉さん「……って、きゃあ！？ふたりともボロボロじゃない！」

主人公「ちょっと手こずりまして……。あっ、けどレオナルドさんのおかげでなんとかなりました。」

紹介所のお姉さん「それは何よりだけど……、ちょっと待ってて。タオルとあとあったかい飲み物を持ってきてあげる。」

主人公「ありがとうございます……。」

レオナルド「すみません、ギルベルトさん……。」

紹介所のお姉さん「誰かしら、それ……？レオくんは相当朦朧としているわね。」

紹介所のお姉さん「すぐ持ってくるから、それまで座って休んでて。」

レオナルド＆主人公「はぁ～い……。」

メルク「お疲れ様なのですよ、ふたりとも。無事モンスターも癒せて一件落着なのです！」

主人公「だな。レオナルドさんのお陰でなんとかなったよ。」

主人公「本当にありがとうございます、レオナルドさん。」

レオナルド「いやいや、癒したのは主人公じゃないか。俺はそれを手伝っただけだよ。」

レオナルド「それにしても、すごいな。いつもあんなに暴れているモンスターを相手にしてるのか。」

主人公「まあ、実際に相手にしてるのは俺というより俺が癒す間に俺を守ってくれてる仲間なんですけど……。」

主人公「それに、レオナルドさんの世界の話を聞いてると、今日みたいなことも、まだ平和なうちなんだなあって思いました。」

メルク「少なくとも、世界が滅びる心配はないのですよ……。」

主人公「そうだ、うん！違いない！それと比べると十分平和だ！」

レオナルド「(事実だから否定できんな……)」

レオナルド「だけど度合いが違っても危険なもんは危険だよ。こうやって怪我もするし、下手すれば怪我以上のことになってたかもしれない。」

レオナルド「それを文句ひとつ言わずにこなしてるんだ。それってさ。誇っていいことなんじゃないか？」

主人公「い、いやいや、これは俺が自分の意思でやってることですし、文句だなんてとんでもない……！」

レオナルド「じゃあ、なおさら立派じゃないか。こんな危険な仕事を進んでこなすなんて、誰にでもできることじゃないって。」

主人公「んんん！　や、やめてください！俺が恥ずかしがるのを面白がって褒めてるんでしょう！」

レオナルド「ザップさんじゃあるまいし、そんな性格悪いことはしないって。」

レオナルド「いや、あの人は嫌がらせだとしても人を褒めたりはしないか……、」

レオナルド「とにかく、主人公はえらい。きっと誰に聞いたって同じ答えが返ってくるよ。」

メルク「それは私も同意するのですよ！」

主人公「む、むぐぐ……！でも誇っていいのはレオナルドさんもです！」

レオナルド「へっ、俺？」

主人公「毎日毎日、世界の危機と戦って！その合間には仕送りのためにバイト！え、えらいと思います！」

レオナルド「い、いや、それこそ俺が好きでやってることだし……、」

主人公「頑張りすぎて血も出たって聞きました！」

レオナルド「どこ情報だそれ！？」

主人公「クラウスさんから、レオナルドさんの頑張りを聞くたびに俺は涙が止まらなくて……、」

レオナルド「(あぁ、クラウスさんなら仕方ないか……)」

レオナルド「心配してくれてありがとな。その気持ちだけでまだ頑張れる……、」

主人公「少しは自分のために生きてください！」

レオナルド「いや生きてるよ！まさかそんなベクトルで心配されてるとは思わなかったわ！こっちはこっちで楽しんでるから安心して！」

主人公「そ、そうなんですか？」

メルク「でもヘルサレムズ・ロットは、常に危険と隣り合わせの危険な街なのでは……？」

レオナルド「どこもかしこも危険ってわけじゃないよ。観光客も結構いるしね。」

