「天衝の二刃」ロレッタ

ロレッタ「ねえ、あなたが、護衛を依頼したっていう癒術師？」

主人公「ああ、君は依頼を受けてくれた……、」

ロレッタ「ロレッタ。契約内容は前にしらせた通り。

　　　　　それじゃ、顔あわせはこれで十分ね。」

主人公「え？話では他に仲間がいるって聞いてたけど……、」

ロレッタ「はぁ！？あたしだけじゃ不安っていうわけ！？」

主人公「い、いや、そういうわけじゃないけど……、

　　　　ロレッタは戦いに関しては一流だって聞いたし……、」

ロレッタ「ふん、よくわかってるじゃない。わたしはひとりで十分なの。

　　　　　誰かの手を借りずとも、護衛依頼くらいこなせるわ。」

主人公「そ、そうか……。」

ロレッタ「……そうよ、あたしはひとりで大丈夫なんだから。

　　　　　むしろ、ひとりの方が強くいられるの。それなのに……、」

主人公「えっと……、でも、ロレッタは『擦苦羅風』っていうところの

　　　　メンバーだったよな。」

ロレッタ「べ、別に、あのリーゼント男が勝手に引き入れただけだもん。

　　　　　あいつに借りを返すまで、ごっこ遊びに付き合ってるの。」

主人公「……、」

ロレッタ「な、なによ、その目はぁ！」

主人公「いや、その割にはこないだ誰かにお土産買ってるのを見たなって……。」

ロレッタ「ぐっ……！あ、あれは！単なる礼儀！

　　　　　あなただって、住んでる家の大家には粗品渡すでしょ！」

主人公「俺は借家じゃないから、わかんないけど……。」

ロレッタ「ああもう！どっちでもいいわよ！」

ロレッタ「とにかく、別にあいつらが仲間だからお土産を買ってたとかそんなんじゃないんだから！

　　　　　あたしの本当の仲間は、このフタバちゃんだけ！」

主人公「フタバ？」

ロレッタ「刃が2つあって、ギミックで開いたり閉じたりするから、フタバ(二刃)ちゃん！」

主人公「なるほど……。」

ロレッタ「それくらい説明しなくてもあいつらはわかってくれ……。

　　　　　……うう～っ！」

ロレッタ「だいたい何よ！勝手に人のプライバシーを見ないで！

　　　　　ばかさいてーすとーかーおとこ！」

ロレッタ「じゃあねっ！」

主人公「あっ、ちょっ！」

ロレッタ「受けた仕事はちゃんとするわよ！ふん！」

ロレッタ「うう～っ！」

ロレッタ「ばか！ばか！ばか！

　　　　　あたしとしたことが、いつの間にか馴れ合いそうになってた！」

ロレッタ「なによ、お土産なんか買って！

　　　　　仲良くなってどうするのよ！弱くなるだけよ！」

ロレッタ「……、」

ロレッタ「でも、お土産に非はないし、物は大事にしなくちゃ……。

　　　　　今回だけ、あいつらにおくってあげよう。」

ロレッタ「……今回だけ。今回だけなんだから！」