「朗湧かす水玉」ノア

＜紹介所＞

ノア「そ〜れ、波乗りだ〜！　ざぶ～ん！　ざぶぶ〜ん！　ざっざ～ん！」

「きゃっ、きゃっ！」

主人公「あ、ノア。……と、赤ちゃん？」

メルク「みゅ！　噂のベビーシッターのアルバイトなのです？」

ノア「うん、少しだけ見ててってお願いされてねー。ほーら、ベろべろ……ばぁー！」

「きゃっ、きゃっ！」

メルク「みゅ～、満面の笑顔なのですよ！」

主人公「さすが、あやすのがうまいな。」

ノア「えへへ、まぁね！　波乗りの練習以外は、アルバイトばっかりだったから。最近はね、友達のカキ氷屋でもアルバイトを……、」

「うう、ぐしゅ……！」

主人公「あ、泣きそうだぞ！」

ノア「おっとっと、大丈夫だよー。ほら、渦潮大回転！　ぐるぐるぐるー！」

「きゃっ、きゃっ！」

メルク＆主人公「おお……。」

ノア「ふふふー、赤ちゃんが喜ぶものは、どこの国でも大体一緒だねー。」

メルク「お見事なのですよ、ノアさん！　赤ちゃんもあっという間にご機嫌なのです！」

主人公「そのまま仕事に出来ちゃいそうだな。」

ノア「おぉ、ベビーシッターを仕事にかー……。考えたこともなかったけど、悪くないかもしれないね。あたしも、赤ちゃんは大好きだし！」

ノア「あ！　あ！　いいこと思いついた！　どうせならさ、赤ちゃんをあやしながら、カキ氷も作って波にも乗っちゃおうよ！」

ノア「そんなベビーシッターって、かなりクールじゃない！？　痒いところにも手が届くって感じ！」

主人公「い、いや、割と痒いところだらけだと思うぞ？　それぞれがほとんど噛み合ってないし……。」

メルク「それに波乗りに関しては、ノアさんがカナヅチを克服するまでは、難しいと思うのですよ……？」

ノア「い、言われてみればー……。ひとつずつに集中しなきゃね。反省反省。」

ノア「あ、でもさ！　水泳に関しては、ちょっとだけ上達したんだよ？」

メルク「みゅ！　そうなのです？」

ノア「ふっふっふ、楽しみにしてて！　この子のお母さんが来てくれたら、すぐに披露してみせるからさ！」

「あー、あうー！」

ノア「ふふふー、応援してくれてるのかな？　ありがとね、赤ちゃーん。」

「きゃっ、きゃっ！」

＜川辺＞

ノア「と、いうわけでー。」

ノア「来たよ、川辺に！」

メルク「以前はたどり着けなかった川辺に、とうとう！」

ノア「うん、来られたんだ！」

メルク「成長なのですよ～！」

ノア「でしょ？　でしょー！」

主人公（それは特にびっくりすることじゃない……っていうツッコミは、野暮だよな）

ノア「でも驚くにはまだ早いよ！　本番はここから……いざ、水の中へ！」

主人公「ご、ごくり……。」

メルク「みゅみゅみゅみゅ……！」

ノア「とりゃあー！」

メルク＆主人公「……！」

ノア「よいしょ！　よいしょ！」

主人公「お、おお……！」

ノア「い、息つぎ！　息つぎ！」

メルク「す、すごいのです！」

ノア「はぁー！」

主人公「溺れて……！」

メルク「いないのですよ！」

メルク＆主人公（水たまりだけど……！）

主人公「でも、成長は成長だ！」

メルク「もう雨の日も怖くないのです！　すごいのですよ、ノアさん！」

ノア「えへへー、それほどで……、」

「ごぼぼぼぼぼっ！」

メルク「ノアさぁーん！？」

主人公「い、今助けに……！」

「ご、ごぼぼ！　ま、待っ……ごぼぼ！　待って！　ごぼぼぼっ！」

主人公「ノア……！」

「あ、あたしは……！」

「あたしは、絶対波に乗るんだー！」

主人公「持ち直したー！」

メルク「驚異の大成長なのですよー！」

ノア「ぜひぃー！　ぜひぃー！」

主人公「すごい！　すごいぞ、ノア！　まさか水たまり相手に、ここまでやれるなんて！」

メルク「ちょ、ちょっと感動してしまったのです！　頑張ったのですね！　ノアさん！」

ノア「え、えへへー、まぁね。でも、あたしだけの力じゃないの。」

ノア「友達がね、仕事の合間合間で、練習に付き合ってくれてたんだ。色々アドバイスとかもしてくれてさ。」

ノア「そのおかげで、なんとか水たまりは克服できたよ。だからあたしがここまで成長できたのは、あの子が……モアナがいてくれたからなんだ。」

主人公「……そっか。」

メルク「良いお友達なのです！」

ノア「ふふふ、あとねー。モアナが練習の後に作ってくれるカキ氷が、頑張りつづけられた理由かなー。」

ノア「たーっぷりシロップをかけてくれてさ。どれだけ疲れてても、あれを食べると、明日もやろう！　って気持ちになれるんだよね。」

ノア「ふふふ、こうやってみると、モアナに助けられっぱなしだね、あたし。」

メルク「たしかに、モアナさんの助けもあってノアさんが成長できたのは間違いないと思うのです。でも……、」

主人公「実際に努力したのは、ノアだ。それも間違いないことなんじゃないか？」

ノア「……それもそっか！　うんうん、ちゃんと自信を持たなきゃだよね。」

ノア「プルメリさんも、自分に自信がなかったら、乗れる波だって乗れなくなるって言ってたし！　うん、ありがとう！　自分のことも褒めとくよ！」

ノア「よーし、これからも頑張るぞー！　モアナと、モアナのカキ氷！　それからあたし自身がいれば、あたしは無敵だー！」

メルク「その意気なのですよ！」

主人公「それじゃあ今日は、俺がご褒美を用意しようかな。」

ノア「うん？」

主人公「いや、ご褒美っていうのはおこがましいかな……。どっちかって言うと、お礼だ。」

主人公「ノアが頑張っている姿を見てたら、なんか俺も励まされちゃってさ……。だからお礼に、カキ氷を奢らせてくれ。」

ノア「ほんとにっ！？」

メルク「みゅみゅ！　そういうことなら、私もお金を出すのです！　最高のカキ氷をご馳走するのです！」

主人公「モアナさんみたいに、俺たちが作るわけじゃないけどな。それでもいいか？」

ノア「もっちろんだよ！　わぁーい！　こっちでもカキ氷を食べられるなんて！　うっれしいな！　うっれしいなー！」

主人公「あ、ノア！　あんまりはしゃぎすぎると……！」

「のあーっ！？」

主人公「言わんこっちゃない！」

メルク「か、川に落っこちてしまったのですよ！　主人公さん、助けないと……！」

主人公「……いや、待て！」

メルク「みゅ！？」

主人公「あれだけノアはレベルアップしたんだ。もしかしたら、これぐらいの小川なら……！」

メルク「た、たしかになのです！　ニューノアさんなら、楽々と泳いでしまうかも……！」

「ごぼぼぼっ！　助けてー、主人公ー！」

メルク「全然ダメなのですよぉー！？」

「ノ、ノアー！　今行くぞー！」

メルク「みゅ、みゅ〜。今後の成長に期待、なのですよ……。」