レオナルド「それに刺激的な場所だから割と楽しくて……、あぁ、これは口で言うより見てもらったほうがいいか。ちょっと待ってくれよ。カメラに写真があるはず……、」

メルク「みゅ～、レオナルドさんのカメラは、いつ見ても驚きの連続なのですよ……、」

主人公「写真を紙にしなくても見れるんだもんな。そのうえ、色付きだなんて……、うーん。技術の違いをひしひしを感じる。」

レオナルド「あはは、紙の写真もないわけじゃないけどね。あっ、この画像とかびっくりするんじゃない？」

主人公「うわっ、でかい！な、なんですかこれ！　モンスター！？」

レオナルド「ギガ・ギガフトマシフ伯爵。世界最大の『個人』だよ。」

主人公「人なんですか！？」

メルク「みゅ？こっちの方はキノコ……なのです？」

レオナルド「あぁ、それはネジ。向こうでの友達。」

メルク「みゅわ～！レオナルドさんはこういった方とも仲良しなのですね！」

主人公「あっ、これはライブラ……でしたっけ？その人たちですか？」

レオナルド「そうそう。特使の首を大使館に届けてさ。その打ち上げにシャワルマ食いに行ったんだ。」

レオナルド「あのときは俺の住居も爆破されてさ。もう本当に大変だったよ。あはははは……、」

レオナルド「はぁ……俺のエックスステーション。ハーフダイブ４……。」

メルク「唐突に負のオーラが出始めたのですよ！？」

レオナルド「ダブルエーックス……、ダブルエーックス……、」

主人公「よ、よくわからないけど元気だしてください！きっといいことありますって！」

レオナルド「お！　おお！ごめん、ちょっとショッキングな過去を思い出して……、」

主人公「尋常じゃない落ち込み具合でしたね……。やっぱり向こうでかなり無理をしているんじゃないですか？だ、駄目ですよ。無理やり楽しそうな振りをするのは！」

レオナルド「違う違う違う！本当にそれなりに楽しくやってるから！」

主人公「それならいいですけど……、」

メルク「でも確かに、写真に写っているレオナルドさんは、どれもこれも楽しそうな顔をしているのです！」

主人公「そうだな。写真を見て安心できたよ。」

レオナルド「俺は向こうで、どう過ごしてると思われてたんだ……。」

レオナルド「あっ、だけどこっちもこっちで楽しいよ。特に主人公たちと、モンスターを癒しにいくのは結構好きだ。」

主人公「えっ！そ、そうなんですか……？」

メルク「もしやレオナルドさん……。ヘルサレムズ・ロットの刺激的な日々を忘れられず、危険な場所に身を置いていないと落ち着かなくなるのでは？」

主人公「もう休んでいいんですよ！」

レオナルド「休むべきはそっちだよ！どれだけ精神病んでると思われてんだ！？」

レオナルド「そうじゃなくてさ。ライブラで仕事をするときは俺は基本的に後方で、仲間の姿は背中しか見ることができないんだ。」

レオナルド「だから隣に誰かがいるっていうのは結構新鮮でさ。肩を並べて……っていうのとは少し違うけど、誰かと同じ位置で戦えるのは悪い気分じゃないんだ。」

レオナルド「まぁ、お互いに後方支援だから戦うって感じじゃない……、」

主人公「レオナルドさぁん……！」

レオナルド「次はなんだ！？」

主人公「俺も！　俺も同じ気持ちです！」

メルク「後方支援組の美しき友情なのですよー！」

レオナルド「どわぁあああ！？やめて！　潰れるからぁあうわああ！？」

紹介所のお姉さん「お待たせ～……って、あら？」

レオナルド「ちょ、やめっ！あははははははっ、くすぐったい！この、やられっぱなしだと思うな！」

主人公「うわっ！？レオナルドさん！　そこは駄目です！あははははっ。くすぐったい！」

メルク「みゅみゅみゅ！落とさないように気をつけてほしいのですよー！」

紹介所のお姉さん「あらあら、うふふ。すっかり仲良しさんなのね。」